NATURE DIARY

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20070819 ゴマ探し散歩 (甲州市、山梨県)

今年は山梨県でゴマシジミの姿を見ていない。以前は土手や開けた草地、畑の畦などのポイントでゴマシジミをしばしば見かけたそうだが、今日ではそのような場所は少なくなり。またゴマシジミそのものの個体数も急速に減ってしまった。

数年前に見つけた茅ヶ岳中腹の青ゴマポイントでは、環境はそれほど変わったとは思わないが、何故か今ではゴマシジミはいなくなってしまった(食草が少ないことと採集圧が原因かな)。そこで、何とか新しいゴマポイントを探したいと思っていた。

数日前に突然、ぽんぽこ山本さんからメールが入り、ゴマシジミであれば、○△方面で探したほうが良いだろうというご親切なアドバイスを頂いた。
ゴマポイントで暗中模索している虫林にとっては、「地獄に仏」ならぬ「地獄にぽんぽこさん」である。

本日(日曜日)は半日だけでも、ゴマシジミを探しに行くことにした。
♪探し物はなんですか~、見つけ難いものですか~♪♪(井上陽水)

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本日も朝から暑い。車で30分ほどの丘から見下ろす景色は、甲府盆地の北東部にあたる。この場所からは、旧塩山市の名前にもなった、“塩山:標高522m”がお椀を伏せたように市街地の中にみることができる(写真手前で、やや左側の山)。遠くには金峰山や瑞垣山などの秩父の山々が聳えている。

そういえば、このあたりは市町村合併により、甲州市になってしまった。
市町村合併によってつけられた新しい名前にはろくなものがない。虫林が所属する大学がある場所の地名も玉穂町から中央市になった。------意味がわからないぞ。
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。。甲府盆地北東部

。。。Landscape of North-east region of Kofu-basin
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)


山梨県はブドウやモモなどの果物栽培が盛んな土地である。春には一宮から勝沼にかけて、モモの花が一面に咲き、桃源郷と称される。モモの収穫は8月上旬までで、時期的には既に終了しているはずだが、まだ収穫されずに残っているものがあった。
写真はストロボを弱くたいている。

モモの林はとにかくセミが多い。歩くたびにばたばたと飛び立つのでビックリしてしまう。
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。。モモ Prunus persica

。。。Peach
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100、ストロボ
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)

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§ゴマシジミ§

見晴らしの良いところに立って、伐採跡地のように見える場所を見つけ、そこを歩いてみた。炎天下で草を掻き分けのぼり、ゴマシジミを探すのは非常に厳しい。夏の太陽が容赦なく虫林を照りつける。大量に汗をかいたので、電解質を含む水分補給には気をつけていたつもりだが、少しクラクラした。熱中症になりかけたのかも知れない。危ない、危ない。

そんな遠くからみえるような草原では、結局のところゴマシジミは見つからなかった。ところが、一休みして、何となく入った果樹園の脇の茂みで、大きなシジミチョウがチラチラと飛んでいるのが見えた。
ゴマシジミに違いない!

早速、駆け寄って確認するとやはりゴマシジミだった。飛翔時には翅の青色がとても綺麗だ。後を追っていると、食草のワレモコウの花に静止したので、広角で撮影した。
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。。広角:ワレモコウで休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 Wide angle view of Maculinea teleius resting on the flower
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)

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。。広角:ワレモコウで休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 Wide angle view of Maculinea teleius resting on the flower
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)


その場所で出会ったゴマシジミは数頭のみであった。いずれの個体も新鮮だったので、発生初期かとも思うが、それにしても数は少ない。

この少ない個体数では、交尾はおろか産卵シーンの撮影も困難だろうと思う。
まあ、こんなときこそ、普通のシーンを丁寧に撮ることが肝心だろう。
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。。葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 A butterfly, Maculinea teleius, resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)


葉上に静止したゴマを逆光気味の角度から撮影してみた。完全な逆光だとゴマシジミがつぶれてしまうが、半逆光だと縁毛の光が蝶の輪郭を強調して美しい。
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。。葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 A butterfly, Maculinea teleius, resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)

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§ゴマシジミ飛翔§

しばらく様子を見ていたが、ゴマシジミたちは一向に翅を開いてくれない。翅を開いてくれないと青ゴマというわけにはいかないのだ。そこで、飛翔写真を撮影することにした。

飛翔写真は、蝶の飛ぶ姿を写しとめることが本来の目的であるが、開翅をしない蝶の翅表の様子を観察する手段としても有用だと思う。

飛翔写真でゴマの翅表をみると、青い部分が鮮やかに認められ、いわゆる「アオゴマ」といえる。しかし、翅の辺縁の黒い帯がかなり太いようだ。
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。。飛翔するゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 Flying feature of Maculinea teleius
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)


山梨県のゴマシジミは本州中部亜種kazamotoに属するが、場所によって青い部分の広がりは様々である。富士山周辺のゴマシジミは、翅全体が黒くなるが、この辺の個体はかなり青い。
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。。飛翔するゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 Flying feature of Maculinea teleius
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)

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§ウラナミシジミ初見§

何気なく歩いているとシジミチョウがすごいスピードで飛来した。初めはトラフシジミかと思ったが、良く見るとウラナミシジミではないか!

