NATURE DIARY

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20070108 ゼフ越冬卵シリーズ3(アイノミドリシジミ)

この3連休で初めて快晴になったが、風が強く非常に寒い。
夏にゼフを多産する北杜市の林まで行って、越冬卵を探すことにした。

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甲府市から北杜市にぬける幹線道路上には雪はないが、周囲の畑は残った雪でマダラ状になっている。
今日は風が強いので、道路脇にみえた山梨名産「ころ柿」のノボリも寒風にはためいている。
--------寒そうだ。



◆北杜市風景◆
d0090322_16311958.jpg
= Ricoh GR-D, ASA100 =



途中、林の中で白い花が咲いているのを発見した。
しかし真冬に花も変だなと思い、車を止めて近づくと、綿毛のついた種であった。
暗い景色の中でそこだけ花が咲いたようにパッと明るくみえる。



。。。。。。。。。。。◆綿毛の白い花◆
d0090322_16331721.jpg
。。。。。。。。。。。= Ricoh GR-D, ASA100 =



車はノーマルタイヤなので、少しでも雪が道路上にあると、非常に緊張する。
でも注意しながらなんとか目的のゼフポイントに到着した。
みると、驚いたことに林の木がすっかり伐られているではないか。



。。。。。。。。。。。◆伐られた雑木林◆
d0090322_1634179.jpg
。。。。。。。。。。。= Ricoh GR-D, ASA64 =



そして、刈られた枝が道路脇に積まれている。
近くによって観察すると、まだ切り口が新しいので、ごく最近刈られたものらしい。
------とすれば、越冬卵を探すのにこれほど楽なことはあるまい。



。。。。。。。。。。。◆道路脇の枝◆
d0090322_1634313.jpg
。。。。。。。。。。。。= Ricoh GR-D, ASA64 =



探し始めて20-30分も経っただろうか、そろそろモティベーションも低くなってきたときに、枝先の休眠芽基部に「宝物」を見つけた。
早速、GX-8にgyorome-8を装着し、撮影することにした。
GX-8の液晶画面に映ったゼフの卵は、今年見てきた、オナガシジミ、ミズイロオナガシジミのものより大きく、突起も太い。
うーむ、これはアイノミドリシジミのものに違いない。

GX-8のズームをテレ側一杯にして、さらにデジタルズームをX2.0に設定して、もちろん手持ちで撮影した。ストロボをたき、シボリをF14まで絞っているので、背景も映るはずである。



◆アイノミドリシジミの越冬卵◆
d0090322_16345025.jpg
= Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, SS1/90, F14, 補正(-1.3), ASA 64, Panasonic PE28S =



この林は、アイノミドリシジミとメスアカミドリシジミが混棲している。
この両種は越冬卵の形態が良く似ているので紛らわしい。
しかし、卵が付着していた枝がナラ科であることや休眠芽の基部に産みつけられていることから、この卵はメスアカミドリシジミのものではなく、アイノであることがわかる(メスアカは決して休眠芽の基部には産まない)。

さらに、デジタルズームを最大のX4.0にして、最近接(ほとんどレンズについている)で撮影したのが下の写真だ。
トリミングはしていないが、photoshopでシャープネスを少し入れてレタッチしている。



◆アイノミドリシジミの越冬卵◆
d0090322_1635327.jpg
= Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, SS1/90, F14, 補正(-1.3), ASA 64, Panasonic PE28S =



越冬卵だけだと寂しいので、参考までに夏に撮影したアイノミドリシジミの開翅写真も載せておくことにする(Noreenさんのアイデア)。小さな卵がこの美しい蝶になるというのだから、観察している卵が愛おしく感じてくる。



◆アイノミドリシジミ成虫◆
d0090322_16351624.jpg
= Pentax istDS, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA200=



さらにさがしていると、今度はまたミズイロオナガシジミの卵を見つけた。
こちらのほうは、拡大写真を円内にいれてみた。



◆ミズイロオナガシジミの越冬卵◆
d0090322_1635569.jpg
= Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, SS1/90, F14, 補正(-0.7), ASA100, Panasonic PE28S =


