NATURE DIARY

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20070825 ゴマシジミ散歩2 (山梨県)

「山梨の蝶」(甲州昆虫同好会編)という本には、山梨県ではゴマシジミの分布が広く、また個体数も多いと書かれている。
はてさて、これは本当だろうか?
以前は、ゴマシジミの個体数が多かったかも知れないが、現在ではその姿を見るだけでもありがたいと思えるほど減少し、少ない蝶になってしまったのだ。

その少ないゴマシジミを求めて、東京や神奈川などからわんさか採集者が集まってくるのだからたまったものではない。彼らは情報だけをたよりに訪れるので、既知のゴマポイントは、彼らに完全に占拠されてしまっている。まったく、この時期、山梨にはゴマシジミ狂騒曲でもながれているようだ。

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§ゴマシジミ§

先週、甲州市で見つけた小さなゴマポイントにもう一度行ってみた。
到着するとすぐに、1頭のゴマが飛び出して葉の上に静止した。今までゴマシジミの開翅を撮影していないので、本日はのんびりと翅を開くまで待つことにした。
「開かぬなら、開くまで待とうゴマシジミ---虫林」
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。。広角:葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 Wide angle view of Maculinea teleius resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Koshu-shi, Yamanashi)

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。。拡大:葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 High power view of Maculinea teleius resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Koshu-shi, Yamanashi)


広角で撮影していると、ファインダーにとんでもないものがうつった。

それは----------「あやはべる」furuさんだった。
お互いにビックリしたが、お会いするのは久しぶりなので、とても嬉しい。
思わずfuruさんをバックに入れて広角写真を撮影してしまった。

落ち着いて話を聞いたところ、furuさんはこの場所を以前から知っていて、今日はゴマの撮影にやってきたとのことであった。なんと、先週見つけたゴマポイントは、furuさんの知るゴマポイントと同一の場所だったことになる。これまたビックリである。
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。。葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius と furuさん

。。。 Wide angle view of Maculinea teleius resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Koshu-shi, Yamanashi)


ゴマシジミはなかなか開翅してくれないので、手持ちぶたさにオニヤンマを撮影していた。一番ピントがあった写真が、furuさんのリュックの前だった。
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。。飛翔:オニヤンマ Anotogaster sieboldii

。。。 Flying feature of Anotogaster sieboldii
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 400
。。。.(2007-August-25, Koshu-shi, Yamanashi)

1頭のゴマシジミを二人で色々と撮影していたが、突然、ネットを持った採集者が現れてしまった。彼の話では、昨日、あるヒトがゴマシジミをここで5匹採集したとのことであった。この個体数の少ない小場所で、5匹の採集はかなりダメージが大きいことは明白だ。

結局、2時間待ってもゴマシジミは翅を開いてくれないので、ネットマンから聞いた北杜市の明野のゴマポイントに移動し、そこでゴマを探す事にした。もちろん、furuさんも一緒にね。

明野では蝶の採集者が多く、出会っただけでも7-8人になる。全てゴマ狙いの方たちだ。親切な人もいて、ゴマのポイントを教えてくれたが、そこに行くと、すでに数人の採集者が陣取っていた。それでも、1頭だけワレモコウにきたゴマシジミを発見できた(発見してもらった)。

出会った採集の方たちの成果は、null~5匹/1人くらいだが、こんなに採集者が入れ替わり立ち代り集中すれば、環境は変わらなくても、採集圧だけでポイントが消滅してしまうだろう。

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§ゴマダラチョウ§

本日も非常に暑い。水分補給のためにジュースの自動販売機までくると、その前で、ゴマダラチョウ、キタテハ、ウラギンシジミ、コミスジが吸水していた。
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。。無機塩類をとるゴマダラチョウ Hestina persimilis japonica

。。。 Hestina persimilis japonica feeding on the mineral salt
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Hokuto-shi, Yamanashi)


この蝶は無機塩類をとるため、夢中で石をなめているので、gyoromeを装着して撮影してみた。
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。。虫の目像:無機塩類をとるゴマダラチョウ Hestina persimilis japonica

。。。 Insect-eye image of Hestina persimilis japonica feeding on the mineral salt
。。。. Ricoh Caplio GX-8, gyorome, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Hokuto-shi, Yamanashi)

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§ヒメシロチョウ§

原村では、この時期ソバの花が満開で、とても綺麗だった。ソバの花には、モンキチョウやモンシロチョウとともに多くのヒメシロチョウが訪れていた。
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。。飛翔:ヒメシロチョウ Leptidea amurensis

。。。 Flying feature of Leptidea amurensis
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 400
。。。.(2007-August-25, Hara-mura, Nagano)

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。。飛翔:ヒメシロチョウ Leptidea amurensis

。。。 Flying feature of Leptidea amurensis
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 400
。。。.(2007-August-25, Hara-mura, Nagano)


ヒメシロチョウはマメ科の植物(多分、ツルフジバカマ)にしばしば静止し、産卵行動を示した。
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。。産卵:ヒメシロチョウ Leptidea amurensis

