NATURE DIARY

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201100911 山の池散歩:ルリボシヤンマ

Nature Diary #410

天気が良く穏やかな日曜日は久しぶり-----でも、どこに行こうかな?

そうだ、このところ運動不足なので、以前から気になっていた池の周りを散歩してみよう。この池はA山の 中腹に位置し(標高1300m)、周囲は密な林に囲まれて、この時期には訪れる人も少ない。

車を止めて池畔に降りてみると、緑の中に淡いながらも黄葉が始まっていました。

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山の池 (韮崎市、9月11日)

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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100



» ネキアカネ; Sympetrum speciosum speciosum

池に到着してゆっくりと池畔に沿って歩き始めると、目の前にアカトンボを見つけました。

その赤はショウジョウトンボにも匹敵するほど鮮やかで、思わず足を止めて撮影してしまいました。多分、翅の根本が赤いのでネキアカネだとおもわれますが、トンボの同定にはいささか自信がありません。

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ネキアカネ (韮崎市、9月11日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200




» ルリボシヤンマ; Aeshna juncea juncea

僕がルリボシヤンマと初めて出会ったのはもうかなり以前で、晩夏の東北地方の山中の沼でした。その沼にはメススジゲンゴロウという珍しい甲虫を目当てに訪れたのですが、沢山のルリボシヤンマが手が届くような近さで産卵するシーンを見ることができました。

時は過ぎ、この池でも当時と同じ光景がありました。このルリボシヤンマは「山男」ならぬ「山ヤンマ」としての風格があって中々良いものですね。

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飛翔するルリボシヤンマ♂ (韮崎市、9月11日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



メスは何頭も見ることが出来ましたが、このトンボのメスの色彩には多型があるようで、オスのように青色が入る個体も見られました。つまりオスのようなメス-----男のような女-----ウーム、何とも意味深ですな。

下の写真の個体も少し青いメスです。

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飛翔するルリボシヤンマ♀ (韮崎市、9月11日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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飛翔するルリボシヤンマ♀ (韮崎市、9月11日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



この池の岸辺に近い浅場では、ルリボシヤンマの産卵シーンが何度も観察出来ました。産卵行動はトンボにとっては子孫を残す大事なイベントなので、それを邪魔するのも少し気が引けましたが、何度か産卵しているトンボに近づいてその様子を撮影させてもらいました。

下の写真はGXRで背景をいれて撮影したものです。

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ルリボシヤンマ♀産卵 (韮崎市、9月11日)

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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100



さらに一眼レフの100mmマクロでも撮影しました。 水から伸びたアシの根本にしがみ付いて産卵するルリボシヤンマの姿を撮影したものですが、写真でみるとその姿はアシの中に溶け込んで巧みな擬態ですね。

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ルリボシヤンマ♀産卵 (韮崎市、9月11日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200



ルリボシヤンマはかなり深い部位に産卵するのでしょうか、しばしば腹部全体が水の中に入れていました。

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ルリボシヤンマ♀産卵 (韮崎市、9月11日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200


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ルリボシヤンマ♀産卵 (韮崎市、9月11日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200




» ゴイシシジミ; Taraka hamada

池の周りの笹原でチラチラ飛ぶ小さなシジミチョウを見つけました。なかなか静止してくれないのでこの蝶の後を10m以上追いかけて葉上に静止した時にやっと撮影することができました。シジミチョウのダルマシアンといえるゴイシシジミです。不思議なことに、見つけたのはたった1頭だけでしたが、新鮮な個体でした。

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ルリボシヤンマ♀産卵 (韮崎市、9月11日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200




» アメンボ; Aquarius paludum paludum

水面には場所によって多数のアメンボを認めました。随分多いものだと感心して見ていたら、そこにガが水面に飛び降りて来ました。数匹のアメンボがすかさず近づいて来ましたが、詳しい様子までは観察できませんでした。それにしてもここはアメンボ天国でした。

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アメンボ (韮崎市、9月11日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200




» ハクビシン; Paguma larvata  

走らせていた車の前方にタヌキのような動物を発見しました。よくみるとどうやらハクビシンのようです。そっと速度を落として撮影してみましたが、少し手振れしたようです。

注:ハクビシンと思いましたが、ニホンアナグナでした。訂正します。

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ニホンアナグマ (韮崎市、9月11日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200



§ Afterword §

9.11は今や米国人には忘れられない日だと思いますが、一方で3.11は日本人の記憶に残すべき日だと思います。本日は両国でその追悼式が行われました----合掌。

実は今回の南アルプスの前衛のA山行の本当の目的は、タニグチコブヤハズカミキリという甲虫の撮影でした。残念ながら本命のカミキリは見つけることが出来ませんでしたが、中腹にある池の周りでルリボシヤンマの産卵が撮影できたので満足です。またこのヤンマは人懐こいみたいで、わざわざ虫林の近くまで来てホバリングしてくれたので、何とか飛翔写真も撮影できました。

