20150704 梅雨空の下の散歩道:クロシジミの求愛、交尾ほか
2015年 07月 06日
▊DIARY Vol.10 (671): #33, 2015 ▊:
九州から関東にかけて梅雨前線が張りついている。
ついでに台風まで南の海上に発生しているようだ。
そんな曇り空の下、静岡県のある河原を訪れてみた。
▊ 想定外のクロシジミ♂が出現
小雨が降る中、ツマグロキチョウを探して河原を歩いてみた。
突然大きなシジミチョウが飛び立ち、ススキの葉上に静止した。
慌てて近づいてみるとまさしくクロシジミ♂だった。
近くにはクロシジミのポイントがあるので、ここにクロシジミが棲息していても不思議はない。でも、事前に予想していない突然の出会いだったので驚いた。この河原は面積的には広くはないがススキやイタドリの群落が島状に繁茂している。現在は草の丈が低いので撮影しやすいのが、数年もすると環境が変わってしまうだろう。
----▶ クロシジミ♂-A male of the Gray-pointed Pierrot
-----(Shizuoka, 04/July/2015、Canon 70D + EF8-15mm Fisheye, Canon 6D + EF100mm Macro)
河原の中の狭い範囲に10頭前後が確認できた。
まだ発生初期のようで♂が多い。
いずれの個体も縁毛が揃って、翅には傷もなく新鮮だ。
この色彩は地味だが味わい深くて「通好み」の蝶なのだ。
----▶ クロシジミ♂- A male of the Gray-pointed Pierrot with the wings opened
-----(Shizuoka, 04/July/2015, Canon 6D + EF100mm Macro)
▊ クロシジミ♀
♂とともに♀も見ることができた。
開翅しても♀の翅表には光沢が無い。
----▶ クロシジミ♀- A female of the Gray-pointed Pierrot
-----(Shizuoka, 04/July/2015, Canon 6D + EF100mm Macro)
▊ クロシジミの求愛と交尾
突然、♀の撮影をしていると、♂が求愛行動を開始した。
2頭で絡みながらすごいスピードで飛翔した。
下草に静止すると、オスが交尾を迫っていた。
----▶ クロシジミの求愛行動- A courtship behavior of the Gray-pointed Pierrot
-----(Shizuoka, 04/July/2015, Canon 6D + EF100mm Macro)
飛んだ後に木の枝に静止した♀にオスが近寄った。
心の中で祈りながら見ていると、どうやら無事に交尾が成立したようだ。
交尾個体は逃げないので、広角レンズとマクロレンズで撮影した。
同じ被写体でもレンズによって全く違う雰囲気になるのが面白い。
----▶ クロシジミの交尾- A copulation of the Gray-pointed Pierrot
-----(Shizuoka, 04/July/2015、Canon 70D + EF8-15mm Fisheye, Canon 6D + EF100mm Macro)
マクロレンズで交尾個体を両面から撮影した。
♂♀とも新鮮な個体で美しい。
この交尾は虫林が帰るまで続いていたので、1時間以上継続していたことになる。
----▶ クロシジミの交尾- A copulation of the Gray-pointed Pierrot
-----(Shizuoka, 04/July/2015、Canon 6D + EF100mm Macro)
🔍虫眼鏡ノート
ツマグロキチョウが飛ぶ河原を散策して、思いがけず新鮮なクロシジミで出会うことができました。今回は♂♀の開翅や求愛、交尾シーンまで撮影できました。とくに交尾シーンの撮影は初めてのことだったので嬉しい限りです。
クロシジミの仲間(ニファンダ Niphanda)のことを英語でピエロ Pierrotと呼びますが、この蝶にはどこか庶民的な愛嬌が感じられます。日本のクロシジミは、クロシジミの仲間では最も北に分布するが、現在では限られた場所でしか見ることができない絶滅危惧種になっている。
昨年は信州の白馬で開翅した♂の紫色の幻光に酔いしれたが、今回は天候(曇り時々小雨)のせいか、それとも地域的な差なのかよくわからないが、白馬で見たオスのようなビビッドな翅の輝きはなかったのが残念だ。でも、うっすらと紫色を帯びた色合いは、どこかベルベットのようで美しかった。日本人の僕にとっては、地味なクロシジミの色彩に「侘び・寂び(わびさび)」を感じ取ることができるのだ-----本当かよ。
Written by 虫林花山
九州から関東にかけて梅雨前線が張りついている。
ついでに台風まで南の海上に発生しているようだ。
そんな曇り空の下、静岡県のある河原を訪れてみた。
▊ 想定外のクロシジミ♂が出現
小雨が降る中、ツマグロキチョウを探して河原を歩いてみた。
突然大きなシジミチョウが飛び立ち、ススキの葉上に静止した。
慌てて近づいてみるとまさしくクロシジミ♂だった。
