NATURE DIARY

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20091123 八ヶ岳のミヤマシロチョウ越冬巣調査隊

Nature Diary #0290
Date: November 23rd (Monday), 2009
Place: Mt. Yatsugatake, Yamanashi Pref.
Weather:Fine



<八ヶ岳のミヤマシロチョウ>

ミヤマシロチョウは中部山岳地域のみに棲息する高山蝶の1種である。八ヶ岳山麓ではミヤマシロチョウが以前には豊産し、林道を歩けば多数の本種がクガイソウやフウロソウなどの花で吸蜜するシーンがみられ、また雨上がりにはしばしば大きな吸水集団も認められた-------と聞く。

しかし、現在の八ヶ岳ではミヤマシロチョウの棲息地は極限され、とくに山梨県側では絶滅の危機 に瀕している (準絶滅危惧種)。そこで、山梨県側にわずかに残されているミヤマシロチョウの棲息地の保全活動が日本チョウ類保全協会と数人の有志で4年前にスタートした。



§ Diary §

朝、中村康弘氏(日本チョウ類保全協会) を甲府駅でピックアップして、一緒に八ヶ岳の集合場所に向かった。現地に到着すると、北杜市オオムラサキセンターの長谷川氏と伊藤氏、静岡の石川氏、東京のO氏がすでに到着して我々を待っていてくれた。

結局、虫林を含めて参加者は6人。うーむ、今回は虫林が顧問している大学山岳部の学生君に連絡する機会を逸したのが残念だ(何しろ今まで多忙だったので---言い訳)。


八ヶ岳山中の保全ポイントまではカラマツ林の中の足場の悪い道をしばらく歩かなければならない。今まで何度この頼りない杣道を歩いただろうか------。


途中の森の中で動物の頭蓋骨を見つけた。
歯をみると犬歯は無く、肉食よりも草食動物のようだ。多分、鹿だと思うが----。虫林は軟弱で歩くのが遅いくせに変なものに興味を持ってしまい、しばらく皆の足を止めてしまう。

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何とか汗をかきかき保全ポイントに無事到着することができた。

今回は重いオリンパス E-3 を家に置いて、軽いペン EP-1 だけを持ってきた。EP-1 にフォーサーズアダプター(MMF-1) を介して ZD35mmマクロレンズ を装着してみると、レンズ自体は小さくて軽いのであまり違和感はないが、オートフォーカスの合焦速度は-----残念。

斜面に腰を降ろして見渡すと、朝の寒さのためにモヤがかかった南アルプスの山々の青いシルエットがとても美しい。

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八ヶ岳から見る南アルプス (山梨県北杜市、11月23日)

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A landscape of South Alps from Mt. Yatsugatake
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm, ASA200



この場所までくるといつも、暗色の針葉樹と葉が落ちて白い幹や枝を見せるダケカンバの木がつくる美しいコントラストに見入ってしまう。

いつかダケカンバが黄葉している時期に来たいと思うが------。

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ダケカンバの林 (山梨県北杜市、11月23日)

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Betula ermanii
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm, ASA200



保全作業; Conservation work

作業はミヤマシロの食樹であるヒロハノヘビロボラズの木にタグを付けてモニタリングを行う。写真は木の高さを測る中村氏、石川氏、記録する長谷川氏、撮影するO氏。

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作業するミヤマシロ保全調査隊 (山梨県北杜市、11月23日)

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Conservation of Betula ermanii
Olympus EP-1, MZD17mm, ASA200

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作業するミヤマシロ保全調査隊 (山梨県北杜市、11月23日)

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Conservation of Betula ermanii
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm, ASA200


ヒロハノヘビノボラズは名前のごとく、蛇も登らないほど長い刺を有する植物だ。トゲトゲの幹にタグを付ける時には注意しなければならない。

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作業するミヤマシロ保全調査隊 (山梨県北杜市、11月23日)

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Conservation of Betula ermanii
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm, ASA200


ミヤマシロチョウの越冬巣; Wintering nest of Oriental Black-veined White

葉を糸で紡いだ独特な形態のミヤマシロチョウの越冬巣を探した。越冬巣はこの斜面の中でも見つかる場所が決まっているようで、そのような場所では毎年見つけることができる。

今年はというと、見つけた越冬巣の数は非常に少なく、また不完全なものが多かった。

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ミヤマシロチョウの越冬巣 (山梨県北杜市、11月23日)

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Wintering nest of Oriental Black-veined White
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm, ASA200

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ミヤマシロチョウの越冬巣 (山梨県北杜市、11月23日)

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Wintering nest of Oriental Black-veined White
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm, ASA200


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§ Afterword §

本日の作業は天気も良好で、和気藹藹の雰囲気の中で順調に進められた。これで、この保全地域のほとんどの食樹に番号のタグをつけることができたと思う----まだかな?

