NATURE DIARY

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20090923 秋の河原散歩:シルビアシジミ他

Nature Diary #0282
Date: September 23rd (Wednesday), 2009
Place: South Alps-shi, Yamanashi Pref.
Weather: Cloud and Fine



§ Diary §

本日は午後からシルビアシジミのポイントを一人で散歩してみた。
今年はこれが初めてのシルビア撮影になる。


柘榴(ザクロ)の実; Pomegranate tree

子供の頃、近所の家の庭に大きな柘榴の木があった。

秋になるとその木はオレンジ色の実を沢山つけてとても綺麗だった。しかし、何かの本で柘榴の実は人肉の味という文章を読んで以来、子供心に柘榴には変な恐怖感を持つようになった。そして、毎年秋になると柘榴の木を避けるように歩いたものだ。

先日、スーパーの食料品売り場で大きな柘榴の実が販売されていた(多分、カルフォルニアあたりからの輸入もの)。しかし、虫林はどんなにおいしそうに見えても、石榴の実を食べる気がしない。だって----ね。

三つ子の魂百まで---ではないが、子供の頃の記憶は大人になっても消えないものだ。

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柘榴(ザクロ)の実 (9月23日、甲府市)

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Fruits of pomegranate tree
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO200, FL-36R (+)



シルビアシジミ; Lesser Grass Blue

虫林以外に誰もいない広い河原の土手をゆっくりと歩いた。すでに9月も半ばを過ぎているのに、まだ夏の厳しさを残した日差しは容赦なく虫林を照りつける。

うーむ、それにして暑い。

そういえば、せっかく新調した帽子を車の中に置いてきた-----なんてこった。虫林はいつも大事な時に大事なものが無いような気がする。おっちょこちょいでそそっかしいのは生来のことなので、仕方がないと諦めるしかないか。

思えば、昨年ここを訪れた時には、暑さ対策として「ゴルフ用の傘」を日傘として持参した。こんな場所では小さな帽子よりも、できるだけ面積の大きい傘が有用だ。

しばらくしてやっと1頭の小さなシジミチョウが足元から飛び出して近くの草に静止した。

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河原の草上に静止するシルビアシジミ♀ (9月23日、南アルプス市)

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A female of Lesser grass blue resting on the leaf.
Olympus E-510, ZD8mm, EC-14, ISO200、外部ストロボ


その小さなシジミチョウはあまり飛ぶことも無く葉の上で静止してくれた。さっそく、ファインダーを通して翅裏の紋の並びを一応確認してみる。

ウーム、やっぱりシルビアだ。今年も会うことができて良かった。

突然、ラジコンの飛行機を持った男性が、満面の笑みを浮かべながら近寄ってきた。
ラジコン氏  「何を撮っているのですか?」
虫林     「シルビアシジミというチョウを撮影しています」
ラジコン氏  「チョウなら先日も網を持った人がけっこう来ていましたよ」
虫林     「---------」

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シルビアシジミ♀ (9月23日、南アルプス市)

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A female of Lesser grass blue resting on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO200


このシルビアシジミのメスは、虫林の前で恥ずかしいのか、人見知りをしているのか、体の調子でも悪いのか、それとも機嫌が悪いのか、まったく翅を開いてくれなかった。

でも、しばらくすると、エノコログサの穂の上で、角度にすればたかだか10度くらいではあるが、おもむろに翅を開いてくれたので、その瞬間を逃さずに何とか撮影。その後もこの個体を追跡したのだが、これ以上はついぞ翅を開くことがなかった。

まあ、こんなこともあるさ。

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シルビアシジミ♀ (9月23日、南アルプス市)

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A female of lesser grass blue
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO200


エノコログサの穂の上のシルビアを撮影していたら、オスが突然乱入してきて求愛を始めた。メスは翅を震わせて拒否を示しているようだ。

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シルビアシジミ求愛(9月23日、南アルプス市)

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A courtship behavior of lesser grass blues
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO200


メスが別の場所に移動してもオスは求愛を繰り返していた。

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シルビアシジミ求愛(9月23日、南アルプス市)

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A courtship behavior of lesser grass blues
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO200、トリミング


シルビアシジミは良く2頭でからむような飛翔をする。オスとメスの組み合わせなので、たぶん求愛飛翔といってよいと思うが、多くの場合、その後の交尾は成立しないのだ。

となれば、求愛拒否飛翔と呼ぶべきかな。

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シルビアシジミ求愛飛翔(9月23日、南アルプス市)

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A courtship flight of lesser grass blues
Olympus E-3, ZD8mm, EC-14, ISO200、トリミング



