NATURE DIARY

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20131006 秋の散歩道:クリシギゾウムシなど

Diary #550 :
<甲府盆地の天気>
日曜日の午前中、埼玉県から電車で帰宅しましたが、途中、笹子トンネルを越えるとそれまで曇っていたのが嘘のように青空が広がりました。甲府盆地では、晴れる日が多いのです。それは西部に連なる3000m級の山々(南アルプス)が、西から雲を運んでくる偏西風を遮る壁になるという地理的条件があるからです。 Weekend Naturalist を自認する虫林にとっては、雨が少ないこの気候はとても楽。傘は要らないのです----嘘、いります。


お昼近くになって異類異形の虫クリシギゾウムシを探しに行くことにしました。

お目当ての栗の木がある場所は少し高台になっているので、市街地の向こうに富士山を見ることができます。こんな場所で背景に富士山を写し込んで、甲斐の国らしい昆虫写真を撮りたいなと思っていますが、なかなかそうは問屋が卸してくれません。写真とはそういうものですね。

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- Chestnut Tree

---- Olympus Stylus TG2 tough



すでに10月ですので、栗の実はすでに割れて茶色く変色したものが多く、また木の下にも沢山の実が落ちていました。クリシギゾウムシの♀はまだ青い実に産卵するので、青い実が残った枝を中心に見ていきました。しばらく探すとと、栗の実の表面に口吻が長いゾウムシを見つけました。

本日目的のクリシギゾウムシ♀です。

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- Chestnut Weevil

----Olympus E-5, Sigma 150mm Macro



クリシギゾウムシは今年是非とも撮影したいと思っていた甲虫の一つです。
口吻が異常に長い姿が、とてもユニークとてもフォトジェニックだと思うからです。
甲虫の場合は、色彩の美しさもさることながら形の面白さにも惹かれます。


運よく地面の枯葉の上にもクリシギゾウムシを見つけました。
メスは口吻が大変長くて、鳥のシギに姿が似ているのでその名前がついているようです。

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- Chestnut Weevil

----Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8



幼虫がクリ果実内部を食害するため,クリ生産や販売において問題となる害虫です。

この「害虫」という言葉がね-----ウーム、仕方がないか。あくまでこの不名誉な呼称は人間の都合で、虫たちにとっては関係ないものです。小さな虫たちに少しでも権利(虫権)というものがあれば、僕も含めて人間は「害人」ということになりそうですね。



クリシギゾウムシの♀は、長い口吻でどんぐりに穴を開けて産卵します。
栗のイガに頭を突っ込んで、長い口吻で穴あけ作業する♀です。

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- Chestnut Weevil

---- Olympus E-5, Sigma 150mm Macro



オスの姿も撮影できました。
メスに比べると、オスの口吻の長さは半分ほど------それでも長いけどね。

下の写真の下はTG-2のスーパーマクロ機能を用いて接写しました。
体の正面の荒い毛や複眼の模様まで解像できました。
フラッシュは使用していません。

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- Chestnut Weevil

---- Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8, Olympus Stylus TG2 tough (supermacro)




この時期、ウラギンシジミも沢山見ることができます。
このチョウが木の上で飛ぶ姿は翅裏の白色が点滅して、まるでキリシマミドリシジミのように見えます。

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- The Angled Sunbeam

----Olympus Stylus TG2 tough, Olympus E-5, Sigma 150mm Macro


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- The Small Copper

----Olympus E-5, Sigma 150mm Macro



エノキの葉にはまだ小さいオオムラサキの幼虫を見ることができました。
幼虫の数は昨年に比べてかなり少ないように思いました。

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- The Great Purple

----Olympus E-5, Sigma 150mm Macro



Postscript :
朝晩は涼しくなりましたが、日中の陽の光にはまだ夏の強さが残っているようです。でも、木々の緑は薄くなり、黄色や赤色へと色づき始めています。こんな移りゆく季節にカメラを片手にのんびりと散歩するのはたまらなく贅沢に思えます。そろそろ 天高く虫林肥える秋 ですので、食事には注意しなければいけないのですが、この時期、学会や研究会が多くて、どうしても飲み過ぎ、食べ過ぎになってしまいます-----ウーム、困った。

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- Autumn color

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Nature Diary vol.8(59): #550
Date: October-06 (Sunday) /2013
Place: Kofu-shi, Yamanashi









