NATURE DIARY

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20110220 ひょうたん池とモンキチョウ(初見)

Nature Diary #0372


<熊田千佳慕の言葉>
最近読んだ本の中に「私は虫である」というものがある。
その中にある言葉に心を打たれた。

自然は美しいから美しいのではなく、愛するから美しいのだ。



§ Diary §

昨日は東京から夜遅く帰宅したので朝遅く起きた。

このところの週末は、何だかんだと忙しくて東京との間を行ったり来たりしている。そんなことで、しばらくフィールド散歩もしていないので、どうやら「酸素欠乏」ならぬ「散歩欠乏」症状(イライラ、ソワソワして落ち着かない)が出ているようだ(自己診断)。

そこで、とにかく近くのヒョウタン(瓢箪)池を散歩することにした。



» モンキチョウ; Pale Clouded Yellow

毎年、2月の声を聞くと今年羽化した新成虫のモンキチョウが気になる。

武田神社の傍のひょうたん(瓢箪)池は周囲を土手に囲まれているので、池畔は風が弱くて比較的暖かい。その証拠に毎年、モンキチョウを初めて見るのがこの池の周りだ。ちなみに虫林のモンキチョウの初見は、昨年は2月27日、一昨年が2月14日だった。


午前10時を過ぎて、気温も上がってきた。ゆっくりと斜面に沿って歩いて行くと、足元から1頭のチョウが飛び出して、少し前の地面に静止した。

今年もモンキチョウに会えて嬉しい。

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枯れた草に静止するモンキチョウ♂

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Canon 7D, Sigma 10mm Fisheye, Kenko X1.4, ASA400
(甲府市, 2月20日)



地面に静止するモンキチョウは、陽射しをいっぱい受けようとして体を横に倒している。コツバメなどの春のチョウはしばしばこのような姿勢を示す。

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体を倒して日光浴するモンキチョウ♂

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Canon 7D, Sigma 10mm Fisheye, Kenko X1.4, ASA400
(甲府市, 2月20日)



お昼近くになって気温が上がると、モンキチョウは活発に飛び始めた。
やはり飛び回るチョウを見るのは良いものだ。

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飛翔するモンキチョウ♂

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Canon 7D, Sigma 10mm Fisheye, Kenko X1.4, ASA400
(甲府市, 2月20日)



モンキチョウは意外に敏感で、活発に活動しだすとなかなか撮影距離まで近づけない。
仕方がないので、レンズを300㎜に交換して撮影した。

ホトケノザ、オオイヌフグリ、タンポポで吸蜜した。

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ホトケノザで吸蜜するモンキチョウ♂

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Canon 7D, EF300mm, ASA400
(甲府市, 2月20日)



モンキチョウの姿を見て春の訪れが実感する方はよほどの虫好きに違いない。モンキチョウは成虫で越冬する蝶ではなくて、蛹で冬を越して、春先に羽化してくる新成虫だからね。この時期に見られる個体は羽化して間もない新鮮なものだ。まるでミヤマモンキチョウのように翅の縁取りに紅がのってとても美しい

春も深まって他のチョウたち(ミヤマセセリ、ギフチョウなど)が出現すると、僕の関心はそちらに移ってモンキチョウには目もくれなくなる。でも今は君がスターだ。

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モンキチョウ♂

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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400
(甲府市, 2月20日)




» 越冬卵; Overwintering eggs

何となくコナラ林に立ち寄ったら、ゼフの越冬卵を見つけた。

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越冬卵

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Canon 7D, Sigma 10mm Fisheye, Kenko X1.4, ASA400
(甲府市, 2月20日)



越冬卵は2つ見つけたが、肉眼では別種とわからなかった。でも、ファインダーを通して観察してみると、ミズイロオナガシジミとオオミドリシジミの越冬卵だった。

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越冬卵 (左:ミズイロオナガシジミ、右:オオミドリシジミ)

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Canon 7D, EF100mm Macro, Kenko X1.4, ASA800, Flash (+), Trimming(+)
(甲府市, 2月20日)




