NATURE DIARY

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201100904 台風とシルビアシジミ

Nature Diary #408

土曜日(3日)は越谷のD大学で開かれた研究会に出席後、帰宅しようと新宿駅に行ったところ、中央本線が台風12号による大雨のために運行中止になっていました。さらに中央道も通行不可-----オーマイガッ。でも、夜になって中央本線が再び動いてくれたので何とか帰宅することができました。

明けて日曜日(4日)も朝から雨。

こんな雨の日は川が増水して危ないかなとも思いましたが、シルビアシジミが棲むポイントならば安全なので散歩することにしました。近くに住んでいながら、シルビアシジミの撮影は実に2年ぶりです。

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雨 (山梨県南アルプス市、9月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200




» シルビアシジミ; The Lesser Grass Blue

シルビアシジミは、関東ではその数を急速に減じ、今ではとても貴重な蝶になってしまいました。

このチョウのことを知らない人が見たら「フーン」とそっぽを向かれそうなくらい小さくて地味ですが、その名前の由来に関する物語を知る虫林には、この小さなシジミチョウに特別な魅力を感じてしまうのです。

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葉上に静止するシルビアシジミ (山梨県南アルプス市、9月4日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm Fisheye, ASA200


シルビアシジミとヤマトシジミは、通常は翅裏の紋で区別しますが、翅表の色合いも異なります。すなわち、シルビアの青は、ヤマトよりも深く独特の色合いで、慣れてくると飛翔時でもその色合いから「ウーム、シルビアだ」といえるようになります-------実はよく失敗しますがね。


これまで、オスの開翅は何度も撮影してきましたが、今回の下の写真のように新鮮な個体で、その開翅角がほぼ180度のベタ開翅シーンは初めてでした。曇っていたためもあって翅表の青色もしっとりとしています。つたない写真ではありますが、虫林としては満足のできるシルビアシジミ♂の開翅写真になりました。

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シルビアシジミ♂のベタ開翅 (山梨県南アルプス市、9月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200

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シルビアシジミ♂のベタ開翅 (山梨県南アルプス市、9月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200



時々雨が降ってきたので、草の葉には水滴が沢山ついていました。こんな雨の日に撮影していると、カメラの防水性能が気になってきます。以前は(今も)オリンパスのE3を使用していましたが、このカメラは本当に頑丈で、防水、防塵機構もしっかりしていました。現在使用しているキャノン7Dは、まだ使い始めて間もないせいもありますが、堅牢性においてオリンパスE-3ほどの信頼がおけないでいます。

過酷な条件のフィールドで使用するカメラですから、「堅牢性」はとても大事なポイントですね。

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葉上に静止するシルビアシジミ (山梨県南アルプス市、9月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200


雨が止むと途端にシルビアシジミたちは飛び回って、アカツメクサやツルボなどのピンクの花で吸蜜していました。これらの花よりもどちらかといえば、食草のミヤコグサでの吸蜜シーンの方が絵になるのですが、ミヤコグサはまだわずかしか花をつけていないようでした。

それにしても、このチョウのストローは細いですね。

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アカツメクサで吸蜜するシルビアシジミ (山梨県南アルプス市、9月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200

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アカツメクサで吸蜜するシルビアシジミ (山梨県南アルプス市、9月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200




» ヤマトシジミ; The Pale Grass Blue

同所的に混在しているヤマトとシルビアを区別するのは意外にやっかいなものです。とにかく、両種とも飛び回っていて、なかなか静止してくれないからです。せっかく、「よし、小型であの深い青色はシルビアだ!」と思い、しばら~く目を凝らしながら飛ぶ蝶の後をついて行って、やっと静止した時に「あれ、なんだヤマトだったのか」というパターンは時々あります-----まだ修行が足りません。

下の写真は追いかけまわした後にヤマトシジミだった時のものです。でも、せっかくの機会ですので(負け惜しみ?)、ヤマトシジミの裏面と開翅をしっかりと撮影しました。良く見るとなかなかのものですね。

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ヤマトシジミ (山梨県南アルプス市、9月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200

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ヤマトシジミ (山梨県南アルプス市、9月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200



§ Afterword §

2年ぶりにシルビアシジミを撮影しましたが、今回の成果は何と言っても♂のベタ開翅が撮影できたことでしょう。台風とシルビアシジミとのリンクは思い出深いものになりました。

今年は週末時に雨が多いので、長靴を履いて、傘をさしてのフィールド散歩が例年になく多いように思います。でも、雨の日のフィールドはまた違った魅力を見せてくれるので、天気はあまり気にしないようにしています。

<台風12号>
今回の台風12号は大型なうえに進行速度が遅く(時速15㎞と小走り並みの速さ)、ゆっくり日本に居座ってしまったので、紀伊半島を中心に各地で記録的な大雨を降らせました。台風の進路から遠く離れている山梨県でもかなりの雨が降って、亡くなられた方まで出たみたいです。

