NATURE DIARY

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20111105 落ち葉の季節:オオムラサキ幼虫発見

Nature Diary #418

この時期、動物たちは冬眠に向けて栄養を蓄え、木々は葉を落として冬に備える。本来、多くの動植物にとって「冬は休息の期間」であるべきなのだが、おろかな人間だけが冬でもあくせく働き休むことを知らない。これは自然界の普遍的な摂理に著しく反し、加えて健康にも大変よろしくない行動パターンである!

イソップ物語のアリさんよりもキリギリスさんタイプに属するレイジーな虫林は、勝手にそんなことを主張して冬眠しようとするのだが、なかなか周りがそうさせてくれない。

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やっと週末に時間がとれたので、本日(土曜日)は午後から近くの雑木林を散歩してみた。
ここは家から車で15分程度の近場なのだが、この場所を訪れるのは初めてだ。

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林の中の小道 (甲府市、11月05日)

Canon 7D, Sigma 17-70mm, ASA 400


小さな池の周りに発達したセンダングサの群落ではヤマトシジミが飛んでいた。静止して翅を開いたヤマトシジミの♂の翅表の色合いは明るく白っぽい。ヤマトシジミの秋型あるいは低温期型の色彩変化は♀に出ることがよく知られているけど、オスの翅表の色彩もやはり夏に見られるものとは異なる。

鮮やかに紅葉した背景の中で際立って美しく感じた。

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ヤマトシジミ♂ (甲府市、11月05日)

Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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ヤマトシジミ♂ (甲府市、11月05日)

Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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ヤマトシジミ♂ (甲府市、11月05日)

Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



» オオムラサキの幼虫; A caterpillar of the Great Purple

本日初めて歩く散歩道だったが、道の脇に樹高2-3mの若いエノキが並んでいた。

何気なくエノキの葉に目をやると、オオムラサキの幼虫(4齢幼虫)が何頭も静止していた。この時期の幼虫はまだ緑色で、なかなか見つけにくいが、慣れるとあちらこちらにその姿を見かけることができた。

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オオムラサキの幼虫 (甲府市、11月05日)

Canon 60D, Sigma 10mm Fisheye, X1.4TC, ASA400

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オオムラサキの幼虫 (甲府市、11月05日)

Canon 60D, Sigma 10mm Fisheye, X1.4TC, ASA400


越冬色の黒褐色に色を変えている個体も見ることができた(下の写真の下)。
まもなく、彼らは越冬のための枯葉のベッドに入るためにエノキを降りる。

でも、褐色の個体のように、明らかに葉の表面に糸を出して越冬ベッド(?)を作っているものも見られた。すると、全ての個体が木の幹を這って下るのではなくて、葉に付いたままで落葉を利用して地面に降りるものもあるのかも知れないなと思う。葉っぱと一緒に落ちるのであれば、いつかその様子を観察してみたい。

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オオムラサキの幼虫 (甲府市、11月05日)

Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




幼虫の顔を正面から撮影すると、「コアラ」のような愛嬌があるので楽しい。

ただ、顔の両側にある可愛い目のように見える黒点は、目そのものではなくてただの黒点(偽眼?)にすぎない。ご丁寧に少し隆起していたりして驚く。もちろん、オオムラサキの幼虫の頭部にも、触角、口、目(単眼が左右に6個づつ)の3点セットは備わっているはずだ。

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オオムラサキの幼虫 (甲府市、11月05日)

Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400


§ Afterword §

このところ、色々と忙しくてフィールドに出ることができず、NDの更新もままならなかったが、やっと散歩することができた。あまり期待しないで歩いたのだが、思いもかけずオオムラサキの4齢幼虫を何頭も見つけることができた。オオムラサキの幼虫の食樹であるエノキは、道の脇に転々と見られたが、樹高が1-3mほどの若木や幼木が多く、幼虫の発見や観察にはとてもよかった。

これまでにも、冬期にエノキの木の下で枯葉について冬眠しているオオムラサキの幼虫は何度も見てきたが、今回のような時期には探したことがなかった。この場所は幼虫の観察に適していそうなので、来年はさらに5齢、6齢幼虫、蛹や羽化の観察もできる可能性が生まれた-------楽しみだな。





以上、 by 虫林花山


Commented by himeoo27 at 2011-11-06 15:27
ヤマトシジミ♂♀ともにこの時期とっても味わいがあって素敵です。

オオムラサキの越冬前の幼虫の顔、愛嬌がありますね!
空を舞う蝶の種類が減ってきたので、
幼虫探しが楽しみになってきました。
Commented by banyan10 at 2011-11-06 19:42
紅葉の赤が鮮やかな2枚目のヤマトシジミは晩秋の良い雰囲気ですね。
オオムラサキの越冬前の幼虫はまだ観察したことがありません。埼玉では多くないですが、少し探してみたいです。正面顔は可愛いですね。
Commented by clossiana at 2011-11-07 09:28
そ、そうだったのですか。。いやはや、全くもってオオムラサキに騙されていましたね。私はずっとあの黒い部分はてっきり目だと思っていました。でも偽眼だとすれば一体何の為なんでしょうね。
この時期の雑木林の散策はとても気持ちが良いですが、こんな住人達がいたら最高ですね。そういう場所が近くにあるのは羨ましいです。
Commented by 虫林 at 2011-11-09 11:05 x
ヒメオオさん、
コメントありがとう御座います。
ヤマトシジミは地味な蝶ですが、この時期は背景が綺麗な色を持ちますのでなかなか面白いですね。
オオムラサキの幼虫は期待していなかったので、見つけた時は嬉しかったです。
Commented by 虫林 at 2011-11-09 11:08 x
Banyanさん、
コメントありがとう御座います。
オオムラサキの幼虫はこの時期にさがしたことがありませんでした。でも、エノキの幼木には結構見つけることができました。
今年はもっと意識して探してみようと思っています。
Commented by 虫林 at 2011-11-09 11:12 x
Clossianaさん、
コメントありがとう御座います。
僕も初めは顔の両側にあるので、目に違いないと思っていました。
でも、幼虫の目は、成虫とことなり、単眼が6つ並ぶみたいですので、これは多分目ではないと思われます。しかし、もちろん目もあるはずなのですが、本来の目を確認しなければいけませんね。
次回にはできるだけ確かめて見ます。
by tyu-rinkazan | 2011-11-06 14:45 | Comments(6)