NATURE DIARY

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20110326 里山の春散歩

ND#378
車を駆って郊外の丘の上に立つと、日当たりのよい休耕田や土手にはタンポポやオドリコソウが絨毯のように咲き誇り、見渡す農地の所々で菜の花が春の風情に色を添えている。雑木林ではやっとコブシの花も綻んで、小路の脇ではイカリソウやスミレがひっそりと花をつけている。いよいよ里山にも春が訪れた。


» モンシロチョウ ; The Small White

農地のキャベツ畑ではモンシロチョウが飛び、時折、菜の花で吸蜜している。今までこの場所にこれだけ多くのモンシロチョウがいることさえも気づかずにいたことが恥ずかしい。モンシロチョウの幼虫はキャベツだけを食す偏食者だ。ここで最近数が増してきたのは、無農薬での野菜栽培が増えているからなのだろう。

蝶の仲間で害虫に指定されているのはモンシロチョウだけだ---人間とは勝手だな。

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菜の花とモンシロチョウ (甲府市, 3月26日)

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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400



» ミヤマセセリ ; The Small Copper

僕はスプリングエフェメラルという言葉を聞くと心が動揺する。やはり、春先だけの植物や昆虫たちにはある種の憧れがあるからだろう。ミヤマセセリはけっして綺麗な蝶とは言えないが、正真正銘のスプリングエフェメラルなのだから見る目が違うのだ。人種差別ならぬ蝶種差別といわれても仕方がない。

本日は少し寒いので、ミヤマセセリは11時過ぎにやっと現れて日光浴をしたりスミレやセンボンヤリなどの小さな花で吸蜜したりしていた。この蝶は地面に水平に静止するので、広角撮影がなかなか難しい。でも、やっと石の上に静止してくれたので慎重に撮影してみた。

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日光浴するミヤマセセリ♂ (甲府市, 3月26日)

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Canon 7D, Sigma 10mm Fisheye, kenko X1.4, ASA400

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センボンヤリの花で吸蜜するミヤマセセリ♂ (甲府市, 3月26日)

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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400



» テングチョウ ; The European Beak

先週には小路のあちらこちらで日向ぼっこする様子が見られたテングチョウが、今週はほとんど姿を消していた。それでもちらちらと数頭は観察することができたが、いったい彼らはどこに消えたのだろうか。多分、越冬した場所から広範囲に散ってしまったのかも知れないな。

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日光浴するテングチョウ (甲府市, 3月26日)

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Canon 7D, Sigma 10mm Fisheye, kenko X1.4, ASA400

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テリトリーを守るために飛翔したテングチョウ (甲府市, 3月26日)

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Canon 7D, Sigma 10mm Fisheye, kenko X1.4, ASA800, Trimming (+)



» ベニシジミ ; The Small Copper

オオイヌノフグリ群落にベニシジミが数頭訪れていた。そういえば、今年はまだベニシジミを撮影していなかった。青いオオイヌノフグリの花と赤いベニシジミのコントラストはとても鮮やかで綺麗です。

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オオイヌノフグリの花で吸蜜するベニシジミ (甲府市, 3月26日)

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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400


求愛行動をしているベニシジミのペアを観察していたところ、2頭が並んで日光浴を始めた。写真では一見、2頭が仲良く日光浴しているようにも見えるが、実は何とも言えない緊張感を感じる。実際、数秒後に一頭がその場から逃げるように飛び立つと、すかさずもう一頭が追尾して視界から消えていった。

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日光浴するベニシジミのペア(甲府市, 3月26日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


ベニシジミはとても美しいチョウであるが、あまりに数が多いのでその美しさが正当に評価されていないのが残念だ。とくに後翅表面に青い紋が出現するタイプは、翅に青い星を並べたようでとても綺麗だ。

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ベニシジミ(甲府市, 3月26日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400



» ヤマトシジミ ; The Pale Grass Blue

この春先に見つけたヤマトシジミは明らかに色が白っぽくて、低温型といえる個体だった。かなり敏感で、なかなか近づかせてくれなかったが、何とか近づいて撮影してみた。

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ヤマトシジミ(甲府市, 3月26日)

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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400



» ルリシジミ ; The Holly Blue
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ルリシジミ(甲府市, 3月26日)

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Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400



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§ Afterword §

このところ、大震災の影響で週末に予定されていた色々な行事が軒並み中止になっています。本日も知人の記念パーティがキャンセルになりました。また、山梨では計画停電が実施されていて、ウィークデイは毎日電気の供給が停止されるので仕事に大きな支障が生じそうです。でも、週末が空くのは虫屋の僕にとっては有難いことでもあります。

