NATURE DIARY

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20090920 秋の諏訪散歩:憧れのアカジマトラカミキリ

Nature Diary #0281
Date: September 20th (Sunday), 2009
Place: Nagano Pref.
Weather: Fine



§ Diary §

日曜日の朝起きてみると快晴無風。

そういえば、昨日(土曜日)から5連休の シルバーウィーク(SW) なので、帰省や行楽目的の車で高速道路がオーバーフローしているに違いない。案の定、ニュースを見ると中央道はすでに所々でスタックしているみたいだ。でも、甲府に住む虫林には、渋滞の影響はさほどなさそうなので、家内を誘って諏訪までドライブに出かけた。


この季節、収穫期を迎えた稲田は黄金色に輝いている-----「黄金の国ジパング?」

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.....黄金色の稲田 (9月20日、高根町)

..........Harvest time
........ Panasonic DMC LX3, DMW-LW46, ISO100



アカジマトラカミキリ; Akajimatora bella bella

今日の目的はトラカミキリの 美麗種アカジマトラカミキリ の撮影だ。このカミキリは晩夏から秋に出現し、ケヤキの太い木に来集するが、かなり局所的な分布をしめすようで見つけることは容易ではない。虫林も自宅近くのケヤキ林で何度か探したが、まだ見つけたことは無い。

目の上のタンコブならぬ目の上のアカジマトラなのだ。

教えていただいたポイントがある諏訪方面に行く前に、県内のある場所に寄り道した。そこは大きなケヤキの木がご神木になった神社で、残念ながら、アカジマトラは不在だったが、その木の大きさには驚いた(幹周囲12m以上)。まるでトトロでも出てきそうだね。

家内にたのんで巨木の横に立ってもらい撮影した。

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ケヤキの巨木 (9月20日、北杜市)

...... A great tree of Zelkova in old shrine
..... Panasonic DMC LX3, ISO100


昼食を食べてから現地に向かったので、ポイントに到着したのは午後1時くらいになった(アカジマトラの活動時間は午後のはずなので遅くはない)。

早速、アカジマトラを探して大きなケヤキの木を一本一本丁寧に見て歩いたが、残念ながら見つけることが出来なかった。そこで、この場所はもう一度訪れる事にして、すぐに、近くの別なポイントに移動した。

別ポイントにあるケヤキの木は小さくて若いものが多い。
なので、それほどの期待もしないで、何気なく目の前の幹に目をやった-------なんとそこには赤い縞のトラカミキリが歩いているではないか。
そう、紛れも無いアカジマトラカミキリだ!

やっと見つけた本種はとても立派で、とても大きくて、とても綺麗で、とても鮮やかで、とても可愛くて、とてもさわやかで----ンート、もう褒め言葉は無いか。

しばらくの間注視していると、このカミキリは嬉しいことに目の高さの幹まで降りてきてくれた。

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アカジマトラカミキリ (9月20日、諏訪)

...... A long-horned beetle, Akajimatora bella bella, on the tree trunk.
.....Olympus 510, ZD8mm, EC-14, FL36R (+)


PanasonicのLX3は3種類の画角が使用できる(4:3, 3:2, 16:9)。そこで、ためしに3:2と16:9で画像を組み写真にしてみた。今回のものはただのテストケースだが、16:9のパノラマモードを縦位置で撮影して組み写真を撮影すればおもしろそうだ。

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アカジマトラカミキリ (9月20日、諏訪)

...... A long-horned beetle, Akajimatora bella bella, on the tree trunk.
..... Panasonic DMC LX3, ISO100


良く見ると幹の別の場所でもう一頭の個体を見つけた。両方とも触角の長さから♀のようだが、体色が少し異なっている(1頭は赤色、他の1頭はオレンジ色)。

両方の個体が何とか画面に入るように後ずさりしながら撮影した。

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2頭のアカジマトラカミキリ (9月20日、諏訪)

...... Two long-horned beetles, Akajimatora bella bella, on the tree trunk.
.....Olympus E-3, ZD50mm, EC-14, ASA400、トリミング


さらに近くの葉の上で、もう1頭のアカジマトラを見つけた。そこは最初に見た時にはいなかったので、撮影している間にどこからか飛来したのだろう。

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葉上に静止したアカジマトラカミキリ (9月20日、諏訪)