ウラナミシジミ; Pea Blue

9月も中旬を過ぎると、ウラナミシジミやイチモンジセセリの数が急激に増えてくる。

このチョウたちは南から渡ってくる旅人いな旅チョウだが、ここ山梨県に渡ってきた大部分のチョウ達は冬を越せずに死んでしまう運命なのだ。

無邪気に飛び交うチョウたちをゆっくりと楽しもう。

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ウラナミシジミ(9月23日、南アルプス市)

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A pea blue feeding on the flowers.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO200



ベニシジミ交尾; Small Copper

ベニシジミの交尾を見るのは初めてのような気がするが、あまりに身近なチョウなので、交尾シーンを見た記憶さえも曖昧なのだ。いかん、脳の神経細胞がかなり脱落したようだ。

ヨーロッパや内モンゴルを訪れてみると、ベニシジミの仲間が結構気になる。日本と同じSmall copper を異国でみると妙に懐かしくなったりもするのだ。

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ベニシジミ交尾(9月23日、南アルプス市)

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A mating of small copper
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO200



エビガラスズメAgrius convolvuli

日中なのに足もとから大きなスズメガが飛び出して、直線的に20mほど飛翔した後、地面に静止した。走り寄ってみると複雑な模様が有してなかなか立派なので撮影した。

蛾に詳しくないので、図鑑で調べてみると、どうやらエビガラスズメというらしい。

エビガラスズメは広く分布するスズメガで長さ10cmにおよぶ長い口吻で吸蜜するらしいが、何時か10cmの口吻で吸蜜している姿を見てみたいものである。

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エビガラスズメ(9月23日、南アルプス市)

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A male of moth, Agrius convolvuli
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO200



クダマキモドキ; Holochlora japonica

クダマキモドキをハンノキの葉上で見つけた。

クダマキ+モドキという名前は、「酔っぱらってクダをまく人に似ている虫」の意味-------ウソ、漢字では「管巻」で、機織りの部品の一部らしい。


体色と葉の色とが絶妙にマッチして、よく見ないとそこに虫がいるのに気づかないくらいだ。このムシはクツワムシに近縁だが、クツワムシが地面の草で棲息するのに対して、クダマキモドキは樹上性で地面に降りることがない。

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クダマキモドキ(9月23日、南アルプス市)

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A grasshopper, Holochlora japonica, resting on the tree leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO200



カツオゾウムシ; Lixus impressiventris

イタドリの花をみてみたが、興味ある昆虫を見ることができなかった。しかし、葉の上をみると、点々とカツオゾウムシが静止していた。活動性の高い時期には、カツオゾウムシはすぐに落ちてしまうか、葉の裏に隠れてしまう。

しかし、本日は動きも鈍くてゆっくりと近接撮影させてもらった。

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カツオゾウムシ(9月23日、南アルプス市)

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An elephant beetle, Lixus impressiventris, resting on the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ISO200



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§ Afterword §

9月13日付の読売新聞の1面に、環境省によるオガサワラシジミの人工飼育失敗の記事が載った。その記事によれは、オガサワラシジミはかなりクリティカルな状態(まるでトキみたい)みたいだ------大新聞がやたら世論をあおるのはどうかなとも思う。このチョウの保全はもっと科学的かつ冷静に取り組むべきだ。

でも、今まで昆虫(チョウ)について保全が問題視されることはあまりなかったので、今回のこの記事がチョウの保全活動のブレイクスルーになればと願う。


そろそろシーズンも終盤にさしかかり、撮影できるチョウや昆虫も限られてきた。少し寂しくなったが、観察できる昆虫たちを丁寧に撮影できるというメリットもある。とくに撮影技術を磨いたり、新しく揃えた撮影機材を試したりするには最も良い時期かも知れない

秋を楽しもう!



