NATURE DIARY

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20071216 八ヶ岳散歩:ミヤマシロチョウ越冬巣調査(山梨県)

「日本チョウ類保全協会」事務局の中村氏とご一緒して、ミヤマシロチョウの幼虫越冬巣調査のために冬の八ヶ岳を訪れた。本日の調査には、虫林が顧問をしている山岳部のNA君(第一線の山岳部員)とA君(今年の新入部員)が手伝ってくれた(昨夜、山岳部の忘年会で突然お願いした)。調査する場所は、今年の夏(7月28日)に虫林がミヤマシロの成虫を確認したところで、棲息の維持が危ぶまれる場所である。
7月28日の日記参照
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冬の八ヶ岳(阿弥陀岳、権現岳)

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Mt. Yatsugatake
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, ASA 800

(2007-December-16, Yamanashi)


朝、中村氏と合流し、早速、ポイントに向かった。しかし、残念なことに林道の入り口のゲートが閉鎖(冬期閉鎖)されていたのだ。本日は気温が低く、路面は昨夜の雪で真っ白、その上、入り口のゲートが閉まっているという3重苦の状態である。虫林1人なら、ギブアップして即引き返すところだ。
しかし、皆が行くという-------。

中村氏から、手袋をお借りし、さらに軟弱で寒がりな虫林はホカロンを2個もいただき、何とか歩き始めた。何しろ林道入り口のゲートが閉鎖されていたため、予定より1時間も余計に歩かなければならないのだ。
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。。。。。。。。。。雪道上の越冬巣調査隊

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Today’s participants for the protection project of Oriental Black-veined White in Mt. Yatsugatake were Mr. Nakamura, Student A, Student NA and myself. We had to take additional one hour walk because of close of the entrance gate.
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Ricoh GR-D, ASA 100
(2007-December-16, Yamanashi)


中村氏が道路を歩くのをやめて、途中から林の中をショートカットしようという。
彼のGPSを頼りに道も無い林の中の斜面を登る。普段歩かないメタボの虫林にはこの登りがかなりきつかった。メタボの己を憂うばかりだ。

しかし、それにしてもN氏の歩きは速い。いいや、虫林以外の調査員の歩くスピードは並みのものではないようだ。ここはマイペースをキープさせていただこう。
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。。。。。。。。。。急坂を登る調査員

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。。。。。。。。。。 Climbing a flight of steep and snowy gradient.
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。。。。。。。。。。 Ricoh GR-D, ASA 100
。。。。。。。。。。(2007-December-16, Yamanashi)


木の幹を見ていくと、所々で熊の爪跡を見かけた。この爪跡はかなり新しいようで、最近のもののようである。でも、今は冬眠中のはず-------。
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。。。。。。。。。。熊の爪とぎ跡

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。。。。。。。。。。 Claw mark of bear
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。。。。。。。。。。 Ricoh GR-D, ASA 100
。。。。。。。。。。(2007-December-16, Yamanashi)

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ミヤマシロチョウの幼虫越冬巣は今まで見たことが無かったので、中村氏が実際のものを見つけて説明してくれるという。驚いたことに、探し始めてまもなく、彼は越冬巣を難なく見つけてしまった。見つけた越冬巣はその大きさ、部位などを記録し、木の幹に標識テープを巻いた。
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幼虫越冬巣を説明する中村氏(左)、幼虫越冬巣を記録する中村氏と木に標識するA君(右)

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Lecture for overwintering nest (left) and measuring a nest and marking a tree (right)
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, ASA 800

(2007-December-16, Yamanashi)


食樹であるヒロハノヘビノボラズは斜面に生えているので、急斜面を上から下まで何往復もしなければならない。何度も斜面で転びながら、かなりの範囲で、かなりの数の木をチェックした。
越冬巣は慣れないとなかなか見つけることができない。特に目の悪い虫林は難しいようだ。
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ミヤマシロチョウ(Oriental Black-veined White)の幼虫越冬巣

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Overwintering nest of Oriental Black-veined White
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Olympus E-3, Olympus 8mm Fish-eye, EC-14, ASA 800

(2007-December-16, Yamanashi)

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ミヤマシロチョウ(Oriental Black-veined White)の幼虫越冬巣

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Overwintering nest of Oriental Black-veined White
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Olympus E-3, Olympus 8mm Fish-eye, EC-14, ASA 800

