NATURE DIARY

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20081116 キャノンPower Shot G10と接写システム (山梨県)

Nature Diary #0219
Date: November 16th, 2008
Place: Kofu, Yamanashi Pref.
Weather:Fine and Cloudy



3年近く愛用しているリコーのコンデジ GR-D は、撮影の最中にフリーズしてシャッターをきる事ができないという不調が時々出てきた。その不調は突然出るので、予測ができずにあわててしまう。そこで、思いきって 別なコンデジを購入することにした。

当初は同じリコーの GR-D II や GX200 にしようかとも考えたが、何となく別の会社の製品も使ってみたい気がして、結局、キャノンから発売された Power Shot G10 (以下 G10 )を通販で購入した。

虫林にとってのコンデジは、いわゆる お散歩カメラ という位置づけなので、機能が素晴らしくともポケットに入らないほど大きなものは不可である。G10 は GR-D に比べてかなり大きくて重い。でも、出っ張りが少ないのでポケットに入れて散歩するにはぎりぎり許容範囲の大きさと重さだと思う。

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リコー GR-D (左)とキャノン Power Shot G10 (右)

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Comparative display of Ricoh GR-D (left) and Canon Power Shot G10 (right)


キャノンの純正ストロボは、いずれの機種も G10 には大きすぎる。先週、所用で東京を訪れた際に、新宿の「ヨドバシカメラ」でG10用の外部ストロボを探したところ、サンパックのストロボ RD2000 (キャノン用) を見つけた。RD2000 は小型軽量で、G10 に取り付けるとぴったりフィットする。また発光部はバウンズ用に上に向ける事ができるが、実は下方にも動くので(下の写真)、小昆虫の接写にも適している。

G10 はマニュアル露出とともに外部ストロボの発光をカメラ側で制御できるというコンデジにあるまじき優れた機能が付いている。G10 と RD2000 の組み合わせは、昆虫撮影に強い見方になってくれるはずだ。

さらに、小型昆虫用の接写システムを構築するために、G10 のコンバージョンレンズ用のアダプターとレイノックス社のスーパーマクロレンズを2種類 (DCR-250とMSN-202) を購入した。

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。。。。。。。。。。左: RD2000、右:CL用アダプター、MSN-202、DCR-250

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。。。。。。。。。。The equipments for marco-photographs



G10 では広角側(28mm)で 1cm までの接写が可能だ。実際に使用するとレンズぎりぎりまでフォーカシングができる。しかし、レンズが被写体にあまりに近いと光が回らないのが欠点になる。

そこで、レイノックスのスーパーマクロレンズを装着すると、望遠側を使用して接写するので、被写体がさらに拡大できるとともに、レンズと被写体の間の距離(ワーキングディスタンス)を長く(5cm以上?)とることができる。この距離の長さは、自然光やストロボの光が被写体の前面にまで十分に回りやすくなるという利点がある。また、昆虫の警戒心を軽減させて撮影を容易にする効果も期待できるだろう。

このレイノックスのマクロレンズには、内径可変式の装着用アダプターが標準で付属していて、G10用コンバージョンレンズ用の筒の先に簡単に装着できる。ただこの装着だと少し弱いかも知れない。実際の野外撮影ではステップダウンリングで筒に取り付けた方が、落として紛失する危険は回避できると思われる。

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。。。。。。。。。。 Power Shot G10の接写システム

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。。。。。。。。。。The Power Shot G10 with the equipments



§ Diary §

キイロスズメバチ; Landscape

昼近くになって雨もあがって日が差してきたので、G10を持ってゆっくりと近くの公園を散歩した。

サザンカの花を覗いてみたら、大きなキイロスズメバチが訪れていた。キイロスズメバチは危険なので、一瞬近づくのをためらったが、低気温のために動きが鈍いようなので撮影してみた。

G10 に外部ストロボの RD2000 を装着して撮影したが、被写体との距離が非常に近いにも関わらず光がうまく回っているのが嬉しい驚きだった。

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キイロスズメバチ (11月16日、甲府市)

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A yellow hornet on the flower of Camellia sasanqua
(Canon Power Shot G10, ASA100, Sunpack RD2000)




セミの抜け殻; Cast-off skin of a cicada

カシの木の葉裏にセミの抜け殻を見つけた。逆光のためストロボを用いて日中シンクロで撮影してみた。黄葉したイチョウと紅葉したカエデを背景に入れることができた。

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セミの抜け殻 (11月16日、甲府市)

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Cast-off skin of a cicada
(Canon Power Shot G10, ASA100, Sunpack RD2000)




ナツアカネ; Symptrum frequens

この時期でも、アカトンボはかなり飛んでいた。その中でのんびりした個体を発見したので、Laynox 社のスーパーマクロレンズ DCR-250と MSN-202 を交互に装着して撮り比べてみた。

やはり拡大倍率の低い DCR-250 は撮影しやすく、これなら動いている甲虫でも気軽に撮影できそうだ。しかし、MSN-202 では、拡大倍率が高くて、手持ちでフォーカスをあわせるのが難しい。

さらに、G10 はカメラの絞りが F8.0 までしかないので(GR-DではF9.0)、MSN-202 を装着すると、被写界深度がかなり浅くなってしまう。

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DCR-250 でナツアカネのアップ (11月16日、甲府市)

