NATURE DIARY

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20121006 秋の散歩道:クリシギゾウムシとミヤマシジミ

Nature Diary #475
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Diary

昨日まで学会出張で、(埋め立て後につくられた)近代的なビルが立ち並ぶ海辺の町に数日間滞在した。どうも僕にはコンクリートで塗り固められたような町並は苦手だ。どこか無機質で落ち着かず、どこか冷たくてほっこりと出来ないのだ。ウーム、気分転換に、今週末も木々の緑、花や草の匂い、風のささやき、生き物たちの息遣いなどを体に感じながらフィールド散歩に出ることにしよう。

本日(土曜日)はミヤマシジミの棲息する河原を散歩することにした。


クリシギゾウムシ; Curculio sikkimensis

背が低いクリの木を見つけた。
何とはなしに割れた栗の実を見ると、クリシギゾウムシが静止していた。

このゾウムシの♀は異常に吻が長く、鳥のシギに似ているのでその名が付いたのだろう。昆虫写真家の海野和男氏の「小諸日記」で、この虫のユニークな姿を見て以来、いつかは撮影してみたいと思っていた。見つけた時はとても嬉しかった。

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クリの実とクリシギゾウムシ (写真下はGyorome 8使用)

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi



クリシギゾウムシの口吻はどうしてあんなに長いのだろうか?
この虫はクリの実に長い口吻で穴をあけ、そこに産卵する----合目的。

フランスの生物学者ラマルクによれば、昆虫に限らず生物のヘンテコリンな形態は、その「必要性」によって変化してきたものとされた(ラマルクの要不要説)。しかし、現在では「獲得形質は遺伝しない」という生物学の常識によりこの説は完全に否定され、遺伝子上に起きた変異がその生物にたまたま有利に働いたからと考えられている(ダーウィンの進化論)。

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クリシギゾウムシ(Gyorome 8使用) Insect-eye image

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi



ミヤマシジミ; Lycaeides argyrognomom, The Reverdin's Blue

食草のコマツナギが多い河原を訪れた。到着して歩き始めるとすぐに♂が足元から飛び出した。
本日は気温が低いためか、チョウたちは飛んでもすぐにススキの葉などに静止してくれた。

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ススキの葉に静止するミヤマシジミ♂ The Reverdin's Blue

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi


ミヤマシジミの翅表の青色は同じ仲間のヒメシジミやアサマシジミなどと違う明るく深い。
シジミチョウの中のベッピンさんだな。

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ミヤマシジミ♂ The Reverdin's Blue

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi


セイタカアワダチソウは、今や日本の秋を彩る花になってしまったようだ。このセイタカアワダチソウの黄色い花にミヤマシジミが吸蜜していた。またすぐ横にはベニシジミも吸蜜していて、2頭のシジミチョウの青と赤のコントラストが面白い。

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セイタカアワダチソウの花で吸蜜するミヤマシジミ♂とベニシジミ

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi


残念ながら青鱗が発達したメス個体は見ることが出来なかった。
さらに幼虫も探してみたのだが、根気が無い虫林には見つけることができなかった。

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静止するミヤマシジミ♀ The Reverdin's Blue

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi



キタテハ; The Chinese Comma

キタテハを観察していたら木の枝の陰に隠れるように静止した個体を見つけた。どうやらこの場所はねぐらになっているように見える。外から見ると巧みな保護色で見つけることはかなり難しそうだ。

キタテハの「枯葉化けの術」はさすがだな。

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キタテハ The Chinese Comma

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi



カトリヤンマ; Gynacantha japonica

通常のギンヤンマに似ているが、やや小型で黒っぽいカトリヤンマが旋回飛行していた。
ホバリングするところを見計らって何度か撮影した。ヤンマの青緑色の目が綺麗だ。

(カトリヤンマはBanyanさんの同定による。感謝)

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カトリヤンマ

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi



Afterword

この3連休はなるべく仕事をしようと思っていたのだが、結局はフィールド散歩をしてしまった。
ウィークエンドナチュラリストを自認する虫林は、週末はフィールドに出ないとね----。