(2007-December-16, Yamanashi)

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ヒロハノヘビノボラズの枝と雪を載せた幼虫越冬巣

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Overwintering nest with snow and feeding tree of Oriental Black-veined White
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, ASA 800

(2007-December-16, Yamanashi)

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ミヤマシロチョウ(Oriental Black-veined White)の幼虫越冬巣

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Overwintering nest of Oriental Black-veined White
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Olympus E-3, Olympus 8mm Fish-eye, EC-14, ASA 800

(2007-December-16, Yamanashi)

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ヒロハノヘビノボラズの赤い実

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A red fuit of feeding tree of Oriental Black-veined White
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, ASA 800

(2007-December-16, Yamanashi)

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現地でのミヤマシロチョウの幼虫越冬巣の調査も無事に終わり、調査隊全員で記念写真を撮影した。
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。。。。。。。。。。調査隊記念撮影 (虫林、NA君、A君、中村氏)--顔はぼかしています

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。。。。。。。。。。 Investigaters
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。。。。。。。。。。 Ricoh GR-D, ASA 100
。。。。。。。。。。(2007-December-16, Yamanashi)

事務局の中村さん、本日はご苦労様でした。また、NA君、A君も協力ありがとう!
越冬巣の数は少なかったものの何とか発見できたので、来年からの保全活動に貴重な資料を提供できたようだ。蝶の保全活動をまじめに展開されている中村氏の努力に頭が下がる。

今回、ミヤマシロチョウの保全活動に参加できたことも嬉しかったが、好天気の1日、八ケ岳の山懐を仲間と会話しながらの散歩も思いの外楽しかった。しかし、虫林は雪道を歩くのが久しぶりだったので、皆さんには迷惑をかけたようだ。

帰りはN氏のGPSだけを頼りに、傾きかけた日を受けながら牧場の中や林の中を歩いた。このような歩き方はイギリス在住時に楽しんだPublic pathの散歩にも似て、懐かしい感じがした。日本でもPublic pathがあれば良いのになと時々思う。

