20160213 県南の散歩道:セツブンソウ、モンキチョウ、キタテハ、トゲフタオタマムシなど
2016年 02月 14日
▊DIARY Vol.11 (711): #07, 2016 ▊:
本日は気温が17℃まであがり、突然4月の陽気になった。
このところ、週末に会議や学会などが入ってしまい、フィールド散歩にでることができなかった。近頃、体調が悪いのはもしかして「散歩(酸素?)欠乏症状」かもしれないなと思う(本当はたんなる花粉症)。唯一の特効薬はもちろん散歩しかない-----などと言い訳がましいことを呟きながら、本日は県南部のフィールドに出かけた。
▊セツブンソウ Winter aconite
途中、スプリングエフェメラルとして知られるセツブンソウの自生地に立ち寄ってみた。残念ながら、花はすでに終わりに近いようで、数も少なく、花弁が傷んでいるものが多かった。例年だと2月20日前後が花の盛期なので油断していたが、今年は暖冬の影響でかなり早まったみたいだ。
----▶Eranthis pinnatifida--
This unusual warm weather is confusing me with the flower of season. Although I could see the flowers of Eranthis pinnatifida, they were already in the final stage. It could be 2 weeks earlier than usual in cycle of the season.
(February-13/2016, Ichikawa-Sango in Yamanashi, Canon EOS 6D, LAOWA 15mm F4 Wide Macro)
この花は楚々として可憐で、春の妖精を思わせる。しかし、英名の「Winter aconite」 とは「冬トリカブト」のことだ。すなわち、全てのパーツに毒を持つキンポウゲ科の毒草なのだ。可憐な見かけと恐ろしい毒とのギャップがなんとも魅力的に思えてくる。
----▶Eranthis pinnatifida--
-------February-13/2016, Ichikawa-Sango-cho in Yamanashi
------ Olympus OM-D E-M1+MZD60mm Macro, Olympus Stylus Tough TG-3
▊新成虫(モンキチョウ)と越冬蝶
そろそろ今年に羽化した新成虫が出てきても良い時期なので、日当たりの良い土手を歩いてみた。すると、2頭のモンキチョウが飛び出した。
日本のモンキチョウという蝶はそれなりに美しく、コリアスの仲間の中でもpoliographusという日本亜種になるので、もう少し珍重されても良さそうなものだが、とにかく数が多すぎるので見向きもされないのだ。でも、この時期のモンキチョウだけは銀幕のスターのように輝いて見えるから不思議だ。
----▶Eastern Pale Clouded Yellow --
-------February-13/2016, Nanbu-cho in Yamanashi
------ Olympus OM-D E-M1, MZD40-150mm F2.8 Pro SWD, Teleconverter MC-14
モンキチョウとともにキタテハやウラギンシジミなどの成虫越冬のチョウたちも見つけることができた。チョウたちは寒い冬を越すのに、種によって異なる形(成虫、蛹、卵)をとるのが不思議だ。成虫の発生時期とは必ずしも関係なさそうに見える。冬に休むことを忘れた人間たちは大自然の生理に反しているに違いない。少なくとも冬はあくせくしないでおこうと思うのだが-----。
----▶Over-wintered Butterflies--
-------February-13/2016, Nanbu-cho in Yamanashi
------ Olympus OM-D E-M1, MZD40-150mm F2.8 Pro SWD, Teleconverter MC-14
▊ノスタルジックインセクトのトゲフタオタマムシ
数週間前にトゲフタオタマムシが棲息する杉林を見つけた。本日はトゲフタオタマムシをしっかりと撮影するために、再びこの杉林を訪れてみた。探し始めてまもなく、大きな杉の木の樹皮下にじっと静止するトゲフタオタマムシを見つけることができた。
----▶Dicerca tibialis --
-------February-13/2016, Nanbu-cho in Yamanashi
------Canon EOS 6D , LAOWA 15mm Wide Macro
トゲフタオタマムシは局所的分布を示すタマムシで、体長1cmほどの地味な色彩だが、なんとも言えない格調の高さが感じられる(侘び寂びの世界)。だいぶ昔になるが、この虫が神奈川県の大山に多産することがわかり、たくさんの甲虫屋が「大山詣」をしたものだ。虫林は以前に一度この虫を県南部で撮影したことがあるが、以後に出会っていなかった。注:下の写真の2枚目は2週間前に撮影したものです。
----▶Dicerca tibialis --
