NATURE DIARY

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061021 県南のチョウ達 (山梨県南部町)

我々、ナチュラリストは昆虫や植物の状態や分布から、温暖化や暖冬あるいは自然界の異常を察知するのだ。
ウィークエンド・ナチュラリストを自認する虫林も、最近の北進する昆虫たちの勢いに垂れた目を丸くして驚いている次第である。

クロコノマチョウは、以前は山梨県には分布していなかった蝶である。しかし近年、静岡県に近い県南の南部町や身延町では越冬する個体が観察されているらしい。

そうだ!今日はクロコノマチョウの撮影に行ってみよう。
この蝶は秋になると個体数が多くなるはずだから、撮影できるかもしれないぞ。

-----------というわけで、山梨県南部の町、南部町を訪れてみた。

クロコノマは英名を Dark Evening Brownというように、夕方の薄暗い時間帯に好んで活動する蝶なのだ。日中は暗い林の中にいるので、通常、見つけるのが難しい。
そこで、モウソウチクの混在するやや薄暗い林の中の道を歩いてみた。



◆クロコノマチョウが棲む林
d0090322_85634.jpg
= Ricoh GR Digital, F3.2, 1/60, -1.3 補正、ASA100 =



突然、目の前の茂みから大きな黒い蝶が飛び立った。
そのまま飛び去るのかと思いきや、近くの木の枝の葉上に静止した。
クロコノマチョウだ! ウーム、なんと大きい蝶なのだろう。

ところが、やっと出会ったクロコノマ君は意外に敏感で、近づくとすぐに飛んでしまう。
まるで、鬼ごっこをやっているみたいだ。

うーむ、このままではいつまでたっても撮影ができないぞ-----------。
よし、こうなったら説得作戦を展開しよう!。
静止するクロコノマ君に向かって、自分は怪しい人間ではないこと、危害を絶対に加えないこと、写真を1枚だけ取らせてほしいこと、などを必死で犯人いやクロコノマ君に訴えた。

最後にはクロコノマ君も納得してくれたみたいで、何とか数回だけシャッターを押すことができたのだ。

絞り開放、ASA800で、シャッター速度がやっと1/90だ。いかに暗い林だったかわかるだろう。
気が付くと、竹林のかなり奥まで入ってきてしまい、元の道に出るまで少し時間がかかった。



◆静止したクロコノマチョウ秋型 Dark Evening Brown 
d0090322_853057.jpg
= Pentax K100D/Pentax D-FA 100mm MACRO, F2.8, 1/90, ASA800 =



その後、数箇所の別な林に立ち寄ったが、クロコノマを見つけることは出来なかった。

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次にツマグロキチョウを探してみることにした。
今までどういうわけか、山梨県内でツマグロキチョウを観察していなかったのである(静岡県ではあるが)。
ここは、静岡県にも程近いので、ツマグロキチョウがいてもおかしくない、否、いるはずだ、否、いなければならない。

富士川の河川敷からそれほど離れていない、山林の中の草原を探した。
セイタカアワダチソウなどの咲く場所を覗いてみると、はたしてツマグロキチョウ君が飛んでいるではないか。



◆ツマグロキチョウの棲息地◆
d0090322_854631.jpg
= Ricoh GR Digital, F3.2, 1/60, -1.3 補正、ASA100 =



ツマグロキチョウは1頭ではなく、数頭がふわふわと飛翔したり、地面や背の低い草上で休止していた。これだけ複数のツマグロキチョウがいると、落ち着いて観察することができる。

秋の雰囲気を出したいので、黄葉した葉に止まったツマグロキチョウをやや逆光気味に撮影していたら、ナミキチョウ(写真の上方)がちょっかいを出しにきた。
その時、ツマグロキチョウがもじもじしながら少し開翅したのだ。キチョウ類の開翅は今まで見たことがない。貴重?

