NATURE DIARY

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20071110 最後の黒い天使たち:クロツバメシジミ(山梨県)

立冬の候 The beginning of Winter

寒くなってきた。
土曜日はいつものように、朝起きてNHKの連ドラ「ちりとてちん」を見ながら、家族と食事を摂った。ウィークデーは帰宅が遅くなることが多いので、家族との会話には貴重な時間だ。それにしても、このドラマの脚本家はすごいと思う。というのも、週末になるといつも泣かせてくれるのだ。
----底抜けに~おもろいで~(小草若)

本日の天気予報をみると、山梨では終日、天候が良くないようだ。実際、窓から外を見ると、小雨が降っている。この時期の雨は冷たい。

家の外に出てみると、庭の隅のクモの巣に多数の水滴が付いていた。あまりクモの巣には注意を払ったことはないが、水滴が付着するとなかなか綺麗だ。
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沢山の雨滴をつけたクモの巣

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A network of spider web with numerous water droplets.
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Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
(2007-November-10, Kofu-shi, Yamanashi)

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§クロツバメシジミ The Black Cupid§

昼過ぎに、やっと雨もあがったので、散歩に出かけることにした。しかし、この時期でこの天気では、蝶の姿を拝むことはほぼ不可能に思えた。いろいろ考えた挙句、昨年も11月に姿を見ているクロツバメシジミの撮影に行くことにした。ポイントに到着すると、厚い雲が空を覆い、暗く、気温もかなり低い。

案の定、ポイントには蝶の姿はない。しばらく周りを散策したが、何も見ることが出来なかったので、そろそろ帰ろうかと思ったときに、一頭のクロツがよたよたと飛び出し、黄葉したクズの葉の上に静止した。
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黄葉の上に静止するクロツバメシジミ

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Pentax K100D, Sigma 18-50mm, F4.5, 1/250, ASA 200, Flash (Pentax AF360FGAZ)
(2007-November-10, Nirasaki-shi, Yamanashi)
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Despite cool and very cloudy condition, I could see one Black Cupid on yellow-tinged leaf in the bank of river-side. In this field, this can be almost end in the time of appearance.



本日は暗いので、ストロボを用いて、弱く光を当てることにした。虫林が愛用しているペンタックス純正の外部ストロボは、HSS(ハイスピードシンクロ)機能が付いている。HSS機能があるストロボ (Pentax AF360FGAZ) では、より高速のシャッター速度(例えば飛翔写真に必要な1/2000)にも同調することができるのだ。
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。。。。。。。。。。クロツバメシジミ

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。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA200, Flash
。。。。。。。。。。(2007-November-10, Nirasaki-shi, YAMANASHI)


気温が低く、静止した蝶はなかなか動かない。そこで、GR-Digitalで近接撮影をしてみた。ここまで寄ると翅の鱗粉までが観察できるのだ。また、このくらい拡大するとバックはさすがにボケてくれる。

それにしても、クロツは眼が大きくかわいい顔をしている。また、尾状突起もずいぶんと短い。翅裏のオレンジの紋の一つに隣接した青い小さな紋がアクセントになっているのもなかなか良い。
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クロツバメシジミ

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Ricoh GR-Digital, F3.5, 1/104, ASA100
(2007-November-10, Nirasaki-shi, YAMANASHI)


さらにGX-8にgyoromeを装着して、頭部の拡大写真を撮影した。
今回はやはり暗いので、サンパック社から発売されている小型ストロボ(SUNPAK PF20XD)と自家製のディフューザーを用いた。このストロボは、小型なのでGX-8に装着しても違和感がない。発光強度もある程度は変更可能なのが嬉しい。以前は発光強度がもっと細かく変更できるストロボが市販されていたが、どういうわけか現在は製造停止になっている。
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クロツバメシジミ

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Ricoh Caplio GX8, Gyorome-8, ASA100, Flash (SUNPAK PF20XD)
(2007-November-10, Nirasaki-shi, YAMANASHI)


虫林の知る山梨県内のクロツポイントは、数箇所あるが、季節の流れとともに、北から順に蝶がいなくなる。おおむね、年に第3化(9月)までのようで、10月も後半になると、新しい蝶はみられない。クロツポイントの中で、最も最後まで蝶が残るのは身延町の河川敷で、ここでは第4化があるのかもしれない。

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§オジロアシナガゾウムシ§

この時期、クズの葉の上でオジロアシナガゾウムシを見ることが多い。このゾウムシは、体の表面が凸凹しているので、gyoromeを装着して撮影した。肉眼的に認識できる昆虫たちでも、gyoromeで拡大してみると、まったく異なるイメージになることが多いので面白い。

ちなみに、gyoromeで得られるような被写界深度の非常に深い像を「虫の目像」という。この言葉は、写真家の栗林氏がつくったものだと思うが、はたしてこれは本当に虫の目像なのだろうか?

