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20110206 真冬の散歩道

Nature Diary #0370
Date: February 06 (Sunday), 2011
Place: Yamanashi
Weather: Fine




<思い出のカメラ>

冬の間だけでも少し整理しないと。

そこで、戸棚を嫌々かたずけていたら、懐かしい 「古いハッセル」 を見つけた-----嬉しくて整理中止 (相変わらず堪え性が無い)。

このカメラは、英国(ケンブリッジ)に滞在した時に、キングスカレッジに面した King's palade の小さなカメラ屋(Cambridge Camera Exchange)で購入したものだ。もう20年も前になる。かなりくたびれたセコハン(中古)だったが、一応ハッセルブラッド50周年記念モデルだ。

カメラには露出計が内蔵されていないので、撮影する時には、まずカメラを三脚に固定、構図を決定し、フイルムを巻き、単体の露出計で露出を計ってシボリとシャッター速度を決め、ミラーを上げ、やっとシャッターボタンを押す----といった一連の所作を儀式のようにやる。

今のデジカメからすると、恐ろしく面倒だが、一枚一枚しっかりと撮影できたのも事実だ。

20110206 真冬の散歩道_d0090322_2016573.jpg
古いハッセルブラッド 500C/M

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A old camera, Hasselblad 500C/M. I got it in Cambridge, UK.
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§ Diary §

富士宮市に行く途中、精進湖の湖面が凍結していた。

例年だと、この時期の精進湖の周りの道には雪があってなかなか近づき難い。でも、今年は雪がほとんど降っていないので、湖畔近くまで車を乗り入れることができた。雪は降ったら降ったで困りものだが、全く降らないのも少し心配になってくる。

富士山と精進湖の風景

20110206 真冬の散歩道_d0090322_20185016.jpg
凍結した精進湖と富士山

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A landscape of freezed surface of the lake Shoji and Mt. Fuji.
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Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
(Yamanashi, Jan-21-2011)



氷が融けた湖面には、ワカサギ釣りの小舟が数隻出ていた。

20110206 真冬の散歩道_d0090322_201932.jpg
凍結した精進湖とワカサギ釣りの小舟

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Several fishing boats in the Lake Shoji
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Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
(Yamanashi, Jan-21-2011)




オナガシジミの越冬卵; 
Overwintering eggs of the Walnut Hairstreak


昨年、オナガシジミを撮影したクルミ林に立ち寄ってみた。
木の梢を手で引き寄せて、越冬卵を探してみると、簡単に2卵を見つけることができた。

20110206 真冬の散歩道_d0090322_20191653.jpg
オナガシジミの越冬卵

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Two overwintering eggs of the Walnut Hairstreak found in the branch.
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Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA200
(Kobuchizawa, Yamanashi Pref., Feb-6-2011)



枝をロープで止めて、三脚にカメラをセットして撮影してみた。

越冬卵を100㎜マクロで撮影するのは容易ではなかったが、何とか見れる写真が数枚撮影できた。写真は20%程度をトリミングしている。

20110206 真冬の散歩道_d0090322_20193190.jpg
オナガシジミの越冬卵

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Overwintering eggs of the Walnut Hairstreak
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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400, Flash(+)
(Kobuchizawa, Yamanashi Pref., Feb-6-2011)




ヒサゴゴミムシダマシ;
Mealwarm,Misolampidus rugipennis


八ヶ岳の林の中で、半分地面に埋もれた朽木を見つけた。中がフレーク状になっていたので、手斧で崩してみたら、ヒサゴゴミムシダマシが出てきた。このゴミムシダマシはとても立派で格好が良いと思う。後翅は退化して飛ぶことができない。

本来、「ひさご:瓢」とは、ヒョウタンの中身を取り去った容器のことを呼ぶ。たしかに、この甲虫は瓢箪形をしている。ヒョウタンゴミムシダマシというわけだ。

苔の生えた木の上に移動させて撮影した。

20110206 真冬の散歩道_d0090322_20194664.jpg
朽木の中で越冬していたヒサゴゴミムシダマシ

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An overwintering Mealwarm, Misolampidus rugipennis, found in the ecaying log
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Olympus E-3, ZD8mm, EC-14, ASA400
(Kobuchizawa, Yamanashi Pref., Feb-6-2011)

