20130713 タイ王国の散歩道 (3):バンコクのチョウたち
2013年 07月 20日
▊Diary #529 :
時間ができたので、宿泊したホテルのコンシェルジェに、
「バンコク市内で昆虫、とくにチョウにあえる場所はありますか?」と尋ねてみた。
すると、彼はいろいろ調べてくれて、
「チャトュチャック公園(Chatuchak Park)ならチョウが多いかも」という返事。
チャトュチャック公園へは最寄りの駅からスカイトレイン(Sky train)という電車に乗っていくのが楽だ。このスカイトレインはロットファイファーとかBTSとも呼ばれ、地下鉄とは反対に高いところを走る(高架鉄道システム)。車内も綺麗で清潔だったし、ホームも風は吹くので気持ち良かった。
-▶Skytrain (BTS)
--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01
本日はたまたま土曜日なので、チャトュチャック公園の入り口付近では大きなウィークエンドマーケットが開かれていた。このマーケットは雰囲気が「上野のアメ横」を大きくした感じで、屋台などもたくさん出ていて賑やかだ。
バンコクは大都市だが、東南アジアのディープな世界がそこにあった。
-▶Weekend Market
--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01
料理したタガメなどの昆虫食を売っている店があった。
タイの食文化の中で、昆虫食は人気が高いらしい。その中でもタガメは味、香りとも良くて高級食材になっているようだ(値段も高い)。少し購入して食べてみようと思ったが、脚などもついていて口に入れると痛そうに思えた。日本では絶滅危惧Ⅱ類(VU)(環境省レッドリスト)になっているので、タイはそれだけ自然が豊かな証でもあるのだ。
下の上の写真の一番手前がタガメで、その次が蛾の幼虫を調理したもの
下の写真の下の左はバッタで、右はコオロギ
-▶Insect Cook
--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01
マーケットの散歩で時間をとってしまい、公園の散歩を開始したのはお昼近くになってしまった。また、マーケットでは、虫林の大好物のマンゴスチン(タイ語ではマンクット)をしこたま買い込んだので荷物が重いのも少しつらいな-----おバカ。
ガジュマルの下を貸自転車に乗った子供たちが元気に走り回っていた。
-▶ Chatuchak Park
--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01
▊公園のチョウたち
公園はとてもよく整備されていて綺麗だが、自然の環境は乏しい。
それでも、花壇の花にはオナシアゲハ(左上)、カバマダラ(右上)、ウスキシロチョウやトガリシロチョウ(左下)などのチョウたちが飛び回っていて、日陰の花にはホリイコシジミ(右下)などもたくさん見ることができた。
-▶Butterflies in Chatuchak Park
--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01
公園の一部でエリルスツメアシフタオシジミ (Hypolycaena erylus himavantes )が多い場所を見つけた。しばらく観察していたが、午後になると盛んに占有行動を始めた。まるで、ゼフィルスのようだった。
エリルスツメアシフタオシジミはけっして少ないチョウではなくて、むしろよく見る蝶だが、4本の尾状突起が欠けることなくすべて残っている個体はとても少ない。
-▶ Hypolycaena erylus himavantes
---Canon EOS 7D, EF300mm
林の中で飛び回っているシジミチョウを見ると、カクモンシジミだった。
-▶ Leptotes plinius
--- Canon EOS 7D, EF300mm
夕方、シジミチョウがどこからか飛んできて目の前の葉上に静止した
みると、なんとキマダラルリツバメだ。
東南アジアではキマルリと会うことが多い。
-▶Spindasis syama
--- Canon EOS 7D, EF100mm
▊その他
美しいカミキリムシを見つけた。
僕の好きなフトカミキリの仲間だな。
-▶ Subfamily Lamiinae Latreille sp.
--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01
ツムギアリが葉を紡いで巣をつくっている。
ツムギアリにはインドで苦い経験がある。その時はこのツムギアリの巣に触れて、アリが服の中に入りひどい目にあった。このアリはとても攻撃的なのだ。以来、東南アジアではこのツムギアリには注意している。
-▶ Weaver Ants
--- Canon EOS 7D, EF100mm
白い花と同じ色の純白のクモが、花に身をひそめて獲物を待ち伏せしていた。
まるで花の中に溶け込むような巧みな擬態だ。
-▶Spider
--- Canon EOS 7D, EF100mm
▊これでタイ王国の記事を終了にします。
今回は学会後の連休(日本)を利用しましたので、比較的ゆっくりとフィールドを散歩することができました。でも、行き当たりばったりの散歩でしたが、それでも多くの昆虫たちと出会うことができたように思います。これはタイの持つ自然力の高さに他ならないでしょう。来年もバンコクで僕の研究領域の学会が開かれるので、その時は是非とも参加してみたいなと思っています。
Nature Diary vol.8(42): #529
Date: July-13 (Saturday)/2013
Place: Bangkok, Thailand
時間ができたので、宿泊したホテルのコンシェルジェに、
「バンコク市内で昆虫、とくにチョウにあえる場所はありますか?」と尋ねてみた。
すると、彼はいろいろ調べてくれて、
「チャトュチャック公園(Chatuchak Park)ならチョウが多いかも」という返事。
チャトュチャック公園へは最寄りの駅からスカイトレイン(Sky train)という電車に乗っていくのが楽だ。このスカイトレインはロットファイファーとかBTSとも呼ばれ、地下鉄とは反対に高いところを走る(高架鉄道システム)。車内も綺麗で清潔だったし、ホームも風は吹くので気持ち良かった。
--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01
