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20080810 富士山散歩:クロシジミ (山梨県)

Nature Diary #0196
Place: Minami-arupusu-shi, Yamanashi-Pref.
Date: August 10th (Sunday)
Weather: fine


<万歩計>
4年に1度のアスリートの祭典であるオリンピックが北京で始まった。テレビで観戦していると、彼らの鍛え上げられた肉体には驚くばかりだ。------うーむ、昔は虫林も。

歩くことを運動の目安にすると、虫林の場合、せいぜい一日6千歩から7千歩止まりで、明らかに運動不足だ。かといって、スポーツジムに高いお金を払って、あたかも“ハツカネズミ”のようにマシンのベルトの上を走る気はさらさらない。しかし、こんな虫林でもフィールド散歩にでると、万歩計の数字は1万歩を楽に越えている。とくに2週間前の上高地での散歩では、なんと4万5千歩をこえたのだ-----これは虫林のささやかな金メダルだ。

メタボのくせに運動する気もないレイジーな虫林にとって、週末のフィールド散歩は健康維持のための必要不可欠な運動療法(exercise therapy)なのだ-----と家内にうそぶいている。


§ Diary §

日曜日はたにつちさんとご一緒して富士山麓の高原を訪れた。そこは、数年前にクロシジミを撮影した場所で、荒地の中に灌木が島嶼状に繁茂し、小さな池が散在している。そういえば、前回に訪れた時にマムシを見かけたので草叢は要注意だ。

クロシジミ

ポイントに到着してしばらく探すとブッシュの脇からクロシジミが飛び出した。大きさはゴマシジミとほぼ同じで、色合いも似ているので飛翔時に両者を区別するのは難しい。しかし、クロシジミは長く飛ぶことはなく、すぐに葉上に静止するのでわかる。

20080810  富士山散歩:クロシジミ (山梨県)_d0090322_23424656.jpg
クロシジミ (2008-August-10 富士河口湖町)

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The Gray-pointed Pierrot
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EX MACRO


クロシジミはクロオオアリと共生するアリ蝶で、以前は広く分布していたらしいが、現在では生息地は非常に局限される。8月ともなるとさすがにスレたものが多いが、新鮮な個体も見られた。

20080810  富士山散歩:クロシジミ (山梨県)_d0090322_23432312.jpg
クロシジミ (2008-August-10 富士河口湖町)

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The Gray-pointed Pierrot
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


初めて開翅を撮影したが、このメスは翅表基部に非常にわずかながらも青麟がでているよ
うだ。いつかもっと青いメスを撮影してみたいものである。

20080810  富士山散歩:クロシジミ (山梨県)_d0090322_23434267.jpg
翅表基部に青燐を伴ったクロシジミ♀ (2008-August-10 富士河口湖町)

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A female of Gray-pointed Pierrot
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)



ゴマシジミ

ここはゴマシジミも生息することを聞いていた。時期的に少し早いのかなと思っていたが、確かに数頭のゴマシジミを見ることができた。

20080810  富士山散歩:クロシジミ (山梨県)_d0090322_23435952.jpg
ゴマシジミ (2008-August-10 富士河口湖町)

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The Teleus Large Blue
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


ゴマシジミはワレモコウやヤマハギの花で吸蜜いていた。

20080810  富士山散歩:クロシジミ (山梨県)_d0090322_23441275.jpg
ヤマハギの花で吸蜜するゴマシジミ (2008-August-10 富士河口湖町)

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A Teleus Large Blue feeding on the flower
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)



ホシチャバネセセリ

ホシチャバネセセリは最も小さなセセリチョウで、飛んでいるときはハエのようだ。このチョウは、広い草原のなかでどこにでもいるものではなく。やはり多い場所がある。

ススキの葉に静止するホシチャは、よく見ないと見逃してしまうくらいに小さくてかわいい。

20080810  富士山散歩:クロシジミ (山梨県)_d0090322_23442646.jpg
ホシチャバネセセリ (2008-August-10 富士河口湖町)

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The Japanese Scrub Hopper
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)

20080810  富士山散歩:クロシジミ (山梨県)_d0090322_23443937.jpg
ホシチャバネセセリ (2008-August-10 富士河口湖町)

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The Japanese Scrub Hopper
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


ミヤマカラスシジミ

ミヤマカラスシジミがヒメジオンの花で吸蜜していた。

この草原にはミヤマカラスシジミの食草のクロツバラの木がとても多い。草原に点々とある背の低い灌木はクロツバラのようだ。

20080810  富士山散歩:クロシジミ (山梨県)_d0090322_2345429.jpg
。。。。。。。。。。ミヤマカラスシジミ (2008-August-10, 富士河口湖町)