20110206 真冬の散歩道_d0090322_20195887.jpg
朽木の中で越冬していたヒサゴゴミムシダマシ

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An overwintering Mealwarm, Misolampidus rugipennis, found in the ecaying log
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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400, Flash (+)
(Kobuchizawa, Yamanashi Pref., Feb-6-2011)




ヤノナミガタチビタマムシ; Trachys yanoi

ケヤキの樹皮下で、寄り添うように越冬しているヤノナミガタチビタマムシを見つけた。この虫の大きさは数ミリ程度なので、トリミング拡大した。

20110206 真冬の散歩道_d0090322_20201248.jpg
ヤノナミガタチビタマムシ

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Trachys yanoi
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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400
(Kobuchizawa, Yamanashi Pref., Feb-6-2011)




ベニヒラタムシ; Cucujus coccinatus

ベニヒラタムシも見られた。何度見ても鮮やかな赤色のエリトラが美しい。
樹皮下を這って、そこに棲む幼虫を食べているハンターなのだ。

20110206 真冬の散歩道_d0090322_20202444.jpg
ベニヒラタムシ

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Cucujus coccinatus
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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400
(Kobuchizawa, Yamanashi Pref., Feb-6-2011)




ルリビタキ;
Siberian bluechat, Tarsiger cyanurus


林の中でのんびりと休んでいたら、ルリビタキの♀がやってきた。このメスは全く恐れることを知らず、休んでいる虫林の周りを飛び回ってくれた。
全て100㎜マクロレンズで撮影できた。ルリビタキはとてもかわいい。


ルリビタキはオスの方が、翅が瑠璃色で美しいが、メスも可愛いものだ。
でも、小鳥のメスに好かれてもね~----贅沢言うんじゃない!

20110206 真冬の散歩道_d0090322_2020401.jpg
幹に静止するルリビタキ♀

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A female of Siberian bluechat perching on the tree trunk.
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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400
(Kobuchizawa, Yamanashi Pref., Feb-6-2011)

20110206 真冬の散歩道_d0090322_20205474.jpg
枝に静止するルリビタキ♀

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A female of Siberian bluechat perching on the tree branch.
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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400
(Kobuchizawa, Yamanashi Pref., Feb-6-2011)

20110206 真冬の散歩道_d0090322_2021993.jpg
急降下するルリビタキ♀

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A female of Siberian bluechat swooping down on the ground.
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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400
(Kobuchizawa, Yamanashi Pref., Feb-6-2011)

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地面で餌を探すルリビタキ♀

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A female of Siberian bluechat searching insects on the ground.
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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400
(Kobuchizawa, Yamanashi Pref., Feb-6-2011)




なんじゃもんじゃの木; Nanjamonja

「なんじゃもんじゃの木」という名前の木は、日本国中にあるようで、とくに関東地方で多いらしい。ここの「なんじゃもんじゃの木」は、「両面桧」 というもので、通常の桧の葉では、粉がついて葉裏が白っぽくみえる。この両面桧では、その粉が少なくて裏表があまり差がないということらしい。実際、観察してみたら、多少は少ないようだが、あまり差が----。

20110206 真冬の散歩道_d0090322_20213982.jpg
なんじゃもんじゃの木

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Nanjamonja tree
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Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA400
(Yamanashi Pref., Feb-6-2011)


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§ Afterword §

今週は時間が出来たので、フィールド散歩をした。
今年は雪が少ない(ほとんど無い)ので、山での散歩がとても楽で良い。


春はもうすぐだ。





以上、 by 虫林花山
Commented by bjynp at 2011-02-07 00:03
虫林さん、昨日今日はお天気よかったですね。僕も近くの森で野鳥観察しました。ヤマガラ、シジュウカラ、ルリビタキ、ノスリと色々楽しめました。ノスリは、遠かったので最初はオオタカかと期待したんですが、帰宅後に拡大してノスリと判明し、ちょっとがっかりでした。
それと、書き込みしたページ、ネットから検索したので、てっきり今年と思い込んでました(笑)。失礼しました。今週末か来週末か迷ってます。愛知県も通常より2週間遅れてました。
アッキーマッキー
Commented by naoggio at 2011-02-07 14:57 x
ハッセルをお使いだったとは・・・
虫林さんの写真の腕前の秘密を垣間見た思いがしました。
英国の写真、ぜひ見せて下さいね。
ルリビタキは 7D で撮影されたんですね。しかも100mmで。
以前から拝見していて、7Dは良さそうに思えるのですがいかがですか?