以上、 by 虫林花山
Commented by furu at 2009-09-27 09:09 x
私は午前中に行っていたのですれ違いでしたね。シルビアは1匹しか見つかりませんでした。去年と大違いです。
例のミヤマシジミのポイントにも行きました。夕暮れ時だったのでこちらも1匹しか見つかりませんでしたが、とりあえず生き残っていたのでほっとしました。
Commented by ヘムレン at 2009-09-27 15:25 x
シルビアシジミ・・・残っていてほしいですね。
網を持った人!?・・う~ん、困り者ですね(><)。。
カツオゾウムシ!・・鰹節そっくり!(**)。。驚きました。
↓アカジマトラカミキリ・・綺麗ですね。ケヤキの大木を見たら、是非探してみたいものです。
諏訪のうなぎ・・・美味しいですよね。昔、よく「小林」さん(だったかな?)に足を運びました(^^)。。
Commented by maximiechan at 2009-09-27 22:33
ちらっと覗いた青が濃いですね。当日は暑かったようですが、季節が確実に進行しているのを実感させられるメスの青さです。
栃木のシルビア・・・1化はネットマンに取り尽くされたのではと思うほど少なかったけど、2化、3化は多数確認できました。
Commented by onionbugs at 2009-09-28 01:07
さようなら
私は韓国での写真を学ぶ学生だよ
日本語がうまくできなくても理解してくれ
あなたのブログでgyorome - 8レンズに関する記事見たよ
あまりにも素敵な写真と文を見て、私もそのレンズが持ってみたいと思って
このレンズを購入する方法を教えてるの?
販売するサイトを知らせて
Commented by 蘭丸 at 2009-09-28 06:05 x
▼虫林san、おはようございます。
 シルビアの求愛飛翔、とても美しいですね。何時までも残ってほしいと願います。
 ネットマン全てが悪いとは思いませんが、必要以上の採集は慎んで欲しいと私も思います。
Commented by ダンダラ at 2009-09-28 12:27 x
今年もシルビアは無事発生しているのですね。
相変わらずネットマンもですね。
全開もいいですが、このくらい開いた状態もアングルによっては迫力が出ていいですね。

Commented by kmkurobe at 2009-09-28 19:14
このくらいの半開翅が一番風情があるような。シルビア独特の複眼が綺麗に描写されていますね。美しい・・・・・
Commented by himeoo27 at 2009-09-28 21:16
ベニシジミは、ほぼ1年中数多く観察出来るチョウで
私も大好きな1種ですが、まだ交尾シーンは見たこと
がありません。
色々な蝶の楽しみ方があると思いました。
Commented by 虫林 at 2009-09-29 11:20 x
furuさん、
コメント有難う御座います。
すれ違いで残念でした。たしかに今年はシルビアシジミの個体数が少なくて驚きました。ミヤマシジミの方も確認してくれたのですね。有難う御座います。これからも生き残ってほしいですね。
Commented by 虫林 at 2009-09-29 11:23 x
ヘムレンさん、
有難う御座います。
あしかにいわれてみればカツオゾウムシはカツオブシに似ていますね。
アカジマトラカミキリは本当にユニークなカミキリですので、もっと人気がでても良いかと思います。今回、やっと撮影できて嬉しいです。
諏訪湖の蒲焼は「古畑」も結構いけますので、お試しあれ。
Commented by 虫林 at 2009-09-29 11:27 x
maximiechanさん、
コメント有難う御座います。
栃木のシルビアの環境も見てみたいですね。興味あります。
そちらは2化、3化が沢山したようで良かったです。こちらは、昨年はこの時期でも結構な数が見れたのですが、今年は数がかなり少ないようで、少し心配しています。この蝶は、飛翔力が弱いので、見つかれば採集されてしまいますので-----。
Commented by 虫林 at 2009-09-29 12:01 x
onionbugsさん、
販売はフィット社で ホームページアドレスを書くと、スパムコメントとして認識されてしまいます。販売しているフィット社のメールアドレスを書きますので、そこに連絡してみて下さい。
fit@fit-movingeye.co.jp

同時にレンズに装着できるアダプターも必要になるでしょう。コンパクトデジカメ(100mm程度の望遠ができる)あるいは一眼でも撮影できます。
僕は一眼で撮影していますが、条件は、Olympus E-3, ZD50mmMacro, EC-14(Telecon)、f20-30、露出補正マイナス20-30、内蔵フラッシュ(+)、自作ディフューザー、ASA400です。

