NATURE DIARY

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2010710 梅雨空の下のゼフ散歩:クロミドリほか

Nature Diary #0333
Date: July 10 (Saturday), 2010
Place: Kofu, Yamanashi
Weather: Fine



§ Diary §

この時期、水田の縁や土手などにオレンジ色のヤブカンゾウの花が目立ちます。同じ仲間のニッコウキスゲは夏の青空にマッチしますが、ヤブカンゾウの花は梅雨空の下で雨にしっとりと濡れて咲くイメージがあります。梅雨の花ですかね。


ヤブカンゾウは別名 「忘れ草」 といいます。これはこの美しい花を見ていると物も忘れると言う故事から昔の人が名付けたものと思います。

忘れ草 吾が下紐につけたれど 醜の醜草 言にしありけり : 大伴家持

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#1: 忘れ草(ヤブカンゾウ)

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Flowers of daylily soaked in the rain.
Olympus E620, ZD12-60mm ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)



クロミドリシジミ; Copper Hairstreak

早朝に近くのクヌギ林を訪れました。

到着後、さっそく長竿でクヌギの木の枝を叩いてみると、すぐにゼフが1頭飛び出して下草に降りました。草の上に静止したそのチョウを刺激しないようにそっと近づいてみると、目的のクロミドリシジミ(通称クロミ)でした。翅の形がやや丸いのと地色が薄いのでどうやらメスのようです。

クロミは尾が長く、翅裏の赤紋が大きい「翅裏ベッピンさん」ですね。

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#2: クロミドリシジミ♀

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A female of Copper Hairstreak perching on the grass leaf.
Olympus E3, Sigma150mm ASA200
(2010-July-10, Kofu, Yamanashi)



しばらく待って、朝日が雲の上から顔を出して葉を照らし出しました。

すると、それまでじっとしていたクロミは少しモジモジとしたかと思うとゆっくりと翅を開いてくれました。朝の叩き出しでの撮影の場合、この瞬間が最もワクワクしますね。

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#3: クロミドリシジミ♀

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A female of Copper Hairstreak perching on the grass leaf.
Olympus E3, Sigma150mm ASA200
(2010-July-10, Kofu, Yamanashi)



さらに、全開状態まで翅を開いてくれたので、ゆっくりとその姿を撮影することができました。
羽化直のフレッシュな個体とは言えないまでも、この時期にしてはまあまあ綺麗でした。

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#4: クロミドリシジミ♀の開翅

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A female of Copper Hairstreak perching with the wings opened.
Olympus E3, Sigma150mm Macro, ASA200
(2010-July-10, Kofu, Yamanashi)




トラフシジミ; Japanese Flash

ヒメジオンの花に新鮮なトラフシジミの夏型が吸蜜に訪れていました。

夏型の地色は褐色で、白地の春型とは一見して区別できます。どういうわけか、今までトラフシジミの夏型はいつもボロで、新鮮な個体での撮影が記憶にありません。

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#5: トラフシジミ

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A Japanese Flash feeding on the followers.
Olympus E620, ZD12-60mm ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)

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#6: トラフシジミ

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A Japanese Flash feeding on the followers.
Olympus E3, Sigma150mm Macro, ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)



アイノミドリシジミ; Brilliant Hairstreak

クロミドリの撮影後、山の上のアイノミドリのポイントにも立ち寄りました。

ちょうど、テリ張りが始まったところで、あちらこちらでメタリックな輝きを持つアイノミドリが活発に活動していました。なかなか低い位置まで降りてきてくれませんでしたが、何とか半開翅のオスを撮影できました。

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#7: アイノミドリシジミ

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A male of Brilliant Hairstreak perching on the leaf with the wings semi-opened.
Olympus E3, Sigma150mm Macro, ASA200
(2010-July-10, Kofu, Yamanashi)



オオムラサキ; Great Purple

天気が悪いせいなのか目的のオオムラサキはあまり見ることができませんでした。
でも、樹液が出ている木と場所は数か所確認できましたので、次回の訪問が楽しみです。

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#8: オオムラサキ

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A male of Great Purple feeding tree sap on the trunk.
Olympus E620, ZD12-60mm ASA200
(2010-July-11, Nirasaki, Yamanashi)



クロヒカゲモドキ; Marginalis Treebrown

雨が降る中で、傘をさしながら樹液を出しているクヌギの木を探してした時に、足下からヒカゲチョウの仲間が飛び立ち、近くの草に静止しました。ゆっくりと近づいて前翅の裏の紋を確認すると、ほとんど同じ大きさのジャノメ紋が3個並んでいました----クロヒカゲモドキです。

残念なことに、後翅の一部が欠損していました。

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#9: クロヒカゲモドキ

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A Marginalis Treebrown perching on the grass leaf.
Olympus E3, Sigma150mm Macro, ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)



その他; Miscellaneous

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#10: 産卵するルリシジミ♀

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A female of Holly Blue egg-lying on the leaf.
Olympus E620, ZD12-60mm ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)


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#11: カブトムシ

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Two males of rhinoceros beetle feeding tree sap on the trunk.
Olympus E3, Sigma150mm Macro, ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)

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#12: オオセンチコガネ

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An Earth-boring dung beetle perching on the grass leaf.
Olympus E3, Sigma150mm Macro, ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)