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昨年末に導入したgyorome-8のお陰で、ゼフの越冬卵を野外で気楽に、また手もち撮影ができるようになったのが嬉しい。

gyorome-8は、周辺収差が強い、暗い、ゴーストがでやすいなどのいくつかの問題はあるものの、ゼフの越冬卵の撮影には個人的には満足している。GX-8は外部ストロボを用いたときでも、内蔵ストロボも同時に併用できることがわかった。レンズの前にディフューザーを付けることで、内蔵ストロボからの光を前面に当てることができるようだ。

gyorome-8はあくまで「虫の目レンズ」として、特殊な目的で使用するのが妥当と思われる。このレンズで風景写真やスナップ写真を撮り、高額な広角レンズで撮影したものと比較したらgyoromeが可哀相というものだ。

なお、今回見つけたアイノミドリシジミとミズイロオナガシジミの越冬卵は既に切り落とされた枝についていたものなので、持ち帰って研究室の実体顕微鏡でもう少し観察してみることにしよう。


追加 <実体顕微鏡写真>


◆アイノミドリシジミの越冬卵◆
d0090322_1145238.jpg
= 実体顕微鏡=




◆ミズイロオナガシジミの越冬卵◆
d0090322_11451381.jpg
= 実体顕微鏡=

Commented by fanseab at 2007-01-08 18:34
やはり、背景が写しこまれた今回の写真は秀逸ですね。特に冬の青空&雪道をバックにした1枚目がいいです。この雪道をノーマルタイヤでの走行は確かに恐ろしそうです。次回はハンノキでのミドリシジミあたりリクエストしたいです(^^)
Commented by 虫林 at 2007-01-08 20:13 x
fanseabさん、
ナイスアドバイスで、ゼフの越冬卵撮影パターンを見つけることが
できました。今まで拡大レンズとしての可能性に挑戦しましたが、
決してよくありませんでしたね。
越冬卵に関しても、本来の虫の目レンズとしての役割がやはり最も適しているようです。
有益なコメント有難うございました。
Commented by Noreen05 at 2007-01-08 21:44
やはりGX8とgyoromeレンズでのゼフ越冬卵画像は素晴らしいです!
はぁーと溜息まじりで拝見・・・アイノミドリシジミもミズイロオナガシジミもどちらの卵の突起もよく写っていますね。
雪が降って寒い中での探索・・・見習わなくては!
>(Noreenさんのアイデア)・・・恐縮です(汗)。

↓のクリスタルスカシマダラは何て美しい蝶なのでしょう~!・・・
貴重な画像を拝見させて頂きました。ありがとうございます。
Commented by 虫林 at 2007-01-08 23:52 x
Noreenさん、
コメント有難うございます。
今回は伐枝があったのでラッキーでしたね。
GX-8とgyorome-8の8の字コンビは確かに相性が良いみたいですよ。
8X8=64(ムシ:虫)ですから、昆虫撮影に良いのでしょうか(笑)。
クリスタルスカシマダラは本当にこの世の物とは思えない、透明でどこか弱弱しい可憐な蝶でした。透明ですので、よく見ないと見失いそうでした。
Commented by maeda at 2007-01-09 06:30 x
虫の目としは十分だと私も思っています。
相性の問題があり、リコーのコンデジが良いようです。
越冬卵探しは余りにも寒く中断しています。また、根雪にもなりましたので。
Commented by mtana2 at 2007-01-09 09:50 x
虫林さん、今年もよろしくお願いします。
拙blogでは挨拶済みでしたが、貴blogではまだでした。(-_-;)
北杜市の風景、すっきりとした空気が感じられます。寒そうですね~。
残されたアイノミドリなどの卵は切られてしまった枝で孵化しても新芽に辿り着けるか厳しそうですね。かなり打撃になるものなのでしょうか・・・。