本日はたまたま土曜日なので、チャトュチャック公園の入り口付近では大きなウィークエンドマーケットが開かれていた。このマーケットは雰囲気が「上野のアメ横」を大きくした感じで、屋台などもたくさん出ていて賑やかだ。
バンコクは大都市だが、東南アジアのディープな世界がそこにあった。
--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01
料理したタガメなどの昆虫食を売っている店があった。
タイの食文化の中で、昆虫食は人気が高いらしい。その中でもタガメは味、香りとも良くて高級食材になっているようだ(値段も高い)。少し購入して食べてみようと思ったが、脚などもついていて口に入れると痛そうに思えた。日本では絶滅危惧Ⅱ類(VU)(環境省レッドリスト)になっているので、タイはそれだけ自然が豊かな証でもあるのだ。
下の上の写真の一番手前がタガメで、その次が蛾の幼虫を調理したもの
下の写真の下の左はバッタで、右はコオロギ
--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01
マーケットの散歩で時間をとってしまい、公園の散歩を開始したのはお昼近くになってしまった。また、マーケットでは、虫林の大好物のマンゴスチン(タイ語ではマンクット)をしこたま買い込んだので荷物が重いのも少しつらいな-----おバカ。
ガジュマルの下を貸自転車に乗った子供たちが元気に走り回っていた。
--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01
▊公園のチョウたち
公園はとてもよく整備されていて綺麗だが、自然の環境は乏しい。
それでも、花壇の花にはオナシアゲハ(左上)、カバマダラ(右上)、ウスキシロチョウやトガリシロチョウ(左下)などのチョウたちが飛び回っていて、日陰の花にはホリイコシジミ(右下)などもたくさん見ることができた。
--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01
公園の一部でエリルスツメアシフタオシジミ (Hypolycaena erylus himavantes )が多い場所を見つけた。しばらく観察していたが、午後になると盛んに占有行動を始めた。まるで、ゼフィルスのようだった。
エリルスツメアシフタオシジミはけっして少ないチョウではなくて、むしろよく見る蝶だが、4本の尾状突起が欠けることなくすべて残っている個体はとても少ない。
---Canon EOS 7D, EF300mm
林の中で飛び回っているシジミチョウを見ると、カクモンシジミだった。
--- Canon EOS 7D, EF300mm
夕方、シジミチョウがどこからか飛んできて目の前の葉上に静止した
みると、なんとキマダラルリツバメだ。
東南アジアではキマルリと会うことが多い。
--- Canon EOS 7D, EF100mm
▊その他
美しいカミキリムシを見つけた。
僕の好きなフトカミキリの仲間だな。
--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01
ツムギアリが葉を紡いで巣をつくっている。
ツムギアリにはインドで苦い経験がある。その時はこのツムギアリの巣に触れて、アリが服の中に入りひどい目にあった。このアリはとても攻撃的なのだ。以来、東南アジアではこのツムギアリには注意している。
--- Canon EOS 7D, EF100mm
白い花と同じ色の純白のクモが、花に身をひそめて獲物を待ち伏せしていた。
まるで花の中に溶け込むような巧みな擬態だ。
--- Canon EOS 7D, EF100mm
▊これでタイ王国の記事を終了にします。
今回は学会後の連休(日本)を利用しましたので、比較的ゆっくりとフィールドを散歩することができました。でも、行き当たりばったりの散歩でしたが、それでも多くの昆虫たちと出会うことができたように思います。これはタイの持つ自然力の高さに他ならないでしょう。来年もバンコクで僕の研究領域の学会が開かれるので、その時は是非とも参加してみたいなと思っています。
Nature Diary vol.8(42): #529
Date: July-13 (Saturday)/2013
Place: Bangkok, Thailand
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蝶山人
at 2013-07-21 06:30
x
国際的にご活躍の虫林先生らしい
充実したご出張ですね。
フタオシジミ開翅見事な輝きです。
Spindasisもしっかり捉えるところ
さすが引きが強い先生らしい。
休みでも虫のため飛び回る
気力体力も脱帽です。
ご帰国されたらまたご一緒させて頂きたいです。
充実したご出張ですね。
フタオシジミ開翅見事な輝きです。
Spindasisもしっかり捉えるところ
さすが引きが強い先生らしい。
休みでも虫のため飛び回る
気力体力も脱帽です。
ご帰国されたらまたご一緒させて頂きたいです。
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himeoo27 at 2013-07-21 16:09
ヒメオオさん、
ありがとうございます。
バンコクは大きな年ですので、自然が残る場所にでるのは1時間
以上はかかります。でも、蝶やその他の昆虫はさすがに熱帯です
ので面白いです。
いつか訪れると良いと思います。
ありがとうございます。
バンコクは大きな年ですので、自然が残る場所にでるのは1時間
以上はかかります。でも、蝶やその他の昆虫はさすがに熱帯です
ので面白いです。
いつか訪れると良いと思います。
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Akakokko
at 2013-07-24 23:25
x
8月にバンコクに家族旅行に行く予定で、タイの蝶情報を調べたのですが、見つけられず、諦めていたところです。
綺麗な蝶がいるのですね。
私が行く時期もいてくれるかどうかわかりませんが、期待が持てました。
ありがとうございまず。
綺麗な蝶がいるのですね。
私が行く時期もいてくれるかどうかわかりませんが、期待が持てました。
ありがとうございまず。
Commented
at 2013-07-24 23:37
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by tyu-rinkazan
| 2013-07-20 01:08
| ● Thailand
|
Comments(6)