。。。 Egg lying of Leptidea amurensis
。。。. Pentax K10D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Hara-mura, Nagano)

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§ムモンアカシジミ§

T川のムモンアカポイントは、以前(2週間前)に訪れたときは、まだ時期的に早いみたいであった。今回、訪れてみると午後1時30分頃に、高い木の上から1頭のムモンアカシジミが舞い降りてくれた。その後、足元から突然もう1頭が飛び出した。
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。。ムモンアカシジミ Shirozua jonasi

。。。 Shirozua jonasi resting on the flower
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Hara-mura, Nagano)

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§ミヤマシジミ§
帰る途中で、河原のミヤマシジミの棲息地を覗いてみた。かなりの数が見られたが、あまり翅を開いてくれないのだ。でも中には何とか開いてくれるものもいたので助かった。
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。。。。。。。。。。ミヤマシジミ Lycaeides argyrognomon praeterinsularis

。。。。。。。。。。。 Lycaeides argyrognomon praeterinsularis
。。。。。。。。。。。. Ricoh GR-D, GW-1, ASA 100
。。。。。。。。。。。.(2007-August-25, Hakusyu, Yamanashi)

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§Epilogue§

ゴマシジミの撮影中に、furuさんに遭遇したのは大変驚いた。ある意味、ゴマシジミを見つけたときよりも嬉しいことである。久しぶりにお会いし、撮影もご一緒できて楽しかった。

北海道でゴマシジミは、「道端のチョウ」であるらしい。もともとこの蝶はヒトの生活圏の中でともに生きる身近で庶民的な蝶なのだ。それがいつの間にか少なくなったのは、ヒトの生活様式が変わったためといわれている。

山梨県でゴマシジミの分布は非常に狭く、個体数も少ないといわざるをえない。ゴマシジミの減少をヒトの生活様式の変化による時代の流れというのは簡単だが、実際、ヒトの生活様式の変化説にしても、どこまでの信頼性があるのだろうか。

いずれにしても、少なくなってしまった山梨県のゴマシジミを、良識のある大人(実際話してみるとそう思える)が、よってたかって網で追い掛け回すのは、少し分別が欠けているね。でも、ゴマシジミはそんなに軟なチョウではなさそうなので、どこかでしたたかに繁殖していると信じている。

