NATURE DIARY

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20080114  真冬に飛ぶ蝶:フユシャクの林 (山梨県甲府市)

§Information§

第2回チョウ類保全シンポジウム-ギフチョウ・ヒメギフチョウ-が開催されます。

◆日時:2008年2月10日(日)10:00~16:30
◆場所:群馬県渋川市民会館
◆主催:特定非営利活動法人(NPO法人)日本チョウ類保全協会
◆共催:群馬昆虫学会・赤城姫を愛する集まり
◆後援:群馬県教育委員会・渋川市教育委員会・(財)日本自然保護協会・日本鱗翅学会
◆参加費:無料(どなたでも参加することができます)


詳しい内容はここをクリックしてください →Information


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§Preface§

冬には多くの動植物は休眠する。
冬に休眠しないのは、お馬鹿な人間とその周りの哺乳類だけか-------と思っていたら、真冬に成虫が出現し、交尾し、産卵するという変わり者がいた。

それは、「フユシャク」と呼ばれるシャクガの一群だ。

このけったいな蛾の仲間は、冬に出現するというだけではなく、色々とユニークな特徴を持っている。例えば、メスもオスも口吻がなく、食事はしない。また、メスは翅が退化し、飛ぶことができないという。

フユシャクの仲間は、日本に25種ほどもいるそうで、フユシャクを集めるフユシャクマニアも多いと聞く。そんなフユシャクをゆっくりと観察してみたいと以前から思っていた。

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§Diary§

本日(連休最終日の月曜)は天気が良く、絶好のフユシャク日和だ(本当かね?)。
午後2時過ぎに自宅近くの散歩道「武田の杜」に行くことにした。陽が落ちるまでに2時間ほどある。

駐車場に車を止め、歩き始めるとまもなく、水溜りがあった。何気なく水溜りに張っている氷をみると、面白い模様がついていたので撮影してみた。
d0090322_20113322.jpg
氷の模様

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Icy puddle with curious pattern
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Olympus E-3, ZD 50mm MACRO, EC-14, ASA 200

(2008-January-14, Kofu-shi, Yamanashi)


フユシャクを探しながら、落ち葉の積もった小道をゆっくりと歩いた。コナラを主体とする雑木林では、ほとんどの木が葉を落とし、冬枯れの景色を見せている。さすがに虫の気配は無い。

敷き詰められた落ち葉の中に、綺麗なマメ科の植物の種を見つけた。形からすると、多分、ニセアカシアの種なのだろうか------何となく撮影。
d0090322_2012725.jpg
落ち葉の中の種

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Seeds on the path drifted with leaves
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Olympus E-3, ZD 50mm MACRO, EC-14, ASA 200

(2008-January-14, Kofu-shi, Yamanashi)


色々な木の樹幹を見て歩くが、フユシャクを見つけることはできなかった。
そういえば、フユシャクは桜の幹にいるとどこかで聞いた覚えがある。ならば、以前に花見に訪れたことのある桜の木の林に行って見よう。

しかし、桜の林でもなかなか発見できず、そろそろ諦めて帰ろうと思ったときに、目の前の太い幹にやっと待望のフユシャクを見つけた。フユシャクの仲間のメスだ。

フユシャクのメスは思ったよりも小さい(体長7mmくらいか)。なるほど、これでは見つけにくいわけだ。さらに、樹皮に良く似た色彩でカモフラージュされているので、目をその場所から離すと、再度見つけ出すのが難しいくらいだ。

なにはともあれ、待望のフユシャクを見つけたのは嬉しい。
その小ささを表現するために、まずは広角で撮影した。
d0090322_20121884.jpg
コナミフユナミシャク Operophtera brunneaのメス

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A female of winter moth, Operophtera brunnea , resting on the trunk of cherry tree.
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Olympus E-3, ZD 8mm Fish-eye, ASA 100

(2008-January-14, Kofu-shi, Yamanashi)


