NATURE DIARY

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201100618 クヌギ林散歩:クロミドリシジミ♂開翅

=歯痛=
最近、左上の奥歯のあたりが痛い。おかかえの歯科医(家内)に診てもらったところ、「歯槽膿漏」かもしれないということでした。そこで、近くの歯科医院を受診して治療を受け、痛みはかなり軽減したのでほっとしました。とにかく、6月と7月は仕事もさることながら、週末のフィールド散歩の方も忙しいので、歯が痛いのはとても困ります。これから歯磨き+歯間ブラシ+うがい+禁甘物 を心がけよう-----無理かな?



Nature Diary #394

先週末はクロミドリシジミの出現を見なかったが(例年よりも遅れている)、そろそろ今週末あたりが新鮮な個体が期待できるはずです。そこで、あまり思わしくない梅雨時の天気予報にもかかわらず、近く(車で10分ほど)のポイントに クロミドリ早朝散歩 に行きました。今回は横浜のIさんと一緒です。

クヌギの枝を長サオでペシペシ叩いてみると、それらしきシジミチョウが数頭飛び出しましたが、朝の気温が高いせいか(虫林の行ないが悪いせいか?)、せっかく出てきても撮影可能な場所に静止してくれませんでした。そろそろ諦めて引き揚げようとした時に、目の前のクズの葉に静止するシジミチョウを見つけました。

そのチョウは黒っぽい地に赤い紋が良く目立ち、まさしく目的のクロミドリでした。

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クロミドリシジミ♂翅裏 (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400

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クロミドリシジミ♂翅裏 (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



しばらくすると、クロミドリは翅を微妙にスリスリしたかと思うと、おもむろにゆっくりと半開翅しました。今シーズンはクロミドリ♂の開翅写真を一つの目標にしていたので、緊張の一瞬でした。

とにかく、クロミドリはFavoniusの仲間なのに、翅表が黒銅色というヘンテコリンなシジミチョウですが、この黒銅色がヒカゲチョウの色とも異なり、怪しく魅惑的な色合いを持っています。したがって、オスとメスでは翅表の色合いも微妙に異なるのがまた面白いですね。

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クロミドリシジミ♂半開翅 (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



その後、期待通りに全開翅に至りましたが、半開翅から全開翅に至るまでを時系列で組み写真にしてみました。こういう時にカメラの「動画機能」を使って撮影すればとても面白いなと思います。

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クロミドリシジミの開翅 (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



今回はSigmaの24㎜を持参したので、それを装着してみました。

24㎜といっても実際には36㎜なので、やや広角常用レンズ域のレンズです。かなり寄れるので、マクロ的な撮影も可能なのが気にいっています。さらに、このレンズのF値(明るさ)は1.8と明るいので、少し光が乏しいような曇り空の下の撮影やもしかしたら飛翔写真にも使用できるかもしれないと密かに期待しています。

虫林のカメラの標準レンズにしておこうと思う。

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クロミドリシジミ♂開翅 (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, Sigma 24mm, ASA200



クロミドリのように翅表が一様に暗色のチョウは、細かい傷でも目立ってしまいます。

今回、全開翅したクロミドリの♂個体は、ほぼ無傷といえる翅表でした(多分、羽化して間もないのでしょう)。それにしても、翅の表面はまるで上質のベルベットの生地ように滑らかで上品な雰囲気を有しています。また、この色合いには、「明るい曇り空」も幸いしたのだと思われます。

こういう好機には、横位置や縦位置など被写体を色々な方法で撮影することにしています。

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全開翅するクロミドリシジミ♂ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400




明けて日曜日(19日)は、Iさんに加えて、banyanさん、hemlenさん、yodaさんとご一緒しました。クロミドリの撮影では、叩き出された蝶が静止する場所を確認するためには複数の方が有利ですね。

初めのポイントでは、クロミドリは出てくれるものの、残念ながらことごとく飛び去ってしまいました。そこで、別のポイントに移動して探索してみると、嬉しいことにそれほどの苦労せずに目の前のクズの葉に静止しているクロミドリを見つけることができました--------移動正解でした。

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クロミドリシジミ♂翅裏 (甲府市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



