20100725 富士山麓散歩:スミナガシほか
2010年 07月 28日
Nature Diary #0337
Date: July 25 (Sunday), 2010
Place: Place: Mt.Fuji in Yamanashi
Weather: Fine
<Pomera DM20>
最近、ポメラ Pomera という名前の小さくて安価な機器を衝動買いしました。これはワープロ機能だけのデバイスで、大きさが電子辞書程度ですから持ち運びが全く苦になりません。
Pomera DM20 (バックは通常のパソコンのキーボード)
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目的は空いた時間に文章を書くことで、とくにブログの下書きに使用しようと考えています。また、カレンダーにタイムスタンプ機能が付いているので、登山やフィールド散歩の時の記録などに利用できそうです。
§ Diary §
最近、少々夏バテ気味。
朝はゆっくりと起きて、食事をしながら本日の散歩先をうらうらと考えました(このうらうら時間が虫林には何とも贅沢に思えて好きです)。結局、遠出は止めて昨日訪れて様子がわかっている富士山麓に再び出かけることにしました。
▶スミナガシ; Constable
駐車スペースに車を止め、草原に向かう林の中の小径を歩いていると、黒っぽいタテハチョウが足下から飛び立ちました。かなりのスピードで旋回飛翔する姿を必死で目で追っていると地面に静止してくれました。
どうやら地面に残された動物の落とし物(獣糞)で吸汁しているようです。そこで、ゆっくりと近づいてその蝶を観察してみるとスミナガシでした。たしか、数年前にここで papilabo さんがスミナガシを撮影されているので、いても不思議ではありません。
#1: 地面に静止するスミナガシ
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A male of Constable feeding on the animal scat.
Olympus E-620, ZD8mm FISHEYE,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
リュックの中を探したら、幸いにして虫の目セット(Gyorme-8、ディフューザーなど)がしっかり入っていましたので、久しぶりに「虫の目撮影」をしてみようと思い立ちました。
虫の目で撮影すると、スミナガシのストローが赤くて太いのには驚きます。
#2: 動物の糞で吸汁するスミナガシ
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Insect eye image of a male of Constable feeding on the animal scat.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, gyorome-8, ASA200, Strobe(+)
(2010-July-25, Yamanashi)
スミナガシが静止した場所を、木漏れ日がスポットライトのように照らして、何とも怪しげな雰囲気を醸し出していました。
#3: 葉上に静止するスミナガシ
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A Constable resting on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
▶ミヤマカラスシジミ; Mera Black Hairstreak
友人のポンポコ山本さんによれば、富士山麓のミヤマカラスシジミはクロツバラを食べるので、他の地域のものよりも大きい個体が多いそうです。なるほど、言われてみれば、確かに富士山麓のミヤマカラスシジミは他で見る個体よりも有意に大きいと思いました。
蝶を強調するためにストロボ発光しました。
#4: クロツバラの葉に静止するミヤマカラスシジミ
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A Mera Black Hairstreak resting on the leaf of feeding plant, Kurotsubara.
Olympus E-620, ZD12-60mm, ASA200, Strobe (+)
(2010-July-25, Yamanashi)
新鮮なミヤマカラスシジミは美しい。
ところで、樹上性であるカラスシジミやミヤマカラスシジミは、どうしてゼフィルス Zephyrus の仲間に入れてもらえなかったのかな?