...... A long-horned beetle, Akajimatora bella bella, resting on the grass.
.....Olympus E-3, ZD50mm, EC-14, ASA400


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アカジマトラカミキリ (9月20日、諏訪)

...... A long-horned beetle, Akajimatora bella bella, resting on the tree trunk.
......Olympus 510, ZD8mm, EC-14, ISO100, FL36R (+)


アカジマトラがいた部位は、直射日光が当たらない半日陰部分だった。絞りを入れるために、ASA400でストロボを用いて撮影した。

通常、トラカミキリは日中に活動するが、アカジマトラは夕方に活動するみたいだ。また、一般的なトラカミキリの仲間の動きは落ち着きがなく敏感で素早い。それと比較すると、アカジマトラの動きはとても遅くて撮影が楽だ。

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アカジマトラカミキリ (9月20日、諏訪)

..... A long-horned beetle, Akajimatora bella bella, resting on the tree trunk.
.....Olympus E-3, ZD50mm, EC-14, ISO400, FL36R (+)


アカジマトラを横から撮影したものだが、見てわかるとおり、鞘翅ばかりでなく腹部の方まで赤い縞がはいっているのが面白い。

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アカジマトラカミキリ (9月20日、諏訪)

. .... A long-horned beetle, Akajimatora bella bella, resting on the tree trunk.
..... Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO400, FL36R (+)


幹の上のアカジマトラを観察していると、樹皮の割れ目などに産卵していた。

アカジマトラカミキリはケヤキの枯死部や衰弱部に産卵すると思っていたので、太い幹の樹皮下に産卵するとは意外であった。

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アカジマトラカミキリの産卵 (9月20日、諏訪)

..... A long-horned beetle, Akajimatora bella bella, ovipositing on the trunk
..... Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO400, FL36R (+)



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拡大:アカジマトラカミキリ(9月20日、諏訪)

. ....
A high-power view of long-horned beetle, Akajimatora bella bella on the trunk
..... Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO400, FL36R (+)


サビカミキリの仲間などでは驚くと擬死姿勢をとることがあるが、トラカミキリでは少ないみたいだ。アカジマトラは擬死姿勢をとることが知られている。

そこで、アカジマトラの傍を手のひらで叩いてみると、写真のように手足を縮めて擬死姿勢をとってくれた。擬死姿勢のままでいるのは10秒程度だった。

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擬死:アカジマトラカミキリ(9月20日、諏訪)

. ....Death mimicry of long-horned beetle, Akajimatora bella bella
..... Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO400, FL36R (+)

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§ Afterword §

今回は、目がふしあなでは無い 「ふしあな日記」Spaticaさんに、ポイント情報も含めてお世話になった。Spaticaさんによれば、アカジマトラは神出鬼没で、あるとき出現しても、あるときは全く見ないという。

今回は3頭も発見できたのでラッキーだったのかもしれない。

諏訪には「古畑」という名前の鰻屋があって、家内と諏訪を訪れたときにはよく立ち寄る。ここのうな重は柔らかくて美味いのだ。

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アカジマトラカミキリは昔から虫林の憧れの虫だったが、今回、Spaticaさんのおかげでやっと撮影できてとても嬉しい。同じような環境は甲府市内にもあるので、これから市内でも探してみようと思う。


以上、 by 虫林花山
Commented by himeoo27 at 2009-09-22 09:27
ウナギも美味しそうですね!

カミキリムシの仲間は形状、ヒゲの長短、上翅の模様等々が
多彩で何時もながら奥が深いと感心いたしました。
Commented by banyan10 at 2009-09-22 21:53
これまた魅力的なカミキリですね。
一度見てみたいです。
埼玉あたりでも可能性あるのでしょうか。
Commented by dragonbutter at 2009-09-22 22:09
こんばんは。カミキリは全くの素人ですが、これはまたきれいなカミキリですね。なんかルリボシカミキリを赤くしたような。
とても楽しく拝見しました。
Commented by 虫林 at 2009-09-23 07:00 x
ヒメオオさん、
コメント有難うございます。
諏訪湖の周りにあるここのお店の「うなぎの蒲焼」は、結構美味ですよ。我が家では、諏訪湖方面に行くと、ここの蒲焼を食べるのが楽しみになっています。一度お試しあれ。

