NATURE DIARY

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20120401 春の散歩道:スギタニルリシジミなど

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Nature Diary 7(16):#441

<桜開花宣言>
東京では桜の開花宣言が土曜日(31日)に発表された。例年より5日ほど遅いそうだ。一方、山梨の開花予想は当初3月30日だったが、日曜日(4月1日)にやっと基準木の花がほころんで開花宣言がでた。やはり平年より5日、去年と比べても3日遅い開花となったそうだ。実は昨年末からの低気温でもっと遅れるかなと思ったのだが、このところの暖かさで平年並みに追い付いてきたのだろう。

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山サクラの花(南部町)

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ソメイヨシノはまだ蕾だったが、ヤマザクラは既に満開の木もあった。
桜の花は何度見ても幾つになっても心がワクワクするから不思議だ。

Canon 7D, EF 300mm F4L, ISO400


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今年はまだコツバメに出会っていない。そこで、今年のギフチョウシーズンの下見もかねて、コツバメが多い県南部の林道を訪れることにした。


コツバメ; The Tailless Hairstreak

温泉に続く林道を歩いてみた。

林道脇を素晴らしいスピードで飛ぶ小さなシジミチョウを発見した。慌てて近寄り確認すると目的のコツバメだった。コツバメたちは陽だまりでテリ張り(占有行動)していた。

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コツバメ(南部町)

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コツバメの翅裏は複雑な模様で、枯草と保護色になっている。
Canon 7D, EF 300mm F4L, ISO400

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コツバメ(南部町)

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笹の葉上に静止するコツバメとその飛翔直後の姿。
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400



スギタニルリシジミ; The Sugitani's Hedge Blue

青色の小さなシジミチョウが林道上をチラチラと飛んでいた。スギタニルリシジミだ。

今回はスギタニルリシジミは期待していなかっただけに嬉しい驚きだった。昨年、偶然お会いしご一緒した昆虫写真家の海野和夫氏が指摘されていたが、ここのスギタニはとにかく大きい(通常のルリシジミと同じくらい)。また、ここには標準的な食樹であるトチノキが無いのも興味ある。

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スギタニルリシジミ(南部町)

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水場の湿った石の上で吸水するスギタニルリシジミ。
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400

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スギタニルリシジミ(南部町)

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湧水が落ちてくる苔に覆われた岩壁には何頭もチラチラと飛んでいた。ここには通常のルリシジミもいるが、スギタニのブルーはルリよりも深くて暗いのでその鑑別は可能だ。
Canon 7D, EF 300mm F4L, ISO400

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スギタニルリシジミ(南部町)

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林道脇のキブシの花に沢山のスギタニが吸蜜に集まっていた。そこで、わざわざ車まで引き返して、脚立と300㎜の望遠レンズを持ってきて撮影した。
Canon 7D, EF 300mm F4L, ISO400

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スギタニルリシジミ(南部町)

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この時期、他に吸蜜植物がないためか、それともキブシの蜜が好きなのだろうか。とにかく、10頭近くのスギタニが吸蜜に訪れていた。
Canon 7D, EF 300mm F4L, ISO400



ルリシジミ; The Holly Blue

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ルリシジミThe Holly Blue(甲府市)

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道に落ちた桜の花で吸蜜していた。
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400

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ルリシジミThe Holly Blue(甲府市)

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すでに長く茎をのばしたフキノトウの花で吸蜜するルリシジミを見つけた。ルリシジミは今年の初見の蝶だが、破損している翅先を見るとどうやらこの個体はメスだ。
Ricoh GXR, S10, ISO 100



ベニシジミ; The Small Copper

帰りは寄り道して富士宮市の丘陵にも立ち寄ってみた。富士山バックの写真が目的。
甲府市から見ると富士山の頂上は平だが富士宮市からはやや尖って見える。

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ベニシジミ(富士宮市)

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日光浴をするベニシジミの背景に林の間から顔を見せている富士山を入れた。富士山の全体像が撮影できる場所であればもっと良いのだが----。
Ricoh GXR, S10, ISO 100



シュンラン; Cymbidium goeringii

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シュンラン Cymbidium goeringii(甲府市)

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日本のシンビジウム(春蘭)はまだ春浅い雑木林の林床に、花茎をすっと伸ばしてうつむき加減な花をつける。でも、花茎が綺麗に伸びた株は意外に少なくて、撮影には苦労する。洋ランと異なる日本的な美しい花容に惹かれている。
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400


§ Afterword §

本日はコツバメを目的に県南部を訪れたが、嬉しいことにコツバメばかりかスギタニルリシジミまで見ることができた。本日見た個体の中には、すでに古くなっているものもあったので、ここでの両種の発生はもっと(多分、2週間くらい)早いのだろう。来年には3月中旬に訪れてみたいとおもう。それにしても、撮影した水場は、上からの落石が頻繁に起こりとても危険。チョウの撮影で命を落としたくないものだ。


