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20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)

この時期、僕は「渡り鳥」ならぬ「渡り虫林」になってしまった。

先週は、所用で水曜日に東京、木曜日午後から札幌へと渡り歩き、土曜日の夜遅くに帰宅した。さらに、また明日から東京に出かけなくてはならない。

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<札幌にて>
札幌の街はしっとりと雨に濡れていた。夜は外に出ると、さすがに空気がヒンヤリするが、そのヒンヤリさがほてった体にはむしろ気持ちよいのだ。
虫林は北国体質なのかもしれない。

札幌の繁華街は相変わらずの賑わいで、交差点で立ち止まるとすぐに呼び込みの若者が寄ってくる。ふとみると、道端で「ジャガポックル」というお菓子を売っていた。同行したK君によれば、このお菓子は北海道土産として今大変な人気で、入荷してもすぐに売切れてしまうらしい。

K君が「これいくら?」と聞くと、売り子の若者は「1500円です」といかにもすまなそうにやや小声で答えた。
どうも怪しいぞ------・
よくよく聞いてみると、このお菓子の定価は800円なので、どうやらほぼ倍のプレミアをつけて売っているのだ。

恐妻家のN君は奥さんに頼まれたということで、そのプレミアつきのジャガポックルを数個買おうとしたが、横にいたK君に止められて、結局2個だけ買ったみたいだ。
売れたときに見せた売り子の若者の嬉しそうな表情が印象的だった。

20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)_d0090322_1542088.jpg
。。。。。。。。。。。。。。。幻の「ジャガポックル」

。。。。。。。。。。。。。。。。Jagapockle
。。。。。。。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。。。。。。。。。。。。。。(2007-October-18, Sapporo-shi, Hokkaido)

それにしても、この時期の北海道は、何を食べても旨い。
会場となったホテル「ロイトン札幌」のパーティでは、セーブしながら食べたつもりだが、やはり食べ過ぎてしまった。


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自宅に戻って朝(昼近く)起きると、素晴らしい天気だ。
こんな日曜日は嬉しいものだ。

朝昼兼用の食事を食べ、家内がビデオにとってくれたNHKの連ドラ「チリトテチン」を観た。
さて、今日もメタボの解消のためにはフィール散歩に出よう。
しかし、出張続きで少し疲れているので、無理をせずに家から車で10分ほどのミヤマシジミポイントに行くことにする。

目的は「青鱗の発達したミヤマシジミの♀」だ!

ミヤマシジミのポイントのある河原に到着して、後ろを振り返ると、富士山が青空をバックにくっきりと聳え立っていた。このところ富士山の姿をまともに見ていなかったので、とても嬉しい。
20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)_d0090322_211981.jpg
。。富士山

。。。Mt.Fuji
。。。 Ricoh GR-D, ASA 100
。。。 (2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

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ポイントに到着すると、いつものように数頭のミヤマシジミが飛び出した。
ミヤマシジミのポイントは、以前はこの河原の中に点在して見られたが、今年の春の河川敷整備のために、生息地がかなり狭くなってしまったようである。つまり、現在は数十メートル四方の中でしか、この可憐なブルーを見ることができなくなってしまった。

驚いたことに、秋も深いのに新鮮なオスが飛んでいた。
そっと近づいて、GR-Dで撮影した。
20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)_d0090322_22320.jpg
。。。。。。。。。。ミヤマシジミ♂

。。。。。。。。。。。A male of the argyrognomon blue resting on the dryed leaf
。。。。。。。。。。。Ricoh GR-D, ASA 100
。。。。。。。。。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)_d0090322_221524.jpg
。。ミヤマシジミ♂

。。。The argyrognomon blue resting on the dryed leaf
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)_d0090322_222715.jpg
。。ミヤマシジミ♂

。。。The argyrognomon blue resting on the dryed leaf
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

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本日は気温もそこそこ上り、ミヤマシジミたちはとても活発で敏感だった。
歩いていると足元から、茶色いメスも飛び出してきた。

前述したように、本日の目的は青鱗の発達したミヤマシジミの♀なので、現れた♀(7-8頭)を1頭、1頭注意しながら撮影した。

すると、その中に何とか翅表の青鱗が発達した個体を見つけた。
20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)_d0090322_224026.jpg
。。。。。。。。。。ミヤマシジミ♀

。。。。。。。。。。。A female of the argyrognomon blue resting on the ground
。。。。。。。。。。。Ricoh GR-D, ASA 100
。。。。。。。。。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)_d0090322_225348.jpg
。。ミヤマシジミ♀

。。。A female of the argyrognomon blue resting on the ground
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)_d0090322_23452.jpg
。。ミヤマシジミ♀

。。。A female of the argyrognomon blue resting on the ground
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

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<行動的雄間競争>

2頭が仲良く並んで静止しているのを見つけた。
しかし、どうも雰囲気が変だ!
20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)_d0090322_231844.jpg
。。仲良く並んだ2頭のミヤマシジミ♂

。。。Two males of the argyrognomon blue resting on the ground
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)


すると、突然1頭がもう1頭の雄に飛びかかったように見えた。
この2頭はしばらくもつれ合いながら飛んだ後に分かれた。

このような雄同士の行動は、決して稀ではなく、本日はこの河原に滞在した1時間半の間に2回も観察した。行動自体を見ていると、一見仲良く遊んでいるようにもみえるが、これは雄間の争いなのだろう。
20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)_d0090322_233264.jpg
。。ミヤマシジミ♂が他の雄を攻撃?

