NATURE DIARY

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20091220 河川敷散歩:氷の結晶

Nature Diary #0293
Date: December 20th (Sunday), 2009
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:Fine


<冬>

今週に入ってから甲府でも最低気温が氷点下になる日が多くなった。甲府という町は典型的な盆地気候で、夏はとても暑く冬はとても寒いのだ。

このくらいの寒さであまりぶつぶついうと、北国に住む人から虫林はやはり軟弱だと笑われてしまうかな? でも、北国ではどの家もしっかりした寒さ対策(暖房)が施されているが、山梨あたりの防寒設備はどうにも中途半端なので(特に我が家だが--)、意外に冬の寒さが身にしみるのだ。

さらに、この冬の寒さは高血圧の持病を持つ虫林とっては危険な要素でさえある。というのも、一般的に寒い時期には血圧が上昇し、脳出血や心筋梗塞などの循環器系疾患を惹起しやすいといわれているからね----ウー冬は嫌いだ。早く温かくなってほしいな。


§ Diary §

本日(日曜日)は朝起きてみると天気が良い。今までであれば、天気が良い日はフィールド散歩に出かけるのが常なのだが、冬になると寒くてなかなか布団から出にくくなってしまう。

でも、意を決して起き上がり、フィールドに出ることにした。ところがなんと、本日は車が使えないのだ(先週の金曜日に顧問をしている海外医学研究会の追い出しコンパがあって車は大学)。そこで、自宅裏の河川敷でも散歩してみることにした。

土手の上の道をゆっくり歩いて行くと、お孫さんを自転車に乗せたご夫婦がやってきた。

それとなく立ち止まって見ていると、どうやら、これからお孫さんの自転車練習を始めるようだ。どこにでもある風景だが、どこか暖かで、どこかノンビリとして、どこか心和む光景だ。若い頃にかじったドイツ語の「Das Leben」という言葉を思い出す。

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河川敷の風景 (甲府市、12月20日)

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A landscape of river bank
Olympus EP-1, ASA200


思えば、虫林がこの河川敷の近くに居を構えた理由の一つが散歩だった。

しかし、その後の度重なる改修で、河川敷は遊歩道として綺麗に整備されてしまい、今では昆虫や野草などの観察が難しくなってしまった。もちろん、一般の方々にとっては、綺麗で歩きやすくなることは良いのだが、ナチュラリストとっては「痛し痒し」なのだ。

この河原にはゴリラ像がある。

面白いことに、今日のゴリラ君は帽子をかぶっていた。すぐに風で飛びそうな帽子のように見えたが、あご紐で固定されていた。ゴリラに帽子は意外に良く似合って、「馬子にも衣装」ではなく「ゴリラにも帽子」かな。

このゴリラ君は、目の前を通り過ぎる散歩人やランナーたちを優しく見守っているように見える。しかし、どうしてゴリラ像がここにあるのか以前から不思議だ。

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コンクリートゴリラ (甲府市、12月20日)

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A landscape of river bank
Olympus EP-1, ASA200



; Frost

空気と接触している葉の表面温度が0度以下(霜点)になると、空気中の水蒸気が昇華して葉の表面に氷の結晶が付く。昔から「霜が降りる」というが、霜は降りるものではない。

霜は日が当たるとすぐに消えてしまうはかない運命。

大きな建物に日光が遮られて日陰になった場所にくると、すでにお昼近くなのにまだ野草の葉に沢山の霜が付いていた。いつもなら気にも留めないのだが、本日は他に撮影するものも無いので、マクロレンズで霜の近接撮影をしてみた。

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小さな葉に付いた霜(甲府市、12月20日)

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Small leaves covered with frost
Olympus EP-1, ASA200


面白いことに、霜を拡大して見ると、氷の結晶はワイングラスの形をしていた。これをもっと大きく実験的に作ることができれば、「霜のワイングラス」をつくることができるかもしれないな。などと邪念をもって見てしまう。

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(甲府市、12月20日)

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Small leaves covered with frost
Olympus EP-1, ASA200



川氷; River Ice

川の流れが無くて、水深が浅い場所(水深10cm程度)では氷が張っていた。

この氷は多彩な模様を示していた。何枚か撮影してみたが、自然がつくる規則的なパターンは何となく芸術的で真似のできない力強さがある。

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氷の結晶(甲府市、12月20日)