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A high power view of the face of dragonfly
(Canon Power Shot G10, ASA100, Sunpack RD2000、Laynox DCR-250)


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MSN-202 でナツアカネのアップ (11月16日、甲府市)

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A high power view of the face of dragonfly
(Canon Power Shot G10, ASA100, Sunpack RD2000、Laynox MSN-202)




ヤマトシジミ; Pale Grass Blue

ヤマトシジミの青メスが足もとから飛び出し、目の前の草に静止した。青い部分はそれほど広くないが、後翅表面の辺縁に並ぶ黒紋が青燐で囲まれて綺麗だ。G10望遠側で撮影。

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ヤマトシジミ♀ (11月16日、甲府市)

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A Pale Grass Blue on the hay
(Canon Power Shot G10, ASA100)



エノコログサの上に静止した個体は、寒さのためにあまり動かないようなので、スーパーマクロレンズ(MSN-202)で拡大撮影してみた。

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MSN-202でヤマトシジミのアップ (11月16日、甲府市)

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A Pale Grass Blue on the hay
(Canon Power Shot G10, ASA100, Sunpack RD2000、Laynox MSN-202)




ナナホシテントウ; Seven spotted ladybird

ナナホシテントウを見つけた。DCR-250 では下の写真くらいの拡大だ。このくらいの拡大ならば、ストロボの光もよくまわり、被写界深度も満足のいくレベルになる。

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DCR-250によるナナホシテントウ (11月16日、甲府市)

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Seven spotted ladybird
(Canon Power Shot G10, ASA100, Sunpack RD2000、Laynox DCR-250)




水滴; Water droplet

雨上がりの枝についた水滴を撮影して見た。水滴を明瞭に撮影するのは難しい。

かろうじて DCR-250 で撮影できたが、MSN202では被写界深度が浅すぎてうまく撮影できなかった。下の写真は、DCR-250 で撮影した水滴をトリミング拡大したものである。

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水滴 (11月16日、甲府市)

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Water droplet
(Canon Power Shot G10, ASA100, , Sunpack RD2000、Laynox DCR-250、トリミング)



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§Afterword§

現在、すばらしく個性的なコンデジが各社から発表されている。

今回購入した G10 は、どちらかといえばオーソドックスで、これといった特徴は乏しそうだが、カメラとしての成熟度は高い。また、キャノン最新の撮影エンジン DIGIC4 の搭載で、画質をはじめ種々の機能が良くなったようだ。

サンパックの RD2000 ストロボは、G10 に装着するとまるで誂えたみたいに調和がとれている。でも、G10 のシボリが F8.0 までしかないのは、被写界深度が深いコンデジといえども、スーパーマクロレンズでの接写撮影ではかなりのハンディキャップになりそうだ。とくに、このF値では MSN-202 は立体的な撮影には残念ながら不向きで、特殊な拡大のみで利用できるかもしれない。

とにかく、 このG10 + RD2000 の接写システムを用いれば、小さな昆虫の接写が気軽に楽しめると思う。これから昆虫が少なく長~い冬の間にさらに色々と試してみよう。




以上、 by 虫林花山
Commented by fanseab at 2008-11-16 20:22
新システム完成おめでとうございます。
小生も超接写向けにRD2000を検討中なので、参考になりました。
G10は熟成されたコンデジだと思います。これにバリアングルがつけば
最高なんですけど、ポケットに忍ばせるには厚くなりすぎますね。
Commented by furu at 2008-11-16 21:57 x
Power Shot G10はかつてのレンジファインダー機を現代風にしたような無骨なデザインでそそられます。
DCR-250は最近余り出番がありませんが、以前は小昆虫のアップでよく使ってました。ワンタッチ装着用アダプターでは厳密なセンター合わせが出来ないので、ぴったりはまる適当なリングを接着して使ってました。
Commented by 虫林 at 2008-11-16 23:15 x
fanseabさん、
コメント有難うございます。
RD2000は非常にコンパクトで軽く、さらにカメラへの取り付け部が、ストロボ本体にクルリと入ってしまいます。また、光量も変えられるので、これからG10では活躍してくれると思います。
バリアングルは、同じキャノンのコンデジで発売されていますが、かなりそちらも魅力的でした。でも図体が大きいので、今回はG10にしました。でも良さそうでしたね。
Commented by 虫林 at 2008-11-16 23:19 x
furuさん、
コメント有難うございます。
G10は無骨なところがかえっていいですよね。でも、少し重いので、GR-Dのようにいつも首にかけていても気にならないというわけにはいきませんね。DCR-250はやはりステップダウンリングで筒に装着した方が良さそうですね。コンデジは望遠側のマクロでは、被写界深度があまり稼げない事がわかり、すこし残念です。
Commented by 愛野緑 at 2008-11-20 00:10 x
Canon党の私としては、興味深く読ませていただきました。
トンボやセミの抜け殻写真、ストロボの記事など参考にさせていただきます。続編もお待ちしております
Commented by 虫林 at 2008-11-20 07:07 x
愛野緑さん、
コメント有難うございます。
そういえば愛野緑さんはCanonのカメラでしたね。今回、初めてキャノンを購入しましたので、色々と試してみる事にしました。この時期は蝶もあまりいませんので、こんな事が楽しみになっています。
by tyu-rinkazan | 2008-11-16 18:05 | ■撮影機材ほか | Comments(6)