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20130106 真冬の散歩道:アシナガゾウムシとゼフ越冬卵をさがして


Nature Diary vol.8(03): #490



Diary

本日(土曜日)は寒の入りの「小寒」。
放射冷却現象でこの冬一番の寒さになりました(零下6.7度)。

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小川の氷...Brook with ice

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Olympus OM-D E-M5, M-ZD 14-150mm, Jan-05-2013, Kofu, Yamanashi


カシアシナガゾウムシ Mecysolobus piceus

冬の太陽がまぶしく照らす明るいコナラ林の中の小径を細い枝に目をこらしながら見ていきました。
ところが、そう簡単には目的の虫は見つかりません。
冬に越冬する昆虫たちを探すのはまさしく「宝探し」の気持ちになります。

探し始めてから1時間ほども経っただろうか、ようやくコナラの細い枝にしがみつく褐色の小さなゾウムシを見つけることができました------カシアシナガゾウムシです。このゾウムシの体長は6-7㎜ですが、写真で小ささを表現するのはとても難しいですね。

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コナラの小枝で越冬するカシアシナガゾウムシ . A overwintering elephant beetle, Mecysolobus piceus, on the branch

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Olympus OM-D E-M5, Panasonic Lumix G 8mm Fisheye, Jan-05-2013, Kofu, Yamanashi

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カシアシナガゾウムシ . Mecysolobus piceus

Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro, Jan-05-2013, Kofu, Yamanashi

アシナガゾウムシの仲間は下の写真のように前脚と中脚を揃えて静止していることが多い。

北風が吹く寒い冬をこのように小枝にしがみついて越すのは、落ち葉や樹皮下で冬越しするよりも大変そうに思えるし、さらに野鳥たちにも見つかって捕食される危険もあると思う。自然界のすべての事象は合目的なはずなのだが------小枝しがみつき越冬法に何か有利な点でもあるのかな?

僕が虫だったら枯葉のベッドの中が良い---だれも聞いてない。

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2本の脚を揃えて静止するカシアシナガゾウムシ . Mecysolobus piceus

Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro,, Jan-05-2013, Kofu, Yamanashi

カシアシナガゾウムシの超アップを撮影してみました。

前胸背には点刻というよりも小さな陥凹が並び、鞘羽の表面は反対に小隆起がたくさん見られます。まるで鎧に身を固めているようです。頭部の太くて長い吻をみると「ゾウムシが象虫」であるのが妙に納得してしまいますね。

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リバースレンズで拡大したカシアシナガゾウ . A high-power view of Mecysolobus piceus using reverse lens

Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro + Nikon 50mm (reverse),, Jan-05-2013, Kofu, Yamanashi


ゼフィルスの越冬卵 Overwintering eggs of Zephyrus

OMDのリバースレンズシステム(前のブログ記事に詳細を掲載)で撮影。

下の写真(オオミドリとミズイロオナガ)はノートリミングで出していますが、実際にはこれよりももう少し寄れます(インサートの円内は同じ写真のトリミング拡大したもの)。アカシジミの越冬卵はトリミングで切り出したものです。解像度は合格かな。

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ミズイロオナガシジミの越冬卵 . An overwintering egg of Antigius attilia

Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro + Nikon 50mm (reverse), Jan-05-2013, Kofu, Yamanashi

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オオミドリシジミの越冬卵 . An overwintering egg of Favonius orientalis

Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro + Nikon 50mm (reverse), Jan-05-2013, Kofu, Yamanashi

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アカシジミかウラナミアカシジミの越冬卵 . An overwintering egg of Japonica lutea

Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro + Nikon 50mm (reverse), Jan-05-2013, Kofu, Yamanashi



Afterword

今年の2回目の散歩をアップすることができた。
最近はOM-Dの出番が増えています。やはり小さくて持ち運びが楽なのは、体力に自信がない僕には嬉しいものです。でも、ちゃんと気合を入れて撮影するときはCCDが大きな一眼レフが良いかもね。ところで、最近は Wifi 付きのSDカードにこっています。このカードを用いれば、パソコンや iPad に Wifi で写真を送ることができるのですから驚きです。もう少し使い勝手をみてからレポートしてみたいと思っています。



