NATURE DIARY

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20080809 南アルプスの峪散歩:ベニヒカゲ(山梨県)

Nature Diary #0195
Place: Minami-arupusu-shi, Yamanashi-Pref.
Date: August 9th (Saturday)
Weather: heavy downpour after fine



§ Diary §

ベニヒカゲを見に南アルプスに行く。

バスをおりてN川に沿った静かな林道をしばらく歩いた後、堰堤をまいて林を抜けると稜線まで一望できる広く開けた谷に出る。そこには草原状に草つきが発達し、グンナイフウロ、タカネニガナ、タカネナデシコ、キオン、マルバダケブキなどの花々がこの時期には咲き誇っている。

誰もいない谷の草つきに一人で寝転んで風に吹かれてみたい---------と後に訪れる災難(災難1,2)も知らずに呑気に考えていた。

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南アルプスの峪 (2008-August-9, 南アルプス市)

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A habitat of the Japanese Argus in the valley of South Alps.
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EX MACRO



クモマベニヒカゲ

(災難1)
歩きにくい斜面を登り、沢をこえた。しかし、本日は沢の水が多く、不覚にも石の上で足を滑らしてしまった。ずぶ濡れになったが、幸いカメラはケースに入れていたので助かった。沢の渡りは足が濡れてもよいから、安全な場所で水の中を行くのが良い。


この谷にはここ数年通っている。今回はベニヒカゲが目的だったがまだクモマベニヒカゲも見ることができた。クモマベニヒカゲは2000mを超す高地にしか生息しない高山蝶で、白黒のフリルのついた翅には、赤橙色の帯に眼状紋を持ち、縦に走る白い帯が大きなアクセントになっていてとてもオシャレに見える。

この開けた谷にふさわしい住人(住チョウ)だ-----。

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マルバダケブキで吸蜜するクモマベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Arran Brown
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EX MACRO

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マルバダケブキで吸蜜するクモマベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Arran Brown
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)



ベニヒカゲ

ベニヒカゲを見るには少し時期的に早いかなと思ったが、草つきの所々で飛んでいた。しかし、やはり発生初期のようで、見かけたベニヒカゲの大部分はオスだった。このチョウは黄色い花がとくに好きなようで、キオンやマルバダケブキの花で吸蜜していた。

ここのベニヒカゲは、とても敏感で、なかなか近づいて撮影することが難しい。とくにキオンの花での吸蜜では、ベニヒカゲがいる花までせっかく斜面を登ったり降りたりしても気配がしただけで飛ばれてしまうことが多いのだ。

殺気ならぬ撮気を消す術を身につけよう。。

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。。。。。。。。。。キオンで吸蜜するベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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。。。。。。。。。。The Japanese Argus
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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)

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。。。。。。。。。。飛翔するベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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。。。。。。。。。。Flying feature of The Japanese Argus
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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)、トリミング


この場所のベニヒカゲは、翅表の赤色帯が発達しておりとても綺麗だ。

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キオンで吸蜜するベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Japanese Argus feeding on the flower with the wings opened
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)

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マルバダケブキで吸蜜するベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Japanese Argus feeding on the flower
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


この個体は、オスなのに、後翅裏にうっすらと帯が出ている。

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マルバダケブキで吸蜜するベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Japanese Argus feeding on the flower
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


何を思ったか一頭のベニヒカゲが虫林のカメラに静止した。そこで、片手でベニヒカゲが静止したオリンパスを持って、広角レンズを装着したペンタックスで撮影した。

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カメラの静止したベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Japanese Argus resting on my camera
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EX MACRO



ツマジロウラジャノメ

マルバダケブキの花には、ベニヒカゲなどに混ざってツマジロウラジャノメが吸蜜に来ていた。ツマジロウラジャノメは崖のチョウであるが、このような草原の花で吸蜜するのは意外だった。裏面の眼状紋が大きくはっきりしている。

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マルバダケブキで吸蜜するツマジロウラジェノメ(2008-August-9, 南アルプス市)

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The White-tipped Woodland Brown feeding on the flower
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


ツマジロウラジャノメは1頭だけではなく、数頭が花から花へ飛び回っていた。花に訪れたところを飛翔写真で撮影してみた。

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飛翔するツマジロウラジェノメ(2008-August-9, 南アルプス市)