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。。。。。。。。。。The Mera Black Hairstreak
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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)

20080810  富士山散歩:クロシジミ (山梨県)_d0090322_2345225.jpg
ミヤマカラスシジミ飛翔 (2008-August-10 富士河口湖町)

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The Mera Black Hairstreak
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


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§Afterword§

富士山麓にクロシジミの撮影に訪れたのは3年ぶりくらいだろうか、生息地の環境には特別な変化はなく、時期的にはさすがに遅いようだったが何頭ものクロシジミが迎えてくれて嬉しかった。来年はもう少し早い時期に訪れることにしよう。

1年ぶりでたにつちさんと撮影にご一緒して、とても楽しい一日だった。
ご苦労様でした。



以上、 by 虫林花山
Commented by clossiana at 2008-08-14 09:01 x
私はフィールドへ出かける時以外の仕事などでも車を使っていますので計った事はありませんが、一日の歩行数は極端に少ないのです。ですので、この頃はたいした山でなくても、すぐに疲れてしまいます。ガソリン代も高いし、この際普段から、もっと歩くように心がけるつもりではいますが、はたして。。。クロシジミやホシチャの健在ぶりを見せて頂き嬉しいです。標高にもよるのでしょうがクロシジミの成虫期間って、割と長いのですね。
Commented by chochoensis at 2008-08-14 17:48 x
ゴマ・・・ゴマ・・・と探していますが先日の写真は破損個体でがっかり、虫林さんの写真は綺麗ですね・・・素晴らしい・・・こういう写真を撮影したいです・・・うらやましい。
Commented by banyan10 at 2008-08-14 18:45
毎日、撮影で歩ければ健康には最高なんですけどね。(笑)
これにヤマキチョウが加わると富士山麓の夏の蝶が勢揃いでしょうかね。
ここのミヤマカラスの食樹はクロツバラでしたか。どうもなかなか覚えられません。(^^;
Commented by たにつち at 2008-08-15 00:14 x
いきなりのご連絡にかかわらず、貴重な時間をお付き合いいただき、たいへんお世話になりました。
ヤマキチョウの話をしながら歩いていたので、クロツバラと言ってしまいましたが、たくさんあったのはクロウメモドキですね、きっと。すいません。
そのヤマキチョウ以外は、計画どおり撮影できて、成果ありました。
ホシチャはよく見つけられてましたねえ。
当方、ようやく、その前までを記事にしてたどり着けました(^^
Commented by ヘムレン at 2008-08-15 14:50 x
ゴマがいいですね~。。草原にあったのは、クロウメモドキ?クロツバラ?同じ仲間だし、ミヤマカラスはどちらも食しますよね。ヤマキチョウはクロツバラですから、ヤマキチョウがいるということはクロツバラ・・かも(^^;)。。ヤマキチョウ・・・どんどん少なくなっていますかね。。見たいです。
Commented by ぽんぽこ山本 at 2008-08-15 15:32 x
たにつちさん この場をお借りして・・・・
コロツバラが正解です! 富士周辺のミヤマカラスシジミはクロツバラ食いで大きいですよね! どうも、クロウメモドキよりもいい餌のようです。
我が家の庭でも両種で発生していますが結果は同じです。【ぽん!】
Commented by furu at 2008-08-15 19:27 x
クロとゴマが両方見られる場所は貴重ですね。
ここはゴマやヤマキチョウをメインに行くと他の蝶は末期だったりして、一度で網羅するのが難しいですね。今年もホシチャの良い時期に行きそびれてしまいました。
私の場合、歩き過ぎてかえって健康に悪い気がします。
Commented by ダンダラ at 2008-08-15 23:22 x
虫林さんもあの場所にお出かけでしたか。
今年はゴマはそれほどでもないようですが、クロシジミが多い感じですね。
ホシチャも健在なようでうれしい限りです。
Commented by kmkurobe at 2008-08-16 11:56 x
私の出掛けるクロシジミの発生地にもゴマシジミの記録が会ったので何回も通いましたが、結局姿を見ることができませんでした。ゴマシジミのほうが発生期がかなり遅い気がします、そちらでは一緒に飛んでいるのですね。
Commented by maeda at 2008-08-16 15:53 x
ホシチャ、ミヤマカラスシジミなど撮ってみたい蝶ですが、この時期のそちらの草原は暑そうですね。
知っているだけに思い出してしまいます。