来週あたりはそろそろ春の女神様も出てくる頃だ。





以上、 by 虫林花山

Commented by 22wn3288 at 2012-04-02 08:52 x
スギタニルリシジミが発生していたのですね。
翅表がいいですね。
ベニシジミと富士山 綺麗な組み合わせですね。こんなシーンに出会ってみたいです。
Commented by yoda-1 at 2012-04-02 12:29
スギタニルリは、今年の関東では早い発生の場所があるものですね。是非食樹をつきとめてください。
広角画像のテーマにいつも富士山を絡めることができるのはいつ拝見してもうらやましい環境です。
日本のシュンランの属名がシンビジウムとは知りませんでした。
確かに花弁の造りや葉の伸び具合は一緒でありました。
Commented by chochoensis at 2012-04-02 16:53
「コツバメ」・「スギタニルリシジミ」・・・驚きました、もう、スギタニの季節になりましたか・・・「シュンラン」の写真・・・凄い見事ですね、=唇弁=の赤褐色の斑紋が良く見えて素晴らしいです、流石ですね!!!
Commented by 蝶山人 at 2012-04-02 19:07 x
一身上の都合でご無沙汰しています
素晴らしい季節の画像堪能させて頂きました
今年もフィールドでお会いすることが出来れば
よろしくお願いします
Commented by banyan10 at 2012-04-02 21:25
スギタニも出ましたか。僕も今週中に一度様子を見に行ってみます。
富士山背景はこれぐらい冠雪があると見事ですね。
なかなかこの時期は富士山の近くまで行けないですが、一度挑戦したくなります。
Commented by naoggio at 2012-04-03 17:47 x
虫林さんらしい情感たっぷりの傑作が並んでいて感心しながら拝見しました。
枯れ花にとまったコツバメ、水辺やキブシのスギルリ、落ち花で吸蜜するルリシジミ、富士山バックのベニシジミ・・・どれも願ってもない撮影チャンス。よく一度にこんなにたくさんの出合いがあるものです。
そう言えばシュンランもずいぶん長い事見かけていない気がします。いい花ですね。
Commented by ダンダラ at 2012-04-03 18:05 x
そちらではスギタニが出始めたんですね。
そうなると今週末はいよいよギフの出現でしょうか。
わくわくしますね。
シュンランの写真、素晴らしいです。
Commented by 虫林 at 2012-04-03 19:01 x
22wn3288さん
スギタニは毎年この場所で撮影しているのですが、この時期にはまだ早いかなと思っていただけにうれしい出会いでした。翅表の色合いは独特ですね。
ベニシジミと富士山では、近くにもっと良い場所があるのですが、いかんせんそこにはチョウがいませんでした。でも、林が邪魔ですね。
Commented by 虫林 at 2012-04-03 19:06 x
yoda-1さん
スギタニはかなりの個体数がすでにでていました。そこで、開翅を狙ってみましたが(以前に同地でメスの開翅を撮影)、残念ながらうまく開いてくれませんでした。
富士山バックは僕の永遠のテーマで、それが撮影できるポイントを意識しています。でも、実際にはなかなかこれぞと思う場面には遭遇しませんね。
シュンランは日本の古典園芸ですので、大事にしたい植物ですね。
Commented by 虫林 at 2012-04-03 19:08 x
chochoensisさん、
シュンランの撮影はなかなか難しいですね。幸いにしてこちらのコナラ林には多く見ることができますので、個体を選んで撮影できます。でも、今年は少し遅れているようで、まだ花が開いていないものが多く見られました。来週末あたりが最も撮影に良い時期かなと思います。
花の写真もいいですね。
Commented by 虫林 at 2012-04-03 19:11 x
蝶山人さん、
こんにちは、こちらこそご無沙汰です。今年もまたどこかでお会いできれば良いですね。今年は5月の連休がほかのことでつぶれそうなので、皆さんにお会いできるかどうか不安です。でも、時間をつくってぜひともお会いしたいです。
楽しみにしています。
Commented by 虫林 at 2012-04-03 19:14 x
banyanさん、
スギタニはすでに古い個体も見られましたので、発生初期とは言い難いかなと思われます。集団吸水も狙っていたのですが、残念ながら見ることはできませんでした。でも、キブシの花に10頭以上がコツバメとともに集めっていておどろ行きました。
良い場面に出会えるといいですね。
Commented by 虫林 at 2012-04-03 19:17 x
naoggioさん、
この場所は昨年海野さんとともに散歩した場所ですよ。僕もコツバメが目的でしたが、すでにスギタニルリが飛び回っていました。この場所に来ると、貴殿や奥様、海野さんと一緒に歩いた時のことが思い出されます。楽しかったですね。
この場所ではコツバメ、スギタニとも結構見ることができましたが、もっと生態的に面白い場面が撮影できたらいいなと思います。
Commented by 虫林 at 2012-04-03 19:20 x
ダンダラさん、
この場所は昔、ギフチョウの記録もあるようなので、その可能性も含めて散歩してみました。もちろんギフはだめでしたが、、ありがたいことにその他の蝶が多く出てきてくれたのがうれしかったです。
そろそろ春も本番になって、桜も咲き、主役の登場を待つばかりですね。今年はどんなギフの写真が撮影できるか楽しみです。
Commented by kmkurobe at 2012-04-04 16:26
そちらはすっかり春ですね。ここへ来ての猛吹雪でがっかりしています。
しばらくは県外遠征になりそうです・・・・・
Commented by 虫林 at 2012-04-04 20:14 x
そちらの日記をみると、雪にまた包まれてしまったようですね。でも、そちらの春はいわゆる春らしい春ですから、すべての命の躍動が一度に湧き上がるように思えます。それまで、エネルギーを充電しておくのもよいかもしれません。あまり早くから走りすぎるのも考え物ですよね。
最近、体力に少し自信がなくなりつつありますので、どこかでオーバーホールしなければと考えています。
by tyu-rinkazan | 2012-04-02 00:54 | Comments(16)