#5: クロツバラの葉に静止するミヤマカラスシジミ
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A Mera Black Hairstreak resting on the leaf of feeding plant, Kurotsubara.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
メスが動き出したので、おかしいなと思っていたら、案の定、おもむろに腹部を曲げて産卵行動を始めました。
#6: クロツバラの枝に産卵するミヤマカラスシジミ
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A female of Mera Black Hairstreak egg-lying on the leaf of feeding plant, Kurotsubara.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
▶ホシチャバネセセリ; Japanese Scrub Hopper
泥状の地面に蝶たちが吸水に集まっていました。
集合メンバーは、キチョウ、スジグロシロチョウ、ホソバセセリなどで、さらに小さなホシチャバネセセリも2頭吸水に来ていました。
しばらくすると、ホシチャが近くの葉上に移りました。
#7: 葉上に静止するホシチャバネセセリ
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A Japanese Scrub Hopper perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
#8: ススキの葉上に静止するホシチャバネセセリ
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A Japanese Scrub Hopper perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
▶クロシジミ; Gray-pointed Pierrot
昨日の標高が低い場所では、クロシジミはすでに古くなっているようでした。しかし、この高原では、まだまだ新鮮な個体をみることができました。
クロシジミは行動がゆっくりなイメージがありますが、どうしてどうして、飛翔はむしろゼフィルス類よりも速いかもしれません。すでに日が高いので、クロシジミのオスの占有(テリトリー)行動があちらこちらで繰り広げられていました。
#9: 枝先でテリトリーを張るクロシジミ♂
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A male of Gray-pointed Pierrot perching on the branch
Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
#10: ススキの葉上に静止するクロシジミ♂
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A male of Gray-pointed Pierrot perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
メスの裏面はなかなか模様が面白く、個体によって違いがみられるようです。
#11: クロシジミ♀
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A male of Gray-pointed Pierrot perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
#12: クロシジミ♀
.
A male of Gray-pointed Pierrot perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
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§ Afterword §
今回は昨日の再訪で、撮影した蝶の種類が一緒ということもあり、こちらで蝶を供覧することにしました。この時期の高原はなかなか蝶の個体数が多くて散歩にはなかなか良いことを再認識した次第です。
富士山麓の草原を歩いていたら、 C大学の H氏 とお会いすることができました。虫林の駐車していた車があったので、きてくれたそうですが、3年ぶりの再会でとても懐かしかったです。
このブログは購入した Pomera で下書きしてみましたが、小さい割にあまりストレスなく文章が書けました。なかなか優れもののようです。
以上、 by 虫林花山
Date: July 25 (Sunday), 2010
Place: Place: Mt.Fuji in Yamanashi
Weather: Fine
<Pomera DM20>
最近、ポメラ Pomera という名前の小さくて安価な機器を衝動買いしました。これはワープロ機能だけのデバイスで、大きさが電子辞書程度ですから持ち運びが全く苦になりません。
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目的は空いた時間に文章を書くことで、とくにブログの下書きに使用しようと考えています。また、カレンダーにタイムスタンプ機能が付いているので、登山やフィールド散歩の時の記録などに利用できそうです。
§ Diary §
最近、少々夏バテ気味。
朝はゆっくりと起きて、食事をしながら本日の散歩先をうらうらと考えました(このうらうら時間が虫林には何とも贅沢に思えて好きです)。結局、遠出は止めて昨日訪れて様子がわかっている富士山麓に再び出かけることにしました。
▶スミナガシ; Constable
駐車スペースに車を止め、草原に向かう林の中の小径を歩いていると、黒っぽいタテハチョウが足下から飛び立ちました。かなりのスピードで旋回飛翔する姿を必死で目で追っていると地面に静止してくれました。
どうやら地面に残された動物の落とし物(獣糞)で吸汁しているようです。そこで、ゆっくりと近づいてその蝶を観察してみるとスミナガシでした。たしか、数年前にここで papilabo さんがスミナガシを撮影されているので、いても不思議ではありません。
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A male of Constable feeding on the animal scat.
Olympus E-620, ZD8mm FISHEYE,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
リュックの中を探したら、幸いにして虫の目セット(Gyorme-8、ディフューザーなど)がしっかり入っていましたので、久しぶりに「虫の目撮影」をしてみようと思い立ちました。
虫の目で撮影すると、スミナガシのストローが赤くて太いのには驚きます。
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Insect eye image of a male of Constable feeding on the animal scat.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, gyorome-8, ASA200, Strobe(+)
(2010-July-25, Yamanashi)
スミナガシが静止した場所を、木漏れ日がスポットライトのように照らして、何とも怪しげな雰囲気を醸し出していました。
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A Constable resting on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
▶ミヤマカラスシジミ; Mera Black Hairstreak
友人のポンポコ山本さんによれば、富士山麓のミヤマカラスシジミはクロツバラを食べるので、他の地域のものよりも大きい個体が多いそうです。なるほど、言われてみれば、確かに富士山麓のミヤマカラスシジミは他で見る個体よりも有意に大きいと思いました。
蝶を強調するためにストロボ発光しました。
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A Mera Black Hairstreak resting on the leaf of feeding plant, Kurotsubara.