でも、これは交尾拒否行動によるもので、本当の開翅写真ではなく、偽開翅写真といわざるをえない。



◆黄葉した葉上に静止するツマグロキチョウ > Angulated Grass Yellow
d0090322_861890.jpg
=GR Digital =



どこでもアメリカセンダングサが猛烈に増えている。
ツマグロキチョウは同時に咲いていたセイタカアワダチソウよりもセンダングサの方が好きみたいだ。

アメリカセンダングサの花で吸蜜しているツマグロキチョウを撮影した。
翅辺縁の細かい毛が逆光で光り、なかなか綺麗だ。



◆ツマグロキチョウ Angulated Grass Yellow  の吸蜜
d0090322_863466.jpg
= Ricoh GR Digital, F5.6, 1/380, ASA400=



おとなしいツマグロキチョウに会ったので、超アップの写真を撮影した。
アップで見ると、細かい黒点が散在しているのがわかる。

本当はGRデジタルで撮影したかったが、どうしても蝶がカメラの影に入ってしまうのだ。



◆ツマグロキチョウ > Angulated Grass Yellow
d0090322_865092.jpg
= Pentax K100D/Pentax D-FA 100mm MACRO, F4.0, 1/1500, ASA400 =



ツマグロキチョウの飛翔はゆっくりで、飛翔写真も撮影しやすい。
ちなみに、この写真はトリミングしていない。



◆ツマグロキチョウ > Angulated Grass Yellow  の飛翔◆
d0090322_8641.jpg
= Ricoh GR Digital + GW1, F7.1, 1/1070, ASA200 =




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路傍でホトトギスの花を見つけた。
咲いていたのはこの1輪だけで、時期的にはもう遅いので、花はこれが最後なのかも知れない。
綺麗な花だ。



◆ホトトギス◆
d0090322_87781.jpg
= Pentax K100D/Pentax D-FA 100mm MACRO, F8.0, 1/30, ASA400 =



マムシ養殖場が近くにあるみたいだ。
虫林は色々なところを散歩しているが、幸いにしてマムシは過去2回しか見たことがない。
1回は高尾山の日陰沢で、あとの1回は本栖高原だ。



◆看板◆
d0090322_872429.jpg
= Pentax K100D/Pentax D-FA 100mm MACRO, F5.6, 1/1000, ASA400 =