-------February-13/2016, Nanbu-cho in Yamanashi
------Olympus OM-D E-M1, MZD60mm F2.8 Macro,Olympus Stylus Tough TG-3
▊虫眼鏡ノート
本日は気温が上がり、少し歩くと額に汗が滲んできた。
来週はまた寒くなるみたいだが、これからが楽しみだ。
Written by 虫林花山
本日は気温が17℃まであがり、突然4月の陽気になった。
このところ、週末に会議や学会などが入ってしまい、フィールド散歩にでることができなかった。近頃、体調が悪いのはもしかして「散歩(酸素?)欠乏症状」かもしれないなと思う(本当はたんなる花粉症)。唯一の特効薬はもちろん散歩しかない-----などと言い訳がましいことを呟きながら、本日は県南部のフィールドに出かけた。
▊セツブンソウ Winter aconite
途中、スプリングエフェメラルとして知られるセツブンソウの自生地に立ち寄ってみた。残念ながら、花はすでに終わりに近いようで、数も少なく、花弁が傷んでいるものが多かった。例年だと2月20日前後が花の盛期なので油断していたが、今年は暖冬の影響でかなり早まったみたいだ。
This unusual warm weather is confusing me with the flower of season. Although I could see the flowers of Eranthis pinnatifida, they were already in the final stage. It could be 2 weeks earlier than usual in cycle of the season.
(February-13/2016, Ichikawa-Sango in Yamanashi, Canon EOS 6D, LAOWA 15mm F4 Wide Macro)
この花は楚々として可憐で、春の妖精を思わせる。しかし、英名の「Winter aconite」 とは「冬トリカブト」のことだ。すなわち、全てのパーツに毒を持つキンポウゲ科の毒草なのだ。可憐な見かけと恐ろしい毒とのギャップがなんとも魅力的に思えてくる。
-------February-13/2016, Ichikawa-Sango-cho in Yamanashi
------ Olympus OM-D E-M1+MZD60mm Macro, Olympus Stylus Tough TG-3
▊新成虫(モンキチョウ)と越冬蝶
そろそろ今年に羽化した新成虫が出てきても良い時期なので、日当たりの良い土手を歩いてみた。すると、2頭のモンキチョウが飛び出した。
日本のモンキチョウという蝶はそれなりに美しく、コリアスの仲間の中でもpoliographusという日本亜種になるので、もう少し珍重されても良さそうなものだが、とにかく数が多すぎるので見向きもされないのだ。でも、この時期のモンキチョウだけは銀幕のスターのように輝いて見えるから不思議だ。
-------February-13/2016, Nanbu-cho in Yamanashi
------ Olympus OM-D E-M1, MZD40-150mm F2.8 Pro SWD, Teleconverter MC-14
モンキチョウとともにキタテハやウラギンシジミなどの成虫越冬のチョウたちも見つけることができた。チョウたちは寒い冬を越すのに、種によって異なる形(成虫、蛹、卵)をとるのが不思議だ。成虫の発生時期とは必ずしも関係なさそうに見える。冬に休むことを忘れた人間たちは大自然の生理に反しているに違いない。少なくとも冬はあくせくしないでおこうと思うのだが-----。
-------February-13/2016, Nanbu-cho in Yamanashi
------ Olympus OM-D E-M1, MZD40-150mm F2.8 Pro SWD, Teleconverter MC-14
▊ノスタルジックインセクトのトゲフタオタマムシ
数週間前にトゲフタオタマムシが棲息する杉林を見つけた。本日はトゲフタオタマムシをしっかりと撮影するために、再びこの杉林を訪れてみた。探し始めてまもなく、大きな杉の木の樹皮下にじっと静止するトゲフタオタマムシを見つけることができた。
-------February-13/2016, Nanbu-cho in Yamanashi
------Canon EOS 6D , LAOWA 15mm Wide Macro
トゲフタオタマムシは局所的分布を示すタマムシで、体長1cmほどの地味な色彩だが、なんとも言えない格調の高さが感じられる(侘び寂びの世界)。だいぶ昔になるが、この虫が神奈川県の大山に多産することがわかり、たくさんの甲虫屋が「大山詣」をしたものだ。虫林は以前に一度この虫を県南部で撮影したことがあるが、以後に出会っていなかった。注:下の写真の2枚目は2週間前に撮影したものです。
-------February-13/2016, Nanbu-cho in Yamanashi