それにしても、ミヤマシロチョウの越冬巣の少なさは心配だ。


作業が終了して、西日を受けながら今回の八ヶ岳ミヤマシロ保全調査隊の記念撮影。左からオオムラサキセンターの伊藤氏、日本蝶類保全協会の中村氏、東京のO氏、オオムラサキセンターの長谷川氏、静岡の石川氏、そして虫林(加藤)。

皆さん、ご苦労様でした。

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来年も同様の作業を行いますので、他の方の参加も歓迎します!




以上、 by 虫林花山
Commented by ダンダラ at 2009-11-25 08:56 x
保全活動、お疲れ様でした。
地道な保全活動の成果で、少しでもミヤマシロの個体数が回復するといいですね。
Commented by 虫林 at 2009-11-25 19:42 x
ダンダラさん、
有難う御座います。
山梨県側の八ヶ岳では、ミヤマシロチョウは絶滅の危機に瀕しているようで、越冬巣も非常に少なくて驚きました。来年には元気な姿を見ることができると嬉しいですね。
Commented by ぽんぽこ山本 at 2009-11-25 20:53 x
お疲れ様でした!

前日の22日に「八ヶ岳原村ミヤマシロチョウの会」越冬巣の調査を行ないました。 夏の天候不順のせいで昨年よりやや少なくなりました。

こちら、原村の発生数も増加したとは言え、まだまだ安心でき無い状況です。 将来はお互いの個体が行ったり来たりできるようになる事を夢見てがんばるしかありませんね! 今後も宜しくお願いいたします。【ぽん!】
Commented by himeoo27 at 2009-11-25 21:36
急な斜面での保全活動ご苦労さまでした。