。。。 One male attacks other male
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

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20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)_d0090322_23459.jpg
。。リュウノウギク

。。。Chrysanthemum makinoi
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)_d0090322_235775.jpg
。。ミミガタテンナンショウの実

。。。Arisaema limbatum
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

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先週は何かとせわしなく、「渡り虫林」をやってしまった。まあ、それでなくとも出張の多い身であるが、やはり疲れる。週末ぐらいはゆっくりしたいものである。

今回のねらいは晩秋型のミヤマシジミの♀、すなわち、青鱗が翅表に発達した♀である。
何とか青鱗が発達した個体を撮影できたが、もっと青い個体を撮影してみたい。11月初旬までは観察できそうなのでこれからも楽しみである。

今日は少し寒そうだったので厚着をして歩いたが、案の定、すぐに汗をかいてしまった。この時期は日が差せば厚くなり、日がかげると寒くなるので、難しいものだ。

久々の快晴で、とても気持ちが良い一日でした。
このような天気をインディアンサマーというのかな。
Commented by maeda at 2007-10-22 06:16 x
青紋発達の♀は暑い年には難しいのかもしれません。
というこちらでは寒い初夏だったので、ヒメシジミの青い♀を探してみましたが、期待通りには見つかりませんでした。
難しいですね。
Commented by 虫林 at 2007-10-22 20:49 x
maedaさん、
青麟の発達したメスはこれでも結構探しましたよ。
確かに幼虫期の気温が問題になりますので、今年の暑さではあまり青麟の発達が難しかったのかもしれませんね。
おっしゃるとおりです。
Commented by Noreen05 at 2007-10-22 21:16
札幌へ来られていたのですね~土曜日まで滞在でしたか?
私も土曜日は札幌へ写真展を見に行っていましたぁ~ちょっと残念。
虫林さんは、お忙しくされていらっしゃるのにブログ内容も豊富でいつも感心しています。
いつか北の大地でご一緒させて頂けると嬉しいです。
ジャガポックルはちょっと残念!北海道にはもっと美味しいお菓子が沢山ありますから・・・
Commented by kmkurobe at 2007-10-22 21:17
私はどうやら今年はダメのようですね。9月から100頭以上は見ているのですが・・・・・
まだ飛んでいるので初霜までは頑張ってみますよ・・・・・
Commented by ぽんぽこ山本 at 2007-10-22 22:18 x
おいそがしそうで・・・良い事ですよね?                     青いメス!カッコイイ!!ですね。  タイ米を食べた1993年は酷い冷夏でしたね、白州町周辺では同年8月中旬頃のほとんどの雌に青が乗っていたことがありました。今年は梅雨末期にだいぶ低温でしたので注意していたところ低温気型の蝶を見ることができました。 黒オオイチ・白帯が細くなったミスジ・紋流れのアサマシジミ・黒点が消えたウラキンシジミ・パイパン型(ウラゴマダラシジミみたいな)のヒメシジミ・・・当たり年でした。  (kmkurobe様のお近くでこのヒメに出会いました。)
ちょいと、当たり過ぎの感がありますので注意しないといけません!
Commented by 虫林 at 2007-10-23 04:54 x
Noreenさん、
土曜日に札幌にいらっしゃっていたのですね。
こちらは木曜日から土曜日まで滞在しましたが、どこもいかずにホテルの会場で過ごしてしまいました。千歳空港の近くのウトナイ湖でも散歩したいと思っていたのですが-----。
ジャガポックルは僕もよく分からないのですが、すごい人気みたいですね。北海道土産にはもっと良いものがいっぱいありますよね。でも、恐妻家のN君は必死に探していました(笑)。
北の大地でいつかご一緒して撮影してみたいですね。
コメントありがとうございました。
Commented by 虫林 at 2007-10-23 05:00 x
kmkurobeさん、
場所としてはkurobeさんのミヤマポイントの方が数段良いと思います。
こちらのポイントは、日記にも書きましたが、数十メートル四方の狭い範囲で細々と発生しているのです。でも、バックに富士山が入る可能性があるので、いつか富士山バックのミヤマの写真を撮影したいと思っています。
この時期のメスは種々の程度に青麟がのっていますので、kmkurobeさんのきれいな青メスを期待しています。是非とも粘ってください。
Commented by 虫林 at 2007-10-23 05:09 x
ぽんぽこ山本さん、
有難うございます。
もう少し強く青麟がのったメスの写真を撮影したいので、できる限り観察していきます。
なるほど、幼虫期が低温度であると、ミヤマシジミ以外にも色々な蝶に特徴が出るのですね。とても面白いです。
でも、低温期型の蝶が多く現れるのは、冷夏を意味するので、要注意ですね。

