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20071224 県南のチョウ達:ヤマトシジミほか (山梨県・静岡県)

朝、家内とNHKの連ドラ「ちりとてちん」を見て、またまた涙腺がゆるんでしまった。最近、涙もろくなってきたのかも知れない。それにしても、このドラマは週末や祝日に山場を持ってくるのが上手だと思う。

本日は、クリスマスイブだ。
我が家では、今年はクリスマスパーティやデコレーションまではしないが、ケーキくらいは家族で食べることにしている。子供が幼い頃は、面白かったが、大きくなった現在では、クリスマスも年々盛り上がりに欠けてくるようだ。日本では基本的に、商業戦略としてつくられたものだから、軽薄なのだ。

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外に出てみると、風が少し強いが快晴だ。
甲府盆地を囲む山々(南アルプス、富士山、八ヶ岳、秩父連山)が青空をバックにくっきりとその雄姿を見せている。よし、今日は天気が良いので、富士川に沿って南に下ろう!

虫林の運転する車は、いつのまにか県南の南部町を過ぎて、お隣(静岡県)の芝川町まで来てしまった。ここまでくると、道路沿いにはカシ類や竹林が多く、サザンカの赤い花が色を添えている。

道路脇に車を止めて、小道に沿って中に入ってみた。しばらく坂を上ると、広場になり、その奥に古い神社を見つけた。木の葉が積もっていて見難いが、神社の前には土俵がある。夏にはここで相撲大会をやるのだろうか。神社の入り口の大きなイチョウが歴史を物語っているようだ。
20071224  県南のチョウ達:ヤマトシジミほか (山梨県・静岡県)_d0090322_21144987.jpg
古い神社

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Old shrine
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14,, F18.0, 1/250, EV-2, ASA 400

(2007-December-24, Shizuoka)


神社の手前に日当たりの良い草原があり、みると青白いシジミチョウが飛んでいた。どうやらヤマトシジミのようだ。この時期にヤマトシジミに会えるとは思わなかった。静止したチョウをみると冬の装いの♂であった。裏面も見たかったが、無常にも飛んでいってしまった。

南国(沖縄以南)では、ヤマトシジミは1年中見られるチョウらしいが、この辺りでは、12月下旬にこのチョウを見ることは少ないと思う。12月24日(クリスマスイブ)のヤマトシジミの観察は、僕の最も遅いヤマトシジミ観察レコードになった。

これが、今年見ることができる最後の非越冬チョウの観察になるのかな。
でも、こんな年の瀬もせまった寒い時期にも関わらず、非越冬チョウのヤマトシジミがけなげにも生きている姿は、最普通種であってもとても愛おしくまた貴重なチョウのように思えた。
20071224  県南のチョウ達:ヤマトシジミほか (山梨県・静岡県)_d0090322_2117257.jpg
冬のヤマトシジミ♂

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I saw a pale grass blue in the grass land around the shrine. This may be my latest record to see the Pale Grass Blue.
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, F18.0, 1/800, EV-2.7, ASA 400

(2007-December-24, Shizuoka)


神社の奥は、杉林で、部分的に竹林やカシやタブなどの暖帯樹木も混ざっている。
ゆっくりと周りの木を観察しながら歩いていくと、チラチラと2頭のムラサキシジミが飛んで目の前のチャの葉に静止して日光浴を始めた。
20071224  県南のチョウ達:ヤマトシジミほか (山梨県・静岡県)_d0090322_21191738.jpg
日光浴するムラサキシジミ♀

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A female Japanese Oakblue basking on the leaf with the wings opened.
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Olympus E-3, Olympus 8mm FISHEYE, EC-14, Gyorome-8, F18.0, 1/800, EV-2.7, ASA 400

(2007-December-24, Shizuoka)


先週(土曜日)、ブログにアップしたGyoromeレンズのテストの結果を、早くも実践で試すときが来た。やはり、条件設定さえ間違わなければ、GyoromeはZuiko 50mm MACRO + EC-14になかなか良い相性を示すみたいだ。

ここまで寄ると、細部まで描写できるが、広角的な虫の目写真にはならない。
とりあえずGyoromeが実際に使用できそうなので安心した。
20071224  県南のチョウ達:ヤマトシジミほか (山梨県・静岡県)_d0090322_2120041.jpg
ムラサキシジミ♀

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Gyorome image;a female Japanese Oakblue basking on the leaf with the wings opened.
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, Gyorome-8, F20.0, 1/160, EV-4.0, ASA 400

(2007-December-24, Shizuoka)