それにしても、本日は虫林の体力の無さを痛感した1日だった。ミヤマシロチョウよりも虫林を先に保全しなければいけないと今本気で考えている。
Commented by maeda at 2007-12-17 06:45 x
雪道は歩くのに疲れます。普段は足を取られませんが、かなりの抵抗を受けるのでエネルギーの消費は夏の比ではないと思います。
私も越冬卵探して歩き回りますが、1-2時間で止めることが多いですね。
GPS,山歩きには必須のアイテムですね。
Commented by grassmonblue at 2007-12-17 08:04 x
お疲れ様でした。
貴重な調査活動に敬服です。越冬巣も見つかってよかったし、虫林さんの夏の調査がいかされていたことと思います。また逆に虫林さんの体力に感心しています。
一連の調査は知っていましたが、体力的に迷惑かけそうなことも一因でパスしました。
Commented by mtana2 at 2007-12-17 10:51 x
こういう調査って面白そうですね。
やってみたいですが、ハナから体力不足でギブアップでしょう。
お疲れ様でした。
NHKドラマ「風林火山」、終わってしまいましたね。探蝶で訪れる場所が多くてそちらも楽しみにしていたのですが・・・。
Commented by miyagi at 2007-12-17 12:59 x
虫林さん☆調査活動ごくろうさまです。自然保護のために、人知れずこうした活動をされている方々がおられるんですね。感謝します。
春の追跡調査は感慨もひとしおでしょうね
Commented by banyan10 at 2007-12-17 17:48
調査ご苦労様です。
僕も土曜は久々の山歩きで足がなまっていました。
そちらのハードな調査はとてもついていけてないでしょうね。(笑)
何とか継続して発生して欲しいですね。
Commented by 虫林 at 2007-12-17 18:57 x
maedaさん、
雪道は慣れていないと歩きにくいものですね。しかし、それよりも自分の基礎体力の無さを痛感しました。これから少し体力強化(維持?)に力を入れなければいけません。
GPSという機会はたいしたものですね。誤差5mくらいということですから驚きです。
Commented by 虫林 at 2007-12-17 19:02 x
grassmonblueさん、
夏の成蝶の調査をしたので、冬の越冬巣も見てきました。
今回の調査でも、越冬巣の数は少なく、これからの保全をどうして行くのか、N氏も色々考えていましたね。
僕も最近、体力には自信がありませんでしたが、この調査を終了して少し自信がつきました。
また、来年も継続してみたいと思っています。
Commented by 虫林 at 2007-12-17 19:05 x
mtanaさん、
調査地は広く開けた場所で、なかなか気持ちが良いところです。
途中、色々な鳥にも出会いましたが、種の同定をするまでの気力がありませんでした。mtanaさんでしたら、いろいろ楽しめたと思います。
「風林火山」は終了しても「虫林花山」はまだ続きます。もう少し、お付き合い下さい。
Commented by 虫林 at 2007-12-17 19:08 x
miyagiさん、
有難うございます。乗りかかった船ですので、越冬巣も見てきました。
こういうフィールド調査というのは、慣れていないので、戸惑うことも多いのですが、なかなかやってみると面白いものですね。
学生君たちも成虫を見たいといっていますので、来年はミヤマシロチョウの成虫の調査にも同行してくれるみたいです。
Commented by 虫林 at 2007-12-17 19:17 x
banyanさん、
雪山といっても、ラッセルして進むほどのものではないので、それほど体力を消耗しませんでした。ですから時々山登りをしているbanyanさんなら、楽勝かもしれませんよ。
そこは気持ちがよい場所なので、来年成虫の時期にでもご一緒したいですね。
Commented by chochoensis at 2007-12-17 20:27
虫林さん、越冬調査、お疲れ様でした・・・こういう地味な保全活動があって生態系が保たれている事を思うと、頭が下がります・・・本当にお疲れ様でした。GPSをこういう風に使うと言う事も初めて知りました。ますますGPSに興味を持ちました。
Commented by cactuss at 2007-12-17 21:00
虫林さん、お疲れ様でした。先週、Nさんと一緒でしたが、歩くのが速いので、付いていくのが大変でした。でも、なかなかいい経験をさせて頂きました。今回も越冬巣の調査をかなりの広範囲にわたってできた様で、よかったですね。
Commented by ぽんぽこ山本 at 2007-12-17 22:49 x
昨日はお疲れ様でした。
本日は私の番で、自宅の上の沢をN氏と原村職員2名、県職員1名と私の5名でミヤマシロの越冬巣の調査と食樹の毎木調査を行いました。食中毒上がりでメタボな私もキツイ登りでした。天候が安定していましたのでそれなりに楽しい調査だったのが救いでした。
八ヶ岳のミヤマシロは相当に危険な状態ですね!お互いがんばっていきましょう! 近い内に仮称「八ヶ岳・原村ミヤマシロチョウの会」を立ち上げる予定です。その時にはなにとぞよろしくお願いいたします。
また、虫林様のブログをご覧になられている皆様にもなにとぞご理解とご協力をお願いしたく思います。 (虫林様 勝手に書いてすみません)【ぽん!】