メスのフユシャクは、翅がとても小さく、これでは飛ぶことはできない。印象的なのは、足が長いことだ。

調べた限りでは、どうやらコナミフユナミシャクで良さそうだが-------自身はない。
間違っていたら、コメントをいただきたい。
d0090322_20122913.jpg
コナミフユナミシャク Operophtera brunneaのメス

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A female of winter moth, Operophtera brunnea , resting on the trunk of cherry tree.
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Olympus E-3, ZD 50mm MACRO, ASA 100

(2008-January-14, Kofu-shi, Yamanashi)


少しつついたら、器用に幹上を歩き始めたので、側面から撮影してみた。
歩くときは、ヒヨコのように小さな翅を上にあげる様子がユニークだ。

そうか、このムシは、飛ぶのが苦手な分、歩くのが得意になったのかもしれない?
d0090322_20124164.jpg
樹幹上を歩くコナミフユナミシャク Operophtera brunneaのメス

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A female of winter moth, Operophtera brunnea, walking on the trunk of cherry tree.
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Olympus E-3, ZD 50mm MACRO + Gyorome-8,, ASA 400, Built-in-Flash (+)

(2008-January-14, Kofu-shi, Yamanashi)


いかにも産卵するような姿勢をとったので、驚いた(実は産卵ではなかった)。
Gyoromeを装着し、ストロボをたいて、拡大撮影して見ると、フユシャクのメスの体は、防寒のためか、ぶ厚い毛皮のコートをまとっているようにモクモクして見える。
d0090322_20125245.jpg
樹幹で静止するコナミフユナミシャク Operophtera brunneaのメス

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A female of winter moth, Operophtera brunnea, resting on the trunk of cherry tree.
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Olympus E-3, ZD 50mm MACRO + Gyorome-8,, ASA 400, Built-in-Flash (+)

(2008-January-14, Kofu-shi, Yamanashi)


フユシャクのメスは、小さくて見つけ難い。
しかし、1頭見つけると、コツがわかるのだろうか、あるいは意識の中にイメージができるのだろうか、いくつか別な個体を見つけ出すことができた。

この個体は、前述のコナミフユナミシャクと模様が良く似ているが、体が細く、翅の黒い帯が太く明瞭だ。同じ種類なのだろうか?
d0090322_2013358.jpg
樹幹で静止するコナミフユナミシャクのメス?

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A female of winter moth, Operophtera brunnea, resting on the trunk of cherry tree.
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Olympus E-3, ZD 50mm MACRO + Gyorome-8,, ASA 400, Built-in-Flash (+)

(2008-January-14, Kofu-shi, Yamanashi)


これはまた別の個体だが、模様はコナミフユナミシャクにも類似しているが、全体の色彩が明らかに茶色っぽい。ウーム、フユシャクは同定は難しい。
d0090322_20131672.jpg
樹幹で静止するフユシャクのメス

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A female of winter moth, Operophtera brunnea, resting on the trunk of cherry tree.
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Olympus E-3, ZD 50mm MACRO + Gyorome-8,F22, 1/20, EV-3.3, ASA 400

(2008-January-14, Kofu-shi, Yamanashi)

d0090322_20132788.jpg
樹幹で静止するフユシャクのメス

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A female of winter moth, Operophtera brunnea, resting on the trunk of cherry tree.
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Olympus E-3, ZD 50mm MACRO+Gyorome-8, F32, 1/160, EV-3.3, ASA 400, Built-in-Flash (+)

(2008-January-14, Kofu-shi, Yamanashi)


結局、メスは7-8頭を見つけることができたが、オスはなかなか見つけ出すことができなかった。帰る直前に、とうとうオスのフユシャクも見つけることができた。
その木は、すでに見た木だった。

やはり、見ているようで見ていないのだ。
オスのフユシャクは、翅の模様からクロバネフユシャクと同定したが、これまた自信がない。。
d0090322_20134143.jpg
クロバネフユシャク Alsophila foedataのオス

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A male of winter moth resting on the trunk of cherry tree.
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Olympus E-3, ZD 50mm MACRO, EC-14, F5.6, EV-1.0, ASA 200

