NATURE DIARY

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20121103 晩秋の散歩道:秋色のヤマトシジミ

Nature Diary vol.7(55):#480

Diary

今週末は締め切りを過ぎの原稿書きで部屋に蟄居。

でも、外は晴れているのに一日中部屋に閉じこもっているのは不健康だし、精神衛生上もよろしくない(すぐにそれらしい理由をこじつける)。そこで、結局のところお昼過ぎにカメラをもって大学の構内をのんびりと散策してみることにした。

昼下がりとはいえ、風は少し冷たく、日差しが目に眩しい。
そろそろ冬の足音でも聞こえてきそうな季節になってきた(暦では11月7日が立冬)。


ヤマトシジミ; The Pale Grass Blue

グラウンドの草地にはヤマトシジミがとても多い。

突然、一頭のヤマトシジミが足元から飛び出し、風にあおられるように舞い上がって近く木の葉の上に静止した。ヤマトシジミそのものよりも紅葉した葉とのコントラストがなかなか綺麗に目に映った。思わずそっと近づいて秋色に染まったヤマトシジミを撮影。

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紅葉とヤマトシジミ The Pale Grass Blue and red leaves of autumn
Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi


ヤマトシジミのベッドはネコジャラシ(エノコログサ)の穂。

午後3時を過ぎて陽が傾いてくると何頭ものヤマトシジミがネコジャラシの穂の上に静止していた。
かれらはそのまま穂のベットの上でじっと夜を越すのだろう。

逆光の西日がヤマトシジミとネコジャラシを染めていた。

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エノコログサの穂上に休むヤマトシジミ A female of the Pale Grass Blue on the green foxtail

Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi


この時期のヤマトシジミたちは「冬化粧」。
オスの翅表は明るく白っぽくなり、メスには青い鱗粉がのる。

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ヤマトシジミ♂ A male of the Pale Grass Blue
Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi

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ヤマトシジミ♀ A female of the Pale Grass Blue

Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi



ヒメアカタテハ; The Painted Lady

ヒメアカタテハは英名をPainted Ladyという。「ヒメアカタテハ」というどこか無機質な名前よりも、英名のPainted Lady の方がオシャレで粋に思えてしまう。このPainted Ladyとは「化粧した女性」それとも「描かれた女性」?

面白いことに、ビクトリア王朝風の多色に塗られた家もPainted Ladyと呼ばれているらしい。

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ヒメアカタテハ The Painted Lady
Olympus OMD E-M5, Panasonic Lumix G Fisheye 8mm, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi



トノサマバッタ; The Migratory Locust

今回は意外にのんびりとした個体を発見できたので、背景のグラウンドを入れて撮影した。ちなみにこのグラウンドは学生たちが使用しない日中にはヴァンフォーレ甲府(今期サッカーJ2で優勝、来期はJ1昇格決定)が練習に使用している。

ヴァンフォーレ甲府よJ2優勝おめでとう。

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トノサマバッタ The Migratory Locust 

Olympus OMD E-M5, Panasonic Lumix G Fisheye 8mm, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi



銀杏の実; Gingko nuts

構内には銀杏の実がたくさん落ちていた。少し臭い。
銀杏の苦味が大人の味。

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銀杏の実 Gingko nuts 

Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi



Afterword

そういえば、福島地域のヤマトシジミに奇形が多発していることを琉球大の研究グループが報告した。Scientific Reports 2 : 570 doi: 10.1038/srep00570 (2012)。論文ではその原因が東京電力福島第一原子力発電所事故の放射能被曝によると結論している。ヒトとチョウでは放射線感受性が異なるので何とも言えないが、興味深い報文だ。でも、原発事故との関連については慎重に考察したほうが良いかもしれないな。

このところとにかく忙しくて、書かなくてはいけない原稿がたまってしまい、天気が良いのに朝から出勤して部屋で原稿書きになった。イソップ童話の「アリとキリギリス」に出てくるキリギリスのように暖かい間に怠けていたのがいけないのだ。寒い冬に備えてもっと早くから準備しておくべきだったな。

でも、そのおかげでヤマトシジミをゆっくりと観察できた。
人間万事塞翁が馬



以上、by 虫林花山





Commented by OTTO at 2012-11-04 13:43 x
最普通種のヤマトシジミといえども、やはり美しい蝶ですね。
止まっているエノコログサ(?)の姿や逆光からの光線の美しさと一体となったまさに絵になるヤマトシジミ(というか「絵にした」)、素敵です。
単に生態写真にとどまらない、アートとしての写真ですね。
Commented by himeoo27 at 2012-11-04 19:03
3コマ目、4コマ目のヤマトシジミ画像とっても良いですね!!
ぜひ真似をしてみたくなりました。