Commented by fanseab at 2007-12-17 23:25
雪を踏みしめながらの調査活動お疲れ様です。同じレッドデータ
ブック上の蝶でも温暖な地でなく、寒冷地での調査活動は本当に
頭が下がります。それにしてもE3、ISO=800が常用できるとは、
凄いです。冬空の表現はオリンパスの独壇場ですね!
Commented by ダンダラ at 2007-12-17 23:28 x
冬のミヤマシロ調査お疲れ様でした。
それにしてもNさんは連日の調査とはタフですね、恐れ入りました。
原村のミヤマシロは昔集団吸水を撮影したのでとりわけ思い出深いです。
「八ヶ岳・原村ミヤマシロチョウの会」には参加したいですね。大したことは出来ませんが。
Commented by thecla at 2007-12-17 23:40 x
ミヤマシロ越冬巣調査お疲れ様でした。
私は、先週東御市の調査に参加したので今回は、パスさせていただきました。
八ヶ岳のミヤマシロチョウの会には入会申し込みしているので、本当は参加しないといけないのでしょうけど・・・、原村はまた茅野とは別なのかしらん。
Nさんについていくのは大変です。前回はついていけませんでした(^^;
Commented by ここっとさん at 2007-12-18 02:11 x
虫の調査には体力がいるんですね。フランスは今寒波に襲われていて、夜はマイナス5℃程度、日中でも1℃かそこら、といった感じで、耳がちぎれそうです。
虫林さんは日本に一個体のみですので、貴重です。しっかり保全してください。
Commented by 虫林 at 2007-12-18 06:38 x
chochoensisさん、
有難うございます。
ミヤマシロチョウは我々が通常考えているよりも危機的な状況のようです。すでに、人為的な保全がないと危ないレベルに達しています。
この綺麗な蝶を少しでも後世に残したいものですね。
Commented by 虫林 at 2007-12-18 06:44 x
cactussさん、
東御市での調査、ご苦労様でした。
Nさんは歩くのが速いので、僕はついて行くのを諦めました。
もう少し体力があればいいのですが-----。
越冬巣の調査は食樹のある範囲で、できるだけ行ってきました。
問題はこれからですね。
Commented by 虫林 at 2007-12-18 06:52 x
ぽんぽこ山本さん、
長野県は行政が積極的みたいで良いですね。
こちらの調査地は山梨県側ですので、行政区がそちらと違います。N氏がこちらの行政に働きかける時はできるだけのことをしてあげようと思っています。山梨県側では多分、唯一の棲息地みたいですので、残したいものです。
八ケ岳・原村ミヤマシロを守る会は是非とも頑張ってください。
応援しています。
Commented by 虫林 at 2007-12-18 06:57 x
fanseabさん、
有難うございます。
ASA800は、カメラをいじっていたときの設定を戻すのを忘れていました。初歩的なミスです。いつまでたってもおっちょこちょいですね。でも、何とか使える画質だったので、良かったです。
Commented by 虫林 at 2007-12-18 07:03 x
ダンダラさん、
浅間山周辺のミヤマシロチョウはまだ深刻なレベルまでは行っていないのかもしれませんが、八ケ岳はどこでも危機的なレベルですね。
今回、ぽんぽこ山本さんが原村の守る会をつくるのであれば是非とも応援しましょう。
Commented by 虫林 at 2007-12-18 07:09 x
theclaさん、
八ケ岳のミヤマシロチョウを守る会がそういえば茅野で決起集会があったばかりでしたね。原村の会との関係は僕にはわかりません。
僕の調査地は、山梨県ですが、長野県と山梨県が一緒に保護しなければ、八ケ岳のミヤマシロは守ることができません。
色々教えてくださいね。
Commented by 虫林 at 2007-12-18 07:19 x
ここっとさん、
有難うございます。
今回は皆さんについて行くのがやっとでした。
ミヤマシロチョウも大事ですが、自分の体力の保全もこれからの重要課題になりましたね(笑)。
フランスは今寒いのですね。くれぐれも風邪などひかないようにしてください。ここっとさんもご自身の保全してください(笑)。
Commented by kenken at 2007-12-18 20:43 x
おぉっ、地道な調査活動、お疲れさまでした。
ミヤマシロが増えることを願っています。
夏に多くの姿が見れると良いですね。
日程があえば、ご一緒したいものです。
Commented at 2007-12-18 21:49
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ぽんぽこ山本 at 2007-12-18 22:09 x
虫林様  ここで皆様にお返事する事をお許しください。
ミヤマシロの保全を前提とする会を市町村単位で立ち上げています。小さな行政区の方が色々と小回りが利くこと、地元の地権者との問題などどうしてもスタートは別組織での立ち上げになります。(茅野市・原村・富士見町・北杜市)
もちろん昆虫には関係の無い線引きなので、将来はそれらの会が連絡を取り合い、一つの組織のように活動が出来る事が大切であると認識しております。個人的な考えですが、最終的に全組織が立ち上げるのが理想であると考えております。