ここでもクロミドリ♂の全開翅を撮影できました。

下の写真はSigma 10㎜Fisheyeで撮影したものですが、蝶とレンズの距離は前数センチです。クロミドリでこんな広角撮影は想定外でしたね。笑えるのは、虫林の三脚などが視野の中に入ってしまったことですが、取り除いてからもう一度やり直すのは飛んでしまう危険が大きいので、そのままで撮影続行しました。

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クロミドリシジミ♂ (甲府市、6月19日)

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Canon EOS 7D, Sigma 10mm Fisheye, Kenko X1.4, ASA400



今までクロミドリ♂の全開翅のチャンスはなかなか無かったのに、今年は2日間連続で撮影できるなんてとてもラッキーなことに違いありません。とにかく、せっかくの良いチャンスなのですから、可能な限り手を変え品を変えて(カメラを変え、レンズを変えて)楽しく撮影できました。

全開翅した♂の翅表の写真を後で確認してみると、とても惜しいことに表面にわずかなスレが散在していました。でも、そのスレは小さくて気にするほどのものではありませんので、完全個体を100点満点にすれば、90点くらいに相当するレベルでしょう(ちょっと辛いかな?)。

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クロミドリシジミ♂全開翅 (甲府市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



前方から見ると、クロミの複眼はとても大きい。まるでゴーグルでもかけているかのように見える。この複眼であれば、ほぼ360℃の視野で見ることが出来るかもしれないな。クロミは目が良いのかな?

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クロミドリシジミ♂ (甲府市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



側面から見ると、クロミの尾状突起はとても長くて、上方に跳ね上がっています。

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クロミドリシジミ♂ (甲府市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200



§ Afterword §

今年は♂の開翅をちゃんと撮影したいと考えていたので、今週末は土日ともクロミドリシジミの新鮮な♂個体の撮影に行きました。一応、その課題がクリアーできて良かったなと思います。

クロミドリは夜明け前直前に乱舞する性質があるそうですが(虫林はまだ見ていない)、その乱舞する様子を撮影しようと思いIさんと一緒に日曜日の朝暗いうちからクヌギ林で待ちました。しかし、いかんせん発生初期では個体数が少なすぎたようです。これからチャンスがあれば、薄暗い中でのクロミドリの飛翔写真に再チャレンジしてみたいと思っています。できるかな?