» セツブンソウ; Shibateranthis pinnatifida

セツブンソウの群生地を訪れて見ると、今年は1週間ほど開花が遅れているようで、まだ花をつけたもの少なかった。でも、花の撮影には咲き始めが良い。

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セツブンソウ

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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400
(市川三郷町, 2月20日)


日陰には少し雪が残っていた。

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日陰の雪を背景に咲くセツブンソウ

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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400
(市川三郷町, 2月20日)


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§ Afterword §

モンキチョウはたった2頭しか見ることができなかったが、2頭見ることができればそれで十分である。それよりも今年羽化したチョウを見ることができたことが妙に嬉しい。

毎年、冬が過ぎれば春が来て、新成虫を見てきているのに、毎年新成虫に出会うと感激することができる。やはり熊田千佳慕のいうように、自然は愛するから美しいのだろう。

今年も虫屋の春が訪れた。





以上、 by 虫林花山
Commented by chochoensis at 2011-02-20 21:52 x
虫林さん、暫く入退院などしている間にたくさん珍しい写真が掲載してあったので、驚いています・・・特に小生が一度観察したいブラジルの=ハキリアリ=・・・「・・・うーん・・・」と唸ってしまいました。
これから、過去の写真をじっくり拝見します。
Commented by 虫林 at 2011-02-21 06:52 x
chochoensisさん、
コメント有難うございます。
南米のアリたちはどうして葉をきるのでしょうかね。ハキリアリにはかなり多くの種類があるみたいです。ブラジルでハキリアリを見ることは難しくありません。実際、僕が訪れたサンパウロの植物園では、何回もこのハキリアリを見ることができました。彼らは人間社会では害虫になってしまうかもしれません。
お体の具合が心配です。どうぞゆっくりとご静養してください。
Commented by tamayam2 at 2011-02-21 09:26
いつも素晴らしいチョウの世界、植物の世界を見せて
くださりありがとうございます。2年前に偶然に熊田千佳慕の
展覧会を見ました。そのときの記事です。幼子のような感性を
生涯持ち続けた方だと思いました。
http://tamayam2.exblog.jp/12138326
Commented by 22wn3288 at 2011-02-21 10:09
モンキチョウ もう出ましたか。私も20日に見て来ましたが、甲府市より南の当地ではまだ見られませんでした。
飛翔写真もいいですね。
Commented by banyan10 at 2011-02-21 10:14
春一番のモンキチョウは鮮やかで嬉しいですね。
ホトケノザの吸蜜は撮影できていないので羨ましいです。
卵はミズイロでなくウスイロですか。
セツブンソウ、昨年は見ていないので見に行きたくなりました。
Commented by 虫林 at 2011-02-21 12:03 x
tamayam2 さん、
有難う御座います。
熊田千佳慕の精密画が何ヶ月もかかるそうで、ぜひ一度見てみたいと思っています。展覧会でご覧になったとのこと、羨ましいです。
彼の自然に対する考え方は、共感する部分が多いですね。
Commented by 虫林 at 2011-02-21 12:05 x
tamayam2 さん、
有難う御座います。
やはりまだ数は少ないようで、当地でも場所が問題です。
でも、毎年新成虫は見つけると嬉しいものですね。
ぜひともそちらでも見つけてくださいね。
Commented by 虫林 at 2011-02-21 12:12 x
banyanさん、
有難う御座います。
こちらではウスイロがいたら驚きですね。仰るとおり、ミズイロです。書き直しました。
banyanさんはモンキチョウを今年すでに発見されていて、すごいですね。
甲府あたりだと、やはりこの時期にならないと見つけることができません。
セツブンソウは花が少ないこの時期には一度は撮影したいと思っています。
Commented by naoggio at 2011-02-21 13:59 x
この週末は野暮用が重なり、モンキチョウ探しにも行けませんでした。
甲府盆地でももう発生しているとは驚きました。なんと気の早い蝶なのでしょう。確かに今だけの大スターですね。
セツブンソウの画像、ため息が出るほど美しいですね。愛するから・・・でしょうか?私には愛せるから、のような気もします。
Commented by 虫林 at 2011-02-21 18:34 x
naoggioさん、
モンキチョウの初見は、甲府盆地では2月20日前後で、ちょうどセツブンソウの開花と重なるようです。やっと少し春が訪れたような気分になりました。
なるほど、「愛せるから」というのも大事ですね。
Commented by kenken at 2011-02-21 20:02 x
モンキチョウに越冬卵と、近場でも十分に楽しいフィールドですね。今日2/21は、関西方面は春の陽気でした。いよいよシーズンが近づいてきました。
7D+300mmのホトケノザ吸蜜の写真は、カメラとレンズの威力がよく出て、くっきり撮れていますね。飛翔写真のバックの青空は、なんだか夏の色のようにも見えますね。
Commented by himeoo27 at 2011-02-21 22:06
ミズイロオナガの独特な大きな円形のクレーターの開いた卵とっても綺麗ですね!野外でぜひ見つけたいなあ~。
Commented by furu at 2011-02-21 22:44 x
モンキチョウ、もう出ましたか。こちらではまだ見てません。最近、越冬卵を探しに雑木林の方によく行くので、川原の探索が手薄になっているせいかも知れません。