ふらふらと歩いていたら、ムラサキツバメが開翅しているのに出会った。今日は気温が高く、ぽかぽかしているが、それにしてもチョウが活発に飛んでいるとは思わなかった。
20071224  県南のチョウ達:ヤマトシジミほか (山梨県・静岡県)_d0090322_21201428.jpg
日光浴するムラサキツバメ♂

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A male Powdered Oakblue basking on the leaf with the wings opened.
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Olympus E-3, Olympus 8mm FISHEYE, EC-14,F20.0, 1/80, EV-0.7, ASA 400

(2007-December-24, Shizuoka)


アオキの葉上にウラギンシジミを見つけた。何とか近づいて撮影できそうだったので、Gyoromeレンズで、太陽バックの写真を撮影してみた。もちろんストロボを日中シンクロさせている。面白い雰囲気の写真になったようだ。

それにしても、gyoromeで太陽をバックに撮影すると、ゴーストやフレアが多く、これとの戦いになる。大部分の写真はゴーストのためにボツになった。
20071224  県南のチョウ達:ヤマトシジミほか (山梨県・静岡県)_d0090322_21202678.jpg
太陽とウラギンシジミ

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Gyorome image;Angled Sunbeam resting on the leaf.
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, Gyorome-8, F32.0, 1/160, EV-3.7, ASA 400, Built-in flash(+)

(2007-December-24, Shizuoka)

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芝川町からの帰り際に、南部町のムラシ・ムラツの混合越冬集団を覗いて見ることにした。3週間ぶりなので、少し心配だったが、まだしっかりと確認することができた。
本日は、ムラシ4、ムラツ1で、前回の観察よりも、ムラシの数が減ってしまった。

でも、集団が健在であることを確認できたので、一安心といったところである。
20071224  県南のチョウ達:ヤマトシジミほか (山梨県・静岡県)_d0090322_2120402.jpg
ムラシ・ムラツ混合越冬集団

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A wintering colon of mixed Japanese Oakblue and Powdered Oakblue the leaf .
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Olympus E-3, Olympus 8mm FISHEYE, EC-14, F29.0, 1/60, EV-0.7, ASA 400, Built-in flash (+)

(2007-December-24, Yamanashi)


Gyoromeを装着して、ストロボ撮影をしてみた。
4頭のムラシに1頭のムラツからなる集団だ。ムラツは大きく、裏面の模様も複雑なので、見ればわかるね。2頭ずつ、チョウが頭を接触させている。

越冬中の個体が頭(顔?)を接触させている姿は、房総半島を訪れたときも見かけたが、何か特別な意味があるのかな?
20071224  県南のチョウ達:ヤマトシジミほか (山梨県・静岡県)_d0090322_21205316.jpg
ムラシ・ムラツ混合越冬集団

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Gyorome image;A colony of mixed Japanese Oakblue and Powdered Oakblue
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, Gyorome-8, F32.0, 1/160, EV-3.3, ASA 400, Built-in flash(+)

(2007-December-24, Yamanashi)


大きなカエデの幹にヒメカマキリを見つけた。
虫林はもともと直翅目が好きではない。あのおなかが膨らんだ状態が、何とも生理的に受け付けないのだ。でも、被写体としては、カマキリも面白いかも。
20071224  県南のチョウ達:ヤマトシジミほか (山梨県・静岡県)_d0090322_21212510.jpg
。。。。。。。。。。ヒメカマキリ

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。。。。。。。。。。Gyorome image;Rearhorse
。。。。。。。。。。Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, Gyorome-8, ASA 400
。。。。。。。。。。(2007-December-24, Yamanashi)