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§ Afterword §

今週も近場のフィールド散歩に終始しました。
とにかく天気が悪いのと仕事が忙しいことが遠征出来ない理由です。

クロミドリはすでに最盛期を過ぎてしまったようですが、何とかメスの開翅は撮影できました。一方、今回調べた限りでは、オオムラサキの個体数が極端に少ないのには驚きました。来週あたりもう少し調べてみたいと思います。

でも、そろそろ山の上に登って高山蝶を撮影したくなります。




以上、 by 虫林花山
Commented by banyan10 at 2010-07-13 18:27
クロミはまだ結構綺麗ですね。
アイノも数が増えて少しは降りてきてくれたのですね。
クロモ、もう出ていますか。今年はできれば開翅を狙いたいです。
Commented by 蝶山人 at 2010-07-13 19:29 x
こちらは木が高く
クロミドリシジミ手も足も出ません。
また来年甲州詣でしたいです。
ご一緒できる日を
楽しみにしています。
Commented by himeoo27 at 2010-07-13 21:44
オオセンチコガネの輝き素敵です。標本では何度か見たことがありますが、生態をぜひ観察してみたいです。
Commented by dragonbutter at 2010-07-13 23:07
近場のフィールドでこんなに見られるなんて素晴らしいですね。
もうすぐ梅雨明けで高山蝶の季節ですね。
Commented by kmkurobe at 2010-07-14 09:14 x
ご近所撮影がこちらとは対象がまるで違ってうらやましい限りです。やはり気候の違いは大きいですね。クロミドリこちらでもらしいところは見つけたのですが、早朝かようには遠すぎて来年の課題になりました。
こちらも木が高いので・・・・・叩きようにも9㍍でもないと下枝まで届きません・・・・
Commented by yoda-1 at 2010-07-14 12:29
カンゾウの英名のdaylilyに納得です。
すぐに花形が変化して、綺麗なシャッターチャンスがない花でしょうか。
虫林さんは、いい瞬間を撮影されています。
 クロミは本当に尾状突起が長いべっぴんさんですね。
♂と♀の翅表が同じように黒いのでしょうけど、違いがあるのでしょう。
今回の♀の翅表のここまでディテールは素晴らしいです。
それ以上に、クロヒカゲモドキに感動です。
実際の画像で拝見すると、クロヒカゲとは全くの別物に感じます。
早く遇いたいヒカゲチョウの一つです。
Commented by 虫林 at 2010-07-15 16:17 x
banyanさん、
クロミは何とか見られる個体で良かったです。
あそこよりも他の場所で、アイノはかなりの数が飛んでいました。低い場所にもとまってくれましたが、もたもたしていて撮影できませんでした。来年が楽しみです。
Commented by 虫林 at 2010-07-15 16:24 x
蝶山人さん
コメント有難う御座います。
そちらのクヌギは大きすぎて叩くのが難しいのですね。クロミは来年こそ開翅写真のよいやつを撮影しましょう。楽しみですね。
Commented by 虫林 at 2010-07-15 16:26 x
ヒメオオさん、
コメント有難う御座います。
オオセンチコガネはこちらでは時々見かけます。
地域により色彩に差がある種類ですので、京都のルリセンイや北海道のミドリセンチなども撮影してみたいな。
Commented by 虫林 at 2010-07-15 16:29 x
dragonbutter さん、
コメント有難う御座います。
家の近くにクヌギ林があって、そこには色々な里山の昆虫たちが生息しています。地の利ですかね。
そろそろ今年こそ高山チョウに挑戦したくなっています。
でも、どうなることやら。
Commented by 虫林 at 2010-07-15 16:30 x
kmkurobeさん、
コメント有難う御座います。
こちらはそろそろオオムラサキが全盛期を迎えるところです。白馬は色々な種類のゼフが出揃って今が最高ですね。
Commented by 虫林 at 2010-07-15 16:33 x
yodaさん、
コメント有難う御座います。
クロミのオスでは黒いですけど光沢があります。怪しげでとてもよいですよ。
クロヒカゲモドキは毎年撮影していますが、今回のものは翅が欠けていて残念でした。でもこの種類はこれからが本番でしょう。
Commented by 風車(かざぐるま) at 2010-07-16 00:22 x
虫林花山さん 初めまして。

Mメディア表紙のキマルリやイエローバンドの写真のことを、同僚のO女史に聞いたら、虫林花山さんのこと、当サイトのことを教えてもらいました。

最近は採集に行くこともほとんど無くなったのですが、山梨は甘利山、千頭星山、日野春によく行きましたし、クロミドリも中山峠で採集したことを思い出しました。新宿発の夜行で長竿持ってよく行ったものです。懐かしいなあ~。

キマルリも上野原で見たことがありますよ。有名な場所ではないところで。

時々拝見させていただきます。
Commented by 虫林 at 2010-07-16 09:11 x
風車さん、
コメント有難うございます。
MメディアのO女史にはいつもお世話になっています。
小生の拙写真と駄文をご覧になっているとのこと光栄です。
小生も以前は採集もやっていたので、昔の新宿発の夜行電車はとても懐かしいです。
これからもどうぞよろしくお願いします。
こちらも時々、クレマツスのお写真を拝見させていただきたいと思います。
by tyu-rinkazan | 2010-07-13 02:11 | Comments(14)