NATURE DIARY

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20120811 真夏の散歩道:ルリボシカミキリほか

Nature Diary vol.7(40):#465


朝起きると、すでに8時を過ぎていた----ウーム、ロンドンオリンピック観戦で朝寝坊。

本日(土曜日)は南アルプスか北アルプスに高山蝶のベニヒカゲでも見に行こうかなと思っていたが、天気がどうも怪しいうえに(雷注意報)、高速道路はお盆の帰省ラッシュでひどく混んでいる。また、来週にはプライベートの旅行が控えているので、あまり無理はしたくない。ということで、アルプスは諦めて、近くの山を歩いてみることにした。

撮影対象を絞らずに、カメラ片手にのんびりと散歩----レイジーな虫林が好む散歩スタイル。


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► ミヤマクワガタ; Lucanus maculifemoratus, Miyama Stag Beetle

ミヤマカラスアゲハの集団を見たことがある沢に沿った小道を歩いて行くと、目の前をスミナガシが横切った。
このスミナガシはブッシュの中のコナラの木の周りに絡んでいる----どうやら樹液がでているようだ。

そのコナラの枝に大きな長歯型のミヤマクワガタの♂を見つけた。


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§ コナラの枝の樹液に来たミヤマクワガタ♂

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A male of Miyama Stag Beetle resting on the branch of Common Oak tree.
Canon 7D, Sigma10mm Fisheye, ISO400、外部ストロボ (2012-August-11, Hokuto-shi)



オスは大顎の形から エゾ型・ヤマ型(基本型)・サト型(フジ型) の3型がある。

この個体は大顎の第一内歯が第三内歯より長い(と言うことは第一歯が一番長い)。また、先端のフタマタは小さくはっきりしていないなどの特徴から サト型 のようだ。サト型は富士山の周辺に多いので、フジ型 ともいわれている。

自慢の大あごを上げて威嚇する。


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§ 大顎を上げて威嚇するミヤマクワガタ♂ (フジ型?)

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A male of Miyama Stag Beetle (Lucanus maculifemoratus) showing a threatening attitude.
Canon PowerShot S100 (2012-August-11, Hokuto-shi)





► ルリボシカミキリ; Rosalia batesi

ルリボシカミキリの属名はロザリア(Rosalia)というが、ロザリアはヨーロッパ系女性の名前で、この名前の響きからすると、山に住むとても綺麗な娘さんを連想する----アホ、考えすぎ。。

♪♪山の娘ロザリア、い〜つ〜も一人歌うよ♪♪

日本に棲息するルリボシカミキリ以外のロザリア(ベニボシカミキリ、フェリエベニボシカミキリ)は南方系で、いずれも美しい上に稀な種類だ。そういえば、今年の6月、山形在住の昆虫写真家でブナの森研究家の永幡嘉之さん(世界のブナの森とお会いしたが、その時の会話の中で極東ロシアのロザリアについて話が及んだのを記憶している。彼の地のロザリア(コエレステスルリボシカミキリは日本のルリボシに色彩が似ているがとても大きくて立派(月刊むし417号)。さらに原生林にひっそりと暮らす極めて稀な虫なのだそうだ。彼はコエレステスルリボシを見るのに10年の歳月を要したというから驚きだ。

ルリボシカミキリは美しいフォトジェニックな昆虫の代表選手。
けっして稀な種ではないが、見つけるとカメラを向けてしまう。


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§ ルリボシカミキリ

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A male of Longhorn beetle (Rosalia batesi) resting on the timber.
Canon PowerShot S100 (2012-August-11, Hokuto-shi)



ルリボシカミリはかなりの数がナラの材木に来集していたが、大きさには個体間での差が著しい。
最も小さな個体と大きな個体では5倍以上の差があり同じ種とは思えないほどだ。

突然、大型の♂同士(同じくらいの大きさ)が戦いを始めた。お互いに大あごで噛みあい、戦いは数分続いた。カミキリムシにも占有行動というものがあるのだろうか。戦いに負けた個体は下に落とされた。


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§ ルリボシカミキリの戦い

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Rosalia batesi
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-11, Hokuto-shi)





► その他; Miscellaneous

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§ 吸蜜するアカタテハ

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The Indian Red Admiral
Olympus E-5, ZD50-200mm, ISO400 (2012-August-11, Hokuto-shi)