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§Epilogue§

クリスマスだというのに、ヤマトシジミ、ムラサキシジミ、ムラサキツバメが飛翔していたのには驚いた。これが異常気象の影響でないことを祈るばかりだ。

甲府市内に比べると、南部町や芝川町は吹く風も温かい。これからは寒くなるにしたがって、虫林もアサギマダラのように南下していこうかな。
Commented by banyan10 at 2007-12-25 15:30
ドラマはほとんど見ないのですが、「ちりとてちん」は昼間の再放送で見る日が多くなってしまいました。(笑)
すでに一眼でgyoromeを使いこなしていますね。僕の場合はストロボ使用は諦めているので羨ましいです。
Commented by chochoensis at 2007-12-25 18:13
虫林さん、ムラサキシジミとムラサキツバメが頭をくっつけているの葉面白いですね・・・相談しているみたいで愉快です。gyorome画像は本当に面白いです・・・いつみても素敵です・・・太陽を背にしたウラギン素晴らしいです。ヒメカマキリは未だ観察したことがないので羨ましいです。
Commented by 虫林 at 2007-12-25 19:07 x
banyanさん、
「ちりとてちん」は、毎朝(衛星の朝7時45分のもの)必ず見ています。これは「いもたこなんきん」以来の良いできですね。どうも朝の連ドラは関西系がうまいみたいです。関東NHKも頑張れ!---です。
gyoromeのデジ一での使用は、僕も今まで考えていませんでしたが、試してみたら、何とか使えそうなので、これから冬の間に色々と遊んでみようと思っています。ストロボはあると小さな昆虫には便利ですね。
Commented by 虫林 at 2007-12-25 19:16 x
chochoensisさん、
ムラシやムラツは越冬しているときは、頭を中心部に向けていました。気温が上がってくると、向きを変えて反対側を向いていました。頭をつけている写真は、もっと拡大したのがあるので、後ほど追加掲載しておきますね。そちらの観察個体ではいかがですか?
Gyoromeは特殊なレンズですので、我々が通常の撮影で観察できないような画像を可能にしてくれると思っています。いつも試行錯誤ですが、これも写真の楽しみだと思って遊んでいます。
ヒメカマキリは、2匹が大きなカエデの幹で日向ぼっこしていました。僕も出会うのは初めてなので、一応掲載してみました。そちらでも幹を注意すれば、出会うかもしれませんね。
Commented by ぴくぱ at 2007-12-25 20:52 x
gyoromeって一眼レフにも使えるんですね。似たようなシステムなので、大変興味深かったです。
Commented by cactuss at 2007-12-25 20:55
さすがに芝川町まで行くと、暖かいのですね。
まだ、蝶が飛んでいるのが、すごいです。
8ミリ魚眼とEC-14の組み合わせはなかなか良さそうですね。
ただ、両方を買うとちょっと高いので、考えてしまいます。
Commented by kenken at 2007-12-25 22:06 x
ヤマト、青いくて白いねぇ~冬型と言ってよいかもです。
ムラツの集団も興味深い・・・えぇなぁ~
cactussもお書きですがOlympus E-3+Olympus 8mm FISHEYE+EC-14の組み合わせがGOODですね、E-3のみでも、そのバリアングル液晶でおおいに買う価値ありですね。CANON40D用の資金を思わず投入しそうになる・・・Olympusはまったくレンズの資産ありませんが、それでも欲しいなぁ~
Commented by kenken at 2007-12-25 22:07 x
↑上記、「cuctussさん」と書くべきところ、敬称を抜かしてしまいました。
すみません。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2007-12-25 23:04
関東ではムラサキ系の集団越冬すんなりと撮影出来るのですね。うらやましいです。ヤマトシジミまだ健在でしたか。越冬は無理でも、年越しは十分に可能なようです。好ましい傾向ではないと思いますが、蝶撮影屋にとっては長く遊べてうれしいですね。
Commented by 虫林 at 2007-12-25 23:38 x
ぴくぱ さん、
Gyoromeは昨年の12月から、Ricoh GX-8に装着してたのしんできましたが、デジ一でも可能みたいです。ただ、このレンズは相性がありますので、その辺が問題ですね。
しかし、ものはためしですので、もし良かったら使用してみてください。
私に分かる事であれば、何でも質問していただいて結構ですよ。
ぴくぱ さんはオリンパスでは、私の先輩ですので、gyoromeとの記事は完全にオーバーラップしますね。
Commented by 虫林 at 2007-12-25 23:47 x
cactussさん、
芝川町は、甲府よりもかなり暖かいと思いました。寒くなるにしたがって、だんだんと南下していこうかなと思っています。最後は伊豆半島かな?