ウラナミシジミは今年の初見になる。こんなに早いウラナミシジミの初見は今まで記憶に無い。今年は一体どうなっているのだろうか。
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。。初見:ウラナミシジミ Lampides boeticus

。。。 First look of Lampides boeticus
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)

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§ウラギンシジミ§

この辺りはウラギンシジミが多いようで、複数の個体を見かけた。
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。。ウラギンシジミ Curetis acuta paracuta

。。。 Curetis acuta paracuta resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)

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昼近くになると、暑さはとても我慢できるレベルではなくなったので、帰宅することにした。水風呂にでも入ってリフレッシュすることにしよう。

結局、何とかゴマシジミの新ポイントを見つけることが出来たが、非常に狭い範囲で出現した個体も3頭にとどまった。まだ発生初期なのかも知れないが、このままでは、ここも近い将来いなくなるような気がしてならない。何とかならないものかと気をもんでしまう。

でもやっと見つけたゴマの新ポイントなので、これからもう少し観察してみようと思う。
ポイントの発見において、貴重なアドバイスを頂いたポンポコ山本さんに感謝いたします。
Commented by banyan10 at 2007-08-21 15:13
ゴマ新ポイント発見おめでとうございます。
飛翔写真は見事に青い翅表が表現されていますね。
まだ来週でも大丈夫かな。キベリのついでに少し探してみたくなりました。
Commented by 虫林 at 2007-08-21 18:34 x
banyanさん、ありがとうございます。
何とかゴマポイントを発見できました。
でも、ここは発生場所が非常に小さくて、数も少なく、もっと良いポイントをこれからも探したいと思います。banyanさんならもっと良い場所を発見できると思います。期待していますよ。
時期的には、今年は発生がかなり遅れているように感じていますので、9月はじめくらいまではOKだと思います。
Commented by たにつち at 2007-08-21 19:46 x
情報をもとに、ご自身で貴重なポイント開拓されるとは、すばらしいです。
それがどんなにたいへんなことかも判ります。
しかも、十分な青ゴマではありませんか。飛翔、鮮やかですね。
私も急遽、明日、探しにいくことにしました。暑いでしょうね。がんばります。
Commented by 虫林 at 2007-08-21 20:27 x
たにつちさん、
とうとういかれますか!可能性は現実にしないとね。
たにつちさんなら素晴らしいポイントを発見できるかも知れませんね。
ただ、暑いですので、ポカリなどのスポーツ飲料を十分にお持ちください。
Good Luck!
Commented by kasya7 at 2007-08-21 20:38
北海道では何所にでも居るゴマシジミですが本州方面では少なくなっているのですね。
しかし本州産は黒い部分の幅が広いですね。
Commented by maeda at 2007-08-21 21:01 x
かつては沢山居た日野春を再び歩いてみたら、僅かに1頭だけという悲惨な状況でした。
山梨のゴマもずいぶんと減ったみたいですね。東京近辺では青ゴマが手軽に採れる場所として、沢山集まるのでしょうね。
大切にしたいです。
その環境で、しかもその炎天下で良く見つけられたと思います。ブラボーです。
Commented by 虫林 at 2007-08-21 22:53 x
Mamoさん、
北海道のゴマとは別亜種になります。こちらでは、翅表が真っ黒なものから、北海道のものに近いアオゴマまで、種々の程度に変化が多いようですね。北海道のものも見てみたいな。
Commented by 虫林 at 2007-08-21 22:56 x
maedaさん、
ありがとうございます。
山梨のアオゴマは本当に少なくなったみたいです。有名な場所では、仰るとおりで、東京方面からの採集者が沢山訪れています。
困りますね-----。
今回は、棲息地の調査だけでいたが、多分発生はこれからでしょうから、もう少し調べてみるつもりです。
Commented by nomusan at 2007-08-21 23:37 x
毎回毎回、素晴らしい内容ですね。酔っぱらった状態ではまともにコメント入れられずに、ほとんどため息ついて足跡残せずに帰ってしまう事の繰り返しです(笑)。ゴマはやっぱり青い方がエエですね。
Commented by grassmonblue at 2007-08-21 23:40 x
ゴマ、良く見tけられましたね。やっぱりすごいです。
今年は発生が遅いようですが、それにしても採集者はぽんとに多いですね。

ウラナミシジミ、今年は早いのではないかと仮説をたてて、初見調査をしたいと思っています。データいただきm(__)m 2004年も早かった年でこの時調査をしてみています。