(2008-January-14, Kofu-shi, Yamanashi)


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§Afterword§

蝶の成虫がいないこの時期には、冬だけに活発に活動するフユシャクの存在はありがたいものだ。もう少し、深く観察して見たいと思っているが、なにぶん知識が乏しくて同定もおぼつかない。

でも良い機会なので、これから興味を持って調べていこうと思う。
成虫が冬だけに出現するフユシャクは、僕にとっては真冬に飛ぶ蝶なのだから!
Commented by ぴくぱ at 2008-01-18 14:10 x
蛾と蝶の区別はないというものの、あまり蛾には興味がもてませんでした。でも、この記事を読んで、フユシャクを見たくなりました。結構、可愛いですね。こんなに種類がいることも初めて知りました。これからは桜の樹、気をつけてみてみようと思います。
Commented by chochoensis at 2008-01-18 16:35 x
虫林さん、氷の波模様素敵ですね!=フユシャク=私には難しすぎます・・・。gyoromeは、綺麗に撮影されていますね。メスのほうは更に難しそうですが時期的には、=コナミ=に賛成です・・・。ナミスジフユナミシャクがオオナミフユナミシャクと、コナミフユナミシャクに分かれたようですが、触角の先の部分の節の長さの違いで識別できるそうですね・・・。
時期は、コナミの方が遅く出現するらしいので、私もそう思います・・・。
成虫雄のほうは、=クロバネフユシャク=に私も賛成です。
流石ですね・・・今度教えていただかないといけませんね・・・。
クロバネに似た種類のシロオビとは雌では尾端の色が違うそうですが雄では識別できそうです・・・難しいです・・・。
Commented by spatica at 2008-01-18 22:07 x
虫林さんもフユシャク始めですね。素晴らしい!
オスの方はクロバネに一票ですが、メスは厄介ですね。以前神奈川でコナミらしきメスを見ましたが、その時は2月後半か3月だったような…。こちらでももしかしたらオオナミのメスの生き残りもいるかもしれませんし、時期も微妙で決め手に欠けるよーな気もします…。
あと、ナミスジ一派のメスで小さいと感じるのでしたらぜひシモフリトゲエダシャクのメスを探してみては…。普通種にも関わらずメスの大きさは日本最大級!!だそうですよ。
Commented by 虫林 at 2008-01-18 22:16 x
ぴくぱ さん、
真冬の時期にわざわざ発生するなんて面白いですよね。
是非とも観察してみてください。
見つけたときは、それなりに嬉しいものですよ。
Commented by 虫林 at 2008-01-18 22:18 x
chochoensis さん、
暖かいコメント有難うございます。
フユシャクは本当に難しいですね。
色々と勉強になりました。
これからも宜しくお願いします。
Commented by 虫林 at 2008-01-18 22:21 x
spaticaさん、
まだまだ初心者マークをつけていますので、どうぞ宜しくお願いします。
それにしても、フユシャクの同定に関しては、難しいのがわかりました。
シモフリトゲエダシャクのメスも探してみますね。
Commented by ダンダラ at 2008-01-18 23:13 x
一連の写真を拝見すると、gyoromeの威力が抜群ですね。
こういった写真には最適のレンズのような気がします。
わたし、寒い冬の日に老眼を苦にしながら探す元気がありません。越冬卵も同じですが。
Commented by 虫林 at 2008-01-19 02:08 x
ダンダラさん、
Gyoromeは、今度のシステムでは、通常のマクロレンズの上に、フィルターのようにつけるだけですので、簡単になりました。この冬の間に色々試してみたいと思っています。
フユシャクは初めに見つけるのが手間取りましたが、1頭みつけると、次は簡単に見つかります。見ているようで見ていないのですね。
寒くてもムシを探してしまうのは習慣ですかね?
Commented by gucci 人気 at 2013-07-22 08:24 x
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by tyu-rinkazan | 2008-01-17 20:25 | ■他の昆虫 | Comments(9)