海野和男さんもブログの中で書かれていましたが、8ミリ魚眼とEC-14の組み合わせはとても良いです。この8ミリ魚眼にEC-14を組み合わせると、魚眼効果が弱まって、自然な感じの写真になるので気に入っています。価格が少し高いので、数ヶ月前にお金をためて購入しておきました。
もしもオリンパスのデジ一を買われるのであれば、このレンズの組み合わせはオススメですよ。
Commented by 虫林 at 2007-12-26 00:01 x
kenkenさん、
E-3の購入に当たっては、僕もレンズ資産が皆無でしたので、オリンパスの導入には覚悟が少しいりましたね。清水の舞台から飛び降りてしまいました。
E-3のバリアングルファインダーによるライブビューはコンデジほど便利なものではありませんが、いざという時には使用すると便利かな?
Olympus 8mm FISHEYE+EC-14は文句無くオススメです。僕は今まで、シグマ15mmやペンタックスのFISHEYEズームなどを使用しましたが、このFISHEYEはレンズのできも描写も今までのものより良いと思いました。
キャノン40Dも文句無く良いカメラですので、色々と悩ましいですね。
Commented by 虫林 at 2007-12-26 00:06 x
nozomuさん、
コメント有難うございます。
ムラサキ系といっても、ムラサキツバメは山梨では稀で、静岡県の芝川町でも1頭しか見ることができません。一方、ムラサキシジミの方は、かなり見ることができるので、これからも楽しみにしています。
この時期になると、さすがに非越冬種の姿が無くなり、寂しくなりました。
今回のヤマトシジミを見たときは、とても嬉しかったです。
Commented by grassmonblue at 2007-12-26 13:43 x
明るい冬晴れのもとでのチョウたち
いきいきと活写されていますね。
拝見するだけで嬉しくなります。
こちらも今日は大変寒くて、さすがに非越冬チョウの姿は見られないのではないかと思います。
Commented by spatica at 2007-12-26 18:21 x
ムラサキ兄弟にウラギンにヒメカマキリ、みな南方系の雰囲気の虫たちですね。諏訪から見ると甲府でも十分南国の雰囲気なのですが、さらに南下するともっと暖かいのでしょうか。
実はgyoromeはこっそり買ってあるのですが、マスターレンズの選択がなかなか難しくて…こればっかりはいろいろ試してみるしかないのしょうね。
Commented by 虫林 at 2007-12-26 18:37 x
grassmonblueさん、
有難うございます。
さすがに寒くなりましたので、非越冬チョウはそろそろ終了かな?と思っていましたが、ヤマトシジミを1頭ですが、見ることができたのが嬉しかったです。これから、3月までが長く感じますね。
昆虫達の観察も、冬には冬の楽しみがあるかと思いますので、何とか見つけて楽しみたいものです。
Commented by 虫林 at 2007-12-26 18:38 x
ぴくぱ さん、
Zuiko 50ミリマクロ+EC14をお持ちであれば、僕と同じセッティングでいけますので、試して見られたら良いかと思います。後ほど、ゆっくりとメールでご連絡差し上げます。
Commented by 虫林 at 2007-12-26 18:44 x
spaticaさん、
県南や静岡ですと、今の時期でも、気温さえ上がれば蝶たちに会えるので行ってしまいました。最終的には伊豆半島あたりで、チョウの他にタテジマカミキリあたりを観察してみたいと思っていますが、中々遠くて重い腰があがりません。
オリンパス以外では、gyoromeは100mmマクロでいけると思いますが、被写界深度や露出の関係はそれぞれで試す以外にはないと思います。でも、これも写真の楽しみですよね。
Commented by spatica at 2007-12-26 23:10 x
タテジマカミキリ!!
一度その越冬シーンを見てみたい、憧れのカミキリですね。
下田あたりは多いそうですが、流石に遠いですね(笑)。
gyoromeに100マクロはまだ試してませんでした。
そのうちやってみたいと思います。
Commented by ダンダラ at 2007-12-26 23:39 x
魚眼にgyoromeと不思議の世界にまっしぐらという感じですね。
ムラシとムラツの混合集団の写真は、なかなかここまで深くピントを合わせての写真というのは撮れないので、gyoromeの威力抜群と言うところでしょうか。
ちょっと周囲が流れているのが残念なような気もしますが、それでもすごいですね。
Commented by 虫林 at 2007-12-27 08:08 x
spaticaさん、
実は芝川町でもカクレミノをさがしたのですが、残念ながら見つけることができませんでした。やはり、伊豆半島まで行かなければダメかもしれませんね。Gyoromeがうまく行くことを祈っています。
Commented by 虫林 at 2007-12-27 08:13 x
ダンダラさん、
僕の見ているムラシの中の一頭のムラツは、完全にムラシ化してしまい。自分がムラツだとは思っていないようなふしがあります(笑)。
皆さんが観察していますように、ムラシは枯葉、ムラツハ緑葉という法則が本来の姿だと思いますが、このムラツは平気で枯葉の上で越冬しています。
でも、面白いですね。
Gyoromeや魚眼レンズの世界はいろいろと面白い楽しみ方ができそうなので、この冬の間にトライしているところです。何とか撮影できそうなので、これから楽しみです。
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by tyu-rinkazan | 2007-12-24 21:32 | ▣ヤマトシジミ | Comments(22)

Photographic Adventures for Insects and Flowers


by 虫林花山
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