以上、 by 虫林花山
Commented by yoda-1 at 2011-09-14 12:41
ルリボシヤンマの飛翔画像お見事です。
やはりASA200とかですと、画質のクオリティが高いですね。
図鑑掲載OKです。
ダルメシアンシジミの足の毛毛の多さにビックリです。
こんな厚手のソックスをはいていたとは・・・・。新鮮個体だからでしょうか。
Commented by 虫林 at 2011-09-14 20:42 x
yoda-1さん、
コメント有難うございます。
ASA200は間違いでASA400です。言われて気がつきました。ご指摘ありがとう。
僕はトンボの写真は以前にヒヌマイトトンボの撮影をしたことがありますが、あまり撮影してきませんでした。でも、嫌いではありません。今回はまじめに撮影しましたが、やはり慣れていないせいかもう少し踏み込んだ生態が撮影できればよかったなと思っています。
ダルメシアンシジミの足の毛毛の多さは僕も驚きました。そこで、確認してみるとゴイシシジミは毛が多いようですが、脚の先近くまで毛でおおわれているのはこの個体の特徴でしょう。多分、羽化直だったのかもしれませんね。来年は少し注意してみようと思います。
Commented by dragonbutter at 2011-09-14 22:42
ルリボシヤンマの飛翔と産卵写真お見事です。
私はこのヤンマに近づくとすぐに警戒されて逃げられますので、人懐こいというのは虫林さんの人徳だと思います(笑)。
ヤンマの写真ですが、2枚目と3枚目の写真以外はオオルリボシヤンマの可能性があると思います。
Commented by maximiechan at 2011-09-15 06:13
ルリボシヤンマの様々な姿をとらえた素晴らしい写真が並びましたね。もっと標高の高い池で何回か見てはいますが、まだ未撮影の蜻蛉です。
yoda-1さんもそのことに触れていますが、ゴイシシジミの足の毛の多さにはびっくり。新鮮で可愛いです。
どちらもよいものを見せてもらいました。
Commented by spatica at 2011-09-15 06:50 x
ルリボシのホバリング、素晴らしいです。
しかも100マクロでの撮影とは!
無理に殺気立っていなかったのがよかったのかもしれませんね。
Commented by ダンダラ at 2011-09-15 10:42 x
ルリボシヤンマ(オオルリボシヤンマ?)の産卵はよい雰囲気ですね。
トンボのことはよくわかりませんが、写真としてのクォリティはかなり高いと思います。
ゴイシシジミの足の毛は、ムモンアカと同じように(抜け落ちるかどうかは別にして)アリの攻撃を防ぐためなんでしょうかね。
カイガラムシを餌とするからには当然それを守るアリ対策が何かあるはずだと思いますけど、チャンスがあればそんなことも見てみようかなと思うような写真です。
Commented by 虫林 at 2011-09-16 00:35 x
Dragonbutterさん、
コメントありがとう御座います。
今回のトンボはとてもフレンドリーでしたので、かなり近くでホバリングしてくれたので撮影が楽でした。
ルリボシヤンマとオオルリボシヤンマが混在していることも多いのですね。もう少ししらべてみます。ご指摘ありがとう御座いました。
Commented by 虫林 at 2011-09-16 00:48 x
Maximicchanさん、
コメントありがとう御座います。
ルリボシヤンマはこの場所ではかなりおおいようでした。
やはり林の囲まれた山の池がポイントみたいでした。ゴイシシジミは多分羽化直なのかも知れません。
Commented by 虫林 at 2011-09-16 11:48 x
Spaticaさん、
コメントありがとう御座います。
そうですね何となくたっていると向こうから寄って来てくれました。時々ゆっくりとホバリングしてくれたので、100mmでも撮影しました。
Commented by 虫林 at 2011-09-16 11:52 x
ダンダラさん、
コメントありがとう御座います。
産卵しているのはルリボシヤンマで間違いありませんが、ホバリングしているのは、オオルリボシヤンマかもしれませんね。この両者は紛らわしいのでこまります。
ゴイシシジミはいつかゆっくりと観察してみたいものです。
Commented by naoggio at 2011-09-16 15:22 x
ネキアカネは背景の色が秋っぽくていい雰囲気です。
ルリボシヤンマ(暫定)の飛翔と産卵、素晴らしいですね。
上質な生態図鑑を見ているような気分になりました。
ハクビシンですか・・・
数年前に隣家の池の鯉がたくさん穫られて喰い散らかされるという事件がありましたが、どうもハクビシンの仕業ではないかと(近所で目撃例があるので)・・・
お隣のお父さんはうちの猫の仕業だと思ってねじ込んできましたが、昔の猫ならいざ知らず、今時の飼い猫が大きな鯉を大量に捕獲なんて、どう考えてもねえ・・・

Commented by 虫林 at 2011-09-16 18:31 x
naoggioさん
コメントありがとう御座います。
ネキアカネの撮影時はすでに午後でしたので、日差しが色に影響を与えたのかもしれませんね。でも、ここでは確実に黄葉が始まっています。少し寂しくなります。
ハクビシンを見たのは僕は初めてです。近くでみると丸々と太っていて、迫力がありました。僕は戦ったら負けると思いました。
隣の池の鯉は僕もハクビシンがもっとも可能性が高そうに思えますよ。いかにもそれくらいのことはしそうな動物ですね。
Commented at 2011-09-16 21:58 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 虫林 at 2011-09-17 01:32 x
非公開コメントさん、
顔の中心部がしろっぽかったので、ハクビシンと思いましたが、ニホンアナグマでしたか。確かに尾がハクビシンにしてはみじかいなとおもっていました。訂正させていただきます。ありがとう御座いました。
GXR用に最短撮影距離が同じでAPCフォーマットが出れば良いですね。
by tyu-rinkazan | 2011-09-13 22:34 | Comments(14)