行政がどこまで柔軟に対応してくれるか?予想もつきませんので?
とにかく前進あるのみです。 この場をお借りして回答させていただきました。山本 勝之
Commented by 虫林 at 2007-12-18 22:12 x
kenkenさん、
有難うございます。
今年の夏は、ミヤマシロの棲息が確認できましたので、来年の夏には、本部のN氏も含めて、皆さんに夏の環境を見ていただき対策を構築できれば良いと思っています。
日程があえば、是非ともご参加くだされば幸いです。
Commented by 虫林 at 2007-12-18 22:22 x
ぽんぽこ山本さん、
山梨県側(北杜市)の棲息地は、まだ夏に成虫が確認でき、冬に越冬巣を見つけることができたところです。行政への働きかけは、多分これらの資料をもとにこれからになります。すでにそちらは県や村の担当者が同行されたみたいですので、是非ともうまく立ち上げていただければ良いかなと思います。
応援しますよ。
Commented by 虫林 at 2007-12-18 22:32 x
nozさん(非公開コメント?ですので)、
コメント有難うございます。
僕は完全なメタボですので、彼らと同じペースで歩くの初めから諦めていました。かなり歩きましたので、お腹は半分くらいになりましたよ(笑)。
八ケ岳のミヤマシロは是非とも守りたいですね。
でもどうすれば?-----が課題ですね。
Commented by 日本チョウ類保全協会 中村康弘 at 2007-12-20 10:58 x
虫林さん、日曜日は本当にご協力ありがとうございました。また、ぽんぽこ山本さん、cactussさん、theclaさん、ありがとうございました。
火曜日には、環境省の方と一緒に湯ノ丸付近の続きをやっておりました。さすがに雪がかなり積もっていて大変でした。
 虫林さんと行った場所は、予想していたよりもよかったことと、環境としては、八ヶ岳の中でもかなり良い場所と思います。今後は山梨県の行政の人にも参加してもらって何とかこちらも保全対策を進めたいと思っております。
 ミヤマシロチョウは他のチョウと比較すると個体数を回復させるのは簡単だと思いますが、環境の維持を継続的にしなければなりません。
Commented by 保全協会中村(続き) at 2007-12-20 10:58 x
 今一番のポイントと思っているのは、ミヤマシロチョウが生息する生息環境のメカニズム(動態)です。ヒロハヘビノボラズは陽樹で崩壊斜面やその他類似した環境に生える植物です。そのため、その場所が安定化し土壌条件などが良好になってくると他の木が侵入し、それに被陰されて、その時点でミヤマシロチョウは利用できなくなり、さらにヒロハヘビノボラズ自体も枯れてなくなってしまいます。
 そのため、ミヤマシロチョウは、長期的なスケールでみると、一部の環境の変化しづらい場所を除き、こうした不安定な環境を渡り歩いて生き延びてきたと考えられます。そういう意味では、ミヤマシロチョウにとって、山が崩壊したり、河川が氾濫したりすることは必要不可欠だったわけです。しかし、これは人間側にはよくないので、人は逆に安定化する方向でさまざまな対策をしています。そのため、この自然のダイナミズムとともに生きてきたミヤマシロチョウは行き場を失ってしまったのです。ただ、よかったのは、人間の里山管理などで八ヶ岳などでも人為的にミヤマシロチョウに好適な環境を作りだしてきました。しかし、これもなくなってしまい、さらに絶滅寸前になっているのが現状と言えるでしょう。
Commented by 保全協会中村(続き2) at 2007-12-20 10:59 x
  本当の意味でミヤマシロチョウをシンボルに自然を取り戻すならば、山が崩れ、河川が氾濫してもよい具合に、人がそうした場所から移住することが必要なのでしょうが、それはとてもできないことです。
 そのため、ミヤマシロチョウを保全するために、我々にできることとすれば、ヒロハヘビノボラズのある生息地で木を伐って、植生の遷移段階を止めることでしょう。ぽんぽこ山本さんをはじめ、会員のみなさまほか、地元の方々のご尽力によって、このような活動は来年からスタートできそうです。結構成果がでるのは早いのではないか、と期待しているところです。
 ミヤマシロチョウひとつとっても、自然のシンボル(ものさし)として、自然に対して理解が進み、考えさせられることも多いです。
 今後ともご理解・ご協力の程、よろしくお願いいたします。
Commented by 虫林 at 2007-12-20 17:36 x
中村さん、
コメント有難うございます。
ミヤマシロチョウの保全にしっかりとした考えで取り組まれていることがよくわかります。小生にできることは微々たるものかもしれませんが、これからも継続して、八ヶ岳のミヤマシロの保全をお手伝いできたら幸いです。
さしあたり、来年の夏は、このプロジェクトにご一緒できそうなヒトと一緒に成虫の観察に行きたいと思っています。その時はまた宜しく。
行政への働きかけは、このプロジェクトの最も大事な部分でしょう。県有林ですので、山梨県への折衝の際はぜひとも声をかけてください。

もしも中村さんのコメントをみて、中村さんへのコメントをお書きになりたい方がいましたら、遠慮なくこのコメント欄をご使用になって結構ですので、コメントしてあげてください。
by tyu-rinkazan | 2007-12-17 00:42 | ▣ミヤマシロチョウ | Comments(34)