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20091206 県南の照葉樹林散歩:ペンEP-1でムラシ撮影

Nature Diary #0291
Date: December 6th (Sunday), 2009
Place: Nambu-cho, Yamanashi Pref.
Weather:Fine



<オリンパス・ペンEP-1>
一眼なのにとても小さくて軽いオリンパス・ペンEP-1 は、お気楽な"お散歩カメラ" あるいは "スナップカメラ" という位置づけだった。しかし最近、ZD(ズイコーデジタル)レンズがAFで使用可能になるフォーサーズアダプター(MMF-1)を、新宿のヨドバシカメラで入手した。そこで、お散歩カメラというだけでなく、昆虫撮影のサブカメラとしての可能性、すなわち、マクロ撮影機能を評価してみたくなった

とにかく、レイジーで根性無しの虫林にとっては、カメラが小さくて軽いということは、フィールド歩きの機材選択の際にはとても大きな要素になるからね。

ところで、最近 EP-2 が出た-----ウー、オリンパスさん早すぎるぞ。 Never mind!


§ Diary §

毎日バタバタしていたら、いつの間にか今年も12月に突入した。

虫林はこのところさらに忙しくなり、せっかくの日曜日(本日)も締め切りを過ぎた依頼原稿の執筆のために朝からパソコンの前に座った。しかし、どうもうまく筆が進まないで欝々してしまう。
ウーム、それならば、いっそのこと久しぶりでフィールド散歩に行くことにしよう-------我ながらこういう決断は異常なほどに速いのだ。

天気予報では、甲府市よりも県南部(南部町)の方が天気は良さそうなので、とりあえず県南に向けて車を走らせることにした。


キンカン(金柑); Kumquqt, Fortunella japonica

南部町に到着して少し散策すると、黄色い実を沢山付けたキンカン(金柑)の木を見つけた。

この金柑の実は皮ごと食べるのが普通だが、酸っぱいことが多くて虫林は少し苦手だ。そういえば、子供の頃にはこのキンカン(金柑)をよく食べたものだが、最近はとんと食べていない------ということで、一つだけ金柑の実を失敬して口に入れてみた。ウへー、やはり、とても酸っぱい。


キンカン塗って、また塗って------- 有名なCMソング。

虫林はキンカン(金柑)をみるとすぐにこの歌を思い出すが、このCMのキンカンは「金柑」ではなく「金冠」で、アンモニアを主成分とする塗り薬だ。恥ずかしながら虫林は長い間、この歌のキンカンはてっきり金柑の実からつくったものと信じていた---------アホ!

20091206  県南の照葉樹林散歩:ペンEP-1でムラシ撮影_d0090322_21591851.jpg
キンカン(金柑) (山梨県南部町、12月06日)

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Kumquqt, Fortunella japonica
Olympus EP-1, MZD17mm, f9.0, 1/1600, EV-1.0, ASA200



ムラサキシジミ(ムラシ); Japanese Oak Blue

カシの木が混生する南部町の照葉樹林に着くとまもなく、中型のシジミチョウがヒラヒラと飛んで茶の木の葉上に静止した。そっと近寄ってみると、案の定、ムラシのメスだった。

うまい具合に目線よりも下の葉に静止したので、オリンパス・ペンEP-1 にパンケーキレンズ(MZD17mm)のままで撮影した。このレンズの最短撮影距離まではまだ余裕があるが、このくらい引いてなるべく環境を入れた写真も良いものだ。

このパンケーキレンズは、EP-1の純正レンズだけあって合焦速度は速い。

20091206  県南の照葉樹林散歩:ペンEP-1でムラシ撮影_d0090322_22329.jpg
茶の葉の上で開翅するムラサキシジミ♀(山梨県南部町、12月06日)

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A female of Japanese Oak Blue perching on the leaf of tea with the wings opened. Please note the bamboo grove in the background.
Olympus EP-1, MZD17mm, f10.0, 1/250, EV-0.7, ASA200


MZD17mmのパンケーキレンズで、最短撮影距離付近で撮影。

20091206  県南の照葉樹林散歩:ペンEP-1でムラシ撮影_d0090322_2231717.jpg
茶の葉の上で開翅するムラサキシジミ♀(山梨県南部町、12月06日)

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Japanese Oak Blue
Olympus EP-1, MZD17mm, f10.0, 1/250, EV-0.7, ASA200



EP-1にフォーサーズアダプター(MMF-1)を介してZD35mm マクロレンズを装着して撮影した。このマクロレンズは小さくてとても軽いので(大きさ71 x 53mm, 重さ165g)、EP-1に装着してもバランスは悪くない。

しかし、オートフォーカス時の合焦速度は、長い時で3-4秒くらいかかってしまうのが難点だ。モニターの画像が10倍に拡大されるファーカスアシストは、小さな昆虫の撮影時にはとても良さそうだが、虫林のように、被写体を中心に置かない撮り方をするものには使い難い。

嬉しいことに、得られた画像は思いのほかシャープで、オリンパスブルーも健在だった。

20091206  県南の照葉樹林散歩:ペンEP-1でムラシ撮影_d0090322_2233182.jpg
ムラサキシジミ♀(山梨県南部町、12月06日)

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Female of Oak Blue
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm Macro, f9.0, 1/400, EV-0.7, ASA200

20091206  県南の照葉樹林散歩:ペンEP-1でムラシ撮影_d0090322_2234710.jpg
ムラサキシジミ♀(山梨県南部町、12月06日)

