201100907 夏の終わりのミカドミンミン
2011年 09月 10日
Nature Diary #409
虫林の研究室に面した中庭にはセミが多い。
8月下旬から9月にかけて、まるで行く夏を惜しむかのようにセミの鳴き声が煩いほど響いてきます。いわゆる「セミ時雨」というやつですね。一口にセミといっても時期によって種類が変わり、初めに出るのはニイニイゼミで、続いてアブラゼミ、ミンミンゼミ、最後はツクツクボウシの声で締めくくられます。
このところ天気が良いので、お昼休みに構内をぶらぶらと散歩してみました。
昼中や 雲いらいらと 蝉の声 (正岡子規)
» ミンミンゼミ; Hyalessa maculaticollis
構内で見られるミンミンゼミの中には、黒い紋が消失して体全体が青緑色になる個体が見られます----「ミカドミンミン」です。甲府盆地はこの美しいミンミンゼミの変種の出現率が高いことが知られています。
► ミカドミンミン (中央市、9月7日)
.
Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200
ミカドミンミンが目の高さくらいの低い場所に静止する木を見つけました。
そこで、リコーのGXRでミカドミンミンを撮影してみることにしました。GXRなら人通りが多い昼休みでも、気楽に持ち歩いて撮影できるので便利です。S10ユニットはコンデジ用CCDですが、通常のコンデジに比べて色の乗りなどは優れているように思えます-----欲目かな。
► ミカドミンミン (中央市、9月7日)
.
Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
► ミカドミンミン (中央市、9月7日)
.
Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
僕のGXRにはVF2というファインダーがオプションであります。このファインダーは正確なピント合わせが要求される近接撮影時にはとても有用に思えるので常時装着しています。下の写真のミカドミンミンはファインダーを見ながら近づいても逃げませんでした。
► ミカドミンミン (中央市、9月7日)
.
Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
S10ユニットの最短距離近くで撮影してみました(ノートリミング)。
拡大してみると、ミンミンゼミの目はとても大きくて、どことなくウルトラマンに出てくる「バルタン星人」に似ているように思えます。バルタン星人はセミがモデルなのかも知れませんね。
► ミカドミンミン (中央市、9月7日)
.
Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
通常型のミンミンゼミ(左)とミカドミンミン(右)を並べてみました。下の写真で、ミカドミンミンとして出した個体は黒紋が少し残っているので純粋なミカド型とは言えないかも知れませんが、まあこれくらい黒い紋が無くなっていればミカド型として良いかなと思います。
► ミンミンゼミの通常型とミカド型 (中央市、9月7日)
» アブラゼミ; Graptopsaltria nigrofuscata
あれほど多かったアブラゼミもこの時期になると次第に数が減ってきます。一般的にアブラゼミはミンミンゼミよりも低い場所で止まることが多いので撮影は容易です。
► アブラゼミ (中央市、9月7日)
.
Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
今まで交尾するセミを見たことがありませんでしたが、今回やっと交尾シーンを撮影できました。
► アブラゼミの交尾 (中央市、9月7日)
.
Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
どういうわけか図書館の西側外壁に、沢山のセミの抜け殻がついていました。ほとんどがアブラゼミだと思われますが、この壁面だけに多いのが不思議です。
► 抜け殻 (中央市、9月7日)
.
Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
§ Afterword §
ツクツクボウシの声は夏の終わりを知らせるもので、その鳴き声が聞こえてくるとどこか寂しくなってしまいます。今年もそろそろシーズン終盤になりました。
今回のNDでは、甲府盆地の特徴であるミカドミンミンを撮影してみました。
以上、 by 虫林花山
虫林の研究室に面した中庭にはセミが多い。
8月下旬から9月にかけて、まるで行く夏を惜しむかのようにセミの鳴き声が煩いほど響いてきます。いわゆる「セミ時雨」というやつですね。一口にセミといっても時期によって種類が変わり、初めに出るのはニイニイゼミで、続いてアブラゼミ、ミンミンゼミ、最後はツクツクボウシの声で締めくくられます。
このところ天気が良いので、お昼休みに構内をぶらぶらと散歩してみました。
昼中や 雲いらいらと 蝉の声 (正岡子規)
» ミンミンゼミ; Hyalessa maculaticollis
構内で見られるミンミンゼミの中には、黒い紋が消失して体全体が青緑色になる個体が見られます----「ミカドミンミン」です。甲府盆地はこの美しいミンミンゼミの変種の出現率が高いことが知られています。
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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200
ミカドミンミンが目の高さくらいの低い場所に静止する木を見つけました。
そこで、リコーのGXRでミカドミンミンを撮影してみることにしました。GXRなら人通りが多い昼休みでも、気楽に持ち歩いて撮影できるので便利です。S10ユニットはコンデジ用CCDですが、通常のコンデジに比べて色の乗りなどは優れているように思えます-----欲目かな。
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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
僕のGXRにはVF2というファインダーがオプションであります。このファインダーは正確なピント合わせが要求される近接撮影時にはとても有用に思えるので常時装着しています。下の写真のミカドミンミンはファインダーを見ながら近づいても逃げませんでした。
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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
S10ユニットの最短距離近くで撮影してみました(ノートリミング)。
拡大してみると、ミンミンゼミの目はとても大きくて、どことなくウルトラマンに出てくる「バルタン星人」に似ているように思えます。バルタン星人はセミがモデルなのかも知れませんね。
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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
通常型のミンミンゼミ(左)とミカドミンミン(右)を並べてみました。下の写真で、ミカドミンミンとして出した個体は黒紋が少し残っているので純粋なミカド型とは言えないかも知れませんが、まあこれくらい黒い紋が無くなっていればミカド型として良いかなと思います。
» アブラゼミ; Graptopsaltria nigrofuscata
あれほど多かったアブラゼミもこの時期になると次第に数が減ってきます。一般的にアブラゼミはミンミンゼミよりも低い場所で止まることが多いので撮影は容易です。
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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
今まで交尾するセミを見たことがありませんでしたが、今回やっと交尾シーンを撮影できました。
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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
どういうわけか図書館の西側外壁に、沢山のセミの抜け殻がついていました。ほとんどがアブラゼミだと思われますが、この壁面だけに多いのが不思議です。
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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100
§ Afterword §
ツクツクボウシの声は夏の終わりを知らせるもので、その鳴き声が聞こえてくるとどこか寂しくなってしまいます。今年もそろそろシーズン終盤になりました。
今回のNDでは、甲府盆地の特徴であるミカドミンミンを撮影してみました。
以上、 by 虫林花山
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蘭丸
at 2011-09-11 05:56
x
おはようございます。
ここ数年の夏の暑さで、当地方でもミカドミンミンが見られないかと思っているのですが、
緑色型と呼べるものは見られるものの、ミカド型は見られませんでした。
来シーズンは、ミカド型を観る為にそちらへ行かねばならないかな。
と思っております。
ここ数年の夏の暑さで、当地方でもミカドミンミンが見られないかと思っているのですが、
緑色型と呼べるものは見られるものの、ミカド型は見られませんでした。
来シーズンは、ミカド型を観る為にそちらへ行かねばならないかな。
と思っております。
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himeoo27 at 2011-09-11 07:52
アブラゼミの交尾シーンお見事ですね!