チョウの場合は、飛んでいるのを見て、その存在を認識できる事が多いのですが、カミキリムシは飛び出すことはほとんど無いので、自分で見つけに行かなければなりません。そこが大きく違いますね。
Commented by 虫林 at 2009-09-23 07:13 x
banyanさん、
アカジマトラカミキリは分布が局所的(希少性)で、色彩が鮮やかなので、カミキリ愛好者の間ではとても人気があります。
僕も長い間憧れてきましたが、やっと撮影できて嬉しいです。
このカミキリムシは東京でも埼玉でも記録はあると思います。でも、非常に局所的なので、発見はなかなか難しいでしょう。でも、発見したら素晴らしいですよ。
Commented by 虫林 at 2009-09-23 07:18 x
dragonbutterさん、
コメント有難うございます。
ルリボシカミキリを赤くしたようなカミキリは実際にあります。フェリエベニボシカミキリ、ベニボシカミキリといいまして、沖縄の森林で見つかる稀なもので、カミキリ屋の間では垂涎のものです。アカジマトラカミキリはもっと身近なのモノですが、これがなかなか見つけることができない曲者なんです。今回、Spaticaさんに教えていただき、見ることができて嬉しかったです。
Commented by spatica at 2009-09-23 22:01 x
こんにちは。
アカジマトラ撮影おめでとうございます。
前日に私も探していたのですが、虫林さんの見つけた木はチェックしていませんでした。
きちんと木を見つけることが出来たのは間違いなく虫林さんの観察眼の賜物ですよ。
何事も先入観を捨ててみて回るのは大切ですね。
翌日私も行って撮影しましたが、虫林さんぐらいバリエーションを持たせて撮影しておけばよかったと反省しきりです。
Commented by thecla at 2009-09-23 22:22 x
アカジマトラカミキリ、始めて拝見しましたが、中々派手なカミキリですね。
うなぎも美味しそうです、そういえば、今年は遠征中の予定が大きく狂いうなぎを食べる予定が流れてしまったっけ。
Commented by kmkurobe at 2009-09-23 22:54
うーんうーんいいなあ・・・・・確かに秋のカミキリですものね。
来年は是非ご一緒させてください・・・・・
赤いカミキリはいいですね・・・・ベニボシカミキリも大好きです。
山梨は個体数が多いとは聞いてましたが、材ではなくて野外で観察できるとは・・・・・うらやましいかぎりです。
Commented by maeda at 2009-09-24 06:07 x
これはなかなか強烈な色調のカミキリですね。
私でも見ると手にしてしまいそうです。もともと南方系でしょうか。
Commented by chochoensis at 2009-09-24 20:07 x
虫林さん、この「アカジマトラカミキリ」・・・凄くきれいなので唖然としました・・・珍しい=トラカミキリ=なのですね!素晴らしいです!!!おめでとうございました。
Commented by 虫林 at 2009-09-24 20:24 x
Spaticaさん、
アカジマトラカミリは以前から探していたのですが、うまく発見できませんでした。今回はSpaticaさんのお陰で撮影することができて、感謝しています。有難う御座いました。
このカミキリの撮影はなかなか雰囲気をだすのが難しいので、色々と試してみましたが、やはりオーソドックスに撮影するのが良いですね。
有難う御座いました。
Commented by 虫林 at 2009-09-24 20:26 x
theclaさん、
有難う御座います。
アカジマトラカミキリは秋に発生しますが、地味なカミキリムシの中ではかなり派手な種類です。
諏訪のうなぎはなかなかのものですよ。諏訪方面に行かれる機会もあるかと思いますが、お試し下さい。
Commented by 虫林 at 2009-09-24 20:30 x
kmkurobeさん、
暖かいコメント有難う御座います。
カミキリムシは材での飼育が今は簡単ですが、やはり野外で見つけることに価値があるように感じています。
アカジマトラカミキリは神出鬼没で、今年はいても来年に発見できるかどうかわかりません。でも、来年も撮影してみようと思っていますので、その時はご一緒できれば嬉しいです。諏訪は白馬からだとそれほど遠くはないのでそちらからもアクセスしやすいですから。
ベニボシはさらに難易度が高いですし、南国のカミキリなのでこれから先あえるかどうかかなり疑問です。
Commented by 虫林 at 2009-09-24 20:34 x
maedaさん、
コメント有難う御座います。