ところで、ジョウザンミドリをUPしましたが、ミドリ系はほとんど見たことが無く、同定違いをおそれています。覗いてみてください。
Commented by fanseab at 2007-08-22 01:00
8/19の日曜日、本州~九州までブログ仲間がこのシジミに誘われて炎天下の草原で格闘されていたようですね。新ポイント発見おめでとうございます。小生も山梨のポイント探索したことがありますが、車ですぐに入れるところはどうしても採集者とバッティングするので、盲点になるようなポイントの開拓が必要なのでしょうね。それにしても外縁部にかけてのブルーのグラデーションは美しいです。
Commented by 虫林 at 2007-08-22 08:17 x
nomusanさん、
ありがとうございます。
こちらのゴマは黒から青まで色々ですので、面白いです。
九州のゴマも見てみたいです。
Commented by 虫林 at 2007-08-22 08:20 x
grassmonblueさん、
ありがとうございます。発生時期がなかなか読めずにいます。
難しいですね。ゴマは人気があるのでしょうか。採集者も多くて困りますね。
Commented by 虫林 at 2007-08-22 08:23 x
fanseabさん、
この時期、暑くて、ゴマ探しに行くかどうか迷います。でもこの小さなシジミチョウの魅力には勝てずに出かけてしまいます。
もう少し、良い場所を探してゆっくりと観察したいと思います。
コメントありがとうございます。
Commented by kmkurobe at 2007-08-22 20:07 x
いつもながら新地開拓のスピリットには敬服です。
やはり青いゴマですが黒い部分が太いのですね。
ここのゴマはサイズは色が変わっても同じなのでしょうか。
以前によく出かけて木曽のゴマは色は青から黒、大きさはフルサイズからツバメシジミ大まで様々でしたが。
Commented by cactuss at 2007-08-22 21:36
暑い草原でゴマ探しは大変ですよね。今年は特に暑いので疲れます。
でも、ちゃんと撮影しているところがすごいですね。
飛翔写真で翅表の青まで撮影するとはさすがですね。
Commented by ダンダラ at 2007-08-22 23:25 x
山梨でもゴマというとこちら方面になるんですね。
新ポイント発見、そして撮影成功おめでとうございます。
桃はこの前このあたりを通った時にはまだたくさん木になっていました。8月の暑さでおいしくなってと言っていましたが。
開翅しないから飛翔写真でとは・・なかなか確率的に大変だと思うのですが、きちんと押さえるところがすごいです。
Commented by 虫林 at 2007-08-23 03:38 x
kmkurobeさん、
ゴマは発生地が色々変わるみたいですので、大変ですが、反面、面白いですね。ゴマのサイズと色の関係ですが、今まで見たところではあまり関係が無さそうでしたし、ゴマのサイズにも大きな差異は無かったように思います。でも、もう少しそのような目で観察してみますね。サジェスト、ありがとうございました。
Commented by 虫林 at 2007-08-23 03:42 x
cactussさん、
今年は暑いので、長時間炎天下にいると、熱中症になる危険がありますね。でも、この時期、ゴマ探しは、年中行事みたいなものですので、出かけずにはおられません。群馬辺りですと、ゴマは楽に見ることができるのでしょうか。こちらでは、今は小場所で個体数も少ないので、心配しています。
Commented by 虫林 at 2007-08-23 03:51 x
ダンダラさん、
山梨のゴマは、ご存知のように韮崎市、北杜市辺りが良く知られているみたいです。当然、その辺りは、東京や地元の採集者が、週末はかなりうろうろしていて落ち着きませんね。今回の方面は、まだ良く知られていない(よく調べられていない)ようです。
開翅が見ることができないときには、飛翔写真で翅表を見たくなります。なかなかうまくいかない時もありますが、ゴマシジミだと飛翔範囲も狭いので、撮影しやすい部類に入るのではないでしょうか。
桃の果樹園では、たしかに今年は美味しいものができたといっていましたね。今年はもう少し桃が楽しめそうですね。
Commented by chochoensis at 2007-08-23 11:36
虫林さん、もう既に5回程、探しに行っていますがいまだに撮影できないで居ます・・・観察したのは、わずか1回、1頭だけで終わっています。
今年はもう、諦めようと思っていましたが、この写真を拝見して、もう一度・・・なんて思い始めています。綺麗に撮影されていますね、飛翔も素晴らしいです。新産地発見、おめでとうございます。
Commented by 虫林 at 2007-08-23 20:35 x
chochoensisさん、
そうですか、ゴマのポイントは小さいので、なかなか遠くから来られて見つけるのは難しいかもしれませんね。もし、週末にこちらに来られることがありましたら、ご一報下されば、幸いです。
Commented by 霧島緑 at 2007-08-23 22:12 x
炎天下のゴマ探索、私にも経験がありそのご苦労がよく分りますが、一日にしてゴマ発生地を発見してしまうとは、流石目の付け所が違います。
ベニヒカゲ探索に続き、充実した週末だったと思います。
飛翔写真も素晴らしいです。おめでとうございました。
Commented by 虫林 at 2007-08-24 19:21 x
霧島緑さん、ありがとうございます。
ゴマの大体の方面はぽんぽこ山本さんに聞いていましたが、そう簡単に見つかるものではないですね。結構、色々な場所を見ましたが、多くはふられてしまいました。ラッキーでしたね。
by tyu-rinkazan | 2007-08-21 11:28 | ▣ゴマシジミ | Comments(24)