わからない点があれば、遠慮なく質問して下さい。
Commented by 虫林 at 2009-09-29 13:13 x
蘭丸さん、
コメント有難う御座います。
僕もネットマンがすべて悪いとは思いません。でも、やは飛翔力が弱くて少ない種類の採集はあまり歓迎できませんね。10頭を採集しても、10人では100頭にもなってしまいますので、かなり危険ですね。お互いのためにルールを守って楽しみたいものです。
Commented by 虫林 at 2009-09-29 13:16 x
ダンダラさん、
有難う御座います。
ヤマトはすぐに全開しますが、シルビアはなかなか開いてくれないときがありますね。今回はこのくらいがやっとでした。ここのメスは青い部分が多くて僕は好きですが、もう少し見たかったなあ。
来年はもっと沢山のシルビアを見れると良いですね。その時はまたご一緒しましょう。
Commented by 虫林 at 2009-09-29 13:18 x
kmkurobeさん、
有難う御座います。
このくらいの控え目な開翅もなかなか良いとは思いますが、やはりもう少し開いてほしいと思いました。今年はシルビアもそろそろ終わりですので、また来年にでも挑戦したいと思います。
Commented by 虫林 at 2009-09-29 13:21 x
ヒメオオさん、
有難う御座います。
ベニシジミは僕も交尾写真を撮影するのが初めてのような気がします。いつも見ている普通の蝶が、この時期になるとゆっくりと観察できますね。意外に面白いことがわかるかもしれませんので、これからの時期も楽しみです。
Commented by onionbugs at 2009-09-30 00:08 x
さようなら
優しい回答あまりにもありがとう
おかげで、多くの情報を獲得です。
日本語に翻訳して解釈するのに多くの困難があったが、それだけの価値があることがわ。
Commented by 深山葵 at 2009-09-30 22:26 x
ご無沙汰してます。今回はザクロに惹かれました!
宅周辺ではけっこう庭木として植栽されてます。熟れた果実ももちろんですが、初夏のあでやかな花もなかなかに魅力的ですね。
Commented by 虫林 at 2009-10-01 19:24 x
onionbugs さん、
お役に立てれば幸いです。
もしも、何かわからないことがあれば、遠慮なく質問下さい。いつでも結構ですよ。

「さようなら」 means goodby in Japanese. It could be better that you use 「こんにちわ」 at the commnet head. Anyway, many thanks for your comment and please let me give the questions. Any time you are welcome.
Commented by 虫林 at 2009-10-01 19:29 x
深山葵 さん、
コメント有難う御座います。
確かに石榴の赤い花は、とても綺麗ですね。ちょうど栗の花が咲く頃に石榴の花が満開だったように記憶しています。もっと注目されても良いすばらしい花ですね。
Commented by grassmonblue at 2009-10-03 13:37 x
今年はシルビアが極端に少ないと耳にしましたが、そのようですね。
少ないうえにネットマン多しと聞くと、萎えちゃいます。
昨年の集いがなつかしく思い返されます。
Commented by clossiana at 2009-10-04 09:46
私も昨年の観察会を思い出しました。今年は数が減っているのだとすれば心配ですね。でも新鮮な♀のチラリズムはとても美しく撮られていてさすがです。このように新鮮な♀でも交尾拒否飛翔をするってことは交尾済なんでしょうかね?ザクロについては食べたことはありませんが、店頭に並んでいるのを見かけても別に特別な思いわきません。人肉の味ってことも初耳でしたから当然でしょうが。。。
Commented by chochoensis at 2009-10-04 18:57
虫林さんに、お世話になったことを今でも感謝しています。特に・・・「ゴルフ用の日傘」をお借りして、土手の上で休んでいたことを昨日のように思い出します、本当にありがとうございました・・・。懐かしい想い出になっています・・・。
Commented by 虫林 at 2009-10-05 22:56 x
grassmonblueさん、
コメント有難うございます。
今年のシルビアはとても少なくて、数頭見つけるのがやっとという状態でした。昨年はかなりの個体数がいたので、とても残念ですし、心配です。
今年のこの有様をみると、昨年の集まりでは、皆さんが撮影できて良かったです。
Commented by 虫林 at 2009-10-05 23:01 x
clossianaさん、
コメント有難うございます。
昨年はシルビアの個体数が多かったのですが、今年は残念です。
また復活してくれることを祈っていますが、どうなることやら。
メスは交尾済みということだと思います。僕としては求愛後に交尾してくれれば最高でしたが、残念でした。ザクロの実は、人肉の味という記載を見てから食べていませんのでどんな味がするのかわかりません。でも、ザクロジュースは美味しいらしいですし、ざくろの実も食べればうまいかもしれませんね。スーパーで売っているものは多分カルフォルニアあたりのもの多いでしょう。
Commented by 虫林 at 2009-10-05 23:04 x
chochoensisさん、
コメント有難うございます。
そういえば昨年の集まりでそんなこともありましたね~。ゴルフ用の傘がchochoensisさんのお役に立てて幸いです。何しろ河原は暑いので、脱水や血液濃度があがっての循環障害が怖いですからね。
こちらこそ、chochoensisさんと一緒にシルビアを探した想い出はとても懐かしく思います。また、何かでご一緒できれば嬉しいです。
by tyu-rinkazan | 2009-09-27 07:57 | Comments(26)