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Flying feature of the White-tipped Woodland Brown
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)



ギンボシヒョウモン

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。。。。。。。。。。飛翔するギンボシヒョウモン (2008-August-9, 南アルプス市)

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。。。。。。。。。。The Dark Green Fritillary
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。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EX MACRO、トリミング

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。。。。。。。。。。飛翔するギンボシヒョウモン (2008-August-9, 南アルプス市)

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。。。。。。。。。。 The Dark Green Fritillary
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。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EX MACRO、トリミング


ミドリシジミ

やや大型のシジミチョウが目の前にふらふらと飛んで静止した。あわてて近づいてみると、どうやらミドリシジミらしい。この時期にゼフは意外だった。

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ミドリシジミ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Green Hairstreak
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


ミドリシジミは飛んで岩の上に静止して開翅した。翅を閉じていた時は結構新鮮だと思っていた。しかし開翅すると結構傷んだB型のメスだった。

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ミドリシジミ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Green Hairstreak
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


(災難2)
午前11時くらいから雲が多くなってきた。
ウーム、夕立が来るかもしれないなと思い、何はともあれ急いで峪を降りることにした。すると、案の定、林道に到着したとたん強い雨が降ってきた。

あわててポンチョをリュックから出して、頭からかぶり急いで歩いた。こんな時は簡単につけることができるポンチョがとても便利だった。ちなみにポンチョはゴアテックスのモンベル社製で、普通のポンチョに比べると少し値段は高いが、非常に軽いのと蒸れ難いのでとても便利だった。

途中、雷も鳴りだしたので、、おへそを隠して(ウソ)、一目散に走るように広河原まで歩いた。結局、いつもだと3時間の行程を、2時間で歩いたことになる。


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§Afterword§

虫林の好きな南アルプスの峪のベニヒカゲは、敏感で、昨年はろくな写真が撮影できなかった。しかし、今年は何とかまともな写真が撮影できたので嬉しく思う。でも、観察したベニヒカゲはほとんどオスで、メスは1頭(白色型)のみだった。