我が街の「大宮アルデイージャ」は「バンフォーレ甲府」とは
逆にJ1から降格のピンチにさらされています。今期も絶滅
危惧種の蝶の生存を祈るように、残留を祈念しています。
Commented by Sippo5655 at 2012-11-04 23:07
〆がまた粋ですね・・・!
お天気が良いのにお部屋にこもるのって私も苦痛です^^;
でも、がんばってくださいね。
紅葉葉にヤマト たまらなく美しいです。
私も綺麗な男の子のブルーに出会うことができました。
トノサマバッタ 私も今日出会って、なんか向こうがドキドキ
びっくりして怖がっていたみたいだったから、
なるべく安心させてあげるようにして、
それに夢中になってしまって、撮影するのを忘れちゃいました(笑)
ヒメアカ、この英名いいですね(*´∀`*)
ギンナン大好き!
いくらでも食べたいけれど、食べ過ぎは禁物なんですよね><
Commented by 虫林 at 2012-11-05 02:35 x
OTTOさん、
ヤマトシジミのねぐらは他のチョウのように茂みの中ではなくて、
草の上などですね。とくにエノコログサはお気に入りみたいです。
これからは蝶の姿も少なくなるので、少し遊んでみたいなとおも
っています。
Commented by 虫林 at 2012-11-05 02:38 x
ヒメオオさん
貴殿の青メスは素晴らしいですね。
なかなか翅を開いてくれないのですが、これから真面目に青メス
を探して見ようかなと思いました。
Commented by 虫林 at 2012-11-05 02:42 x
Shippoさん、
ビラボーです。
マンフロットのブログの記事を見ましたよ。
オメデトウございます。なんとなく僕もうれしくなりましたよ

確かにあのテントウムシは写真として素晴らしいな。
〆の言葉は僕の大好きなもので、生き方にも影響しているかも。
Commented by otto-N at 2012-11-05 11:46 x
ヤマトシジミの青♀は、寒い所のほうがもっと青いかと思っていましたが、黒っぽいのもあり様々のようですね。地域差よりも、幼虫や蛹の時の温度が影響するなら、もっとミクロな環境の温度によるのかもしれません。紅葉ヤマト、とてもいいですね。都内では赤くならずに茶色のまま葉が落ちてしまいます。
Commented by 22wn3288 at 2012-11-06 08:34 x
紅葉とヤマトシジミ、エノコログサとヤマトシジミ、どちらもとても綺麗です。
素晴らしい絵になっていますね。
こういう写真を撮ってみたいです。
ヤマトシジミもちゃんと撮らなくてはいけませんね。
Commented by ダンダラ at 2012-11-06 15:33 x
鮮やかな紅葉の上のヤマトシジミ、少し疲れたような風情がまた秋のもの悲しさを感じさせますね。
逆にエノコログサ上のヤマトシジミ、エノコログサが光ってヤマトの姿か影の中にしっとり落ち着いてとてもいい雰囲気ですね
感性が大切だなと感じさせられました。
Commented by banyan10 at 2012-11-06 17:20
赤い紅葉、エノコログサと素晴らしい場所に止まってくれましたね。
なかなか、こういうチャンスはないですが、それを見事な写真に撮るのは腕ですね。
秩父のクロツも昨年はツタの紅葉の上に止まってくれたので、次の訪問では期待したいです。
Commented by naoggio at 2012-11-07 22:19 x
素晴らしい写真が撮れましたね。
殊にエノコログサ2枚目は圧巻です。
さすが・・・ひたすら拍手です。
Commented by 虫林 at 2012-11-11 12:41 x
OTTO-Nさん、
この場所では色彩多型の幅が大きいみたいです。
あまり場所的なものに関してこの蝶では気にしたことが
ありませんでした。
紅葉は朝晩の気温が低いほうが良いといいますが、今年は
良いみたいです。
Commented by 虫林 at 2012-11-11 13:01 x
22wn3288 さん、
この蝶が少ない時期には、いろいろと撮影を工夫して楽しん
でいます。そういう意味ではヤマトは良い撮影対象です。
Commented by 虫林 at 2012-11-11 13:08 x
ダンダラさん、
この時期は色々と撮影を工夫しながら楽しんでいます。きれいな
紅葉の上に静止してくれてよかったです。
ヤマトはどこにでもいるので、試したりするのには好適
な撮影対象です。う
Commented by 虫林 at 2012-11-11 13:11 x
banyanさん、
普通種でも、紅葉の上は撮影チャンスですね。
散歩しながら注意しています。
クロツであればもっと良いのですが、来年はその
時期に白馬に行ってみようかな。
Commented by 虫林 at 2012-11-11 13:13 x
naoggioさん、
エノコログサはどこにでありますので、ヤマトの数が多い
場所のエノコログサであれば、かなりの確率で観察でき
るように思えます。秋の雰囲気を出すには良いアイテム
ですね。
by tyu-rinkazan | 2012-11-04 09:55 | ▣ヤマトシジミ | Comments(16)