ハーバード大学の教訓に「今日のことを明日に伸ばすな」、「どうせ去られない苦しみなら楽しもう!」、「あなたが今日歩かないなら、明日は走ることになるだろう」などがあるらしいが。まさしく胸にずしずしと響いてしまう。まあ、人間には気分転換も大事なので、そんな教訓など無視してこれからも散歩に出かけることにする-----反省の色なし?。

以上、by 虫林花山


Commented by banyan10 at 2012-10-08 19:35
栗で発生するゾウムシもいるのですね。
ユニークで魅力的です。
ミヤマシジミ健在で良かったです。
クロスジギンヤンマはもう少し早い時期が一般的ですし、模様も違うように見えます。
カトリヤンマあたりではないでしょうか。
Commented by himeoo27 at 2012-10-08 20:06
キタテハ
表翅の渋目のオレンジをベースにした模様も綺麗ですが、
裏翅の枯れ葉の擬態お見事ですね!
Commented by OTTO at 2012-10-08 23:04 x
ミヤマシジミ、ピッカピカですね。
これは3化ぐらいの発生なんですか?
こんな美しいシジミが身近でみられるんですねぇ。
ほんとうらやましいです。

キタテハの冬越し準備の写真ですかね。
止まっている枯葉が、自分にそっくりですが、これってしっかりと視覚で見分けてこんな場所にねぐらを取ろうとするんでしょうね。
キタテハ、えらい! 笑
Commented by 22wn3288 at 2012-10-09 13:40 x
セイタカアワダチソウの黄色に2種のシジミチョウ きれいですね。
素敵なシーンですね。
ミヤマシジミのブルーも一層映えますね。
Commented by daron3 at 2012-10-09 19:22
昨日お話されてたゾウムシはこれなんですね。
是非とも一度動いているのを見てみたいです。
栗の木があったら注意して探さないと・・・(汗
ミヤマシジミは昨年ご一緒した際に新鮮な♂♀の開翅が撮れてうれしかった事を思い出しました。
Commented by Sippo5655 at 2012-10-09 22:06
綺麗なミヤマシジミの表のブルー
そうですね、本当に明るい青という感じですね!
とは言っても私はミヤマに会うのがせいぜいなのですが、、
今度、ヒメ、アサマに出会えたら、表の色
よーく観察しなきゃ♪
セイタカアワダチソウ
これが咲くと、私の中では完全に秋の始まり
ちょっぴり憂いを伴って、、
クリの、このゾウムシ可愛いですね。
そして、色合いがすごく深い・・・
私も探してみます(^-^*)
キタテハ、見事だ・・・!
Commented by 虫林 at 2012-10-10 00:30 x
banyanさん、
有難うございます。
カトリヤンマに変更します。
トンボも難しいですね。
この場所のミヤマシジミはまだ健在でよかったです。
Commented by 虫林 at 2012-10-10 00:32 x
ヒメオオさん、
タテハチョウの翅裏はなかなか魅力的ですね。
とくに秋型が面白いです。
Commented by 虫林 at 2012-10-10 00:35 x
OTTOさん、
ミヤマシジミは山梨県内でもすくなくなっています。
一番近くの発生地は河川整備されて見る影もない状態です。
でも、この蝶はしたたかですので、何とか生き抜いてほしいものです。
Commented by 虫林 at 2012-10-10 00:39 x
22wn3288さん、
この時期セイタカアワダチソウは何時の間にか日本の秋の
風物になってしまいました。
多くの河川敷がこの花で黄色く染まっています。
ミヤマシジミとベニシジミはラッキーでした。
Commented by 虫林 at 2012-10-10 00:43 x
Daronさん、
お疲れ様でした。
ゾウムシは比較的動きが遅いものが多いようですが、この
ゾウムシはけっこう動き回るので撮影には気を遣いました。
でも、おもしろい形態でしょ?
Commented by 虫林 at 2012-10-10 00:50 x
Shippoさん、
ミヤマシジミの青はヒメやアサマとは異なる色合いだと
おもいます。僕の好みの青です。ヒメやアサマは是非とも
撮影されると良いです。この青色系のシジミチョウはマニ
アックです。魅力的ですね。
このゾウムシはユニークな形で撮影したいとおもっていま
したので、撮影できて嬉しかったです。

by tyu-rinkazan | 2012-10-08 17:51 | Comments(12)