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§ エルタテハ

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The Large Comma
upper: Olympus E-5, ZD50-200mm, lower: Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-11, Hokuto-shi)

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§ ルリタテハ

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The Blue Admiral
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-11, Hokuto-shi)

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§ ツノトンボ

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Hybris subjacens
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-11, Hokuto-shi)



道の横の葉の上でカケス(多分)の羽を見つけた。まるで 「森からの贈り物」 のように見えた。
青色のグラジュエーションが洒落ている。


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§ カケスの翅

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Garrulus glandarius
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-11, Hokuto-shi)





§ Afterword §

今回は近くの山をブラブラと歩いてみた。盛夏の昆虫たちがそこそこに出てきてくれたので、それはそれで楽しく歩くことができたといえる。とくにミヤマクワガタのオスは久しぶりだったので、見つけた時はとても嬉しかった。また、ルリボシカミキリも年に一度は撮影したい美しい甲虫だ。両種とも子供のころから好きな昆虫で、そのイメージは大人になっても変わらずに残っているようだ。

「三つ子の魂百まで」---違うか。


P.S. このブログのスキンを新しくした。
別に以前のスキンに不都合があったわけではなくて、気分転換といったところだ。
供覧する写真の大きさが大きくなったのでアラが目立ってしまうかも----(汗)。



<注>
蝶のブログの蝶調さんがウスイロコノマチョウの幼虫の里親を探しています。
ご希望の方は是非とも蝶調さんまで連絡してください。
ブログ:曜日のない暮らし:http://blog.goo.ne.jp/kagyuenmoli
飼育記録:http://blog.goo.ne.jp/kagyuenmoli/d/20120725



以上、 by 虫林花山


Commented by 蝶山人 at 2012-08-12 06:29 x
ミヤマもルリボシも絵になりますね
エルタテハもマクロでよくこれだけ寄れますね
虫林さんんが自然に同化して気配を消しているからでしょうか?
Commented by otto-N at 2012-08-12 10:26 x
ミヤマクワガタは大迫力です。北海道での子供のころ、ミズナラの木をかたっぱしから蹴り、落ちてくるのを何十匹と捕っていたのを思い出しました。
スキンを変えると過去の分まで変わるとは知りませんでした。写真が大きくなりとてもいいです。
Commented by banyan10 at 2012-08-12 18:50
ルリボシ綺麗ですね。僕はまだまともな写真が撮れていません。
ミヤマクワガタ大きな画像で迫力満点です。
僕も横800くらいで掲載したいのですが、スキンを変えていろいろ変更するのも面倒なのでオフシーズンにでも挑戦しようかな。
Commented by naoggio at 2012-08-12 20:38 x
写真が大きくなってナイスショットがいっそう迫力アップ、素晴らしいです。
カケスの羽、私も拾ったことがありますがきれいですね。こんなふうに写真に撮っておけばよかったです。
Commented by 蝶調 at 2012-08-13 07:35 x
早速呼びかけていただいて有難うございました。