虫林は、ムシの視力や色認識、視野などについての知識は無いが、かなり違ったものであろうことは容易に推察できる。むしろ、この虫の目像といわれるものは人の目に近い。
本当は「人の目を持った虫の目像」かもしれないね。

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オジロアシナガゾウムシ

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While searching for butterflies, I found an elephant beetle, Mesalcidodes trifidus, on a leaf of kudzu.
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Ricoh Caplio GX8, Gyorome-8, ASA100, Flash (SUNPAK PF20XD)
(2007-November-10, Nirasaki-shi, Yamanashi)

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§ヤブムラサキ§

茂みの中に綺麗な紫色の実をつけた木があった。面白いのでgyorome写真を撮影して見た。リコーのカメラは、色温度やホワイトバランスの設定のためか、紫が青く写る特性がある。そのため、虫林の好きなスミレの花(紫の花)の撮影には、リコーのコンデジは使用できない。
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ヤブムラサキ

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Ricoh Caplio GX8, Gyorome-8, ASA100, Flash (SUNPAK PF20XD)
(2007-November-10, Nirasaki-shi, YAMANASHI)

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§Epilogue§

本日は終日、雨が降ったりやんだりで暗い一日であったが、何とかクロツを見ることができてよかったと思う。しかし、寂しいがクロツもそろそろ今年は終わりかな。本日みられた蝶は、このポイントでは「最後の黒い天使」なのかも知れない。

最近、虫林も遅ればせながらRAWでの撮影をすることにしている。しかし、まだ不慣れなので、現像ソフトでのレタッチがどうもしっくりこないのだ。ちなみに、GR-DigitalにもRAWの機能が付いているが、実際にRAWで撮影して見ると、撮影するたびに記録に時間がかかりすぎて、実用的ではないようだ。

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§20071111§

先週と同様に、今週の日曜日も実家のある神奈川の海辺の町に行った。このところ、父が容態を悪くして入院しているのだ。母は健在であるが、二人ともかなり高齢なので心配だ。

病院に行く途中で、少しだけ子供のころに遊んだ海岸に立ち寄ってみた。海岸は整備され、当時の面影は薄れているものの海はやはり気持ちが良い。もう、11月も中旬だというのに、若者たちがサーフィンに興じていた。こんな波の無いところでは、サーファーというよりも「ミズスマシ」にみえる。
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Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA200
(2007-November-11, Chigasaki-shi, KANAGAWA)

Commented by chochoensis at 2007-11-11 20:59
虫林さん、オジロアシナガゾウムシ・・・接近するとこんなに=毛深い=のですか!驚きました・・・。父上のご健康が良くなりますようにお祈りいたします。
Commented by 虫林 at 2007-11-11 22:22 x
chochoensisさん、
gyoromeの画像は、我々が通常見ることができない所見を可視化してくれます。昆虫の体の表面の毛も良く見ると、凄いですね。

