NATURE DIARY

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201100619 みちのく散歩:岩手山とウスバシロチョウほか

Nature Diary #396

日曜日(18日)は午後から知人の退職記念パーティ(ホテルオークラ東京)に出席した後、東京駅から夜行バスで岩手県盛岡市へ行きました。大学の学生講義を依頼されての出張です。

朝、到着してみると、幸いにして盛岡市内は昨年と変わらず穏やかな街並みで虫林を迎えてくれました----少しほっとしました。沿岸の被災地はいったいどうなっているのか心配です。



» ウスバシロチョウと岩手山(南部富士); The Eversmann’s Parnassius

林の縁に沿ってチョウを探しながら歩いていたら、草原となっている休耕田にウスバシロチョウが何頭も飛んでいました。すでに6月も下旬だというのに、まだ多くのウスバシロチョウが飛んでいるとは少し驚きです。やはり、こちらもチョウの発生が遅れているようです。

その休耕田からは遮るものも無く岩手山(南部富士ともいわれる)が綺麗に見えました。そこで、この南部富士を背景にしてウスバシロチョウの飛翔写真を撮影してみることにしました。

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飛翔するウスバイロチョウと岩手山 (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 7D, Sigma 10mm Fisheye, Kenko X1.4, ASA400, Trimming (+)

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飛翔するウスバイロチョウと岩手山 (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 7D, Sigma 10mm Fisheye, Kenko X1.4, ASA400, Trimming (+)




» アカシジミ; The Orange Hairstreak

時期的に少し早いためか、アカシジミ以外にはチョウを見ることが出来ませんでした。

ただアカシジミはとても個体数が多くて驚きました(今年は山梨県ではアカシジミが少なかった)。観察したアカシジミの多くは、新鮮でオレンジ色がとても濃くて綺麗でした。

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アカシジミ (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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アカシジミ (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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飛翔するアカシジミ (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA400



カシワの枝を叩いたら、オレンジ色のチョウが飛び立ちました。慌てて追いかけて草に静止したそのチョウを撮影しました。ここにはアカシジミにそっくりで、カシワを食樹にしているキタ(カシワ)アカシジミが棲息しています。アカシジミとキタアカシジミはとても良く似ていて、幼虫でなら区別がつくようですが、成虫の鑑別は難しいようです(図鑑では両者の区別点が示されていますが)。

一応、カシワ(から飛び出した)アカシジミとでもしておきます。

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カシワ(から飛び出した)アカシジミ (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» イチモンジチョウ; The White Admiral

白帯がやけに広いイチモンジチョウを見つけました。でも、イチモンジチョウには地域的な変異はあまりなさそうなので、個体変異の範囲のものみたいです。

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イチモンジチョウ (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» ミチノクケマダラカミキリ;

道端のハンゴンソウやヨモギの一種の葉にミチノクケマダラカミキリを見つけることができました。ミチノクケマダラカミキリは、北海道に産するケマダラカミキリの近縁種です。

時期的なものなのでしょうか、このカミキリムシを色々な場所で見ることができました。

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ミチノクケマダラカミキリ (盛岡市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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飛翔するミチノクケマダラカミキリ (盛岡市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



交尾する個体も発見できました。

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交尾するミチノクケマダラカミキリ (盛岡市、6月19日)

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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA400

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交尾するミチノクケマダラカミキリ (盛岡市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» モモグロハナカミキリ;

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モモグロハナカミキリ (盛岡市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



§ Afterword §

岩手県といえば、今年3月の 大地震と津波 で、沿岸部を中心に大きな被害を蒙りました。かつての美しかった海岸線や漁村の風景の全てが今は消失し、そこに住む人々から笑顔が奪われてしまいました。滞在中、何度も被災地を見に行こうと思いました。でも、結局、行くことができませんでした。やはり、近くに来たのですから被災地に出向いて、しっかりと自分の目でその被災状況や人々の様子を見てくるべきでした。

岩手県以外の地域も含めて、いったい復旧にはどれほどの時間がかかるのかさえも推測困難な状態が続いています。あらためて被災された方々には心よりのお見舞いを申し上げる次第です。

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姫神山 (滝沢村、6月19日)


田園の向こうに優しくそびえる姫神山はいつもと変わらず美しい。
ふるさとの山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな (石川啄木)


