NATURE DIARY

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20070128 ゼフ越冬卵シリーズ6(クロミドリ?)

20070127
朝食後、I医大のSさんを案内して、甲府市の北にある武田神社を訪れた。Sさんは消化器癌の遺伝子背景の研究をしており、昨日、大学院の特別講義に招いたのだ。講義の後、彼と一緒に食事をしたが、久しぶりに昔の想い出話に花が咲いた。

武田神社は甲斐の武将「武田信玄公」を祭神としてまつっており、NHKの大河ドラマ「風林火山」の影響もあって、風林火山のノボリが所々に立っている。疾如風、徐如林、侵掠如火、不同如山
その昔、この旗が翻っただけで、兵の士気は上がり、敵軍は震え上がったという。「虫林花山」の旗では、たぶん味方も敵兵も和んでしまって具合が悪そうだ。なお、そもそも「風林火山」の出展は、中国の「孫子」らしい。
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。。。。。武田神社に詣でるS氏(山梨県甲府市, 2007-Jan-27)

。。。。。。Ricoh GR-D, ASA100

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20070128 
朝起きるととても天気が良い。
今日は蝶と山・てくてく写日記のbanyanさんと北杜市の伐採跡でゼフの越冬卵を探すことになった。待ち合わせ時間よりもかなり早く到着したが、伐採枝の横に軽4輪を止めて作業している人がいた。挨拶して、お話を聞くと、この林の持ち主ということだった。持ち主によると、伐採された枝や木はやはりシイタケのほだ木に用いるそうだ。その持ち主に許可を得て、越冬卵を探していると、しばらくしてbanyanさんが到着した。banyanさんはこの付近の林は何度か訪れたことがあるということでとても詳しかった。

クヌギの伐採枝で越冬卵を探していると、写真の最も前面で斜めになっている枝でゼフの越冬卵を発見した。
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。。越冬卵を見つけたクヌギの伐採枝(山梨県北杜市, 2007-Jan-28)

。。。Ricoh GR-D, ASA100

この越冬卵は小枝の分岐部に位置している(矢印)。ちなみに、GR-Dでの近接撮影では、この位の拡大が限界みたいだ。越冬卵がいかに小さいかわかるだろう。
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。。越冬卵は小枝の分岐部に産まれている(山梨県北杜市, 2007-Jan-28)

。。。Ricoh GR-D, ASA100

そこで、gyoromeで拡大してみると、越冬卵の表面にはやや短い突起が密生している。なんの越冬卵かは、形態だけでは判定できそうもない。発見したのがクヌギの枝ということで、クロミドリ、ウラミスジ、オオミドリ、エゾミドリなどがあげられる。オオミドリにしては枝が太すぎるし、エゾミドリはそもそもミズナラに多く、また産卵する枝がオオミドリとは逆に細すぎる。ウラミスジの産卵部は、ほとんど例外なく冬芽基部である。またクヌギでは少ないらしい。ゼフに関する本でみると、クロミドリは「クヌギの大木の梢付近の枝に産卵し、産卵部位は休眠芽の基部に1個ずつ産まれるが、小枝部にも見られる」となっている。すると可能性が高いのはやはりクロミドリということになりそうだ。しかし、可能性が高いというだけで、確信はもてない。
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。。クロミドリの越冬卵?(山梨県北杜市, 2007-Jan-28)

。。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S

ミズナラの伐採枝からは、アイノミドリ、ミズイロオナガシジミなどの越冬卵を数個見つけることができた。

その後、ウラクロ、ウラゴマダラ、オオミドリ、メスアカミドリなどの越冬卵を探して、banyanさんと一緒に付近の林の中を歩いたが、残念ながら越冬卵は見つけることができなかった。しかし、天気の良い林の中の散歩は、とても気持ちが良く、ルリビタキ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、ヒヨドリ、カケス、モズ、ホオジロ、ジョウビタキ、ウソ(声のみ)、アカゲラ(声のみ)などの野鳥を見ることができた。しばらくして、banyanさんがホンドリスを見つけた。ホンドリスは今まで見たことが無い。

道の脇にウバユリの果穂が立っていた。このウバユリ(姥百合)という名前は、この花が咲くころに葉が枯れてなくなるため、「葉なし」を「歯なし」にかけて、老女に見立てたらしい。ひどい命名だ。
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。。。。。。。。。。。。ウバユリの果穂(山梨県北杜市, 2007-Jan-28)

。。。。。。。。。。。。。 Ricoh GR-D, ASA100

ウバユリの果穂は、割れた部分が細い線維で繋がっていて面白い。
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。。ウバユリの果穂(山梨県北杜市, 2007-Jan-28)