いつも私を楽しませてくれる蝶たちですから、生まれたものは死なせるに忍びず何とかしてしてやろうと思っています。

ご面倒をおかけしました。
Commented by 虫林 at 2012-08-13 10:37 x
蝶山人さん、
コメントありがとう御座います。
ミヤマクワガタやルリボシカミキリムシは誰もが知っている昆虫ですので、撮影する際にはやはり気合が入りました(笑)。でも、身近な昆虫は丁寧に撮影すると面白いですね。
エルタテハはノートリでここまでよらしてくれて嬉しかったです。
Commented by 虫林 at 2012-08-13 10:39 x
ottoさん、
コメントありがとう御座います。
北海道のミヤマクワガタは特別立派ですね。以前に帯広に行った時に街の中で拾いましたが、大きさといい、風格といい、本州のものよりも上だった気がします。
スキンはottoさんの色違いですが、僕もこのスキンが良いと思いました。
Commented by 虫林 at 2012-08-13 10:45 x
banyanさん、
コメントありがとう御座います。
ルリボシカミキリはいるところには結構多いものでして、
そんな場所が見つけると嬉しいものです。
スキンの写真の大きさは好みの問題と言えますが、やhり
大きな写真は面白いですね。一方、アラも見えてくるので
少し心配です。
Commented by 虫林 at 2012-08-13 10:53 x
蝶調さん、
ウスイロコノマチョウの幼虫を飼育しすぎたようですね。
もしもそうであれば、里親を探すほかにも野外に離して
あげても良いのかなと思いました。
蝶調さんのご要望ですので、ブログ記事の下部にその
旨を記しました。うまく里親が見つかると良いですね。
Commented by 虫林 at 2012-08-13 14:33 x
naoggioさん、
コメントありがとう御座います。
レスが前後して申し訳ありません。
写真が大きくなると何となく見え方が違いますよね。
でも、同時にアラも目立つので少し心配です。
Commented by himeoo27 at 2012-08-13 17:04
カケスの羽根は、その1本だけで芸術ですね!
黒、紺、蒼、青、水色、白ウ~ム美しい・・・・・・
Commented by 虫林 at 2012-08-14 06:00 x
ヒメオオさん、
カケスの羽を拾うのはこれで3度目になります。
見るたびに自然界の不思議な芸術性に心うたれる気がします。
Commented by midori at 2012-08-14 09:33 x
小さい頃、ミヤマは憧れのクワガタでした。大顎の形から3種あるとは知りませんでした。横浜では出会ったことありませんが、静岡で見つけたとき(すでに会社員)は、大興奮したことを思い出しました(*^_^*)。
かっこいいです。マクロだと迫力が違いますね。ルリボシカミキリは、こちらでポイントを見つけましたので、毎年撮りに行っています。美麗甲虫ですよね。蝶以外でも、素敵な昆虫がたくさんいます。今後のアップも楽しみにしています。
Commented by Akakokko at 2012-08-14 17:57 x
ルリボシは、先日 梨ヶ原で初見しました。
美しい虫ですよね。
満足な写真を撮る前に飛んで行かれてしまったのが残念でした。
カケスの羽根もとても美しいですね。
Commented by dragonbutter at 2012-08-14 18:46
スキンが新しくなり、アラが目立つどころかますます迫力のある美しい写真を拝見できると思うと楽しみです。
ただ私のインターネット環境ですと少し重たくなりますが致し方ないでしょう。
Commented by Sippo5655 at 2012-08-14 23:13
天気予報から目が離せませんよね。
よりによって、お盆休みにこの天候、あああ・・・です。
主人が甲虫、大好きなんです。
後で記事を読んでもらいます^^
ルリボシカミキリ、そんなに個体差があるとは、知りませんでした。
ラストの鳥の羽 夏休みの、神様からのプレゼントですね。
私もあまり目的をもたずに出歩く方なんです。
Commented by 虫林 at 2012-08-15 13:34 x
midoriさん、
現在旅行中でレスが遅れました。コメントありがとう御座います。
僕も神奈川の海辺の街で育ったのですが、子供の頃に見かけるクワ
ガタはノコギリとコクワぐらいで、ミヤマクワガタは他に行かない
と見ることができない憧れのクワガタでした。特別立派ですね。
ルリボシの観察場所を持たれているのは良いですね。いるようで
意外にいないといえる昆虫です。
Commented by 虫林 at 2012-08-15 13:39 x
Akakokkoさん、
コメントありがとう御座います。
Akakokkoさんはやはり鳥もお好きなんですね。だって名前も
アカコッコですものね。僕はまだ噴火する前にアカコッコの観察に
三宅島に行ったことがありますよ。
ルリボシは意外に神経質なことがあって、まともに撮影できない
時も何度か経験しています。
カケスの翅は森からの贈り物でした。
Commented by 虫林 at 2012-08-15 13:42 x
dragonbutterさん、
気分転換にスキンを変えてみました。
其方のインターネットでは少し重すぎるのかな。
そうすると掲載する枚数を少し考慮した方が良さそうですね。
貴重なご意見をありがとうございました。
Commented by 虫林 at 2012-08-15 13:47 x
Shippoさん、
今年のお盆休みは現在旅行中です。
そちらは大雨が降ったみたいですね。被害がないことを祈って
います。ルリボシカミキリは個体の大きさはだけではなくて、
翅の黒い紋にも個体間で多型が見られますよ。
やはり目的をあまり絞らずに行き当たりばったりに出かけるの
も良いですね。
Shippoさんも似ているようですので光栄です。
by tyu-rinkazan | 2012-08-12 00:06 | Comments(20)