それにしても、フィールド散歩後の花粉症の症状が例年よりもかなりひどいな。




以上、 by 虫林花山
Commented by yoda-1 at 2011-03-28 12:42
ベニシジミのペアの後の画像は左個体の♀のアップと思いますが、丸くてかわいいものですね。
この青い斑紋列があったりなかったりしますが、この個体の発達は顕著だと感じました。
ヤマトシジミ、ネット初見です。これ早すぎませんか?
Commented by 虫林 at 2011-03-28 14:12 x
yoda-1さん、
コメント有難うございます。
ベニシジミの青紋付きはとてもきれいですね。とくに発達した個体は美しいと思います。もう少し、よく観察してみたいと思います。ヤマトシジミは僕の記録だと2年前に3月20日には初見してますので、決して早くはないかなと思います。甲府は内陸ですが、日当たりのよい場所では結構蝶たちも早くから見ることができます。そちらでもすでに出現しているのではないでしょうか。
Commented by banyan10 at 2011-03-29 14:49
モンシロチョウは菜の花が似合いますね。
テングの卍は見事です。
僕もα55でこういうシーンを狙いたいです。
Commented by naoggio at 2011-03-29 17:32 x
テングチョウが飛び立ったところ、別の♂に体をぶつけて行ってるんですか?凄いシーンですね。
ベニシジミの2枚目、ミラーのようで面白いです。
虫林さんの写真はいつも狙いがはっきりしていて楽しいです。
ヤマトシジミこちらではまだ見ておりません。
Commented by otto-N at 2011-03-29 20:36 x
ヤマトシジミは気になるテーマです。ルリシジミともに、甲府より暖かいはずの都心ではまだ見ていません。が、今日、ツバメシジミのメスを撮りました。
Commented by 虫林 at 2011-03-30 11:22 x
banyanさん、
コメント有難うございます。
モンシロチョウは今まであまり撮影していなかったのですが、菜の花との組み合わせでは結構良い絵になることがわかりました。テングチョウは飛翔もゆっくりしていて、卍の時には飛翔も撮影可能でした。是非ともチャレンジしてみてください。
Commented by 虫林 at 2011-03-30 11:25 x
naoggioさん、
コメント有難うございます。
飛翔写真を撮影すると、肉眼ではなかなか見えないシーンが確認できるのが良いですね。テングチョウにとっては、縄張りを守ることに必死になっている様子がわかりました。
ベニシジミは僕もはっとしてあわてて撮影した次第です。
Commented by 虫林 at 2011-03-30 11:28 x
otto-Nさん、
コメント有難うございます。
ヤマトシジミは奥が深いテーマですね。とくにこの早春に出てくる個体は明らかに白っぽくて綺麗です。まだ個体数も少ないので、もっと探して撮影してみますね。都心でも日当たりのよい場所を探して歩けば見ることができると思いますよ。ツバメシジミのメスはすごいですね。そちらのブログで見ましたが、とてもきれいな個体で感心しました。
Commented by himeoo27 at 2011-03-30 21:30
この時期のルリシジミの表翅の玄妙な金属光沢素晴らしいですね!
ヤマトシジミと併せて早く出会いたい蝶です。
Commented by maximiechan at 2011-03-30 22:27
ミヤマセセリは地面だったり枯葉の上だったりと背景と主役が同じ平面に収まることの多いと思います。 ですから「センボンヤリの花で吸蜜するミヤマセセリ♂」の写真は、主役のミヤマセセリが浮き上がっていて、何か不思議な感じがします。
さて、ヤマトシジミとルリシジミは今年まだ見ていません。そこは陽射しを沢山受けるような場所なのでしょうか。
Commented by 虫林 at 2011-03-31 15:58 x
ヒメオオさん、
コメント有難う御座います。
この時期にはルリシジミをみるとほっとしますね。もちろん、そちらでも見れるといいですね。ヤマトは低温型で白っぽくて面白いですよ。
Commented by 虫林 at 2011-03-31 16:02 x
maximiechan さん、
コメント有難う御座います。
そうなですよ、ミヤマセセリは地面と平行にとまると、奥行きのある広角写真が撮りにくいので。花でも、スミレやオオイヌノフグリなどで吸蜜しても、チョウの重みでなかなか絵になりません。そのてん、センボンヤリは硬いのでミヤマセセリが静止してもしっかりと支えてくれます。
ヤマトとルリは仰ると通りでよく日のあたる場所です。そちらでも撮影できると良いですね。
by tyu-rinkazan | 2011-03-28 00:35 | Comments(12)