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Japanese Oak Blue
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm Macro, f9.0, 1/320, EV-1.0, ASA200


20091206  県南の照葉樹林散歩:ペンEP-1でムラシ撮影_d0090322_224043.jpg
ムラサキシジミ♀(山梨県南部町、12月06日)

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Japanese Oak Blue
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm Macro, f9.0, 1/320, EV-0.7, ASA200



縦位置での撮影も問題はなさそうだ。

20091206  県南の照葉樹林散歩:ペンEP-1でムラシ撮影_d0090322_2241561.jpg
ムラサキシジミ♀(山梨県南部町、12月06日)

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Japanese Oak Blue
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm Macro, f9.0, 1/320, EV-1.3, ASA200


大きな望遠マクロレンズ(シグマ150mmマクロ)を使用する時には、やはり大きくて重いオリンパス E-3 が圧倒的に使いやすい。まあ、使えないことはないといったところかな。

20091206  県南の照葉樹林散歩:ペンEP-1でムラシ撮影_d0090322_2243029.jpg
ムラサキシジミ♀(山梨県南部町、12月06日)

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Japanese Oak Blue
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, f14.0, 1/200, EV-1.3, ASA200

20091206  県南の照葉樹林散歩:ペンEP-1でムラシ撮影_d0090322_2244399.jpg
ムラサキシジミ♀(山梨県南部町、12月06日)

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Japanese Oak Blue
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, f4.5, 1/2000, EV-1.3, ASA200


しばらくすると別のムラシが現れた。こちらの方はかなり翅がボロボロだ。

20091206  県南の照葉樹林散歩:ペンEP-1でムラシ撮影_d0090322_2245877.jpg

ムラサキシジミ♀
(山梨県南部町、12月06日)

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A female of Oak Blue perching on the leaf of tea with the wings opened.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, f6.3, 1/400, EV-0.7, ASA200


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§ Afterword §

本日はムラシ以外にはモンキチョウやヤマトシジミもちらほらと見ることができた。しかし、午前中、活発に活動していたチョウたちは、正午を過ぎたらプッツリと姿を消してしまったので、早々に撮影を切り上げて帰宅した。

とにかく、飛びまわるチョウをみると嬉しくなる------虫屋の性。

結論としては、昆虫撮影のサブカメラとしてEP-1は使用可能だ。ただ、ペンEP-1にはファインダーが無く、液晶モニターでフォーカスを合わせなければならないので(新製品のEP-2は悔しいことにファンダーが使用可能)、微妙なフォーカスが要求されるマクロ撮影時には手ぶれの危険性が高いかもしれない。

そこで、マクロ撮影時の補助としてUN社から出ているグリップ(3極スイッチSTグリップ オリンパス用)を付けてみたが、このグリップは意外に優れものだった。グリップを掴んだままでシャッターもきれるし、動画撮影さえも操作できるのだ--------とてもお勧めですぞ。

下の写真はグリップを装着したEP-1

20091206  県南の照葉樹林散歩:ペンEP-1でムラシ撮影_d0090322_2251496.jpg




以上、 by 虫林花山
Commented by himeoo27 at 2009-12-08 21:09
ムラサキシジミの日向ぼっこはこの時期最高の
被写体ですね!
Commented by 虫林 at 2009-12-09 17:27 x
ヒメオオさん、
毎年、ムラシはこの時期のスターになります。とくに、僕の周囲では、ムラサキツバメを見ることがすくないので、なおさら、ムラシが大事ですね。
これから寒い時期に入りますが、この時期なりに楽しみたいものですね。
Commented by ダンダラ at 2009-12-10 09:53 x
お忙しそうですね。
このところ甲府には行っていませんが、ムラサキシジミは今年も無事に観察できるでしょうかね。
EP-2出るのが早すぎますよね。
AFの遅さとかが問題になっているせいなんでしょうか。
Commented by 虫林 at 2009-12-10 23:26 x
ダンダラさん、
甲府のムラサキシジミの場所は、日向ぼっこしていた樫の木が2本も切られていました。でも、棲息は確認できたので、少数ですが見ることができます。E-2は本当に驚きました。E-2とE-1の違いは、ライブビューファインダーを使用できるかどうかです。マクロ撮影だと、ファインダーがあった方が良いかもしれませんが、液晶だけでも一応撮影は可能でした。
Commented by アッキーマッキー at 2009-12-13 23:34 x
虫林さん、こんにちは
ムラシは晩秋を過ぎても暖かいと現れてくれる愛嬌のあるチョウですね。家の近くで富士山の手前に柿の木があってじゅくじゅくになった柿を吸いにムラシが来てたんですが、いつのまにか木が切られていてメッチャショックです。
最近のコンデジの威力はすごいですね。昨日は、井の頭公園を散歩がてらコンデジで撮影してみました。
Commented by 虫林 at 2009-12-14 22:21 x
アッキーマッキー さん
コメント有難うございます。
この時期にはムラシの存在はとても大きくなりますね。木が切られると、蝶はどこかに行ってしまいますのでさびしくなります。
おっしゃる通りで、最近のコンデジはなかなか使えるようになったと思います。後で見せていただきますね。
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by tyu-rinkazan | 2009-12-07 22:30 | Comments(6)

Photographic Adventures for Insects and Flowers


by 虫林花山
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