20150208 昔のマクロレンズ(Zuiko Auto-macro 38mm f2.8)で越冬卵を撮影してみた
2015年 02月 09日
▊DIARY Vol.10 (645): #07, 2015 ▊:
先週、出張先から夜遅くに帰宅したところ、昆虫植物写真家の山口進さんから小さな小包が届いていました。中を開けてみると オリンパス社製 Zuiko Auto-macro 38mm f2.8 と Auto extension tube 65-165mm が入っていました。このマクロレンズとオートエクステンションチューブの組み合わせは、昨年、山口さんとお会いした時に教えていただいたものですが、なんとお持ちの2セットのうちの1セットを虫林に送ってくれたのです(感謝)。オリンパスのこのレンズシステムは1970年代か1980年代に発売されたもののようですが、高倍率の本格的マクロ撮影ができるユニークなものです。こんなシステムをみると、当時のオリンパス社がマクロ写真に対して本気で取り組んでいたことがわかりますね(ちなみに、マイクロフォーサーズ用の100mmマクロはいつになったら出るのかな?頑張れオリンパス!)。
早速、触ってみると、「MADE IN JAPANの職人魂」を感じとることができます。
いじっているだけでうっとりとしてしまいます----変なヒト。
----⏩ Zuiko Auto-macro 38mm f2.8, Auto extension tube, OM adapter-
-----(Kofu-shi, Yamanashi, Feb/08/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD60mm Macro)
早速、OMアダプターでオリンパスOM-D E-M1に装着してみました。
ちなみに、OMアダプターは純正品が高価なので、サードパーティのもの(機能は同じ)を使用。
このレンズはマクロ撮影専用で、通常のマクロレンズのように無限遠までの撮影はできません。レンズ単体では拡大率は2倍ほどですが、専用のセットになっているオートエクステンションチューブを付けると、3-6倍の超拡大撮影が可能になります。この中間リングと蛇腹が組み合わさったようなユニークなチューブにはストッパーがついているので、任意の長さで撮影ができます。
----⏩ Zuiko Auto-macro 38mm f2.8, Auto extension tube, OM adapter-
-----(Kofu-shi, Yamanashi, Feb/08/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD60mm Macro)
▊ クロミドリシジミの越冬卵を撮影
市販のOMアダプターで38mmマクロをOM-D E-M1に付けてクロミドリシジミの越冬卵を撮影してみました。クロミドリシジミの越冬卵は他のゼフ越冬卵に比べて表面の構造が細かい(突起が細くて小さい)ので、きっちりと解像しないと良い写真になりません。レンズの能力を見るには良い対象かなと思います。
このレンズをOM-Dに付けると、オート絞りやオートフォーカスも効きません。したがって、f16やf22まで絞り込むとファインダーが暗くなって被写体がほとんど見えなくなってしまいます。これではピント合わせができません。そこで、LEDライトを補助光にしてピントを合わせました。また、ストロボの発光量をマニュアルプラス補正して、自家製のデフューザーを用いて撮影しました。今回はクリップオンストロボで撮影しましたが、このような高倍率撮影ではリングストロボやマクロストロボがやはり有利だと思われます。
----⏩ クロミドリシジミの越冬卵 -An overwintering egg of Copper Hairstreak
-----(Kofu-shi, Yamanashi, Feb/08/2015,Olympus OM-D E-M1, Zuiko 38mm Macro f2.8, AET, Flash)
高倍率のマクロ撮影では絞らないと被写界深度が出ませんが、絞りすぎると回析現象の関係で画質が悪くなります。f11かf16くらいの絞りではそのような画質低下が少なくシャープな画像がえられました。エクステンションチューブを一番長くしての超高倍率撮影ではやはり画質の低下はあるようでしたので、あまり欲張らない拡大率の方が良さそうです。
ほとんど実体顕微鏡ですね。
----⏩ クロミドリシジミの越冬卵 - An overwintering egg of Copper Hairstreak
-----(Kofu-shi, Yamanashi, Feb/08/2015、Olympus OM-D E-M1, Zuiko 38mm Macro f2.8, AET, Flash)
▊ 梅の花
----⏩ 梅の花のしべ - Ume Blossom
-----(Kofu-shi, Yamanashi, Feb/08/2015, Olympus OM-D E-M1, Zuiko 38mm Macro f2.8, AET, Flash)
▊Note ▊
日曜日は日中に雪が降ったので、フィールドに出ることができませんでした。
オリンパスの38mmマクロレンズは絞りもフォーカスもオートが効かないので撮影が簡単とはいえませんが、LEDや三脚を使用しながら用いればうまく撮影できそうに思いました。なによりも昆虫写真家の山口 進さんから贈られたレンズですので、これからも大事に使っていこうと思います。
By 虫林花山
先週、出張先から夜遅くに帰宅したところ、昆虫植物写真家の山口進さんから小さな小包が届いていました。中を開けてみると オリンパス社製 Zuiko Auto-macro 38mm f2.8 と Auto extension tube 65-165mm が入っていました。このマクロレンズとオートエクステンションチューブの組み合わせは、昨年、山口さんとお会いした時に教えていただいたものですが、なんとお持ちの2セットのうちの1セットを虫林に送ってくれたのです(感謝)。オリンパスのこのレンズシステムは1970年代か1980年代に発売されたもののようですが、高倍率の本格的マクロ撮影ができるユニークなものです。こんなシステムをみると、当時のオリンパス社がマクロ写真に対して本気で取り組んでいたことがわかりますね(ちなみに、マイクロフォーサーズ用の100mmマクロはいつになったら出るのかな?頑張れオリンパス!)。
