20120503 Guamの散歩道(1):砂浜のシロオビアゲハなど
2012年 05月 07日
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Nature Diary 7(21):#446
<グアムにて>
今年のゴールデンウィークは上の息子の慶事で、家族全員でグアム (Guam) に滞在した。日本からは飛行機で3時間ちょっとで行ける至近の「南海の孤島」だ。虫屋(虫好きの人)はだれでも「南海の孤島」、「灼熱のジャングル」などといったキーワードには、まるでパブロフの犬(反射の実験で有名)のように、とても敏感に反応するものだ。ちなみに不肖虫林も思わず涎が出てしまった(ウソ)。
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グアムってアメリカ合衆国なのはわかっていても、どこの州に属するの?
てっきりハワイ州かなと思っていたが、実はグァム準州で、法律はカルフォルニア州に準じるということらしい。これって小笠原が東京都というのと同じような感覚かね-----違うか。1時期は日本軍が統治。
► 海岸線の風景
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Landscape of the seashore
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)
グアムには今でも素朴な雰囲気が残っている。
実際、20年前にグアムに移り住んだというタクシーの運転手さんに、
「20年前と今とではグアムもずいぶんとかわったでしょ?」----と聞いてみたら、
「なーんも変わらんよ」-----という返事が返ってきた。
ミクロネシアとはそんな場所なのだ。
► 海岸線の風景
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Landscape of the seashore
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)
珊瑚の白い砂が透明な水に透けて、空の青と渾然と混ざり合った海の色を作り出す。
こんな景色を見ていると、虫林の脳はすっかり軟化融解してしまい、思考停止状態に陥ってしまうようだ。日本に帰ってからの仕事-----ウーム、考えたくない。
グアムでは全ての時間がゆっくりと過ぎていく。
► 海岸線の風景
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Landscape of the seashore
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)
砂浜にサンゴ礁のかけら。
多分、子供が集めて遊んだ名残かもしれないな。
南国の楽しさがそこに凝縮されているようで、見ているだけで癒される気がする。そうだこの写真を虫林のノートパソコンの背景画面に貼付けてみようかな。
► サンゴのかけら
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Fragments of the coral
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)
部屋からはタモン湾が一望。
「夕陽評論家」を自称する虫林は(ウソつけ)、夕方、一人でベランダのデッキチェアーに腰掛けて、水面をオレンジ色に照らす夕陽が、次第にその輝きを失うまでの一部始終をゆっくりと眺めた。
雲の間からもれる夕陽の柱がいわゆる 「天使の階段」 を形作り、オレンジ色に輝く水面をゆっくりと一艘のカヌーが過ぎていった。思えば、何と贅沢で豊穣な時間なのだろうか。
► 夕陽とカヌー
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The evening sun showing a so-called “Engel ladder”
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)
シロオビアゲハ; The Common Mormon
夕方、砂浜で吸水するシロオビアゲハを見つけた。
砂浜とチョウの吸水はやはり何となく違和感を覚える。というのも、人間の場合、海水を飲むとその塩分濃度が血液や細胞内の濃度よりもかなり高いために、浸透圧の関係で体内の水分がむしろ喪失して、かえって喉が乾いてしまうことになる。つまり、海水はそのままでは飲料水にはならいない。
チョウたちの血液(体液)のミネラル濃度はどうなのかな?
► 砂浜で吸水するシロオビアゲハ
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A male of the Common Mormon feeding minerals on the beach.
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)
ブーゲンビリアの赤い花にシロオビアゲハが絡んでいた。
南国の写真にはしばしば出てくるステレオタイプの光景だ。
► ブーゲンビリアの花とシロオビアゲハ
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Gift from the sea
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)
その他; Miscellaneous
► 金緑色のカメノコハムシ
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Golden-green coulored leaf beetle
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)
► 怪しいハエ
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Funny fly
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)
カメレオンを発見した。
これまで南国には何度も訪問したが、カメレオンに出会ったことはなかった。海岸を散歩していたときに、砂浜に近い場所の葉の上にカメさんに会うことができた。下はカメレオンの顔を近接撮影したものだが、カメラを近づけても逃げようともしない。
いい度胸をしているのかそれともおバカなのか----多分、後者かな。
► カメレオン
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Green cameleon
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)
§ Afterword §
やはり南海の孤島なので蒸し暑いが、グアムの風土や生活のテンポは、毎日、あたふた、ドタバタ、せかせかと暮らしている虫林にとってはとても癒されるものだった。今回は息子の慶事がメインだったので、十分な探索は不可能だったが、全般的にグアムには昆虫はあまり多くはなさそうだ。息子夫婦はこの夏に日本を離れる予定なので、これからは家族全員が一同に顔を揃える機会もずいぶんと少なくなってしまうだろうな------。
次回はもう少しチョウの写真を中心にしてアップしようと思っている。
以上、 by 虫林花山
Nature Diary 7(21):#446
<グアムにて>
今年のゴールデンウィークは上の息子の慶事で、家族全員でグアム (Guam) に滞在した。日本からは飛行機で3時間ちょっとで行ける至近の「南海の孤島」だ。虫屋(虫好きの人)はだれでも「南海の孤島」、「灼熱のジャングル」などといったキーワードには、まるでパブロフの犬(反射の実験で有名)のように、とても敏感に反応するものだ。ちなみに不肖虫林も思わず涎が出てしまった(ウソ)。
グアムってアメリカ合衆国なのはわかっていても、どこの州に属するの?