残暑が厳しいですがまだまだ蝶と遊べますね。
Commented by thecla at 2008-08-16 22:34 x
富士山麓のクロシジミにゴマシジミ、気がつけばもうそんな時期なのですね。
いつももっと早く行かなきゃと思いながら、ついつい出遅れてしまい、今年は行かずじまいになりそうです。来年こそ、クロシジミのベストの時期に行かないと。
Commented by 虫林 at 2008-08-16 23:07 x
clossiana さん、
クロシジミとホシチャが健在でホッとしました。両種ともここ以外に発生場所を知らないので、ここがダメになると困ります。
健康のためには歩くことが基本ですね。
Commented by 虫林 at 2008-08-16 23:09 x
chochoensisさん、
山梨県内のゴマシジミは、その棲息地が非常に局限されていますが、富士山周辺ではまだ結構見られます。他の場所には採集者が多くて困ります。
Commented by 虫林 at 2008-08-16 23:11 x
banyanさん、
ヤマキチョウらしきチョウも目撃しましたよ。でも、撮影するまでにはいたりませんでした。クロツバラはこの草原には非常に多いようですね。
Commented by 虫林 at 2008-08-16 23:13 x
たにつちさん、
ご苦労様でした。何とかクロシジミとゴマシジミ、ホシチャバネセセリが予定通りに撮影できて良かったです。
クロツバラは小生も図鑑で確認しました。
Commented by 虫林 at 2008-08-16 23:23 x
ヘムレン さん、
クロツバラみたいですよ。ここの潅木のほとんどがクロツバラで、注意深く見ると、ミヤマカラスが非常に多く見られました。ヤマキチョウらしき黄色い蝶も見かけましたが、撮影できませんでした。
Commented by 虫林 at 2008-08-16 23:25 x
ぽんぽこ山本さん、
貴重なコメント有難うございます。
富士山の草原にはクロツバラが非常に多いみたいですね。見たところ、潅木の大部分がクロツバラのようでした。アカムネハナカミキリはいないかな?
Commented by 虫林 at 2008-08-16 23:28 x
furu さん、
クロはほかで見られませんので、ここは非常に貴重ですね。クロには青メスがいるらしいのですが、いつかみたいです。全ての種類をあわせるのは難しいです。furuさんは歩くので良いと思いますよ。
Commented by 虫林 at 2008-08-16 23:37 x
ダンダラさん、あそこに行ってきました
富士山のゴマはすでに少し古くなったのもいたので意外でした。ゴマは止まってくれないので、撮影は難渋しました。ホシチャはやはり古くなっていましたが、個体数は結構いましたので安心しました。
Commented by ここっとさん at 2008-08-16 23:41 x
今日本に来ています。日本はシジミチョウがいっぱいいるなぁ。と、改めて感激しました。きれ~いな真っ青なのや、ベニシジミ(おそらく)なんかもみました。フランスでは図鑑に載ってるけど見たことありません。どこにいるのかしら・・・。
私もマクロレンズで撮影を試みましたが、とても虫林さんのようには撮れません・・・。
Commented by 虫林 at 2008-08-16 23:45 x
kmkurobe さん、
こちらのクロシジミはだらだらと発生しているようで、ゴマシジミの発生と少しダブるみたいです。でも、やはりゴマの時期のクロはボロが多いです。
Commented by 虫林 at 2008-08-16 23:48 x
maeda さん、
今こちらでは、ゴマの最盛期で、あとは山地性のタテハ(キベリタテハなど)だと思います。これからは、ツマグロキチョウやシルビアシジミなどが対象になっていきますね。まだまだ楽しめます。
Commented by 虫林 at 2008-08-16 23:52 x
thecla さん、
僕も今までこの時期に富士山は行きませんでした。今回はたにつちさんとご一緒したので、行くことになりました。来年は僕もクロの良い時期に訪れてみようと思います。ご一緒しましょうね。
Commented by 虫林 at 2008-08-16 23:55 x
ここっとさん、
お帰りなさい。
この時期の日本は蒸し暑いので、大変ですね。
フランスも郊外に行けばチョウ達に会えると思いますが、この時期だと少し遅めですね。いつかフランスのチョウ達も撮影してみたいです。
マクロの撮影は気合です!ココットさんのセンスがあればOKです。
Commented by たにつち at 2008-08-17 23:47 x
ぽんぽこ山本さん、ご無沙汰しております。この場を借りまして御礼申し上げます。
そうですか、クロツバラでよいのですか。。拙者は、どちらも見分けられないのですから、世話ないですね。
そんなにクロツバラ多いながら、ヤマキさんには会えず残念でした~~
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by tyu-rinkazan | 2008-08-13 23:47 | ▣クロシジミ | Comments(25)

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