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Ice Crystal
Olympus EP-1, ASA200


液体が固体になる時には、体積は小さくなるのが普通であるが、水が凍る時には、水分子の間に隙間ができるので、逆に大きくなるのだから不思議だね。

環境により氷の形態も変わると思う。通常は氷は水の結晶なので、直線的になるのが普通かなと思うが、今回のものでは綺麗な曲線をもつものがかなり見られた。

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氷の結晶(甲府市、12月20日)

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Ice Crystal
Olympus EP-1, ASA200



クリオオアブラムシ; Lachnus tropicalis

クヌギの樹幹を見てみると、クリオオアブラムシの集団を見つけた。

良く見ると、成虫とともに卵も沢山ある。このアブラムシは全てメス(オスは翅がある)で、冬に向かって産卵しているのだろう。この虫たちは卵を産んだ後に冬を越せずに死んでしまう可能性が高いと思われる(クリオオアブラムシは卵での越冬)。

寒さの中で健気に生きている昆虫たちだ。

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クヌギの樹幹のクリオオアブラムシ集団(甲府市、12月20日)

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Lachnus tropicalis
Olympus EP-1, ASA200

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クリオオアブラムシ(甲府市、12月20日)

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Lachnus tropicalis
Olympus EP-1, ASA200



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§ Afterword §

そろそろ本格的に寒くなってきたので、散歩も辛くなってきたが、何とか今週もフィールドに出ることができた。氷の結晶ももう少し標高の高い所に行けば、さらに美しいものに出会えるに違いない。いつか撮影してみたいと思う。

この時期になれば越冬昆虫が集まる場所がポイントになる。越冬昆虫を探すのは「宝探し」みたいで楽しい場合もある。でも、なかなか見つからないのが困るよね。

それにしても寒い季節はあまり好きでない。
暖かくなる2月後半まで我慢しなければならないな-----うー長い。



以上、 by 虫林花山
Commented by himeoo27 at 2009-12-23 10:26
寒さが超苦手なヒメオオは、虫林さん以上に実感いたし
ます。今日も晴天で10℃以上に気温があがる見通しで
すが、家の中で震えています。
水蒸気、水、氷は何れも分子構造はH2個とO1個の単純
なものですが、分子内に極性を持ち、互いに水素結合した
りとても挙動が面白いですね!
Commented by アッキーマッキー at 2009-12-23 10:37 x
虫林さん、こんにちは
相変わらずフィールド散策されてますね。ぐうたらな僕は、すっかりフィールドからご無沙汰です。これからオフィスにレポート書きに出かけます。年末までに仕上げないと新年を迎えられないのです(笑)、トホホ。
僕のサイトにクリスマスカードを載せたので、よかったら遊びにおいで下さい。日頃の感謝を込めて。

Commented by chochoensis at 2009-12-24 06:31
自宅周辺でも真っ白に霜が降りています・・・寒くて寝床からなかなか起きられません・・・そのぐらい寒いです・・・血管障害のある小生にとっては苦手な季節です・・・今日も寒そうです・・・。クリオオアブラムシ・・・綺麗に撮影されていますね。
Commented by 虫林 at 2009-12-24 08:26 x
ヒメオオさん、
ヒメオオさんも寒さが苦手のようですね。僕の場合は健康管理との関係もあって、暖かい方が良いです。
おっしゃる通り、水の挙動は他の物質と異なるところが実に面白いです。
Commented by 虫林 at 2009-12-24 08:28 x
アッキーマッキー さん、
年末は色々と忙しいようですね。ご苦労様です。僕の方も年内の仕事がたまっていて、首がまわりません。でも、Take it easy!で行きましょうね。後で、寄らせていただきます。
Commented by 虫林 at 2009-12-24 08:33 x
chochoensisさん、
寒い時期は暖かさに気をつけてくださいね。僕は暖房管理や衣服に無頓着な方ですので、自分に言い聞かせるためにブログに書きました(笑)。
クリオオアブラムシは、クヌギ林などでは大きな集団を作るみたいです。でも、成虫は冬を越えることができませんので、見るのは今の時期までかな。はやく、暖かくなってほしいものです。
by tyu-rinkazan | 2009-12-21 23:01 | Comments(6)