20121209 中国福建省泉州の散歩道:お茶とアカネシロチョウ
2012年 12月 22日
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Nature Diary vol.7(61): #486 ‖
█ 泉州にて Quanzhou
泉州市の安渓県を案内していただいた。
安渓県は「茶都」という別称があるほどお茶の生産が盛んで、とくに「安渓鉄観音」は有名。
日本では烏龍茶(ウーロンチャ)のコマーシャルには決まって中国のシーンが出てきますので、「中国は烏龍茶」と思っている人が多いと思いますが、実際に中国で日常的に飲まれているのは「緑茶」や「ジャスミン茶」です。ちなみに、ネットで調べてみると、「烏龍茶は茶葉を摘んだ後に半発酵させたお茶で、緑茶は発酵の過程がなく、紅茶は完全に発酵させたものを乾燥させたもの」ということです。烏龍茶というのは緑茶と紅茶の中間なんですね。
とにかく、福建省まで来たからにはお茶畑に行ってみたいと思っていました。
-----棚田のような安渓県のお茶畑 .
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
安渓の茶畑は山の斜面に作られていました。
写真の左下に紅葉した葉が付いた木がありますが、これは柿の木だそうです。
茶畑は無農薬で作られているので、虫除けに柿の木を所々に植えるということでした。
-----安渓県のお茶畑 .
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
-----安渓県のお茶畑 .
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
-----お茶の収穫風景 .
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
お茶畑から帰る途中で本格的な中国茶(安渓鉄観音)を飲みました。
お茶をいれていただいた女性はその道のプロらしくて(実際、認定試験みたいなものがあるらしい)、流れるように美しい所作でお茶を出してくれました。虫林は中国茶についてあまりよく知りませんが、香り豊かな琥珀色の鉄観音茶は、何杯飲んでも飽きない味でした。
-----安渓のお茶 .
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
█ アカネシロチョウ Delias pasithoe curasena
レストランに通じる小径を歩いていくと、周囲に植えられた花にシロチョウが沢山飛んでいるのを目にしました。泉州の緯度は台湾とほぼ同じとはいえこの時期ですから、チョウを見ることなど期待していませんでした-------嬉しい驚き。
飛んでいたシロチョウは見覚えがあるアカネシロチョウでした。
アカネシロチョウは3年前に福建省よりもさらに南の広西チワン族自治区南寧市内の公園で撮影したことがあります。今回はその時よりもさらに個体数が多いようでしたが、残念ながら時期的には遅いようで新鮮な個体を見ることはできませんでした。
-----アカネシロチョウ . Delias pasithoe curasena
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
-----アカネシロチョウ . Delias pasithoe curasena
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
ちなみにアカネシロチョウが属するDelias というグループは名の意味は「妖婦」だという。そういわれてみれば、アカネシロチョウを見ていると、少しケバい化粧をしたその道のオネーさんのようにも見えてこないでもないな。僕はチョウの妖婦にはイチコロです。
-----アカネシロチョウ . Delias pasithoe curasena
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
-----アカネシロチョウ . Delias pasithoe curasena
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
▊ Afterword ▊
泉州では以前から見てみたかった「安渓鉄観音」のホームタウンである安渓県に行くことができ、その広大なお茶畑を実際に見ることができました。さらにアカネシロチョウまで出てきてくれたのは嬉しい驚きというしかありません。福建省の泉州にくるのも大変ですが、さらに安渓県に足を伸ばす機会はなかなか無いでしょう。
でも、お茶の故郷とアカネシロチョウは僕の記憶の中でリンクしてしまいました。
これで、今回の中国行の記事は終了です。
以上、by 虫林花山
Nature Diary vol.7(61): #486 ‖
█ 泉州にて Quanzhou
泉州市の安渓県を案内していただいた。
安渓県は「茶都」という別称があるほどお茶の生産が盛んで、とくに「安渓鉄観音」は有名。
日本では烏龍茶(ウーロンチャ)のコマーシャルには決まって中国のシーンが出てきますので、「中国は烏龍茶」と思っている人が多いと思いますが、実際に中国で日常的に飲まれているのは「緑茶」や「ジャスミン茶」です。ちなみに、ネットで調べてみると、「烏龍茶は茶葉を摘んだ後に半発酵させたお茶で、緑茶は発酵の過程がなく、紅茶は完全に発酵させたものを乾燥させたもの」ということです。烏龍茶というのは緑茶と紅茶の中間なんですね。
とにかく、福建省まで来たからにはお茶畑に行ってみたいと思っていました。
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
安渓の茶畑は山の斜面に作られていました。
写真の左下に紅葉した葉が付いた木がありますが、これは柿の木だそうです。
茶畑は無農薬で作られているので、虫除けに柿の木を所々に植えるということでした。
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
お茶畑から帰る途中で本格的な中国茶(安渓鉄観音)を飲みました。