Commented by banyan10 at 2007-01-09 10:21
僕は雪道は運転しないようにしていますが、この積雪は恐いですね。(^^;
伐採された林は卵探しには最適ですが、良い環境が減るのは残念ですね。
Commented by chochoensis at 2007-01-09 17:40
虫林さん、越冬卵の撮影見事ですね!虫の目レンズ=gyorome 欲しくなってしまいそうです・・・小遣いを溜めようかな・・・。でも、写真の知識と技術が必要そうで迷ってしまいます・・・。
Commented by 虫林 at 2007-01-09 20:51 x
maedaさん、
gyoromeはやはり画質はイマイチですが、何にもまして、コンデジで気軽に、虫の目イメージのオート撮影ができるのが良いですね。ただ、おっしゃるようにカメラとの相性があるみたいで、そのあたりが難しいところだと思います。
越冬卵探しは寒くて、根性の無い小生には長くは続きません。でも、見つけた時は嬉しいので、また行って見ようと思っています。
Commented by 虫林 at 2007-01-09 20:55 x
mtanaさん、
今年も宜しくお願い申し上げます。
伐採された枝に着いた卵は孵化しても食樹まではたどり着くのは困難だと思います。残念ながら-----。
今年は是非ともご一緒したいですね。
Commented by 虫林 at 2007-01-09 21:10 x
banyanさん、
このときは幹線道路には雪が無く、その道路わきに車を止めました。ですから、写真に写っている雪道は車を運転していません。私は雪道では名度か痛い目に会っていますので、非常に慎重だと思います。
伐採された林は数年は回復が無理でしょが、ヒコ生えの葉で撮影ができるかもしれませんね。残念だけど、少しだけ期待しています。
Commented by 虫林 at 2007-01-09 21:17 x
chochoensisさん、
gyoromeはご想像よりも驚くほど安いのですよ。でも、GX-8をお持ちで無いとしたら、そちらの出費の方が問題ですね。少し慣れてきたとはいえ、まだ試行錯誤の段階ですので、これからいろいろ試して見たいと思っています。ご指導宜しくお願い申し上げます。
Commented by KAZ at 2007-01-09 22:16 x
こんばんは。
越冬卵、続々と増えていますね、本領発揮ですね。
冬の卵探し、懐かしいですね、昔を思い出します。
次はウラキンシジミの卵塊なんかどうでしょう?。
迫力ありますよ。
Commented by 虫林 at 2007-01-09 22:24 x
KAZさん、コメント有難うございます。
ウラキンシジミは以前はかなりいたようなのですが、
今はすっかり少なくなり、簡単には見ることができない
みたいですよ。でも、春までにはトライしてみたいですね。
Commented by 霧島緑 at 2007-01-09 23:40 x
同じ日に、同じような目的でフィールドに出ていたのですね。
こちらは予想以上の積雪に足止めをくってしまったのですが、虫林さんは宝の山を見つけられたようで良かったですね。こういう場面に遭遇してみたいものです。
ところで、この林の木は随分中途半端な位置で伐採されているように思いますが、シイタケの原木用などに伐採したものなのでしょうかね。この地域特有の切り方なのでしょうか。これが成長すると台場クヌギのようになるのかな。
それからgyoromeの威力には感心します。私も是非装着してみたいと湊和雄氏のHPで探してみたのですが、その記事が見つかりません。もしよろしければ購入方法などアドバイス願います。長々とすいません。
Commented by ダンダラ at 2007-01-10 12:23 x
gyoromeによる越冬卵の撮影は、一番最後のような写真が状況と形態が良くわかって良いですね。それが1本のレンズでこなせるところが素晴らしい。
家内の実家の裏山も伐採されてから2.3年目はミズイロオナガ、アカ、ウラナミアカがおおく、5.6年立った時にはウラキンの卵が多く見られましたが、いまは暗くなって全くだめです。
本来のサイクルで言えばぼちぼち伐採の頃だと思うのですが。
Commented by 虫林 at 2007-01-11 00:30 x
霧島緑さん
この林はご指摘のように変な伐採がされています。
甲州の台場クヌギはこのような伐枝によってできてきたものと思われますね。
gyoromeは、下諏訪にあるフィット社で販売されています。ホームページのアドレスは、http://www.fit-movingeye.co.jp/です。
霧島緑さんはGX-8をお持ちですので、良いかもしれません。
色々工夫されて楽しんでください。
Commented by 虫林 at 2007-01-11 00:31 x
ダンダラさん
有難うございます。
超近接撮影で、これだけ背景が写しこめるのは「虫の目レンズ」の効果といえます。何とかその効果を生かすことができてよかったです。
奥様のご実家の裏山の雑木林も良いところですね。伐採されるのは決してよいことではありませんが、伐られてしまった枝で越冬卵を探す事は、楽ですし、有難かったです。
by tyu-rinkazan | 2007-01-08 16:50 | ▣アイノミドリシジミ | Comments(18)