皆様のご尽力により少しづつでも増えてきたら
嬉しいですね!
Commented by アッキーマッキー at 2009-11-25 23:39 x
虫林さん、こんにちは
今年ヤツガタケスミレの撮影に2度八ヶ岳に登ったんですが、帰ってきてからそう言えばミヤマシロチョウって全然見なかったなあ、来年はぜひと思ってたんですが、絶滅に近い種とは知りませんでした。時間が合えば来年参加したいです。よろしくお願いします。ダケカンバの山が美しいですね。
Commented by 虫林 at 2009-11-26 06:14 x
ぽんぽこ山本さん、
そちらこそご苦労様でした。
前日に越冬巣の調査をやっていたのですね。そちらも数が少なかったとのこと心配になってしまいます。
これからもどうぞよろしくお願いします。
Commented by 虫林 at 2009-11-26 06:16 x
ヒメオオさん、
有難うございます。
今年は暖かくてよかったですが、やはりこの時期だと雪が降ったりしますので困難な時があります。越冬巣の様子をみると、来年が心配です。
Commented by 虫林 at 2009-11-26 06:19 x
アッキーマッキー さん、
有難うございます。
八ヶ岳のミヤマシロチョウは、現在ではなかなか見ることができません。
でも、保全事業がうまくいって、昔のように乱舞する姿が見れるようになればと思います。
来年の保全事業にはお誘いしますので、できる範囲で参加していただければ幸いです。
Commented by fanseab at 2009-11-26 07:39
中国出張から帰国されて間もない保全活動、大変お疲れ様でした。このシロチョウの生息地が崩落した崖地近くなのでアクセスに苦労されたのでしょうか?EP-1はいろいろなレンズを付け替える楽しみがあっていいですね。
Commented by 虫林 at 2009-11-27 07:24 x
fanseabさん、
有難うございます。
おっしゃる通りで、このチョウの生息地はもともと崩落した斜面のようで、そこまでは頼りの無い杣道を歩かなければなりません。でもそれはそれでなかなか楽しいですよ。
EP-1には、いろいろなレンズを付けることが可能で、僕は所有しているオリンパスのレンズをつけるアダプターを購入しましたが、オートフォーカスは遅いです。やはりスナップカメラとして使うのが良さそうです。
Commented by chochoensis at 2009-11-27 22:16 x
虫林さん、ミヤマシロチョウ保全調査お疲れ様でした・・・数が少ないとのこと、大変心配しています・・・。寒い中での調査活動に敬意を表します。心臓が弱い小生・・・参加できなくて本当に申し訳ない気持ちです・・・ありがとうございました・・・。
Commented by 蘭丸 at 2009-11-28 05:19 x
虫林san、おはようございます。そして、お疲れさまでした。
深山白蝶を見た事の無い私ですが、一蝶好きとしては、この様な保全活動にも
参加をシナケレバ。。。。。と、思う所です。
機会が合えば、是非来年以降の調査に参加させて頂きたく、宜しくお願い致します。
Commented by cactuss at 2009-11-28 18:42
ミヤマシロチョウの越冬巣の調査、お疲れ様でした。
小生は本日、東信地方でのミヤマシロチョウの調査に同行しました。
こちらは昨年より越冬巣が増えていましたが、中村さんの話では冬の天候にも左右されるので、まだわからないとの事でした。
Commented by thecla at 2009-11-28 20:17 x
ミヤマシロの越冬巣調査お疲れ様でした。
今冬の越冬巣調査は、事故の後なので全部サボってしまいました。まだまだミヤマシロは、楽観できる状況ではないようですね。
Commented by 虫林 at 2009-12-01 13:00 x
chochoensisさん、
有難う御座います。
ミャマシロ調査は少しつらいこともありますが、山梨県側の保護地では実際に風前の灯ですので、何とかしなければと思っています。
お心遣い、有難う御座いました。
Commented by 虫林 at 2009-12-01 13:01 x
蘭丸さん、
有難う御座います。
来年も引き続き行う予定ですので、宜しくお願いします。
ない、来年の7月には成虫の調査もありますので、是非ともその時はご一緒できれば嬉しいですね。
Commented by 虫林 at 2009-12-01 13:04 x
cactussさん、
ご苦労様でした。
そちらでは越冬巣が増えていたとのこと、良かったですね。こちらは本当に少なくて、来年の成虫の発生がどうなるのか心配です。
いずれにしろ、保護しなければこちらは絶滅必至と思われます。
Commented by 虫林 at 2009-12-01 13:06 x
theclaさん、
有難う御座います。
事故の話は少しだけお聞きしました。大丈夫ですか?
ここのミヤマシロは楽観できるような状態ではなく、心配しています。
来年はご一緒できれば嬉しいと思います。
お体を大事にしてくださいね。
Commented by clossiana at 2009-12-06 12:30
ミヤマシロの保全活動、お疲れ様でした。毎年、毎年のことで頭が下がりっぱなしです。cuctussさんの方は例年の3倍くらい見られたとのことですが、こちらの方は数が減っているのですね。同じ蝶でも環境のちょっとした違いが差を生じさせているってことでしょうか?いずれにしても心配ですね。
Commented by mtana2 at 2009-12-06 13:26 x
毎年の保全活動、お疲れさまでした。地道な活動に頭が下がります。努力が実って、山梨県側の絶滅危機から回避できるとよいですね。
Commented by 虫林 at 2009-12-07 22:33 x
clossianaさん、
有難うございます。
八ヶ岳山梨県側のミヤマシロは本当にクリティカルな状態のようで心配です。来年度も元気な姿を見ることができれば嬉しいのですが。
この生息地では吸蜜植物が少ないのも原因の一つかもしれません。
Commented by 虫林 at 2009-12-07 22:36 x
mtanaさん、
有難うございます。
山梨県側の八ヶ岳山麓では、ここが唯一の生息地になると思われます。絶滅の危機を逃れることができるかどうかわかりませんが、いつか沢山の個体が飛びまわるようになれば嬉しいです。
by tyu-rinkazan | 2009-11-25 00:21 | Comments(22)