早速、触ってみると、「MADE IN JAPANの職人魂」を感じとることができます。
いじっているだけでうっとりとしてしまいます----変なヒト。
-----(Kofu-shi, Yamanashi, Feb/08/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD60mm Macro)
早速、OMアダプターでオリンパスOM-D E-M1に装着してみました。
ちなみに、OMアダプターは純正品が高価なので、サードパーティのもの(機能は同じ)を使用。
このレンズはマクロ撮影専用で、通常のマクロレンズのように無限遠までの撮影はできません。レンズ単体では拡大率は2倍ほどですが、専用のセットになっているオートエクステンションチューブを付けると、3-6倍の超拡大撮影が可能になります。この中間リングと蛇腹が組み合わさったようなユニークなチューブにはストッパーがついているので、任意の長さで撮影ができます。
-----(Kofu-shi, Yamanashi, Feb/08/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD60mm Macro)
▊ クロミドリシジミの越冬卵を撮影
市販のOMアダプターで38mmマクロをOM-D E-M1に付けてクロミドリシジミの越冬卵を撮影してみました。クロミドリシジミの越冬卵は他のゼフ越冬卵に比べて表面の構造が細かい(突起が細くて小さい)ので、きっちりと解像しないと良い写真になりません。レンズの能力を見るには良い対象かなと思います。
このレンズをOM-Dに付けると、オート絞りやオートフォーカスも効きません。したがって、f16やf22まで絞り込むとファインダーが暗くなって被写体がほとんど見えなくなってしまいます。これではピント合わせができません。そこで、LEDライトを補助光にしてピントを合わせました。また、ストロボの発光量をマニュアルプラス補正して、自家製のデフューザーを用いて撮影しました。今回はクリップオンストロボで撮影しましたが、このような高倍率撮影ではリングストロボやマクロストロボがやはり有利だと思われます。
-----(Kofu-shi, Yamanashi, Feb/08/2015,Olympus OM-D E-M1, Zuiko 38mm Macro f2.8, AET, Flash)
高倍率のマクロ撮影では絞らないと被写界深度が出ませんが、絞りすぎると回析現象の関係で画質が悪くなります。f11かf16くらいの絞りではそのような画質低下が少なくシャープな画像がえられました。エクステンションチューブを一番長くしての超高倍率撮影ではやはり画質の低下はあるようでしたので、あまり欲張らない拡大率の方が良さそうです。
ほとんど実体顕微鏡ですね。
-----(Kofu-shi, Yamanashi, Feb/08/2015、Olympus OM-D E-M1, Zuiko 38mm Macro f2.8, AET, Flash)
▊ 梅の花
-----(Kofu-shi, Yamanashi, Feb/08/2015, Olympus OM-D E-M1, Zuiko 38mm Macro f2.8, AET, Flash)
▊Note ▊
日曜日は日中に雪が降ったので、フィールドに出ることができませんでした。
オリンパスの38mmマクロレンズは絞りもフォーカスもオートが効かないので撮影が簡単とはいえませんが、LEDや三脚を使用しながら用いればうまく撮影できそうに思いました。なによりも昆虫写真家の山口 進さんから贈られたレンズですので、これからも大事に使っていこうと思います。
By 虫林花山
山口進氏から送られたレンズと言うのが素晴らしいですね。
今だとTG-3で手軽に撮影することもできそうですが、比較してみるとどうなんでしょう。
でもそんなことをしたら、せっかく送ってくれた山口さんに失礼になってしまうかな。
今だとTG-3で手軽に撮影することもできそうですが、比較してみるとどうなんでしょう。
でもそんなことをしたら、せっかく送ってくれた山口さんに失礼になってしまうかな。
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by
虫林
at 2015-02-11 08:27
x
ダンダラさん、
コメントありがとうございます。
今はTG-3の顕微鏡モード+深度合成で何でも簡単
に撮影できてしまいます。すごい時代ですよね。今
回、昔のレンズを使用してみると何とも色々なこと
を考えながらの撮影になりました。でも、その煩雑
さがまた良いともいえるかもしれません。
コメントありがとうございます。
今はTG-3の顕微鏡モード+深度合成で何でも簡単
に撮影できてしまいます。すごい時代ですよね。今
回、昔のレンズを使用してみると何とも色々なこと
を考えながらの撮影になりました。でも、その煩雑
さがまた良いともいえるかもしれません。
Commented
at 2015-02-11 22:05
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
tyu-rinkazan at 2015-02-15 18:35
非公開コメントさん、
ありがとうございます。
オリンパスは以前にはずいぶんマクロレンズに力を入
れていたようですね。この38mmマクロはなかなか作
りが良いので撮影法を考えてこれから試してみたいと
思っています。僕はキャノンとオリンパスの併用です
が、ときどき変えながら楽しんでみたいと思っていま
す。よろしくお願いします。
ありがとうございます。
オリンパスは以前にはずいぶんマクロレンズに力を入
れていたようですね。この38mmマクロはなかなか作
りが良いので撮影法を考えてこれから試してみたいと
思っています。僕はキャノンとオリンパスの併用です
が、ときどき変えながら楽しんでみたいと思っていま
す。よろしくお願いします。
by tyu-rinkazan
| 2015-02-09 18:12
| ■撮影機材ほか
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Comments(4)