てっきりハワイ州かなと思っていたが、実はグァム準州で、法律はカルフォルニア州に準じるということらしい。これって小笠原が東京都というのと同じような感覚かね-----違うか。1時期は日本軍が統治。
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Landscape of the seashore
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)
グアムには今でも素朴な雰囲気が残っている。
実際、20年前にグアムに移り住んだというタクシーの運転手さんに、
「20年前と今とではグアムもずいぶんとかわったでしょ?」----と聞いてみたら、
「なーんも変わらんよ」-----という返事が返ってきた。
ミクロネシアとはそんな場所なのだ。
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Landscape of the seashore
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)
珊瑚の白い砂が透明な水に透けて、空の青と渾然と混ざり合った海の色を作り出す。
こんな景色を見ていると、虫林の脳はすっかり軟化融解してしまい、思考停止状態に陥ってしまうようだ。日本に帰ってからの仕事-----ウーム、考えたくない。
グアムでは全ての時間がゆっくりと過ぎていく。
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Landscape of the seashore
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)
砂浜にサンゴ礁のかけら。
多分、子供が集めて遊んだ名残かもしれないな。
南国の楽しさがそこに凝縮されているようで、見ているだけで癒される気がする。そうだこの写真を虫林のノートパソコンの背景画面に貼付けてみようかな。
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Fragments of the coral
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)
部屋からはタモン湾が一望。
「夕陽評論家」を自称する虫林は(ウソつけ)、夕方、一人でベランダのデッキチェアーに腰掛けて、水面をオレンジ色に照らす夕陽が、次第にその輝きを失うまでの一部始終をゆっくりと眺めた。
雲の間からもれる夕陽の柱がいわゆる 「天使の階段」 を形作り、オレンジ色に輝く水面をゆっくりと一艘のカヌーが過ぎていった。思えば、何と贅沢で豊穣な時間なのだろうか。
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The evening sun showing a so-called “Engel ladder”
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)
シロオビアゲハ; The Common Mormon
夕方、砂浜で吸水するシロオビアゲハを見つけた。
砂浜とチョウの吸水はやはり何となく違和感を覚える。というのも、人間の場合、海水を飲むとその塩分濃度が血液や細胞内の濃度よりもかなり高いために、浸透圧の関係で体内の水分がむしろ喪失して、かえって喉が乾いてしまうことになる。つまり、海水はそのままでは飲料水にはならいない。
チョウたちの血液(体液)のミネラル濃度はどうなのかな?
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A male of the Common Mormon feeding minerals on the beach.
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)
ブーゲンビリアの赤い花にシロオビアゲハが絡んでいた。
南国の写真にはしばしば出てくるステレオタイプの光景だ。
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Gift from the sea
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)
その他; Miscellaneous
.
Golden-green coulored leaf beetle
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)
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Funny fly
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)
カメレオンを発見した。
これまで南国には何度も訪問したが、カメレオンに出会ったことはなかった。海岸を散歩していたときに、砂浜に近い場所の葉の上にカメさんに会うことができた。下はカメレオンの顔を近接撮影したものだが、カメラを近づけても逃げようともしない。
いい度胸をしているのかそれともおバカなのか----多分、後者かな。
.
Green cameleon
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)
§ Afterword §
やはり南海の孤島なので蒸し暑いが、グアムの風土や生活のテンポは、毎日、あたふた、ドタバタ、せかせかと暮らしている虫林にとってはとても癒されるものだった。今回は息子の慶事がメインだったので、十分な探索は不可能だったが、全般的にグアムには昆虫はあまり多くはなさそうだ。息子夫婦はこの夏に日本を離れる予定なので、これからは家族全員が一同に顔を揃える機会もずいぶんと少なくなってしまうだろうな------。
次回はもう少しチョウの写真を中心にしてアップしようと思っている。
以上、 by 虫林花山
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by
himeoo27 at 2012-05-06 17:33
シロオビアゲハの海水吸汁興味深いです。
また珊瑚が風化した白い砂と黒いアゲハチョウの明度の大きな差がくっきりして綺麗ですね!
また珊瑚が風化した白い砂と黒いアゲハチョウの明度の大きな差がくっきりして綺麗ですね!