Commented by 虫林 at 2011-02-07 20:04 x
アッキーマッキーさん、
山梨県でのセツブンソウは、例年ですと大体20日頃に開花します。
今週末では早すぎますよ(1月30日の時点では、芽さえも確認できませんでした)。多分、来週末でも少し早いかなと感じています。でも、少しなら来週末でも咲いているかもしれません。
春の花の開花を読むのは難しいですね。
うまく撮影できると良いですね。
Commented by 虫林 at 2011-02-07 20:17 x
naoggioさん、
naoggioさんもペンタの6X7をお使いでしたね。僕も以前は中盤カメラにも興味がありました。ペンタの645とかマミヤ8とかを使用したこともありますよ。英国での風景はいつかブログでアップしてみようかな。古い写真にはそれぞれ思い出があってよいものですね。
キャノン7Dは今年から導入しています。E-3の調子が思わしくないので、オリンパスE-5を購入しようと思ったのですが、オリンパスがマイクロフォーサーズにばかり興味があるみたいで、フォーサーズ用のレンズを計画していないのが気になりました。
キャノンに変えたのは、魅力的なマクロレンズを出したからです。キャノンの中で7Dを購入したのは、上位の機種と同じデュアル DIGIC 4を搭載していたのが理由です。実際、使用してみるとオリンパスE-3に比べて少しひ弱な感じがします。でも、7Dが真価を発揮するこれからのシーズンを楽しみにしています。
Commented by himeoo27 at 2011-02-07 20:53
ルリビタキやジョウビタキはとてもフレンドリーな子にたまに出会うのでカメラを向けることがありますが、私には中々このように可愛く撮れませんね!
やはり虫林さんは、昆虫だけでなく、野鳥からも愛されているから写せるのでしょうか?
Commented by 虫林 at 2011-02-07 21:11 x
ヒメオオさん、
このルリビタキの♀は、鳥の方からわざわざ来てくれて、しばらく撮影に付き合ってくれました。100mmマクロでも近すぎるくらいの場所でモデルになってくれたのです。今まで、外国の鳥に比べて、日本の小鳥は人を怖がるのが強いなと思っていたので、この鳥の行動は僕の考えを変えてくれました。
僕が特別鳥に愛されているわけではなくて、たまたま特別な鳥君がいてくれたのです。僕自身もとても嬉しくなりました。
Commented by ダンダラ at 2011-02-09 13:19 x
2月に入って少し暖かくなったと思ったら、また寒くなってしまいましたね。
ハッセルは銀鉛時代にはあこがれましたけど、目的が違ったので雑誌などで眺めるだけでした。
でも撮るという手ごたえはあるでしょうね。
小鳥が近くにまで来てくれたという経験はないです。
そんなフレンドリーな小鳥がいたらうれしいですね。
Commented by 虫林 at 2011-02-09 19:48 x
ダンダラさん、
今年は少し季節が遅れ気味のような気がします。ここ数日暖かいので、例年くらいまで追いついてくれればよいのになと思っています。
ハッセルは、電池ではなく、機械式のシャッターで1/500秒まで写せるのが素晴らしいと感じています。もちろん、カールツァイスのレンズも良いです。でも、昆虫などの撮影には全く適しませんので、今はなでて楽しんでいるだけです(笑)。
ルリビタキはフレンドリーな鳥ですが、せいぜい2m位までしかよってきません。しかし、この時のものは、僕の周り1mくらいので枝に止まったり、地面で餌を探したりしてくれました。初めての体験で、嬉しくなりました。
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by tyu-rinkazan | 2011-02-06 20:38 | ▣オナガシジミ | Comments(8)

Photographic Adventures for Insects and Flowers


by 虫林花山
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