。。。 Ricoh GR-D, ASA100

ウバユリの果穂を逆さにして振ってみると、中から種がくるくると回りながら落下した。
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。。。。ウバユリの種(山梨県北杜市, 2007-Jan-28)

。。。。。 Ricoh GR-D, ASA100

ゆっくりと蝶談義しながら森の中を散歩して、とても気持ちよかった。もう少しで、春が訪れる。
Banyanさん、ご苦労様でした。また機会があればご一緒しましょう。
Commented by chochoensis at 2007-01-28 19:21
虫林さん、「ウバユリ」の果穂ですか・・・もの凄く綺麗で芸術品ですね。自然の造詣が面白いし、それを写真に撮る感性が素晴らしいです、私では、とても写真に撮ると言う発想に繋がらないです・・・すばらしいです。おまけに、=種=も面白い形ですね・・・勉強になります。
Commented by ダンダラ at 2007-01-28 21:14 x
北杜市(旧日野春)の昔ヒメシロチョウやミヤマシジミ、チャマダラセセリなどが見られた場所は、木が茂りすぎてこれらの蝶は絶滅してしまいましたけど、こうやって伐採している場所では昔ながらのチョウが生息しているんでしょうね。
シーズンにはきっとゼフも多いのではないでしょうか。
Commented by banyan10 at 2007-01-28 21:20
今日はありがとうございました。
越冬卵を探すには絶好の伐採木でしたが、貢献できずに残念です。(^^;
虫林さんの調べる枝を少しは減らせたかもしれませんが、まだ下の方にありましたね。(笑)
最初のはおそらくクロミドリでしょうね。シーズンに成虫が見れるといいですね。
行きは空いていましたが、帰りは渋滞でした。僕の方は明日アップします。
Commented by 虫林 at 2007-01-29 06:08 x
chochoensisさん、
お褒めいただき恐縮します。
自然の中に存在しているものは、見方を変えるだけで、思わぬ発見が
時々あって、とても驚くことがあります。
ゆっくりと観察しながら歩くと面白いですね。
Commented by maeda at 2007-01-29 06:15 x
冬の散歩は仲間と一緒の方が良いようです。
一人だと寒いし、すぐにめげてしまいます。
一部は飼育してみないと同定が難しいですね。
Commented by 虫林 at 2007-01-29 06:16 x
ダンダラさん、
確かに伐採するという行為が環境を維持することに繋がるかもしれません。北杜市では、ところどころで、伐採をみます。
ここは、クロミドリをはじめゼフの多いところらしいです。伐採した木で越冬卵をみるとどんなゼフがどのくらいいるのか何となく推測が付きますね。
Commented by 虫林 at 2007-01-29 06:35 x
banyanさん、
あれはクロミドリの可能性がやはり高いようですね。
越冬卵をさがして森の中を散歩するのはとても気持ちが良かったです。
また、機会があればご一緒しましょう。
ご苦労様でした。
Commented by 虫林 at 2007-01-29 06:42 x
maedaさん、
大体、単独行が多いのですが、複数で散歩するのも楽しいですね。
今考えているのは、種不明卵は自然状態で飼育してみることです。
幼虫がある程度大きくなれば分かりますよね。
Commented by kmkurobe at 2007-01-29 22:42
いやいやこのウバユリの写真。本当にキレがすばらしい写真ですね。
すごく心が動かされました。
こんな写真撮りたいです。
Commented by 虫林 at 2007-01-30 01:22 x
kurobeさん、
お褒めいただき、大変恐縮です。
小生はその時その時で面白いと思ったものにカメラを向けるようにしています。ウバユリは良く見るのですが、花よりも果穂のほうがインパクトがあって面白いと思いました。拡大してみると、意外な面が見えるものですね。
Commented by nomusan at 2007-01-30 23:33 x
越冬卵画像、いつも楽しみに拝見しております。
今日はウバユリに反応してしまいました(笑)。これは面白い形をしてますね~・・・。いや、これはエエもん見せていただきました。種もまた面白い形ですね。
Commented by 虫林 at 2007-01-30 23:50 x
nomusanさん、
コメント有難うございます。
どうもウバユリに反応したコメントが多いみたいで意外でした(笑)。
でも、小生もウバユリは花よりも果穂のほうがインパクトがあって好きです。種は今回はじめて見ましたが、確かに面白い形ですよね。
by tyu-rinkazan | 2007-01-28 18:21 | ▣クロミドリシジミ | Comments(12)