以上、 by 虫林花山
Commented by 蝶山人 at 2011-06-27 10:30 x
ヒメギフ
チャマ
白いバシロ
チョウアカ他のゼフィルス
青いキマルリ
魅力いっぱいの北東北
1日も早い復興を祈ります
Commented by banyan10 at 2011-06-27 10:31
岩手山が背景の飛翔は見事ですね。
カシワアカは柔らかい印象ですね。
イチモンジがインパクトあります。
下のウラミスジとミズイロは分かれた後ですかね。ちょっと残念な気もして見ています。
Commented by 愛野緑 at 2011-06-27 11:42 x
ふつうアカシジミの翅表は見られませんよね。飛翔写真でもなかなかこのようには見られないと思います。
ヒロオビイチモンジもとても綺麗ですね。
Commented by ダンダラ at 2011-06-27 12:23 x
それぞれがとても魅力的に撮影されていますね。
タイトルトップの写真はいつも素晴らしいです。
それに、アカシジミの飛翔にも驚きました。
背景が柔らかくぼけてこれも素晴らしいです。
Commented by ヘムレン at 2011-06-27 16:09 x
いいイチモンジですね。地理的変異ではないのですね。
これが地理的変異だったら、見に行きたいところです(^^)。。
南部富士バックのウスバシロの飛翔・・・さすがですね。
Commented by 虫林 at 2011-06-27 23:18 x
蝶山人さん、
岩手の沿岸の被災地は、やはり見ておくべきだったと後悔しています。
でも、いっても何もできることはないとは思いますが、やはり現場を見ないと実感できないことも多いと感じました。あれだけ近くに行ってみてこなかったのは反省しています。
Commented by 虫林 at 2011-06-27 23:22 x
banyanさん、
岩手山バックは、その場で思いつきましたが、意外に上手く行きました。
カシワから出たアカシジミは多分キタ(カシワ)アカで良いかと思いますが、斑紋の特徴が合わない点もあって自信が持てません。たまたまアカシジミがカシワにいた可能性もあると思っています。難しいですね。
イチモンジはむしろ白帯が消える新潟の長岡の方が特徴的みたいですね。
Commented by 虫林 at 2011-06-27 23:24 x
愛野緑さん、
コメント有難うございます。
アカシジミの開翅は確かに見たことが無いので、翅表は飛翔でしか見ることができませんよね。たまたま少ないチャンスをものにできました。
ヒロオビイチモンは確かにぴったりとくる命名ですね。有難うございます。
Commented by 虫林 at 2011-06-27 23:27 x
ダンダラさん、
有難うございます。
タイトルトップは大きくインパクトがあるので、気に入った写真を自由に出しています。でも、100キロバイトまでしか解像度が使えないので、これだけ大きいと画質を落とさなければならないのが残念です。
24mmは明るいので、その分楽に飛翔が撮影できますが、ふどまりを良くするにはまだまだ経験が必要です。これからです。
Commented by 虫林 at 2011-06-27 23:31 x
ヘムレンさん、
コメント有難うございます。
南部富士バックの飛翔は上手くいったので、是非とも富士山でもやってみようと思いましたが、本栖高原は平らなようで現地では以外に凸凹があるので、富士山を上手く入れるには苦労します。ヤナギの下にドジョウは2匹いないのですかね。
イチモンジチョウの広帯は以前にも見たことがあるので、注意すればまた見ることができるかもしれません。
Commented by ぽんぽこ山本 at 2011-06-28 00:08 x
ご無沙汰しております!
柏のアカシジミは「キタアカに1票!」です。 マズ間違いは無いかと・・
また陸中方面の隠れ良い蝶!イチモンジチョウを撮影されていらっしゃるのは流石です!オマケに太い特徴がバッチリじゃないですか!!
羨ましいです!!
こちらはウスバシロが減り始めそろそろ夏の蝶が飛び始めました。いよいよ本番と言う感じです。【ぽん!】
Commented by 虫林 at 2011-06-28 08:47 x
ぽんぽこさん
有難う御座います。こちらこそご無沙汰です。
カシワから飛び出せばキタアカでよいということらしいのですが、実際には回りの木にアカもいるので、なかなかそれだけでは難しいですよね。でも、いくつかの鑑別点があって、僕の知る限りでは合っていそうな部分と?という部分があるように思えました。ポンポコさんにそういっていただくと有難いです。
やはりイチモンジチョウは陸中のものが白帯がふといのですね。
有難う御座いました。
Commented by kmkurobe at 2011-06-28 16:31
キタアカシジミ良かったですね。ゼフ全種制覇も見えてきましたね。ところでモモグロハナカミキリはそのあたりには北国系の黒いのもいるのですかね?
岐阜県では茶色のばかりでしたが。
Commented by furu at 2011-06-29 00:33 x
見事なイチモンジチョウですね。日本以外で見たら別種だと勘違いしそうです。
ミチノクケマダラカミキリもプレミア感のある良いカミキリですね。
Commented by 虫林 at 2011-06-29 08:14 x
kmkurobeさん、
キタアカシジミは良かったです。とにかくこの時期の訪問は初めてでしたが、アカシジミが多いのには驚きました。夕方の群飛も見たかったな。モモグロハナはおっしゃる通りで、2種類の色彩がありますが、見つけたのは1頭だけでした。僕はこちらの色(明るいタイプ)の方が今まであったことが少ないように思います。
Commented by 虫林 at 2011-06-29 08:18 x
furuさん、
有難うございます。何気なく撮影したイチモンジが意外にインパクトがあって嬉しいな。ケマダラは北海道に産しますが、ミチノクケマダラは北海道のケマダラそっくりさんで、岩手県の北上山地が主な棲息地です。本州では他ではなかなか見ることができないカミキリですよ。僕はこのカミキリが好きで、行くと探してしまいます。
Commented at 2011-06-29 22:31 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 虫林 at 2011-06-30 22:58 x
非公開コメントさん、
有難うございます。
さすが詳しいですね。これからの参考にさせていただきます。
by tyu-rinkazan | 2011-06-27 06:13 | ▣ウスバシロ | Comments(18)