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息子さんの慶事、おめでとうございます。
グアムは私も行きましたが、ポイントも良くわからず孫の世話もあって、結局ホテルの周りで撮影しただけでした。
でも、ゆったりとした雰囲気の良い島ですね。
次回の蝶編が楽しみです。
グアムは私も行きましたが、ポイントも良くわからず孫の世話もあって、結局ホテルの周りで撮影しただけでした。
でも、ゆったりとした雰囲気の良い島ですね。
次回の蝶編が楽しみです。
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by
yoda-1 at 2012-05-07 12:52
海外挙式だったのですか?
おめでとうございます。
YODAの場合、その昔ダイビングで訪問して、シロオビも遠くから撮影しました。
もともと吸水=ミネラル・塩分補給とか言われているでの、海辺での吸水行為は効率的に感じますが、日本国内ではあまり観察できないことも確かですね。
おめでとうございます。
YODAの場合、その昔ダイビングで訪問して、シロオビも遠くから撮影しました。
もともと吸水=ミネラル・塩分補給とか言われているでの、海辺での吸水行為は効率的に感じますが、日本国内ではあまり観察できないことも確かですね。
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by
kmkurobe at 2012-05-07 19:39
お疲れさまでした。しかしひと味違った素晴らしい作品が並んでますね。
砂浜吸水は最高の雰囲気が出ていますね。
砂浜吸水は最高の雰囲気が出ていますね。
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by
Sippo5655 at 2012-05-07 21:57
おお、グアムへ行かれて(*´∀`*)
息子さんの慶事、おめでとうございます~♪
広い海、、こんなにラフに釣りしているの・・
日本とは大違いですね^^;
シロオビアゲハ、こんな環境で見てみたいです。
海岸で吸水ですか。
きっと、必要な栄養分があるのでしょうね。
砂浜に、貝殻・・・素敵♪
是非、背景写真にしてくださ~い☆
グリーンに輝くカメノコハムシも美しいですね!
私は先日、初めてカメノコテントウに出会い、大きさに仰天しました^^;
・・・レベルが違う。。。(*_ _)
カメレオンも!!凄い出会いでしたねー☆
息子さんの慶事、おめでとうございます~♪
広い海、、こんなにラフに釣りしているの・・
日本とは大違いですね^^;
シロオビアゲハ、こんな環境で見てみたいです。
海岸で吸水ですか。
きっと、必要な栄養分があるのでしょうね。
砂浜に、貝殻・・・素敵♪
是非、背景写真にしてくださ~い☆
グリーンに輝くカメノコハムシも美しいですね!
私は先日、初めてカメノコテントウに出会い、大きさに仰天しました^^;
・・・レベルが違う。。。(*_ _)
カメレオンも!!凄い出会いでしたねー☆
シロオビアゲハの海水吸水は、昨年、宮古島のサンゴの浜辺で撮影しました。
yadaさんも撮影されたようで、シロオビアゲハにはよくあることかもしれませんね。
yadaさんも撮影されたようで、シロオビアゲハにはよくあることかもしれませんね。
ダンダラさん、
あり難うございます。
僕も家族を掘っておけず、ホテルの周りの林を見回っていました。チョウの種類はあまり多くありませんが、なんとか見ることだけはできました。ゆったりとして気持ちがよかったです。
あり難うございます。
僕も家族を掘っておけず、ホテルの周りの林を見回っていました。チョウの種類はあまり多くありませんが、なんとか見ることだけはできました。ゆったりとして気持ちがよかったです。
Yoda-1さん、
ありがとうございます。上の息子も所帯を持つことになりました。親としては嬉しいやら不安やらの気持ちです。
以前に波が当たる岸壁で、ウラギンシジミが吸水している場面を見たことがありますが、あまり多くないですね。
ありがとうございます。上の息子も所帯を持つことになりました。親としては嬉しいやら不安やらの気持ちです。
以前に波が当たる岸壁で、ウラギンシジミが吸水している場面を見たことがありますが、あまり多くないですね。
Shippoさん、
コメントありがとうございます。
グアムは何を撮影してもそれなりによく見えますね。やはり日本と違う風景や文化が面白いです。
昆虫たちも日本と異なるので、小さな虫にも興味津々でした。
カメレオンはこれまで見たことがなかったので、見つけたときは喜んで撮影しました。みると全く逃げないので、可愛いです。
コメントありがとうございます。
グアムは何を撮影してもそれなりによく見えますね。やはり日本と違う風景や文化が面白いです。
昆虫たちも日本と異なるので、小さな虫にも興味津々でした。
カメレオンはこれまで見たことがなかったので、見つけたときは喜んで撮影しました。みると全く逃げないので、可愛いです。
otto-Nさん、
コメントありがとうございます。
砂浜での吸水はシロオビアゲハが多いようですね。このような海岸には多の種類のチョウが少ないので、吸水シーンを見ることができないのでしょうか?それともシロオビが海水が好きなのか?興味ありますね。
コメントありがとうございます。
砂浜での吸水はシロオビアゲハが多いようですね。このような海岸には多の種類のチョウが少ないので、吸水シーンを見ることができないのでしょうか?それともシロオビが海水が好きなのか?興味ありますね。
by tyu-rinkazan
| 2012-05-07 08:18
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