NATURE DIARY

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20090321 武田の杜のミヤマセセリ (山梨県)

Nature Diary #0244
Date: May 21st (Sunday), 2009
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:fair



§ Diary §

昨日(20日)の午前中はかなり雨が降ったが、午後から日が差して、気温が23.4℃まであがった。また、甲府市の「桜の開花宣言」が突然出されたのには驚いた(観測史上3番目の早さ)。

本日(21日)は朝から晴れているが、少し肌寒い。県南部で春チョウを探そうかとも考えたが、先週、ミヤマセセリを初見した武田の杜を再訪した。

武田の杜のヒルトップにある駐車場からは甲府市街と富士山が一望できる。

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甲府市街と富士山 (3月21日、甲府市)

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A morning landscape from the hill top of Tekdanomori
(Olympus E-3, ZD8mm + EC-14)



マメザクラ(フジザクラ); Spring flat

武田の杜の小径を散歩すると、先週までは息をひそめていたスミレ類やイカリソウ、コブシやマメザクラの花たちがあちらこちらで咲いていた。

マメサクラは富士周辺にその数が多いことからフジサクラともいう。山梨県の県花だ。そういえば、昔、「富士桜」という四股名の関取がいたことを思い出す。富士桜関は山梨県の甲府市出身の力士で、あだ名を“突貫小僧”と呼ばれていた。とにかく、小兵ながら真っ向から勝負する取り口はとても素晴らしかったことを覚えている。

マメサクラ(フジサクラ)の花はソメイヨシノなどの花に比べて小ぶりで、下を向いて咲く。

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マメザクラの花 (3月21日、甲府市)

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Prunus incisa
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)



ミヤマセセリ; Spring flat

<日光浴>

朝の小径をゆっくりとたどると、気温の上昇とともに先週は3頭しか見かけなかったミヤマセセリが次々と飛び出してきた。この時期の撮影は光と陰のコントラストが強すぎるので、外部ストロボを用いて撮影してみた。

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枯葉で日光浴をするミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat basking on the dry leaf.
(Olympus E-3, ZD8mm + EC-14、ストロボ)

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枯葉で日光浴をするミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat basking on the dry leaf.
(Olympus E-3, ZD8mm + EC-14、ストロボ)


ミヤマセセリは地味な配色で、昆虫を知らない人たちがこのチョウに初めて会うと必ず蛾だと思うだろう。しかし、チョウ屋にはこの渋い配色がワビやサビの魅力に満ちているのだ。

ミヤマセセリは歩いて行く少し前の地面から飛び出し、目で追っていると道に堆積した枯葉の上で静止する。静止した場所をしっかりと認識しておかないと、このチョウは巧みな保護色なので見つけるのがとても厄介だ。絵本の「ウォーリーを探せ」のように地面で目を凝らして存在を探さなければならない。

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枯葉で日光浴をするミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat basking on the dry leaf.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)


ミヤマセセリの正面からの写真を撮影して見た。前から見ると、黒い点(複眼かな?)が二つ並んで目のようにみえ、まるで、「オランウータン」の顔も持ったチョウにも見える。

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ミヤマセセリ正面 (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat basking on the dry leaf.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro、ストロボ)


<吸水>

昨日の雨でぬれた地面から塩類を摂っているミヤマセセリを見つけた。ミヤマセセリはこの場をなかなか離れようとせず飛び去っても戻ってきた。ミヤマセセリは花の少ないこの時期に、時々給水している姿をみることがある。

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湿った地面から塩類を摂るミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat feeding on the salts in moist ground.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)


<吸蜜>

正午を過ぎるとミヤマセセリは探雌飛行を繰り返して静止することが少なくなったが、花での吸蜜シーンがしばしば見ることができた。吸蜜植物は、タンポポ、オオイヌフグリなどの草の花の他に、マメザクラやチョウジサクラなどの木の花でも吸蜜していた。

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オオイヌノフグリの花で吸蜜するミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat nectaring on the flower
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)

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タンポポの花で吸蜜するミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat nectaring on the flower of dandelion.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)


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§ Afterword §

今年はギフチョウ出現の便りもすでに聞こえてきている。

過日の日本チョウ類保全協会のフィールド図鑑の打ち合わせで、よせば良いのに「ミヤマセセリの写真はまかせろ」と大見えをきってしまったので、先週に引き続き今週もミヤマセセリの撮影を優先させた。

ミヤマセセリは先週とは比べ物にならぬほど多くの個体が出現して虫林を楽しませてくれた。まだ発生初期のために、出現したミヤマセセリはすべてオスだった。これからは、徐々にメスも出現してくるのが楽しみである。

目撃した虫:ミヤマセセリ♂(多)、テングチョウ(10)、スジボソヤマキチョウ(3)、ルリタテハ(3)、ヒオドシチョウ(2)、アカタテハ(1)、クジャクチョウ(2)、ルリシジミ(1)、ツバメシジミ(1)、センチコガネ(1)



