NATURE DIARY

tyurin.exblog.jp

20130811 南アルプスの散歩道:マッチ棒のようなホソツツリンゴカミキリ

Diary #537 :
週末(11日)は「ウォーリーを探せ」ではなく「ホソツツリンゴカミキリを探せ」。
下界の暑さから逃げて、南アルプスの涼しい河原を一人で探索しました。

d0090322_7164145.jpg
- Habitat of Oberea nigriventris in Southerb Alps

---- Olympus Stylus TG2 tough



林道の脇でホソツツリンゴカミキリの食草であるイケマの群落を発見。

みると、蔓にカミキリらしき食痕がありました (下の写真の右下)。
もしかして、ホソツツリンゴカミキリのものかも?

d0090322_7171352.jpg
- Feeding grass (Ikema, Cynanchum caudatum) of Oberea nigriventris

----Olympus Stylus TG2 tough



食痕があったイケマに、突然、何とも細いカミキリムシが飛来しました。
ビンゴ!
目的のホソツツリンゴカミキリでした。

ホソツツリンゴカミキリは敏感でよく飛びまわります。
とにかく細いので、飛翔しているとすぐに見失ってしまいます。

d0090322_7174265.jpg
- Incoming of Oberea nigriventris

----Canon EOS 7D, EF100mm Macro



このカミキリは、静止するとすぐにツルや葉の裏に隠れました。

イケマの群落は地面を這っているので、葉裏などに静止されると、地面に這いつくばって撮影するしかありません。いい年の大人が,服が汚れることなど気にせずに、地面に這って撮影している姿は少し恥ずかしくもありますが、まあ、見ているのは猿か熊くらいでしょう。

d0090322_7181883.jpg
d0090322_7183752.jpg
- Oberea nigriventris

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro



近づいて見るとツルの表面を後食していました。

このカミキリの食痕は螺旋状につくといわれていますが、細いツルでは必ずしも螺旋状ではなくて直線状に食べているのに見えました。

d0090322_7192484.jpg
d0090322_7194778.jpg
- Feeding bihaviour of Oberea nigriventris

----
Canon EOS 7D, EF100mm Macro


同じ場面を通常のキャノンの一眼と100mmマクロレンズ(下の写真上)、オリンパス TG-2 のスーパーマクロ(下の写真中)、オリンパス TG-2に Gyorome8(下の写真の下)でそれぞれ撮影してみました。被写体が同じでも、カメラやレンズによってずいぶんと違う雰囲気になります。

d0090322_7212175.jpg
d0090322_7214768.jpg
d0090322_722911.jpg
- Gyorome image (lower) of Oberea nigriventris

----
Olympus Stylus TG2 tough (upper: supermacro, lower: gyorome8)


このカミキリを真上から撮影すると、この個体は前胸背までが黒化しています。

d0090322_7224457.jpg
- Blackend type of Oberea nigriventris

---- Olympus Stylus TG2 tough



前胸背が赤い通常型も見ることができました。
細い体に頭と胸だけが赤くて、まるで「マッチ棒」みたいです。

d0090322_7231381.jpg
d0090322_7234023.jpg
- Common type of Oberea nigriventris being like a matchstick

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro, GR-D IV, ストロボ(+)




Postscript :

ホソツツリンゴカミキリは、以前からその姿を撮影してみたいと思っていた昆虫の一つです。今回、やっとその姿を写真におさめることができました。なんとなく、夏休みの宿題が一つ終わったような気分です(まだまだ別の宿題はあるけどね-----)。

今回、この南アルプスでの探索前に秩父山系の森も訪れました。そこで驚いたのは、林床一面にイケマの群落がひろがっていたことです。イケマはシナンコトキシンとかいう毒を含むために鹿たちは食べないといわれています。そのため、林床の下草が鹿によって食べられた後にはイケマだけが残って増殖したのかもしれません。

d0090322_7241084.jpg

-

----

鹿による食害とそれに伴う動植物相の変化の深刻さを目の当たりにしたように思いました。


Nature Diary vol.8(50): #537
Date: August-11 ( Sunday) /2013
Place: Southern Alps in Yamanashi




Commented by 蝶山人 at 2013-08-14 08:27 x
魚露目画像鮮烈ですね。
甲虫には特に実力発揮するように思えます。

蝶屋にとってイケマといえばアサギマダラなのですが
温暖化だけでなく南アルプス林道のイケマも増えているため
クモツキの季節にアサギに遭遇する頻度増えているような
気がします。

日光のコヒョウモンモドキも鹿の食害で絶滅したので
ニホンオオカミでも復活させない限り
鹿の個体数の調節は出来ないのではないでしょうか?
食糧不足で鹿の個体数調節されることは
ありえないように思います。
Commented by tamayam2 at 2013-08-14 14:53
私は、イケマが自生しているという事実に驚きと喜びを感じました。
ガガイモ科の植物が気に入っているからです。蓼科の別荘地と
千畳敷きカールに行く途中のしらび平の辺りでイケマを見ました。
そこには、必ずチョウが群がっているのです。鹿が嫌っていて
良かったと思います。
Commented by Sippo5655 at 2013-08-17 22:11
なんて繊細な・・・
イケマにつくのですか。
昨年庭にイケマをお招きして、今年は花を咲かせてくれました。
この子・・
来るわけないですね^^;
この子のお顔、春先にユキヤナギにたくさん群がるハチにそっくりだ!
鹿はイケマを食べないのですね。
なるほど!
Commented by clossiana at 2013-08-19 14:27
こんなに細いリンゴカミキリがいるのですか!そういうカミキリがイケマの周辺にいるかもしれないって事を知らなければ、もし近くにいたとしても絶対に、その存在に気付かないでしょうね。
細いだけではなくて、頭胴長も小さなカミキリなんでしょうが、こうしてしっかりと撮られた写真を見させて頂くと、リンゴカミキリの仲間だなってわかりますね。これを撮られた時の虫林さんの奮闘ぶりが想像出来ます。撮影おめでとう御座居ます。
Commented by 虫林 at 2013-08-19 23:12 x
蝶山人さん、
イケマはそういえばアサギマダラでしたね。
僕にはホソツツリンゴカミキリで頭がいっぱいでした。
シカの食害は深刻みたいです。イケマが覆い尽くしている森
はいったいどうなるのか不安です。
Commented by 虫林 at 2013-08-19 23:16 x
tamayamさん、
イケマの花は昆虫たちが良く集まりますね。
チョウだけでなくカミキリムシなども多く集まるので、昆虫
の良いポイントなります。
こちらでは平地ではあまり見ない植物で、標高が比較的
高い山で見かけました。
Commented by 虫林 at 2013-08-19 23:18 x
Shippoさん、
このカミキリは日本一いや世界一細いカミキリムシかもしれません。
見つけた時は自分の芽を疑いました。
なかなかユニークで良いカミキリですが、結構敏感なのでゆっくりと
撮影させてくれないのが難点です。
Commented by 虫林 at 2013-08-19 23:21 x
clossianaさん、
ありがとうございます。
以前から刷したいなと思っていたカミキリムシですが、今回やっと
見つけることができました。このカミキリは本当に細いので、イケマ
の食痕をたよりに探さなければ、出会うことが難しいと思います。
来年はもっとじっくりと撮影してみたいと思います。
by tyu-rinkazan | 2013-08-14 07:31 | Comments(8)