マムシ養殖場がどういうところか非常に興味があったが、本日は午後に家内の手伝いを約束してしまったので、帰らなければならない。
Commented by fanseab at 2006-10-22 08:35
4枚目の2種のキチョウが絡むシーン、秋の陽射しが素晴らしく、
唸ってしまいました。ツマグロ前翅の尖り方がカッコイイですね。
因みにこの絵は100mmマクロではなくGR-digitalでの撮影でしょうか?
Commented by 虫林 at 2006-10-22 08:58 x
fanseabさん、
枯れた葉と黄色いツマグロキチョウが秋の日差しを通してまぶしく、とても印象的でした。
おっしゃるとおり、この写真はGRデジタルでのものでした。訂正しておきます。
御慧眼恐れ入ります。ご指摘、有難うございました。
Commented by banyan10 at 2006-10-22 17:34
クロコノマ、あっさり見れるとは引きが強いですが、その後の撮影は撮影技術あってのものですね。
ツマグロキチョウの新産地は嬉しいですね。
センダングサだとゆっくり吸蜜してくれますよね。
交尾拒否でも立派な開翅だと思います。キチョウ雌の上でチョキの指を開閉すると同様に開くと聞きましたが、試したことはありません。(^^;
Commented by thecla at 2006-10-22 18:45 x
ツマグロキチョウは、秋の日差しが似合いますね。また、ツマグロキチョウの新しい場所はうれしいですね。ネットマンの皆さん、一箇所に集中するのはやめましょうね。
本日、私も神奈川のツマグロキチョウを探しに出かけ、敗退しました。めぼしをつけていたところが、キャンプ場&駐車場に(ToT)
Commented by 虫林 at 2006-10-22 20:05 x
banyanさん、
クロコノマは後にも先にもこの1頭だけでしたので、多分ラッキーだったのだと思います。大きさに驚きました。
ツマグロキチョウは意外に静止してくれましたね。
キチョウと指の関係は面白いですね、こんど試してみます。
有難うございました。
Commented by 虫林 at 2006-10-22 20:12 x
theclaさん、
ツマグロキチョウは、新産地というよりもまだ比較的広範囲で見ることが出来るのかも知れませんね。あまり苦労せずに見つかりました。来年から、クロコノマ、ツマグロキチョウの両種狙いで、この時期散歩できるのが嬉しく思います。
神奈川の可能性のあるポイントが駐車場に---。残念ですね。
いつまでも元気な姿を見たいものです。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2006-10-22 21:57
クロコノマも北への進出めざましいものですね。撮影成功おめでとうございます。ツマグロも山梨では初めての撮影なんですか。ひきが強いです。飛翔写真は擬開翅ではなくて、立派な開翅写真ですよ。
Commented by 虫林 at 2006-10-22 23:18 x
ノゾピーさん、
クロコノマは昨年は敗退しているので、今回はとても嬉しかったです。絶対に逃すまいと、竹林の斜面をどんどん降りてしまい、帰ってくるのが大変でした(笑)。まったく、地表に静止していると全く気配が無いので、忍者みたいなチョウです。ツマグロも何となく立ち寄った場所で撮影できてしまいました。今回はラッキーでしたね。
Commented by furu at 2006-10-23 00:04 x
独自ポイント発見は嬉しいですね。先日シルビアのポイントの近くにカワラケツメイの群落があったので探しましたが見つかりませんでした。
クロコノマもマムシもまだ関東で撮れてません。
Commented by ダンダラ at 2006-10-23 00:52 x
クロコノマ、ツマグロ、それぞれの新規ポイント発見とは素晴らしいですね。
クロコノマの色合いが素晴らしい。それにツマグロの前翅先端の漆黒も良いですね。
こちらはちょっと疲れ気味でフィールドには出かけず、家の前の散歩でお茶を濁しています。
Commented by 虫林 at 2006-10-23 00:57 x
furuさん、
有難うございます。
これからこのポイントを毎年行くことが出来る散歩道にしたいと思います。カワラケツメイは甲府市内では、ミヤマシジミのポイントで結構見ることが出来ます。今まで、何回か探してみましたが、残念ながらまだ見つけることができていません。多分、これから、北上した個体の可能性があるかもしれませんね。
Commented by 虫林 at 2006-10-23 01:06 x
ダンダラさん、
コメント有難うございます。
あまり多くの期待は持たないで訪れたので、見ることが出来たときはとても嬉しく思いました。ラッキーですね。
ツマグロは以前にダンダラさんに教えていただいたポイントで、様子を学習しているので、落ち着いて探すことが出来ました。感謝します。
お仕事やご家族の用事で、色々お疲れのご様子ですので、少しゆっくりして、気力体力を充電されること期待しています。どうぞ、ご無理をしませんように。
Commented by parnassus at 2006-10-23 01:46
クロコノマ、ねらいどおりおめでとうございました。
ツマグロキの貴重な産地も発見とは、充実のロードになりましたね。
そういえば、キチョウの開翅って、見たことがありませんね・・
Commented by maeda at 2006-10-23 06:06 x
秋型クロコノマは綺麗ですよね。
裏面の模様もいろいろで。
私が九州にいた頃はウスイロはまずいなかったので直ぐにクロコノマとわかりましたが、最近はウスイロも時々発生しているようです。
敏感で撮影は容易でなかったことを思い出します。
Commented by 虫林 at 2006-10-23 06:21 x
たにつちさん、
有難うございます。
ラッキーなロードになりましたね。でも、クロコノマは昨年トライしたときは敗退しているのですよ。2年越しの観察です。開翅はキチョウでは見たことがありませんね。
Commented by 虫林 at 2006-10-23 06:24 x
maedaさん、
秋型のクロコノマがこれほど枯葉の堆積した地面と一体化してしまうとは思いませんでした。ホント、忍者みたい。追いかけて、やっと写真が撮れたと思ったら、本当の枯葉だったときもありました(笑)。小生、目が悪いもので。
Commented by chochoensis at 2006-10-23 09:27
虫林さん、おはようございます。目覚めに素晴らしい写真が飛び込んできて、驚きました。クロコノマチョウ撮影おめでとうございました。「鬼ごっこ」という表現に思わずニコリ!ツマグロキチョウの翅を広げた写真、素晴らしいですね・・・こういう場面に遭遇してみたいです。新産地大事にしてください・・・。
Commented by kenken at 2006-10-23 12:28 x
クロコノマへの「語りかけ」うまくいったようですね。
私もね、しょっちゅう語りかけながら撮影しとります。
「はい、そのまま、そのまま・・・」とかねっ。
ツマグロ・・・交尾拒否行動とはいえ、とんがった前翅端がうまく写っていますね。その部分がなんとも良いですわぁ。
Commented by 虫林 at 2006-10-23 21:07 x
chochoensisさん、
有難うございます。
クロコノマがあんなに敏感だとは思いませんでした。
カメラを構えると飛び立ち、構えると飛び立ちを繰り返し、ほんとに情けなくなります。でも、何とか最後には撮影させてくれたので、良かったです。
ツマグロキチョウの黄色と黄葉した草の黄色がファインダーの中で輝いていました。
どちらも、もう少し詳しく調べてみたいです。
Commented by 虫林 at 2006-10-23 21:12 x
kenkenさん、
そうですか、kenkenさんもしょっちゅう「語りかけ」をやっているのですね。私もね、時々声に出して語りかけています。もちろん、一人の時だけですが---。
やっぱり、聞くか聞かないかは別として、語りかけずにはいられませんよね。語りかけ効果は結構あると思いますが-----本当の所はわかりません。