近くにはクロシジミのポイントがあるので、ここにクロシジミが棲息していても不思議はない。でも、事前に予想していない突然の出会いだったので驚いた。この河原は面積的には広くはないがススキやイタドリの群落が島状に繁茂している。現在は草の丈が低いので撮影しやすいのが、数年もすると環境が変わってしまうだろう。
-----(Shizuoka, 04/July/2015、Canon 70D + EF8-15mm Fisheye, Canon 6D + EF100mm Macro)
河原の中の狭い範囲に10頭前後が確認できた。
まだ発生初期のようで♂が多い。
いずれの個体も縁毛が揃って、翅には傷もなく新鮮だ。
この色彩は地味だが味わい深くて「通好み」の蝶なのだ。
-----(Shizuoka, 04/July/2015, Canon 6D + EF100mm Macro)
▊ クロシジミ♀
♂とともに♀も見ることができた。
開翅しても♀の翅表には光沢が無い。
-----(Shizuoka, 04/July/2015, Canon 6D + EF100mm Macro)
▊ クロシジミの求愛と交尾
突然、♀の撮影をしていると、♂が求愛行動を開始した。
2頭で絡みながらすごいスピードで飛翔した。
下草に静止すると、オスが交尾を迫っていた。
-----(Shizuoka, 04/July/2015, Canon 6D + EF100mm Macro)
飛んだ後に木の枝に静止した♀にオスが近寄った。
心の中で祈りながら見ていると、どうやら無事に交尾が成立したようだ。
交尾個体は逃げないので、広角レンズとマクロレンズで撮影した。
同じ被写体でもレンズによって全く違う雰囲気になるのが面白い。
-----(Shizuoka, 04/July/2015、Canon 70D + EF8-15mm Fisheye, Canon 6D + EF100mm Macro)
マクロレンズで交尾個体を両面から撮影した。
♂♀とも新鮮な個体で美しい。
この交尾は虫林が帰るまで続いていたので、1時間以上継続していたことになる。
-----(Shizuoka, 04/July/2015、Canon 6D + EF100mm Macro)
🔍虫眼鏡ノート
ツマグロキチョウが飛ぶ河原を散策して、思いがけず新鮮なクロシジミで出会うことができました。今回は♂♀の開翅や求愛、交尾シーンまで撮影できました。とくに交尾シーンの撮影は初めてのことだったので嬉しい限りです。
クロシジミの仲間(ニファンダ Niphanda)のことを英語でピエロ Pierrotと呼びますが、この蝶にはどこか庶民的な愛嬌が感じられます。日本のクロシジミは、クロシジミの仲間では最も北に分布するが、現在では限られた場所でしか見ることができない絶滅危惧種になっている。
昨年は信州の白馬で開翅した♂の紫色の幻光に酔いしれたが、今回は天候(曇り時々小雨)のせいか、それとも地域的な差なのかよくわからないが、白馬で見たオスのようなビビッドな翅の輝きはなかったのが残念だ。でも、うっすらと紫色を帯びた色合いは、どこかベルベットのようで美しかった。日本人の僕にとっては、地味なクロシジミの色彩に「侘び・寂び(わびさび)」を感じ取ることができるのだ-----本当かよ。
Written by 虫林花山
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himeoo27 at 2015-07-06 20:29
想定外の場所でのクロシジミとの
出逢いおめでとうございます。
画像からその喜びが伝わってきま
した。
出逢いおめでとうございます。
画像からその喜びが伝わってきま
した。
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dragonbutter at 2015-07-06 22:18
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kmkurobe at 2015-07-07 11:10
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at 2015-07-07 11:12
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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虫林
at 2015-07-12 23:24
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虫林
at 2015-07-12 23:27
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虫林
at 2015-07-12 23:31
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虫林
at 2015-07-12 23:32
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by tyu-rinkazan
| 2015-07-06 19:33
| ▣クロシジミ
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Comments(8)