台風被害に会われた方々には心からのお見舞い申し上げます。


以上、 by 虫林花山
Commented by dragonbutter at 2011-09-05 23:08
シルビアのきれいな開翅写真おめでとうございます。
新鮮な上に180度開翅、うっとりしました。
雨の中果敢にも出かけられたことへのご褒美でしょう。
ヤマトも一緒に掲載していただけたので違いがよくわかりますね。
Commented by konty33 at 2011-09-05 23:22
雨交じりの天候ならではの雰囲気がとても良く伝わってきます。
全開翅もこんな日だからこそでしょうか?
新鮮なシルビアはとても魅力的ですね。今年も会いに行きたくなりました。
大雨の影響がシルビアにはなさそうなので安心しましたが、今回の雨はすごかったですね。
7D+100mmマクロはkontyも今年は雨によく濡らしましたが今のところ大丈夫のようです。
Commented by yoda-1 at 2011-09-06 12:47
悪天候をついての出陣で、このようなシルビアの開翅は、うれしいご褒美ですよね。
YODAも7Dを傘を差しながらの撮影で、結構雨で濡らしますが、その都度車中で水滴を拭き取って、温風クーラーで乾かすようにしています。
今のところ大丈夫ですが、オリンパスのE-3などのように水に胴体を半分付けて撮影することまではできない気がします。
Commented by naoggio at 2011-09-06 16:10 x
シルビアシジミのベタ開翅、珍しいですね。
しかも超々新鮮個体。素晴らしい写真です。
雨を押しての出陣の成果がありましたね。
アカツメクサに乗っかっているところも可愛らしくていいです。
最後のヤマトシジミも構図が決まっていてナイスです。
Commented by 虫林 at 2011-09-06 20:45 x
dragonbutterさん、
コメント有難うございます。
このベタ開翅は僕も初めてで、少し嬉しいです。雨が降ったりやんだりでも歩ける場所があって良かったと思います。
ヤマトも紛らわしいですが、飛翔時に紛らわしいのはツバメシジミですね。dragonbutterさんはよく千葉で見つけたと思います。
Commented by 虫林 at 2011-09-06 20:48 x
konty33さん、
コメント有難うございます。
今まで全開翅は見ていなかったので、天気の関係もあるかもしれませんね。シルビアの色は魅力的です。
7Dは今年から使用していますので、まだ良く分かりませんが、E-3に比べると堅牢性は少し劣るように思います。注意して使用した方が良さそうです。僕は扱いが荒いですから。
Commented by 虫林 at 2011-09-06 20:55 x
yoda-1さん、
コメント有難うございます。
天気が悪かったので、実のところ開翅はあきらめていたのですが、意外に翅を開いてくれました。驚きました。
7Dは堅牢そうですが、雨にはどうですかね。僕も少し見習って、大事に扱いたいと思います。
Commented by 虫林 at 2011-09-06 20:58 x
naoggioさん、
コメント有難うございます。
悪天候なのに行ってみたら翅を開いてくれたのには驚きました。
僕はこのようなベタ開翅は初めてでした。この個体だけベタ開翅してくれたのは、個体の特徴なんでしょうかそれとも天気のせいなのかよくわかりません。ヤマトはヤマトで結構綺麗ですよね。
Commented by fanseab at 2011-09-06 21:40
3年前の撮影会を思い出しました。
シルビア♂開翅画像のポイントは、前翅前縁の銀白色を飛ばさないように表現することですけど、完品、しかも180度開翅で見事な作品です。ヤマト全開画像も一緒にアップされているので、シルビア独特のブルーがよく理解できますね。
Commented by 虫林 at 2011-09-06 22:43 x
Fanseabさん、
コメントありがとう御座います。
天候のお陰で前翅前縁の銀白色が飛ばずに残ったのでしょう。天気が悪いのも逆に上手く働いたようですね。お褒め頂きありがとう御座います。
シルビアのブルーは本当に独特なものですね。
Commented by otto-N at 2011-09-07 20:06 x
虫林さん、このたびわが友「ヤマト」を、褒めていただきありがとうございました。このヤマト、夏にはあれだけ太かった前翅の黒縁が薄くなりかけ、秋の気配を感じます。
そろそろ青いメスも出るころです。シルビアには遠く及びませんが、これからもよろしくお願いします。
Commented by 虫林 at 2011-09-08 13:33 x
otto-Nさん、
そういえばotto-Nさんはヤマトに思い入れがおありでしたね。シルビアの青もやいですが、大和のいわゆる Pale Blueもいいですよね。さらにヤマトは季節や時期によっても変わりますので、今年はもう一度ヤマトにも目を向けてみようかな。
気づかせていただき有難う御座いました。
Commented by ダンダラ at 2011-09-09 10:20 x
シルビアシジミはまだ無事に発生しているのですね。
安心しました。
シルビア雄の開翅は良い色出ていますね。
なかなかこんなにきれいな開翅シーンにお目にかからないのでうらやましいです。
ヤマトもじっくり見るときれいなのに、なかなかカメラが向きません。
季節の変異をきちんと記録しておくのも大切ですね。
Commented by chochoensis at 2011-09-10 18:10 x
虫林さん、「シルビアシジミ」雄の開翅写真は、初めて拝見しました・・・凄いですね・・・その上、綺麗です!!!最近の天候は、暑かったり寒くなったりで安定しないのでうんざりしていますが、お元気のようで安心しました。
Commented by 虫林 at 2011-09-10 22:51 x
ダンダラさん、
コメント有難うございます。
シルビア♂の新鮮な個体の全開翅は僕も初めてです。近くに棲んでいながらあまりシルビアを撮影していなかったので反省しています。
ヤマトの季節型もしっかりと撮影したいです。
Commented by 虫林 at 2011-09-10 22:53 x
chochoensisさん、
有難うございます。
このところ週末に雨が降るので、長靴を履いて散歩しています。
でも、元気ですよ。
シルビアの全開翅は僕も初めてでした。
by tyu-rinkazan | 2011-09-05 21:45 | Comments(16)