Commented by KAZ at 2006-10-24 22:09 x
こんばんは、KAZです。
良い色合いのクロコノマですね。
そう言えば千葉に住んでいながら、今年はまともにクロコノマを撮影に行ってませんでした。
虫林さんの写真を見たら行きたくなりましたよ。
でも私もクロコノマは苦手です。
突然飛び出す割りにはすぐ暗い所に逃げ込んで厄介ですね。
Commented by 虫林 at 2006-10-24 22:53 x
KAZさん、
なるほどクロコノマは北は千葉まで進出しているのですね。小生、初めてのクロコノマで、その敏感さに驚きました。また、地面に静止すると、全く分かりませんでした。何となく、怪しい蝶ですね。
クロコノマの撮影がうまくいきますようにお祈りします。
Commented by 霧島緑 at 2006-10-24 23:07 x
クロコノマの撮影おめでとうございます。この蝶は、多産地は例外として、関東周辺では、あえて成虫を探そうしても中々手ごわいともと思っていましたが、一発で仕留めるとは素晴らしいですね。
さらに、ツマグロキチョウの新産地発見はお手柄ですね。まだまだ密かに生き延びている安住の地があると思うと感激です。写真も素晴らしい。
Commented by 虫林 at 2006-10-24 23:17 x
霧島緑さん、
有難うございます。
クロコノマは実は昨年は敗退していまして、2年越しの蝶なのです。見たのは1頭だけなので、ラッキーだった思われます。
ツマグロキチョウを見つけた場所では、食草のカワラメツケイの群落もありましたので、そこで発生していると思われます。
両種とも棲息が確認できたので、これからさらに分布や生態を観察していきたいと思っています。
Commented by miyagi at 2006-10-28 11:54 x
虫林さん クロコノマの説得作戦、首尾よくいきましたね(^^)私も偶にやってます。そばに同行者がいるときは声を出してますが、一人のときはテレパシーを送っています(^^;以前に声を出して説得中、通りがかりの人が急いで離れていきました。
黄葉にツマグロキチョウ・・・いいですね。陽射しも秋を感じさせます☆
Commented by 虫林 at 2006-10-31 10:12 x
miyagiさん、コメントのご返事遅れて申し訳ありませんでした。
やはり説得作戦を実施されているのですね。
もう、気持ちばかりが入ってしまい、説得中に飛び去ってしまうとがっかりしてしまいます。テレパシーもかなり訓練していますよ。
コメント、ありがとうございました。
by tyu-rinkazan | 2006-10-22 08:23 | ▣クロコノマチョウ | Comments(26)