Olympus E-620, ZD12-60mm, ASA200, Strobe (+)
(2010-July-25, Yamanashi)
新鮮なミヤマカラスシジミは美しい。
ところで、樹上性であるカラスシジミやミヤマカラスシジミは、どうしてゼフィルス Zephyrus の仲間に入れてもらえなかったのかな?
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A Mera Black Hairstreak resting on the leaf of feeding plant, Kurotsubara.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
メスが動き出したので、おかしいなと思っていたら、案の定、おもむろに腹部を曲げて産卵行動を始めました。
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A female of Mera Black Hairstreak egg-lying on the leaf of feeding plant, Kurotsubara.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
▶ホシチャバネセセリ; Japanese Scrub Hopper
泥状の地面に蝶たちが吸水に集まっていました。
集合メンバーは、キチョウ、スジグロシロチョウ、ホソバセセリなどで、さらに小さなホシチャバネセセリも2頭吸水に来ていました。
しばらくすると、ホシチャが近くの葉上に移りました。
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A Japanese Scrub Hopper perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
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A Japanese Scrub Hopper perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
▶クロシジミ; Gray-pointed Pierrot
昨日の標高が低い場所では、クロシジミはすでに古くなっているようでした。しかし、この高原では、まだまだ新鮮な個体をみることができました。
クロシジミは行動がゆっくりなイメージがありますが、どうしてどうして、飛翔はむしろゼフィルス類よりも速いかもしれません。すでに日が高いので、クロシジミのオスの占有(テリトリー)行動があちらこちらで繰り広げられていました。
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A male of Gray-pointed Pierrot perching on the branch
Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
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A male of Gray-pointed Pierrot perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
メスの裏面はなかなか模様が面白く、個体によって違いがみられるようです。
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A male of Gray-pointed Pierrot perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
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A male of Gray-pointed Pierrot perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)
§ Afterword §
今回は昨日の再訪で、撮影した蝶の種類が一緒ということもあり、こちらで蝶を供覧することにしました。この時期の高原はなかなか蝶の個体数が多くて散歩にはなかなか良いことを再認識した次第です。
富士山麓の草原を歩いていたら、 C大学の H氏 とお会いすることができました。虫林の駐車していた車があったので、きてくれたそうですが、3年ぶりの再会でとても懐かしかったです。
このブログは購入した Pomera で下書きしてみましたが、小さい割にあまりストレスなく文章が書けました。なかなか優れもののようです。
以上、 by 虫林花山
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himeoo27 at 2010-07-28 21:57
最後のクロシジミ♀は、とても綺麗な個体ですね!さらに模様も良いし、まさに別嬪さんです。
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banyan10 at 2010-07-29 08:58
もう一度行かれたのですね。僕も近くまで行ったので、ミヤマカラスのパスト連写で性標を狙おうかと思ったのですが、思ったよりも時間がなくなって止めてしまいました。
こちらのクロシジミはまだ綺麗ですね。前の日もこちらへ行くのが正解だったようですね。
こちらのクロシジミはまだ綺麗ですね。前の日もこちらへ行くのが正解だったようですね。
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yoda-1 at 2010-07-29 12:47
この日曜日に富士山麓に出撃予定のYODAは、このブログをカラー印刷して、できるだけ近い成果を祈ることにしました。
標高の低い場所ではもう、クロシジミも新鮮でないようですが、遇えるだけで興奮してしまいそうです。
それにしても、♀の腹部には卵がびっしりなのでしょう。
スミナガシのこの怪しい輝きの複眼も接写したくてたまらない被写体です。
標高の低い場所ではもう、クロシジミも新鮮でないようですが、遇えるだけで興奮してしまいそうです。
それにしても、♀の腹部には卵がびっしりなのでしょう。
スミナガシのこの怪しい輝きの複眼も接写したくてたまらない被写体です。
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ヘムレン
at 2010-07-29 20:13
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クロツバラ・・・なんですか。てっきり生えているのは、クロウメモドキかと思っていました。木は難しいですね(^^;)。。
だから、ヤマキもいるのですね(^^)。。
だから、ヤマキもいるのですね(^^)。。
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ダンダラ
at 2010-07-29 23:53
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itotonbosan
at 2014-04-10 20:18
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by tyu-rinkazan
| 2010-07-28 21:09
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Comments(11)