この蝶の食草のワレモコウは、どこのゴマポイントをみても多くはない。ところが、面白いことに、今の時期、このチョウのいない高原のお花畑では、沢山のワレモコウを見ることができる。すると、この蝶が生きていくには、ワレモコウの要素よりも、共生するアリの要素の方が重要なのだろうか。アリ蝶はこのミステリアスなところが魅力だ。
Commented by fanseab at 2007-08-26 18:22
ゴマに群がるネットマンに関する前半の話は虚しさを感じてきますね。
それに引き換え、爽やかなソバ畑をバックに優雅に舞うヒメシロチョウ
の飛翔シーンに癒される思いです。
Commented by banyan10 at 2007-08-26 19:10
今度はfuruさんと遭遇でしたか。(笑)
ということは、たにつちさんの撮影場所と同じようですね。
僕はここでは見たことないのですが、明日少し行ってみるかもしれません。明野でも採集者が多いみたいですが、発生しているというのはいいですね。
ゴマダラの吸水は初めて見ました。もっと下に降りてくれれば撮影しやすいのですけどね。
やはりヒメシロの飛翔が背景も含めて素晴らしいですね。
Commented by maeda at 2007-08-26 20:12 x
一人5頭でも立ち替わり入れ替わりで7-8人来ると、結構な数が居なくなります。
生息環境が険しい場合はどうにか生き残ると思いますが、草原のような場合は苦しいでしょうね。
この後は少し考えた収集も必要だと思います。
Commented by thecla at 2007-08-26 21:17 x
昨日は情報いただきありがとうございました。
あの後、Nさんと一緒に行きましたが、「末期症状、末期症状」と言いながらしっかり採集しているネットマンに出会いました。
そろそろ、発生後期の母蝶は採集自粛しても良い時期だと思いますが、一人二人が自粛しても入れ替わり立ち代りやってくるのであればそれも難しいのでしょうね。
Commented by mtana2 at 2007-08-27 08:08 x
ゴマの発生時期もよくないですね。集中に輪をかけてしまって。
ひとりでも多くのネットマンが採るから撮るへ変ってくれることを祈りたいです。
Commented by grassmonblue at 2007-08-27 10:50 x
ゴマ狂想曲、知ってはいましたが、
現場で遭遇するとなると(>_<)です。
特に地元の虫林さんの胸中お察しします。
Commented by ダンダラ at 2007-08-27 11:52 x
furuさんと遭遇されたのですか。ということはあそこのポイントですね。
どうしてこんなところでという感じですけど、今年も無事発生していて良かったです。
いつもならボロになるのに今年はまだきれいなのが発生しているのがちょっと驚きです。
Commented by 虫林 at 2007-08-27 18:01 x
fanseabさん、
この時期、山梨県のゴマシジミはどうやら凄い人気みたいで、ゴマのポイントには、いつも他県ナンバーの車が止まっています。どうしてそんなに固執するのかがわかりません。
ソバの畑は満開でヒメシロチョウをはじめ色々な蝶たちが訪れていました。とても気持ちが良かったですね。
Commented by 虫林 at 2007-08-27 18:07 x
banyanさん、
貴殿につづきfuruさんまで遭遇してしまいました。この遭遇はチョウを発見するよりも難しいでしょうね。
小生が先週に偶然発見した場所は、どうやら同じ場所みたいですね。驚きました。この場所でも採集者まで来てしまい、少しがっかりします。
明野は全国的に有名みたいで、非常に多くの採集者が集まっていました。多分、月並みですが、ゴマの数よりも多いと思います。
ゴマダラは実はこちらでは少ないので、結構嬉しかったです。
Commented by 虫林 at 2007-08-27 18:10 x
maedaさん、
ゴマシジミは北海道では「道端のチョウ」ですので、この喧騒というか混雑は理解しかねると思います。まったく、ひどいですね。
採集者も同じ仲間として一緒に楽しみたいと思っていますが、あまりに多くの人がうろうろしていると、少しがっかりしてしまいます。
Commented by 虫林 at 2007-08-27 18:13 x
thaclaさん、
Nさんから電話をいただきましtが、よく聞き取れないので困りました。theclaさんもご同行されていたのですね。もう少し距離的に近くでしたら、合流できたのに残念でした。
でも、ベニヒカゲをはじめ大きな成果をあげられたみたいで良かったですね。
Commented by 虫林 at 2007-08-27 18:15 x
mtanaさん、
おっしゃるとおりで、この時期、ゴマシジミに集中するみたいですね。他にもまだ良いチョウがいると思うんですが------。
採るから撮るに転向される人も着実に増えていると思います。
Commented by 虫林 at 2007-08-27 18:19 x
grassmonblueさん、
僕自身も以前には採集をしていましたので(カミキリムシですが)、採集者の気持ちはよくわかります。自然を趣味とする仲間としてお付き合いしたいとは思いますが、少ないチョウに群がるのはいただけませんね。
次回のブログで紹介しますが、手段を選ばないひどい採集法をみてしまい。少しがっかりしています。
Commented by chochoensis at 2007-08-27 19:23 x
虫林さん、「ゴマ狂想曲」・・・驚きました・・・未だ未撮影なので、今年チャレンジしないと居なくなってしまうかもしれないですね・・・それにしてもビックリでう。ヒメシロチョウが素敵です・・・。
Commented by 虫林 at 2007-08-27 19:31 x
ダンダラさん、
あのポイントは皆さんご存知の場所なんですね。たしかにどうしてこんな場所という感じのところですが、先週、たまたまゴマを探してその小道に入っていったときに、吸蜜で飛び回っている個体が、見えたので発見できました。個体数も少なく、面積も少ないのですが、採集者まで来たのには驚きました。でも、小さい割りに意外と発見しやすい場所ではありますね。今回見たのも羽化してそれほど時間のたっていない新鮮なものでした。
Commented by 虫林 at 2007-08-27 19:34 x
chochoensisさん、
皆さんゴマシジミのポイントだけに集中しますので、ポイント以外のゴマシジミはまだまだ生息していると思います。もし、予定が合えば御一緒しましょうね。ヒメシロチョウはソバの花が綺麗で、チョウを抜きにしても気持ちが良いですよ。
Commented by furu at 2007-08-27 23:34 x
貴重なポイントへのご案内ありがとうございました。おかげさまで今年は行く予定のなかった長野県で撮影を楽しめました。
それにしてもゴマ人気は異常ですね。採集者の多さにはうんざりです。
Commented by 虫林 at 2007-08-28 06:56 x
furuさん、
お疲れ様でした。
山梨県のゴマシジミへの人気は、この時期異常ですね。
あまりヒトが多いとゆっくりと楽しめないので、明野あたりはいつもは近づかないようにしています。
今回はそば畑のヒメシロチョウの雰囲気がとてもよかったので喜んでいます。ご一緒できて、楽しかったです。
Commented by 霧島緑 at 2007-08-31 00:33 x
ゴマとfuruさんのツーショット、楽しい画ですね。
山梨のゴマ人気はすごいですね。どこの発生地もごく限られた草地でしょうからゴマの将来が不安ですね。
長野方面の転戦も素晴らしい成果です。
Commented by 虫林 at 2007-08-31 17:02 x
霧島緑さん、
コメントありがとうございます。
ゴマの発生地はかなり限られていますので、少し不安になりますが、したたかなシジミチョウですので、生き残ってくれると信じています。
長野方面はポイント拾いの撮影行でした。
by tyu-rinkazan | 2007-08-26 14:54 | ▣ゴマシジミ | Comments(20)