Commented by chochoensis at 2007-10-23 12:55
毎日、お忙しくて大変そう・・・身体は大事なのでご自愛ください・・。それにしてもご自宅に帰ってすぐに行動を起こされて凄いファイトですね・・・ビックリです・・・。綺麗なミヤマですね・・・素晴らしい。
Commented by banyan10 at 2007-10-23 17:34
ミヤマシジミ結構青いのではないでしょうか。
もう少し新鮮だったら、かなり綺麗ではと思えますね。
僕は栃木で探しましたが、ミヤマシジミがほとんど見れずに諦めました。
Commented by 虫林 at 2007-10-23 22:16 x
chochoensisさん、
お気遣いいただき有難うございます。
出張中はフラストレーションがたまるので、休みの日は数時間でも散歩しようと思っています。この時期に飛んでいる蝶はいとおしいです。
ミヤマはあと2週間はいけますね。
Commented by 虫林 at 2007-10-23 22:19 x
banyanさん、
有難うございます。
僕は欲が深いので、もっと青い雌が見たいのです。
なだこちらは少しの間はいけますので、これからが楽しみです。
栃木でのミヤマは残念でしたね。
Commented by thecla at 2007-10-25 22:02 x
今年は、ミヤマシジミの青い♀探しは難しいみたいですね。
この前見つけた新しいミヤマポイントで探してみようと思うのですが、行く機会が中々ありません。
富士山バックのミヤマシジミは是非撮ってみたいものです。
Commented by nomusan at 2007-10-26 06:29 x
ミヤマシジミの青い♀、なるほど、今年のように暑い年は難しいのですね。それでも見たいので期待してしまいそうです(笑)。
 富士山が美しいですね。九州人にとっては貴ブログの楽しみの一つであります。
Commented by kenken@昼休み at 2007-10-26 12:17 x
私もね、今年はミヤマ青♀にはちっとも出会いませんわ。
出にくい気候だったと考えております。また来シーズンです。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2007-10-26 23:49
虫林さんも些かメタボのようですね。私の場合肥満度は±0なのですが、中性脂肪が少し高く、先日の健康診断でもしっかりと高脂血症の烙印を押されてしまいました。好きな酒を控えめにし、禁煙し、食事を半分にすれば、半年で正常値に戻ると思いますが、多分意思薄弱故無理なような気が。さて、ミヤマ青♀私初めて聞く文言です。あの♀が全面ブルーになるとは想像つかなかったのですが、なるほど前翅、上縁、基部にブルーがのるのですね。これははまりますね。レベル4楽しみです。
Commented by 虫林 at 2007-10-27 00:11 x
theclaさん、
やはり今年は青雌ミヤマはむずかしいですか。
山梨では僕のまだ知らないミヤマポイントはかなりあるみたいですね。
この河原は来るまで10分の至近距離ですので大事にしています。
Commented by 虫林 at 2007-10-27 00:14 x
nomusanさん、
ミヤマシジミの青鱗の発達は幼虫期の温度と関係するみたいですので、だらだらと温度が下がらない年には、青鱗の発達が少ないのかもしれません。富士山は山梨のシンボルでもあるので、いつかバックにいれたミヤマシジミの写真を撮りたいです。
Commented by 虫林 at 2007-10-27 00:16 x
kenkenさん、
ミヤマ青♀は、頻度が晩秋に多いので、いつもこの季節の楽しみにしていたのですが、今年は少ないようですね。
もう一度くらいは撮影してみたいと思っています。
Commented by 虫林 at 2007-10-27 00:22 x
nozomuさん、
僕は典型的なメタボで、高脂血症、高血圧、高尿酸血症の薬を飲んでいますよ。お互いに注意しましょうね。
ミヤマシジミの青雌レベル4は今年は無理かもしれませんが、まだもう少し探してみます。
Commented by 霧島緑 at 2007-10-27 20:56 x
先日、ミヤマポイントに立ち寄らせていただきましたが、広大な河川敷のどこがポイントなのか分からず諦めてしまいました。かなり限られたポイントのようですが、かなりの個体数が見られるようで今後の観察が楽しみですね。
Commented by 虫林 at 2007-10-28 21:49 x
霧島緑さん、
ミヤマポイントは、かなり狭くて、僕も心配しているくらいですよ。
個体数はそこそこ見られますが、さすがにそろそろ限界のような気がします。自宅から程近いので、ときどき寄って楽しんでします。
来年にでもご一緒しましょう。
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by tyu-rinkazan | 2007-10-22 02:10 | ▣ミヤマシジミ | Comments(22)

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