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Commented by yoda-1 at 2013-10-07 07:20
なるほど栗の実が露出する前から産卵するので、このように長い口吻が必要なのですね。
卵はどのようにその穴に導入するのでしょうか?
Commented by namiheiii at 2013-10-07 10:40
ドキドキするような写真ばかりですが、その中で草叢のベニシジミの姿に心が和らぎました^^。
Commented by Akakokko at 2013-10-07 21:18 x
こんなに長い口吻のゾウムシがいるのですね。
知りませんでした。
産卵って、お尻からだとイガに邪魔されて出来ませんよね。
口吻から産卵するのでしょうか?
Commented by 虫林 at 2013-10-08 11:28 x
yodaさん、
クリシギゾウムシのメスは実がまだ青いうちに産卵します
が長い口吻で穴をあけ、その後体を反対にして、まるでお
風呂に入るようにお尻を穴に入れて産卵するようです。今回も、
その様子を見ることが出来たのですが、写真は失敗してしまい
ました。
Commented by 虫林 at 2013-10-08 11:31 x
namiheiiiさん、
コメントありがとう御座います。
草むらのベニシジミは僕も好きな写真でした。ぜひとも
見ていただこうと思い掲載した次第です。
目に止まっていただき光栄です。
Commented by 虫林 at 2013-10-08 11:36 x
Akakkokoさん、
有難うございます。
長い口吻は実に穴を開けるためで、穴を開けた後に、体の向き
を変えて、お尻側を穴に向けて産卵すると思います。その様子
もかんさつできたのですが、写真にはなりませんでした。
このゾウムシは本当に面白い形ですので、是非とも今年は撮影
してみたいと思っていました。首尾よく見つかって良かったです。
Commented by みき♂ at 2013-10-09 04:43 x
こんにちは。
クリシギゾウムシのアップが凄いです。
最近虫林さんの真似をしてTG-2を買いましたが、スーパーマクロ機能とはいえ、ここまで鮮明に撮るのは難しいと思います。
TG-2は蝶・蛾の卵や幼虫類の撮影に重宝しています。
Commented by ダンダラ at 2013-10-09 14:13 x
TG-2に魚露目で随分シャープに行きますね。
これなら卵の接写も出来そうな感じですね。
それにウラギンの写真もTG-2+魚露目ですか。
良い雰囲気で素晴らしいです。
Commented by 虫林 at 2013-10-10 17:34 x
みき♂さん、
有難うございます。
TG-2のスーパーマクロはこれまで撮影が難しかった超近接が
可能になったのでしばしば使用しています。ただ、ストロボが
もっとうまく使えるようになれば良いですね。
さらにGyorome8との相性はこれまで使用したシステムでは
もっとも良いかもしれません。楽しみましょう。
Commented by 虫林 at 2013-10-10 17:38 x
ダンダラさん、
有難うございます。これまで、Gyoromeは色々なカメラやレンズ
で試してきましたが、TG-2はやはり最も良いようですね。
使用していて楽しいので、過度に使用することを注意しています。
卵の接写は、TG-2のスーパーマクロが条件さえ整えば楽に撮影
できると思います。
おっしゃる通りで、ウラギンはキャプションにつけ忘れましたが、Gyoromeも使用しています。
さすがです。
Commented by himeoo27 at 2013-10-10 21:12
最後の画像は柿の葉の紅葉でしょうか、
色合いが深くて素敵ですね!
美味しそうな柿の実が目に浮かびます。
Commented by katawara at 2013-10-10 21:17 x
ご無沙汰しております。
ブログは、いつも拝見させていただいております。
今回、E-5+Sigma 150mm Macroの写真があったので、思わず書き込んでしまいました。
最初にお遇いした時、E-3とこのレンズの組み合わせで、「一緒ですねえ」?と声をかけていただいたことを鮮明に覚えております。
この組み合わせで2kg以上あることから、私も滅多に持ち出しませんが、悪くないんですよねえというか、いいですよね。
Commented by 虫林 at 2013-10-11 19:48 x
ヒメオオさん、
柿の葉です。さすがです。
ちょうど色が変わる途中で、低い日差しを受けて輝いていたので
撮影しました。
これから葉を落とすとまたきれいですね。
Commented by 虫林 at 2013-10-11 19:51 x
katawaraさん、
コメントありがとうございます。
お会いしたことを懐かしく思い出します。
お元気そうでなによりです。
今度E-M1が発売になりましたが、オリンパス一眼レフは好きでした
ので、しばらく使用してみようと思っています。
E-3, E-5とシグマ150㎜は本当に好きな組み合わせです。
もう少し軽いとお申し分ないのですが----。
なお、後程、リンクさせてください。
by tyu-rinkazan | 2013-10-07 02:00 | Comments(14)