アブラゼミ、ニイニイゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシの5種は子供の頃から良く鳴き声を聞いていますが、どの種も交尾シーンを観察したことがありません。来年夏、林や森を歩く時樹液のポイントだけでなく、蝉も観察してみようかな。
アブラゼミ、ニイニイゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシの5種は子供の頃から良く鳴き声を聞いていますが、どの種も交尾シーンを観察したことがありません。来年夏、林や森を歩く時樹液のポイントだけでなく、蝉も観察してみようかな。
ミカドミンミンなんて初めて知りました。
黒いミンミンゼミしか見たことがないので、ビックリです。
それにしても、GXRでのマクロ写真素晴らしいですね。
出張先の関西では、クマゼミがいなくなり静かなものです。
黒いミンミンゼミしか見たことがないので、ビックリです。
それにしても、GXRでのマクロ写真素晴らしいですね。
出張先の関西では、クマゼミがいなくなり静かなものです。
蘭丸さん、
コメント有難う御座います。
そちらでもミカドミンミンを探されていたのですね。
こちらでミカドミンミンを見ることはそれほど難しくありません。僕の印象では、30%くらいが緑型ですよ。来シーズンは是非ともおいで下さい。
コメント有難う御座います。
そちらでもミカドミンミンを探されていたのですね。
こちらでミカドミンミンを見ることはそれほど難しくありません。僕の印象では、30%くらいが緑型ですよ。来シーズンは是非ともおいで下さい。
ヒメオオさん、
コメント有難う御座います。
僕もセミの交尾シーンは今まで見たことが無かったのです。
気がつかなかっただけかもしれませんが、これから注意して観察しようと思いました。ミカドミンミンの交尾を撮影しないとね。ゼミも観察してみると面白いですね。
コメント有難う御座います。
僕もセミの交尾シーンは今まで見たことが無かったのです。
気がつかなかっただけかもしれませんが、これから注意して観察しようと思いました。ミカドミンミンの交尾を撮影しないとね。ゼミも観察してみると面白いですね。
Akakokkoさん、
コメント有難う御座います。
ミカドミンミンは甲府盆地ではかなり良く見られますが、他で見ることはなかなか難しいみたいですね。今度こちらにこられたときにでもミンミンゼミに注意すれば見ることが出来るかもしれません。
低い場所に静止する木を見つけたので、GXRで撮影できました。
コメント有難う御座います。
ミカドミンミンは甲府盆地ではかなり良く見られますが、他で見ることはなかなか難しいみたいですね。今度こちらにこられたときにでもミンミンゼミに注意すれば見ることが出来るかもしれません。
低い場所に静止する木を見つけたので、GXRで撮影できました。
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chochoensis at 2011-09-13 19:07
虫林さん、昨年だったか初めて「ミカドミンミン」と言うのを、このブログで拝見して驚きましたが、今回の写真はさらに素晴らしいですね、いささか驚いています・・・。いつか見てみたいです・・・。
以前の虫林さんお記事で初めて知ったミカドミンミンですがある程度の確率で発生するものなんですね。
GRの近接撮影はクォリティーが高いです。
私の使っているGX100にもビューファインダーがあったのを思い出しました。お蔵入りしていますが今度試してみます。
GRの近接撮影はクォリティーが高いです。
私の使っているGX100にもビューファインダーがあったのを思い出しました。お蔵入りしていますが今度試してみます。
naoggioさん、
コメント有難うございます。
ミカドミンミンの確率は僕自身は数を数えていませんので不確かですが、イメージとしては3頭に1頭すなわち30%くらいの確率があるのではないかと思われます(少なくとも今回の撮影地では)。
GX100も名機ですね。背面の液晶でも良いかと思いますが、やはりファインダーで見ながら撮影できれば安心ですね。
コメント有難うございます。
ミカドミンミンの確率は僕自身は数を数えていませんので不確かですが、イメージとしては3頭に1頭すなわち30%くらいの確率があるのではないかと思われます(少なくとも今回の撮影地では)。
GX100も名機ですね。背面の液晶でも良いかと思いますが、やはりファインダーで見ながら撮影できれば安心ですね。
by tyu-rinkazan
| 2011-09-10 23:19
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Comments(10)