お茶をいれていただいた女性はその道のプロらしくて(実際、認定試験みたいなものがあるらしい)、流れるように美しい所作でお茶を出してくれました。虫林は中国茶についてあまりよく知りませんが、香り豊かな琥珀色の鉄観音茶は、何杯飲んでも飽きない味でした。
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
█ アカネシロチョウ Delias pasithoe curasena
レストランに通じる小径を歩いていくと、周囲に植えられた花にシロチョウが沢山飛んでいるのを目にしました。泉州の緯度は台湾とほぼ同じとはいえこの時期ですから、チョウを見ることなど期待していませんでした-------嬉しい驚き。
飛んでいたシロチョウは見覚えがあるアカネシロチョウでした。
アカネシロチョウは3年前に福建省よりもさらに南の広西チワン族自治区南寧市内の公園で撮影したことがあります。今回はその時よりもさらに個体数が多いようでしたが、残念ながら時期的には遅いようで新鮮な個体を見ることはできませんでした。
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
ちなみにアカネシロチョウが属するDelias というグループは名の意味は「妖婦」だという。そういわれてみれば、アカネシロチョウを見ていると、少しケバい化粧をしたその道のオネーさんのようにも見えてこないでもないな。僕はチョウの妖婦にはイチコロです。
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
-------Olympus OM-D E-M5, Dec-10-2012, China
▊ Afterword ▊
泉州では以前から見てみたかった「安渓鉄観音」のホームタウンである安渓県に行くことができ、その広大なお茶畑を実際に見ることができました。さらにアカネシロチョウまで出てきてくれたのは嬉しい驚きというしかありません。福建省の泉州にくるのも大変ですが、さらに安渓県に足を伸ばす機会はなかなか無いでしょう。
でも、お茶の故郷とアカネシロチョウは僕の記憶の中でリンクしてしまいました。
これで、今回の中国行の記事は終了です。
以上、by 虫林花山
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himeoo27 at 2012-12-22 19:31
アカネシロチョウは赤黄水黒といった
その配色からもそそられますね!
私もぜひ会ってみたいな。
その配色からもそそられますね!
私もぜひ会ってみたいな。
0
福建省というのは、台湾に移住した多くの人たちの故郷でもありますね。
いわゆる本省人といわれる人の多くは、福建省出身者だということを台湾で聞きました。台湾のお茶の生産も、もともとはこうした福建省の人たちが台湾に持ち込んだものだといわれているみたいです。
ところで、アカネシロチョウ。飛翔写真がお見事です。
この蝶の幼虫はヤドリギの葉を食べるのですが、このヤドリギは台湾では柿ノ木に沢山寄生しているんです。
この茶畑で姿を見つけたということは、茶畑に植えられた柿の木にヤドリギが着生していて、それに発生していたものかもしれませんね。
いわゆる本省人といわれる人の多くは、福建省出身者だということを台湾で聞きました。台湾のお茶の生産も、もともとはこうした福建省の人たちが台湾に持ち込んだものだといわれているみたいです。
ところで、アカネシロチョウ。飛翔写真がお見事です。
この蝶の幼虫はヤドリギの葉を食べるのですが、このヤドリギは台湾では柿ノ木に沢山寄生しているんです。
この茶畑で姿を見つけたということは、茶畑に植えられた柿の木にヤドリギが着生していて、それに発生していたものかもしれませんね。
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Sippo5655 at 2012-12-23 22:03
中国茶、こんなにも広大なところで、作られているのですね。
ジャスミン茶 独特の風合いですよね。
達人にふるまわれた一服、さぞ響いたことでしょう・・・
私はもっぱら緑茶ですが、
たまには中国茶も飲んでみようかな・・・
そしてこのチョウチョ、まさに妖艶なるイメージですね!
嬉しい出会いでしたね♪
私も、一目惚れです(≧∇≦)
ジャスミン茶 独特の風合いですよね。
達人にふるまわれた一服、さぞ響いたことでしょう・・・
私はもっぱら緑茶ですが、
たまには中国茶も飲んでみようかな・・・
そしてこのチョウチョ、まさに妖艶なるイメージですね!
嬉しい出会いでしたね♪
私も、一目惚れです(≧∇≦)
ヒメオオさん、
Deliasは東南アジアで栄えている蝶ですが、アカネシロチョウは比較的よく見ることができます。是非とも観察できることを祈っています。
Deliasは東南アジアで栄えている蝶ですが、アカネシロチョウは比較的よく見ることができます。是非とも観察できることを祈っています。
OTTOさん、
おっしゃる通りで台湾には福建省の人たちが渡ったようですね。
台湾の言葉も似ていて、福建省の人は台湾がかなり身近のよ
うでした。アカネシロチョウはお茶畑の柿木から発生していたと
は思っていませんでした。なるほどありがとうございます。
おっしゃる通りで台湾には福建省の人たちが渡ったようですね。
台湾の言葉も似ていて、福建省の人は台湾がかなり身近のよ
うでした。アカネシロチョウはお茶畑の柿木から発生していたと
は思っていませんでした。なるほどありがとうございます。
Shippoさん、
中国茶の茶畑は以前から見てみたかったので、行けてよかったです。
日本の茶畑にも似ていますね。でも、安渓県そのものがお茶一色で
したので驚きました。
アカネシロチョウをみると妖婦のイメージを連想してしまいます。
中国茶の茶畑は以前から見てみたかったので、行けてよかったです。
日本の茶畑にも似ていますね。でも、安渓県そのものがお茶一色で
したので驚きました。
アカネシロチョウをみると妖婦のイメージを連想してしまいます。
by tyu-rinkazan
| 2012-12-22 12:20
| ● China
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Comments(8)