父はそろそろ高齢(89歳)といえる歳になりましたので、少し心配しています。でも、かなり回復したみたいです。
暖かいお言葉をいただき有難うございます。
Commented by maeda at 2007-11-12 06:17 x
GX100でもRAW記録に3秒ほどかかります。
そこはやはりコンデジですね。GRD2では改善されているかもしれません。
Commented by miyagi at 2007-11-12 10:37 x
虫林さん☆お目当てのクロツバメシジミ。お約束のように現れてくれるなんて嬉しいですね。きっと、虫林さんの気持ちがつうじたんでしょう。
波のない海面のサーファーをミズスマシに例えるなんて面白くて一人で笑っちゃいました(^^)
Commented by 虫林 at 2007-11-12 20:29 x
maedaさん、
GR-DでのRAW撮影は、3秒以上かかるようで、リズムよく撮影するにはよろしくないようです。GR-DIIがそろそろ発売されるようですが、記録画素数が1000万画素を越えているようですが、なおかつRAWでの記録時間の改善が行われているかどうか疑問ですね。もしも行われているようであれば、本当の意味でプロ仕様のカメラになると思うのですが-----。
Commented by 虫林 at 2007-11-12 20:33 x
miyagiさん、
クロツは食草から10mと離れませんので、ポイントを歩いていなかったときはダメかな?と思いました。1頭でも現れてくれたのは有難かったです。
波もほとんど無い海で、ただ浮いているサーファーはいったい何なのでしょか。これから、「ミズスマシサーファー」と呼ぶことにします。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2007-11-12 22:48
クロツもいよいよオーラスですね。暗いシチュエーションにもかかわらず、ストロボテクを駆使して見事に撮影されています。流石です。魚露目の甲虫写真は相変わらず迫力があってグッドです。お父様も回復の方向に向かっておられるようで何よりです。
Commented by kmkurobe at 2007-11-12 22:54
いよいよそちらも千秋楽ですか・・・・・長い5ヶ月ですね。
私のGX-100mもやはりムラサキの発色がイマイチなので、フォトショップで修正しています。
Commented by 虫林 at 2007-11-12 23:56 x
nozomuさん、
有難うございます。ストロボはあまり使用したくないのですが、天気が悪く暗いときや逆光の場合には使用しています。時々、色出しにも使用することがあります。色々工夫すると楽しいので----。
gyoromeも導入してはや1年になりました。使用法を限定すれば、これわこれで楽しいですよ。
父の事でご厚情をいただき感謝いたします。
Commented by 虫林 at 2007-11-13 00:00 x
kmkurobeさん、
そろそろ千秋楽です。寂しいですね。
でも、今年はルーミスで照葉樹林の蝶に味をしめてしまったので、山梨県南部でも探索してみようと思っています。
来年は是非とも白馬にもお邪魔しようと思っていますので、楽しみにしています。
リコーのコンデジの紫の発色は難しいですね。
Commented by ぽんぽこ山本 at 2007-11-13 00:56 x
まず、お父様が回復される事をお祈りいたします。 急に寒くなったりと、季節の変わり目には虫林さんも御気を使われている事と思います。
さて、八ヶ岳も3回目の降雪が有り、今日はひたすら寒い風が吹き降ろしています・・・この時期に新鮮なクロツに出会えるとは羨ましいですね。
「しかあ~し!」 本日 庭で羽化したてのベニシジミを見ました。ツンツンしても飛びません。赤い天使ですね。
PS 昔、サーファーは黒いウエットスーツで、波間に浮いているだけなので「アザラシ」と呼ばれていましたよね?
Commented by ここっとさん at 2007-11-13 06:15 x
シジミチョウのアップって、ひょっとこみたいなんですね~。なんだかひょうきんで、かわいいです。お父様、お大事に。
Commented by 虫林 at 2007-11-13 06:53 x
ぽんぽこ山本さん、
有難うございます。
八ケ岳では、季節の流れが少し早めですから、今の時期かなり寒くなっていると思います。でも、そんな時に、健気に生きているベニシジミは、本当に赤い天使なんですね。
なるほど、波間に浮いているサーファーはアザラシですか。ピッタリです。
Commented by 虫林 at 2007-11-13 06:59 x
おはようございます。
フランスとは-8時間の時差があるので、今は夜の11時くらいかな。
なるほど、ひょっとこみたいにも見えなくもないですね。
蝶の顔はそれぞれの種類で特徴があるみたいです。クロツバメシジミは中でも最も可愛い顔をしていると思っています。なかなか顔のアップは撮影できませんが、これからも少しずつ撮影したいと思っています。
父に関してのお心遣い有難うございます。
Commented by fanseab at 2007-11-13 23:19
2枚目の柔らかな光に包まれたクロツの絵は味わい深いです。
6-7月に撮影されるゼフの金属光沢とは対極にある美しさでしょう。
gyoromeで見るシジミの表情はいつも変化があっていいですね。
お父様の健康回復を祈念いたします。
Commented by 虫林 at 2007-11-14 23:55 x
fanseabさん、
有難うございます。
この時期の写真はそこはかとない寂しさがあって、それはそれで雰囲気が出てくるように思います。
gyoromeでの蝶のアップは、通常では見ることができない蝶の表情が見えてくるような気がして撮影しています。
有難うございます。父に対してのご厚情に感謝します。
by tyu-rinkazan | 2007-11-11 20:07 | ▣クロツバメシジミ | Comments(16)