アカジマトラは東北地方(岩手県)でも見ることができますので、南方系というわけでもなさそうですが、残念ながら北海道には分布しないようです。綺麗なカミキリムシなので、是非とも撮影したいと思っていた種類でした。今回うまく撮影できて嬉しいです。
Commented by 虫林 at 2009-09-24 20:39 x
chochoensisさん、
コメント有難う御座います。
Spaticaさんの情報のお陰で撮影できました。以前からあこがれていたカミキリなので、今回撮影できたときは感激しました!
アカジマトラカミキリは非常に鮮やかな色彩をもったカミキリムシで、山梨県でも分布していますが、なかなか発見できませんでした。来年はもっとがんばって山梨県でで撮影したいと思っています。カミキリムシの仲間では、分布は限局して、習性も特異的なので、発見は簡単ではない種類と思います。
Commented by アッキーマッキー at 2009-09-24 22:25 x
虫林さん、こんにちは
アカジマトラもきれいですね。なんか模型の様な質感がありますね。拡大写真を拝見すると、背中にも毛が密生しているように見えますが、そうですか?
諏訪の鰻もうまそうですね。三島の鰻もうまいですよ。ぜひ一度遊びにおいで下さい。
Commented by 霧島緑 at 2009-09-24 23:28 x
赤と黒の配色バランスが良い、魅力的な種ですね。
虫林さんがしばしばレポートしてくれるカミキリムシの記事を拝見していると、その魅力に目覚めてしまいそうです。
Commented by ainomidori443zeph at 2009-09-25 20:41
赤いカミキリは南方のベニボシカミキリしかいないと勝手に思っていましたが、意外と近くにもいたのですね。しかも真っ赤で綺麗ですね。これは見てみたいです。
Commented by 虫林 at 2009-09-26 07:43 x
アッキーマッキー さん、
コメントありがとうございます。
アカジマトラは鮮やかでとてもきれいなカミキリです。カミキリ屋の間ではなかなか人気があります。
拡大してみると、毛は体中に密生しています。
三島のウナギもおいしそうですね。是非ともいつか食べてみたいな。
その時はよろしくお願いします。
Commented by 虫林 at 2009-09-26 07:46 x
霧島緑さん
ありがとうございます。
カミキリは多様で、いろいろと面白いですよ。アカジマトラは以前から撮影したかったのですが、分布が非常に局地的で、なかなか見つけることができませんでした。9月中旬くらいが最盛期ですから出現期もユニークです。カミキリムシは魅力的ですよ。
Commented by 虫林 at 2009-09-26 07:51 x
愛野緑さん、
ありがとうございます。
ベニボシカミキリ、フェリエベニボシカミキリは奄美や沖縄に産します。とても珍しいカミキリムシなので、マニア垂涎の種類ですね。小生も一度は撮影してみたいカミキリムシです。アカジマトラも美しいので、もう少し注目されてもよいかと思います。
アカジマトラは小生も今回初めて見て感激しました。
Commented by clossiana at 2009-09-26 15:06
私の場合は褒め言葉の最上級は「カッコイイー」か「スゲー」です。いずれにしてもありとあらゆる褒め言葉を動員しても足りないくらいのカミキリですね。アカジマトラカミキリの撮影おめでとう御座います。
Commented by fanseab at 2009-09-26 21:58
大幅に出遅れましたが、アカジマトラ撮影おめでとうございます。このカミキリの属名がAkajimatoraとは痛快ですね。Anaglyptusが正しいのかもしれませんが、和名=属名の方が虫屋の心をくすぐります。種名のbellaもラテン語の「美しい」由来でしょう。本当に美しいカミキリだと思います。一度みてみたいなぁ!ケヤキが急に気になりだしますね!

Commented by 虫林 at 2009-09-27 07:12 x
clossianaさん、
有難うございまいます。
長いこと撮影したかったアカジマトラカミキリですので、とてもうれしいです。とにかく、フォトジェニックなきれいなカミキリムシです。
でも、いつか山梨県内(生息地はかなりあるみたい)でも見つけてみたいです。
Commented by 虫林 at 2009-09-27 07:18 x
fanseabさん、
コメントありがとうございます。
Akajimatoraという属名に気づかれましか。面白いですよね。おっしゃるとおりで、Anaglyptusがより一般的かもしれませんが、どちらも使われるみたいです。
bellaが美しいという意味だとは知りませんでした。貴重なコメントありがとうございました。
by tyu-rinkazan | 2009-09-22 08:52 | Comments(26)