以上、 by 虫林花山
Commented by banyan10 at 2009-03-22 20:59
ミヤマセセリ担当でしたか。限られた時期しか撮影できないので大変ですね。雄の翅表はばっちりと思いますが、翅裏は吸蜜のときなど、機会も限られますね。
桜での吸蜜は見たことないですが、撮りたいシーンですね。来週あたりは雌の吸蜜が狙えそうですね。僕も狭山辺りの桜で狙ってみたくなりました。
Commented by thecla at 2009-03-22 21:27 x
ミヤマセセリ、ストロボ発光が良い感じですね。
裏面が最難関ですね。
私も春しか駄目な蝶もあるので、まじめに撮らないといけないのですが・・・。
Commented by grassmonblue at 2009-03-22 22:58 x
ミヤマセセリづくし、良いですね~
1枚目のような場合のストロボ使用もぜひ試してみたいと思いました。
このシックさ渋さにとても魅力を感じていますが、昨年来チャンスが少ないので、これからぜひトライしたいと思っています。
Commented by maeda at 2009-03-23 18:57 x
セセリは私が大好きな科の蝶です。
本州ではミヤマセセリが一番先に出てくるのでしょう。
でもこちらは微妙でして、チャマダラとどちらが早いか難しいです。
どちらにしても好きなセセリ科の蝶ですが。
Commented by kmkurobe at 2009-03-23 20:35
ミヤマセセリの吸蜜綺麗ですね。こちらは個体数が少なくてなかなか撮影できません。今年は大町まで出掛けてなんとか撮影しようと思ってます。実はコツバメと共に白馬では撮影困難種なのですよ・・・・
Commented at 2009-03-23 20:39
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ダンダラ at 2009-03-23 21:41 x
ミヤマセセリ、私も一枚かんでいたっけとメモを見直しました。
気楽な気持ちで撮れそうなので一安心です。
♂の方は使えそうな気もしますが、何しろ要求が高いので、安心できませんね。
Commented by 虫林 at 2009-03-24 06:58 x
banyanさん、
ミヤマセセリはこれからはもっと発生してきますので、意識して撮影しなければと思っています。静止したときにも裏面のチャンスはあったのですが、残念ながら直ぐに開いてしまうので悔しいです。
桜での吸蜜はうまく撮影できれば良いですね。
Commented by 虫林 at 2009-03-24 07:00 x
thecla さん、
ミヤマセセリの裏面は簡単なようでいてなかなかうまく撮影できていません。これからも挑戦してみようと思っています。でも、目標を持って撮影するのは意外とたのしいですね。
広角でストロボを用いると、枯葉のような場所では良さそうです。
Commented by 虫林 at 2009-03-24 07:03 x
grassmonblue さん、
日の光でコントラストの強い場面では、シャッター速度に全速同調の外部ストロボでの光は意外に有用でした。これからも少し使用していこうと思っています。
ミヤマセセリはこちらでは非常に多いので、今年は裏面の撮影にがんばって見ます。
Commented by 虫林 at 2009-03-24 07:09 x
maedaさん、
ミヤマセセリやチャマダラセセリは小生も渋くて好きです。こちらではミヤマはかなり多いのですが、チャマは非常に少なくいので貴重です。でも、春一番で出てくるこれらのチョウ達をみるのはとても楽しいですね。
Commented by 虫林 at 2009-03-24 07:12 x
kmkurobeさん、
白馬ではミヤマセセリは少ないというのは意外ですね。食樹のコナラの木が少ないのかな?
こちらでは里山の常連さんで、かなり個体数も多いようです。
4月は是非ともご一緒したいと思います。有難うございました。
Commented by 虫林 at 2009-03-24 07:15 x
ダンダラさん、
ミヤマセセリの写真は、機会がありましたら是非ともご協力くださいね。とくに裏面は意識しないと意外と苦戦しそうな気がしています。お助けを~(笑)。でも、ミヤマセセリも目標を持って撮影するとこれはこれで楽しいです。
Commented by chochoensis at 2009-03-28 10:30
虫林さん、=ミヤマセセリ=裏面は難しそうですね・・・シッカリ頑張ってください、期待しています・・・旅行の後始末がやっと終わってみなさんの画像を拝見しています、ミヤマセセリ・ギフチョウ・・・もうでているんですね・・・。忙しくなりそう・・・。
Commented by 虫林 at 2009-03-29 23:34 x
chochoensisさん、
有難うございます。でも、何とかミヤマセセリの翅裏の撮影は本日成功しました。意外に苦戦しましたので嬉しいです。
今年のchochoensisさんのフィールドの成果を楽しみにしています。
by tyu-rinkazan | 2009-03-22 18:39 | Comments(15)