NATURE DIARY

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201100827 県南の散歩道:ツマグロキチョウなど

Nature Diary #407

土曜日は朝起きると空には怪しい雲。

そういえば、日本各地で「ゲリラ豪雨」が猛威をふるったらしい。聞くところによれば、ゲリラ豪雨という奴は予測困難でとても厄介なものだ。今日の雲を見ていると何となくゲリラの襲撃(豪雨)に会いそうな気がして少し不安だったが(幸い杞憂に終わった)、とにかく県南部(南部町)の富士川支流にあるツマグロキチョウのポイントに向かうことにしました。

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色付く稲田 (山梨県身延町、8月27日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200



途中、道路わきで竹炭を売るお店を見つけました。

竹炭には木炭よりも細かい孔(穴)が空いていて、空気中の水分などを吸着する力が優れているらしい。したがって、燃料として用いるよりは脱臭、除湿などに使われることが多いそうです。

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竹炭のお店 (山梨県身延市、8月27日)

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Ricoh GXR, ASA100




» タカサゴユリ;

富士川の河原には良く目立つ白いユリの群落がありました。

このユリは「タカサゴユリ」という名前の帰化植物です。もともとは台湾に自生していたもので、観賞用として日本に持ち込まれてから広まったそうです。ユリの仲間にしては増殖力が非常に強くて、近年、河原や道の脇、特に高速道路でしばしば見かけますね。

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タカサゴユリ (山梨県身延町、8月27日)

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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA200




» ツマグロキチョウ; The Angulated Grass Yellow

ツマグロキチョウは以前はかなり普通に見られたようですが、近年は全国的にその数を減じています。山梨県内でも局所的な分布で、県南部にその姿を多く見かけます。僕は県南部の富士川支流の狭い河原しか本種が安定して見ることができる場所を知りません。もっと真面目に探してみようかなと思いますが-----。

河原に到着してみると、何頭もの夏型のツマグロキチョウが出迎えてくれました。夏も終わってそろそろ秋型に移行する時期なので、夏型の撮影としては今回がラストチャンスかもね。

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笹の葉に静止するツマグロキチョウ♂ (山梨県南部町、8月27日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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吸蜜するツマグロキチョウ♀ (山梨県南部町、8月27日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



この河原にはツマグロキチョウの食草であるカワラケツメイが生えています。このカワラケツメイの葉にメスが産卵する姿を何度も見ることができました。卵は面白い形をしています。

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カワラケツメイに産卵するツマグロキチョウ♀ (山梨県南部町、8月27日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» クロツバメシジミ; The Black Cupid

帰る途中でクロツの棲息地にも立ち寄ってみました。

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クロツバメシジミ (山梨県身延町、8月27日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400


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交尾するクロツバメシジミ (山梨県身延町、8月27日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» アカハネナガウンカ;

アカハネナガウンカは面白い顔をしたヘンテコリンな虫で、翅は体の倍以上もあってアンバランスな姿がどこかユーモラスです。この虫の存在を知ったのは、昆虫写真家:海野和男さんの「小諸日記」でした。僕もいつか見てみたいものだと思っていましたがやっと今回見ることができて感激しました。

どちらかといえば南の虫らしいのですが、海野氏は小諸で本種を撮影しているので驚きです。
写真はトリミング拡大しています。

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ヘンテコリンな虫:アカハネナガウンカ (山梨県南部町、8月27日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400, Trimming (+)




» ミンミンゼミ緑化型;

帰る途中でミンミンゼミの鳴き声が聞こえたので、背中の黒い紋が消失する異常型の 「ミカドミンミン」 を探してみました。甲府盆地はこのミカドミンミンが多いことで知られています。今回見つけたのは黒紋が一部残っているので、黒色部完全消失のミカドミンミンという範疇には入れず、「緑化型」という表現にしておきます。

こうしてみると、緑化型のミンミンゼミって素晴らしい擬態で背景に溶け込んでしまいます。

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ミンミンゼミ緑化型 (山梨県甲府市、8月27日)

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Ricoh GXR, ASA100

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ミンミンゼミ(上:緑化型、下:通常型) (山梨県甲府市、8月27日)

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Ricoh GXR, ASA100




» その他; Miscellaneous

目の前にトンボが止まったので何気なくそちらに目をやると、驚いたことに腹部が完全に無かった。多分、トカゲか鳥にでも襲われてしまったのだろうか。バランスが悪そうなので、飛べないかも知れないなと思って手を出してみたら、なんと元気に飛び去ってしまったのには驚いた。

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腹部が無いトンボ (山梨県南部町、8月27日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



狩人ハチがコオロギの仲間(カンタン?)を抱えて目の前に静止した。観察していると、どうやら獲物に針を刺して麻酔をかけているように見えた。自然界とは残酷に見えるが、彼らにとっては生きてゆく術なのだ。

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狩人ハチ (山梨県南部町、8月27日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400, Trimming (+)



§ Afterword §

今年の夏休みシーズンももう終わろうとしているが、とにかく講習会とか学会とかでほとんど休みが取れなかったように思う。来年はもう少しゆっくりとしたいものである。

話は変わるが、このブログもすでに400回の更新を過ぎた。日記を書くことや写真を撮ることは本来全く個人的なもので、そこには他人からの制約は受けない。しかし、個人的な日記や写真とはいえ、それをブログで公開した時点で、そこには社会的な責任が生じてくるのだ---生意気(虫林も色々失敗したからね)。