------Olympus OM-D E-M1, MZD60mm F2.8 Macro,Olympus Stylus Tough TG-3
▊虫眼鏡ノート
本日は気温が上がり、少し歩くと額に汗が滲んできた。
来週はまた寒くなるみたいだが、これからが楽しみだ。
Written by 虫林花山
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蝶山人
at 2016-02-15 08:13
x
大変ご無沙汰しています
多忙な中フィールドワーク
心より尊敬いたします
「銀幕のスター」
先生の豊かな感受性を反映した
見事な表現だと思います
この時期のモンキチョウの美しさを
かくも的確に表した言葉に
久しく出会わなかったからです
多忙な中フィールドワーク
心より尊敬いたします
「銀幕のスター」
先生の豊かな感受性を反映した
見事な表現だと思います
この時期のモンキチョウの美しさを
かくも的確に表した言葉に
久しく出会わなかったからです
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otto-N
at 2016-02-16 14:37
x
来週あたりに行こうと思っていたのですが、今年のセツブンソウは早すぎたようですね。
明日から白馬にスキーで出かけますので、寄り道したいところです。
私のモンキチョウは来月からとして、こんなに早く羽化すると蝶にとっては悲劇ですね。
産卵し孵化し幼虫が成長できる気温とは思われません。
明日から白馬にスキーで出かけますので、寄り道したいところです。
私のモンキチョウは来月からとして、こんなに早く羽化すると蝶にとっては悲劇ですね。
産卵し孵化し幼虫が成長できる気温とは思われません。
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Sippo5655 at 2016-02-17 22:35
新生モンキチョウがもう、、
モンキチョウ綺麗ですよね。
ピンクの縁どりが大好きです。
汗ばむ日から一転してまた寒い日。
でもあと半月で3月ですね!!
タマムシの仲間がこんなところで越冬しているなんて!
二人寄り添う姿がたまらなく愛らしいです(*´∇`*)
我が家の庭でヤモリが2匹、越冬しています。
モンキチョウ綺麗ですよね。
ピンクの縁どりが大好きです。
汗ばむ日から一転してまた寒い日。
でもあと半月で3月ですね!!
タマムシの仲間がこんなところで越冬しているなんて!
二人寄り添う姿がたまらなく愛らしいです(*´∇`*)
我が家の庭でヤモリが2匹、越冬しています。
亀コメ失礼。
山梨県でもモンキチョウ発生しているんですね。
私はまだ出合えずにいます。今日はなんとか見るだけでもいいから見たいなと。
風邪気味なのですがこれから新横浜方面に3度目のチャレンジに行って来ます。
トゲフタオタマムシ、見た事がありませんがいいですねえ。
虫林さんならではのインセクトワールド、今シーズンも楽しみに拝見させて頂きます。
山梨県でもモンキチョウ発生しているんですね。
私はまだ出合えずにいます。今日はなんとか見るだけでもいいから見たいなと。
風邪気味なのですがこれから新横浜方面に3度目のチャレンジに行って来ます。
トゲフタオタマムシ、見た事がありませんがいいですねえ。
虫林さんならではのインセクトワールド、今シーズンも楽しみに拝見させて頂きます。
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tyu-rinkazan at 2016-02-21 19:07
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tyu-rinkazan at 2016-02-21 19:09
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tyu-rinkazan at 2016-02-21 19:11
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tyu-rinkazan at 2016-02-21 19:13
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tyu-rinkazan at 2016-02-21 19:16
naoggioさん、
コメントありがとう御座います。
そうですか、本日は是非ともみることができると良いですね。
この時期のチョウたちの発生は、なかなか予想しにくいですね。
このタマムシはやっと安定してみることができるようになりました。
コメントありがとう御座います。
そうですか、本日は是非ともみることができると良いですね。
この時期のチョウたちの発生は、なかなか予想しにくいですね。
このタマムシはやっと安定してみることができるようになりました。
by tyu-rinkazan
| 2016-02-14 20:29
| ■甲虫
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Comments(10)