熊田先生にはご存命のうちに一度お目にかかりたかったです。
Commented by bjynp at 2011-02-21 23:44
虫林さん、こんにちは
お知らせ、ありがとうございました。週末に行きたかったんですが、現在、レポート地獄に苛まれ、いつ終わるともない苦しさを味わってます。何とか今週中に片付けて週末は星とセツブンソウを、ともくろんでますが、来週まで延びるかもしれません。それまで何とか待っててくれるといいのですが。。。
アッキーマッキー
Commented by 虫林 at 2011-02-22 07:22 x
kenkenさん、
そろそろ春になってきましたね。
EF300mmは手持ち撮影できて、画像もシャープですね。色々とアドバイス有難うございました。
飛翔写真の場合、露出補正でアンダーにしているので、空の色が深くなったのかもしれません。
Commented by 虫林 at 2011-02-22 07:23 x
ヒメオオさん、
ミズイロオナガシジミの卵は独特な形で面白いですね。
コナラの細い枝を探してみると見つかるか確率が高いです。
上手く見つかると良いですね。
Commented by 虫林 at 2011-02-22 07:26 x
furuさん、
越冬卵の撮影も興味ありますが、やはり成虫が出るとそちらに行ってしまいます。
クマチカさんは99歳で亡くなったそうですが、そのバイタリティには驚かされます。彼の細密画には自然に対する愛情があふれているようですね。
Commented by 虫林 at 2011-02-22 07:29 x
アッキーマッキーさん、
お忙しいようですね。
セツブンソウは今週末、来週末でもいけるでしょう。僕は他の地域のセツブンソウを見たことがないので、是非とも比較して見られたら良いかと思います。
花の撮影は時期がとても短いのでなかなか難しいですね。
Commented by ダンダラ at 2011-02-22 09:13 x
モンキチョウ出たのですね。
こちらでは休日になると天気が悪く、まだ観察できていません。
もうちょっとの辛抱ですね、待ち遠しいです。
節分草、こちらのものよりもなんだか花弁が細いように思いますが気のせいかしら。
Commented by 虫林 at 2011-02-22 21:13 x
ダンダラさん、
まだ数は少なかったのですが、何とか見ることができました。
この時期になると、モンキチョウが大変貴重な蝶に思えます。
まったく勝手ですよね。
そちらはもう少しのようですが、次回には見ることができれば良いですね。
セツブンソウはおっしゃる通りで、山梨のものは花弁や葉が他の地域のものよりも明らかに細いように思えます。地域変異ですかね。
by tyu-rinkazan | 2011-02-20 19:41 | Comments(20)