以上、by 虫林花山


Commented at 2013-01-06 19:02
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 虫林 at 2013-01-06 20:01 x
非公開コメントさん、
ありがとうございます。
さっそく修正させていただきました。
今後ともよろしくお願いします。
Commented by cactuss at 2013-01-06 22:48
OMDのリバースレンズシステムは拡大率が高くて、鮮明ですね。
小生もいろいろ試していますが、12-50ミリのセットレンズをリバースにして、焦点距離を12ミリにするとかなり拡大できることがわかりました。
まだ、しっかり試していないので、ブログに載せていませんが、その内に載せます。
Commented by 22wn3288 at 2013-01-07 08:32 x
氷と水の流れ 光と輝きが綺麗ですね。
ゼフィルスの卵は種類によって、それぞれ異なるのに驚嘆します。
自然の不思議ですね。
Commented by daron3 at 2013-01-07 19:30
ううむ。ゾウムシちっちゃいですねぇ(^^;;
僕じゃ多分見つけられないと思います。
小さいといえばゼフの越冬卵。以前何度か探した事があるのですが、全く見つける事ができませんでした(汗
Commented by otto-N at 2013-01-07 20:48 x
昨日、カメラ屋でOM-Dを手にとってみました。
小さくて軽くていいですね。昔、使っていたペンタックスのオート110をを思い出しました。
ただ、老眼が進んで、カメラに刻んである字が見えず、扱うのに苦労しそうです。
Commented by konty33 at 2013-01-07 22:34
リバースレンズで奇麗に撮れるものですね。
kontyも一時期試しましたが、レンズが悪かったのか満足できませんでした。
それに、山梨はいろんなゼフが身近で楽しめて羨ましいです。
アカシジミ卵は、まだ自分で見つけたことがなく今年の課題です。
今年も宜しくお願いします。
Commented by 虫林 at 2013-01-09 21:08 x
Cactussさん、
そうですか。色々と試されているのですね。僕はこれが
初めてですけど、なかなか気に入っています。
冬の間に色々と試すのは楽しいですね。是非ともレポート
して下さい。
Commented by 虫林 at 2013-01-09 21:12 x
22wn3288さん、
冬の間は成虫の撮影が難しいので、景色や越冬卵など
を撮影することが多くなります。だけれど、これはこ
れで面白いものですね。
Commented by 虫林 at 2013-01-09 21:17 x
Daronさん、
このゾウムシは小さいですよ。
越冬卵は一度見つければ楽に見つけれるようになります。
オオミドリの発生地をご存知だと思いますが、是非とも
幹から出ている細い枝を見てください。
僕も最初はオオミドリから入りました。
Commented by 虫林 at 2013-01-09 21:20 x
Otto-Nさん、
最近は軽いカメラに手がのびてしまいますが、やはり
少し頼りない感じは否めせん。僕も小さい字はにがてです。
Commented by 虫林 at 2013-01-09 21:22 x
Kontyさん、
昨年は色々と有難うございます。
今年もよろしくお願いします。
リバースは今のところ楽に撮影出来るので気にいっています。
Commented by Sippo5655 at 2013-01-09 21:53
コナラに、ゾウムシが・・・いるんですか!
私も探してみよう☆
しがみつく姿がたまらなく愛しいです。
新芽を、お母さんだと思っているのかなあ。
先日、ヤナギの幹に変な虫を見つけました。
↓記事で教えて頂いた、蛾にちょっと似た感じで、
羽が無かったです。でも、模様がもっと地味、、
それに、小さかった!
冬場の虫探しって、本当に宝探しみたいな感じですよね^^
Commented by naoggio at 2013-01-14 15:31 x
寒そう〜。
今日はこちらも吹雪いています。交通機関も麻痺し始めているので心配です。
このゾウムシ、ナマケモノが木の枝で休んでいるみたいですね。
個性的な虫ですねえ。
Commented by 虫林 at 2013-01-14 16:37 x
Shippoさん、
アシナガゾウムシは森のだっこちゃんと呼んでいます。
簡単に見つかるかと思えば、意外に見つけようとする
と苦労します。
フユシャクはこの時期に発生しますので。見つけると
とても嬉しくなりますね。小さいものは本当に小さいです。
Commented by 虫林 at 2013-01-14 16:39 x
naoggioさん、
こちらも雪が積もってしまい、拙宅の前の道路の雪かきを
してきました。雪が降るとしばらく散歩がし難いです。
ナマケモノのたとえは素晴らしいです。なるほど、なるほど。
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by tyu-rinkazan | 2013-01-06 16:41 | Comments(16)

Photographic Adventures for Insects and Flowers


by 虫林花山
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