このところ、毎日のように午後になると夕立と雷が発生する。山の中での雷はとても怖い。雷を伴う豪雨の中を一人で歩くのはもうこりごりだ。



以上、 by 虫林花山
Commented by maeda at 2008-08-11 06:05 x
赤紋の発達したベニは綺麗ですね。
クモベニの赤とは色彩が異なるようで、いっそう赤が深い感じがします。
Commented by chochoensis at 2008-08-11 09:03 x
虫林さん、=クモマベニヒカゲ=憧れて数年経ちます・・・来年はチャレンジしたいと考えています・・・しかしすこし無理かな?綺麗な写真を拝見してますます意欲を持ちました・・・。素敵だな!
Commented by 蝶山人 at 2008-08-11 18:03 x
これだけ素晴らしい写真撮れれば
お書きになった事件なんて災難のうちに入らないのでは・・・
飛翔写真は益々腕を上げられたようで
特にツマジロなんて静止写真でも難しいのに
飛翔なんて凄いです。
虫林さんの「強運」御利益に預かるよう
ゴマやキベリご一緒させて下さいm(_ _)m
Commented by 霧島緑 at 2008-08-11 19:11 x
ベニ、クモベニ撮影おめでとうございます。じっくり撮影できたことが十分伺えます。
クモベニの広角写真に写し込まれた背景を見て、虫林さんがお気に入りなのがうなづけます。高山蝶はこのような背景で写し込みたいですね。
ここ数日、山梨は夕立がひどかったみたいですね。くれぐれも気をつけてくださいね。
Commented by banyan10 at 2008-08-11 21:36
ベニヒカゲは楽な場所へ行ってしまうことが多いですが、八ヶ岳はさすがですね。飛翔もきまっています。
クモベニの広角も素晴らしいですし、ツマジロも羨ましいです。
Commented by spatica at 2008-08-12 00:47 x
どの写真も素晴らしいですが、特にクモベニの広角が恐ろしいほどキマってますね。
高山蝶だとアクセスなど難があるのでついつい敬遠しがちですが、こんな写真を見せられてしまうと…。
目に毒です(笑)。
Commented by fanseab at 2008-08-12 11:26
マルバダケブキやキオンのような黄色の花と濃茶のジャノメを
綺麗に色再現されていて流石だと思います。
単独行での沢沿いの遡行は転倒のリスクと隣り合わせですね。
十分にご注意あれ。小生もキリシマ狙いの鈴鹿で何回もヤバイ
転倒をしております。
Commented by dragonbutter at 2008-08-12 18:57 x
クモマベニはもちろんですが、ギンボシの飛翔写真もすばらしいと思いました。
それにしても今年は雷雨が多いですね。私は先日後立山に登りました。ハイマツ仙人に会うことができましたが、下りに遠見尾根で雷にまで会ってしまい生きた心地がしませんでした。
Commented by ヘムレン at 2008-08-12 20:12 x
クモベニ、ベニ・・さすがですね。素晴らしいです。
ツマジロは、今年出会えませんでしたが、大好きな蝶です・・・というか、みんな好きですが(^^;)。。
ギンボシの飛翔、見事ですね~。。いつもいつも素晴らしい写真をありがとうございます。
Commented by たにつち at 2008-08-12 22:25 x
いいですねえ、夏山、その渓谷!って雰囲気満点。
背景を入れた広角がいいですね。
いいなあいいなあ、クモベニ。ここではかなり苦労したのに、ゆっくりとは撮影させてくれませんでしたよ。
ミドリシジミもいるのですね。傷ついてますが、新鮮な個体のようです。
Commented by 虫林 at 2008-08-13 16:23 x
maedaさん、
北海道のベニと本州のベニとは赤紋の発達が少し異なるみたいですね。
南アルプスのベニの赤紋の入り方が僕は好きで、毎年撮影して今します。
Commented by 虫林 at 2008-08-13 16:25 x
chochoensis さん、
クモマベニは色彩がお洒落な気がして撮影するととても気持ちが良いですね。chochoensisさんも是非とも来年チャレンジしてみてください。
Commented by 虫林 at 2008-08-13 16:29 x
蝶山人さん、
有難うございます。
僕は単独行が多いので、注意はしているのですが、時々失敗します。今回は、実は転んだだけでなく、指を2本突き指しています(笑)。
僕の飛翔写真は運ばっかりで、それほどのものではありませんよ。
ゴマやキベリはご一緒できると良いですね。
Commented by 虫林 at 2008-08-13 17:52 x
霧島緑さん、
有難うございます。
ここは広い谷で、ベニの季節には全く人はきません。キランやマルバダケブキの花が多くてとても綺麗な別天地です。良いところですよ。
Commented by 虫林 at 2008-08-13 17:53 x
banyanさん、
ツマジロの訪花は意外でした。それも複数が群れていましたので、驚きました。こんなこともあるのですね。
Commented by 虫林 at 2008-08-13 17:55 x
spaticaさん、
南アルプスは車が規制され、バスを乗り継いでいくのが難点ですが、それだけ静かになっているようです。その場所は人が来ないので、ゆっくりと蝶と遊ぶことができますよ。
Commented by 虫林 at 2008-08-13 17:59 x
fanseabさん、
有難うございます。
単独行が多いので注意はしているのですが、時々失敗します。
今回は川の中での転倒し、ずぶぬれになりましたが、カメラが助かったのが不幸中の幸いでした。キリシマのポイントはかなり凄いところみたいですが、すばらしい写真を出されていましたね。
Commented by 虫林 at 2008-08-13 18:02 x
dragonbutterさん、
ギンボシは結構たくさんいましたので、飛翔写真を撮影しました。飛翔写真では背景が重要だと思っています。今回は背景に助けられました。
山での雷は本当にキモを冷やしますね。
Commented by 虫林 at 2008-08-13 18:04 x
ヘムレンさん、
お褒めいただき恐縮します。
写真技術よりもモデルと場所がよかったと思います。ベニヒカゲは林道でもいくらでも見ることができますが、やはりこの谷まできて撮影しないと気がすみません。こだわりですかね。
Commented by 虫林 at 2008-08-13 18:07 x
たにつちさん、
コメント有難うございます。この谷はのんびりできるのでお気に入りです。高山蝶はやはり高山の雰囲気のあるところで撮影したいと思っています。でも、ここのベニヒカゲはとても敏感で、昨年は失敗しました。
今年はリベンジでした。
by tyu-rinkazan | 2008-08-10 23:35 | ▣ベニヒカゲ | Comments(20)