まあ、堅い話は抜きにして、これからもゆっくりとフィールド散歩を楽しもう。夏の終わりにブログを更新しながら、ふとそんなことを考えてしまった。老化現象かな。



以上、 by 虫林花山
Commented by himeoo27 at 2011-08-28 19:37
ブログ400回更新お疲れ様でした。
1000回更新を目指してこれからも宜しくお願いいたします。

今日かなり傷んだ「ミヤマカラスアゲハ」を観察しましたが、
腹部の無い「トンボ」とは!昆虫の生命力はもの凄いですね!
Commented by yoda-1 at 2011-08-28 21:06
アカハネナガウンカ、ミンミンゼミの異常型にビックリです。
「個人的な日記や写真とはいえ、それをブログで公開した時点で、そこには社会的な責任が生じてくる」
YODAもよく肝に銘じたい肝に銘じたいと思います。
Commented by 虫林 at 2011-08-29 08:32 x
ヒメオオさん、
有難う御座います。
僕の場合は更新は周1回ですので、400回となると結構長い期間やってきたなというのが実感です。1000回は目指したいと思いますが、どうなることやらですね。
腹部が無いトンボには驚きました。
Commented by 虫林 at 2011-08-29 08:35 x
yoda-1さん、
有難う御座います。
アカハネナガウンカは今回最も嬉しい写真でした。とにかくユニークなので、撮影していても感激しました。こういうときにgyoromeで撮影したかったのですが、残念ながらその時はセットを持っていませんでした。ミカドミンミンは甲府盆地では比較的見られますが、一般的には少ないようですね。イエローバンド的な感じですかね。
Commented by naoggio at 2011-08-29 17:07 x
400回ですか・・・すごいですね。
しかも毎回素晴らしい内容とボリューム。お忙しいでしょうに本当に尊敬致します。
ツマグロキチョウは今春ご一緒させて頂いたポイントですね。
あの日のことが懐かしく思い出されました。あの一時は今年一番のインパクトだったかもしれません。
アカハネナガウンカはアカーハネナガウンカなんですね。最初この昆虫の翅のどこが赤く見えるんだろう、体のどこが長いのかな、と早とちりしてしまいました。
Commented by Akakokko at 2011-08-29 23:50 x
ツマグロキチョウはまだ未見なので羨ましいです。
クロツももうでているのですね。
関西出張中に西日本亜種を撮りたい思っているところです。
Commented by 虫林 at 2011-08-31 10:50 x
naoggioさん
暖かいコメントありがとう御座います。
色々とありましたが、何とか継続出来ているので良かったなと思います。ツマグロキチョウは春にご一緒した場所です。海野さんとも偶然にお会いできて、僕にとっても思い出深い散歩になりました。
アカハネナガウンカは仰るとうりで勘違いし易い名前だと思います。
Commented by 虫林 at 2011-08-31 10:53 x
Akakokkoさん、
コメントありがとう御座います。
ツマグロキチョウは現在では確かに撮影しにくいチョウになってしまったようです。西日本や九州のクロツは僕も撮影してみたいです。上手く出会えると良いですね。
Commented by chochoensis at 2011-09-02 18:10 x
虫林さん、ブログをはじめてから既に=400回=とは素晴らしい記録では無いですか!本当におめでとうございます。ブログを開いたら、目の前に=夏型・ツマグロキチョウ=の写真・・・度肝を抜かれました。昔は沢山居たのに・・・なんて感傷にふけって本文を拝見しました。素晴らしいです。
Commented by 虫林 at 2011-09-02 18:34 x
chochoensisさん、
暖かいコメント有難う御座います。
僕のブログ更新回数など、chochoensisからみれば、とるにたらないものかもしれません。とにかく、chochoensisさんの記事は、我々の仲間の中でも群を抜いています。これからもどうぞ色々と教えて頂ければ幸いです。
昔は沢山いたチョウの中に、おのツマグロキチョウやクロヒカゲモドキのことをよく聞きます。ツマグロキチョウは山梨県内でも確実なポイントは少ないのではないかと思います。
Commented by ダンダラ at 2011-09-03 22:47 x
山梨は、ツマグロキチョウやクロツバメシジミ、クロシジミ、ヤマキチョウ、ゴマシジミなど貴重な種類がまだまだ生き残っていますね。
単にヒョウ本箱を埋めるだけの自己満足でこれらの蝶の生息が脅かされないようになって欲しいです。
ツマグロキチョウの産卵は様子が良くわかる写真で秀逸ですね。
Commented by 虫林 at 2011-09-05 20:20 x
ダンダラさん、
そうですね山梨には色々な貴重なチョウが棲息しています。もっとその生息地が把握できればよいのですが-----。ツマグロキチョウはメスの産卵時期にちょうど合致したみたいで、産卵シーンはしばしば見られました。でも、見やすい位置に産卵していても産卵時間が短いので、結構良い写真を撮影するのには苦労しました。お褒めいただき有難う御座います。
by tyu-rinkazan | 2011-08-28 18:04 | Comments(12)