今回の撮影でご一緒した皆さん(横浜のIさん、banyanさん、hemlenさん、yodaさん)ご苦労様でした。お蔭さまで楽しく有意義な時間が過ごせました。



次のNDでは、クロミドリ以外の蝶たちを供覧します。




以上、 by 虫林花山
Commented by ダンダラ at 2011-06-23 07:51 x
初日のクロミドリ♂の全開翅見事ですね。
光線の加減も良く、柔らかな色合いで素晴らしいです。
目標達成おめでとうございます。
Commented by banyan10 at 2011-06-23 09:29
日曜はお世話になりました。
こうして比べると土曜の方が新鮮ですね。本当に当日の羽化のような印象で写された色合いも素晴らしいです。
僕が背景の広角が掲載されなくて安心しました。(笑)
一度は乱舞を見てみたいですね。
Commented by yoda-1 at 2011-06-23 12:33
日曜日は大変御世話になりました。
撮影時の明るさも影響するのですかね。土曜日撮影個体のしなやかな感じを持つ綺麗さにうっとりであります。
それに対して、YODAも撮影に参加させていただいた日曜日は少し擦れていること以上に、なにか堅さを感じます。
明るさなのか、羽化直とそうでないものの差なのか、興味が尽きません。
Commented by naoggio at 2011-06-23 16:34 x
うーん、羨ましい(いつも同じことを言っているような気がしますが)。
水曜日に行ってみたのですが、後は開くのを待つだけという段になって、ガサッとやって逃げられてしまいました。ドジでした。
それにしても美しいクロミドリ♂の翅表。いつか虫林さんのような写真を撮りたいものです。
Commented by 虫林 at 2011-06-23 18:17 x
ダンダラさん、
有難う御座います。
前の週には全く出なかったので、正直またフライングかなと思っていたのですが、意外に出てくれてほっとしました。今年はクロミドリ♂の開翅写真を何とかしたいと目論んでいたので、撮影できて良かったです。
やはり撮影では光線の具合でかなり雰囲気が変わりますね。光線が弱い中での撮影だと、やはり手振れが多く出てしまいました。
昨年、アイノも撮影できそうな場所を見つけたので、今年はアイノにもチャレンジしたいものです。
Commented by kmkurobe at 2011-06-23 18:52
これはすばらしい。土曜日の個体は傷一つありませんね。念願かないましたね。おめでとうございます。複眼ファボの類は大きく感じますね。私はうらじろゆが小型のわりには異様に大きいと感じていましたが、クロミもそんな感じですね。なぜか納得しました。羽化直後の個体の白い縁毛がくっきりしてきれいですね・・・・なんとかこちらでも捜さなくては。
Commented by 虫林 at 2011-06-23 19:29 x
banyanさん、
ご苦労様でした。
第一ポイントでは、いつものように飛ばれてしまい、四苦八苦しましたが、第二ポイントでは良いモデルが現れてよかったですね。banyanさん背景の広角ももちろん撮影していて、今回掲載しようと思いましたが、少し残念です。
比較的多く出てくる木がわかったので、乱舞はこれからもチャレンジしてみたいと思っていますが、どうなることやらね。
Commented by 虫林 at 2011-06-23 19:33 x
yoda-1さん、
ご苦労様でした。
ちょうど東京に行かなければならなかったので、ご一緒できませんでしたが、アサマシジミのポイントではマムシが出てききたようですね。以前、僕も草刈りの時に大きなマムシが発見されて驚きました。今回もマルマルと太ったマムシで恐ろしいです。
蝶や花の写真は光線の具合で色々と変化するようです。チョウの場合は晴れないと出てこないし、晴れるとあまり写真のほうが良くないので難しいですね。
Commented by 虫林 at 2011-06-23 19:37 x
naoggioさん、
クズなどの葉上では、少し揺れただけで飛ばれてしまうことがありますね。僕も何度も失敗しています。今回はかなりフレンドリーな蝶でしたので、助かりました。
今回はうまくいきましたが、先週はフライングしてチョウの姿を見ることが出来ませんでした。神様が努力に対するご褒美をくれたのかなと思っています。
Commented by 虫林 at 2011-06-23 19:40 x
kmkurobeさん、
有難う御座います。
オスは活動が激しいので、綺麗な個体だと思っていても表面にわずかなスレが出ることが多いように思います。ファボは本当に大きな眼を持っていますね。今回それが確認できて驚きました。ウラジロも同じように大きな眼なのですね。今年こそはウラジロの開翅の写真を撮影してみたいと思います。
是非ともクロミをそちらでも撮影してみて下さい。うまくいくことを祈っています。
Commented by 蝶山人 at 2011-06-23 21:13 x
魂のこもった絵を見せて頂きました。
ダブルトリプルの免疫染色がうまくいって
あやなす色と色の重なりが描く色のように
「銅(あかがね)色と言っても
複数の色の重なりなのですね。
土曜日の新鮮なクロミ♂はため息が出ます。
Commented by ごま at 2011-06-23 22:18 x
ご無沙汰しています。
少々久し振りにお邪魔しました。
良く知っているお名前がでてきたので、ついつい一言。
昨日、Iさんからお噂をうかがったばかりです。
本当に素晴らしい場面ですね。
目の保養になりました。
Commented by 22wn3288 at 2011-06-24 15:38 x
クロミドリ 新鮮な個体と的確な撮影、素晴らしいです。
翅表のなんとも言えない美しさを堪能させて頂きました。
Commented by 虫林 at 2011-06-25 01:03 x
蝶山人さん、
有難うございます。
なるほどダブルトリプル免疫染色ですか、なかなかやりますね。その場合は、酵素抗体法か蛍光抗体法ですかね。おっしゃる通りで、銅色は服う数の色の重なりと思われます。こういう色の場合、わずかな傷も目立ってしまうので注意です。
Commented by 虫林 at 2011-06-25 01:05 x
ごまさん、
こちらこそごぶさたです。昨年、箱根でお会いして以来ですかね。
Iさんとご一緒して、良い場面が撮影できました。ラッキーでした。
これまで♂の撮影はなかなかうまくいっていなかったので嬉しく思います。
Commented by 虫林 at 2011-06-25 01:07 x
22wn3288さん、
お褒めいただき有難うございます。
恐縮します。
クロミドリは地味な色合いですけど、それなりに魅力もある蝶ですね。
いままで、♂の開翅が上手く撮影で来ていなかったので、嬉しく思います。
by tyu-rinkazan | 2011-06-23 00:09 | ▣クロミドリシジミ | Comments(16)