NATURE DIARY

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カテゴリ:▣ヤマトシジミ( 11 )

20161030 秋の散歩道:尖がったクロコノマと艶やかなヤマトシジミに出会う

DIARY Vol.11 (735): #32, 2016 :

この時期はいろいろな学会や研究会でのパーティが多く、いつもカロリーオーバーになります。賢明な諸兄は「出席しても食べなければいいじゃん」と思うかもしれませんが、食い意地が張った虫林は知らず知らずのうちに食べてしまいます。というのも、10-11月は虫林にとって一年で最も食欲旺盛な時期なのです(冬眠前の熊みたい)。食べ過ぎのリセットには、スポーツジムに行って運動するよりも虫を探しながらの秋のフィールドを散歩するに限ります。

今回は地球温暖化で分布を広げたといわれているクロコノマチョウ。
そんな蝶を探して県南部から静岡県北部を歩いてみました。


クロコノマチョウ

小さな神社の孟宗竹の竹林。
直径15㎝くらいはありそうだ。
そういえば、ここは春の筍が名産だ。
迫力あるのでカメラを向けた。

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----孟宗竹
----
(October-30-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)


竹林に足を踏み入れると、足元から何頭もの大きな蝶が飛び出した。
バサバサと音を立てるように飛んで、近くに静止する。
この蝶の模様は地面に溶け込んでしまうので、よく見ないと見失う。
この時期に出てくるクロコノマはすべて翅の先が尖がった秋型だ。

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----栗の上で静止するクロコノマチョウ♀
----
(October-30-2016, Yamanashi, Canon EOS 5D-MIII, EF8-15mm F4/L USM Fisheye)

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----栗の上で静止するクロコノマチョウ♀
----
(October-30-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)

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----クロコノマチョウ
----
(October-30-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)



低温期型のヤマトシジミ

川のそばでたくさんのヤマトシジミに出会った。
オスもメスも美しい低温期型に衣替えしていた。
この時期のヤマトシジミたちは光り輝いている。

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----ヤマトシジミ♂
----
(October-09-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)


ヤマトシジミのメスの翅表は夏型では一様に黒色。
でも、秋型(低温期型)になると青色がのってとても美しい。
艶やかな個体を発見したので撮影した。
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----艶やかな青色がのったヤマトシジミ♀低温期型
----
(October-09-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)


秋型メスの色合いは個体によってさまざまだ。
いくつか撮影して並べてみました。
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----ヤマトシジミ♀低温期型の色彩多型
----
(October-09-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)



ナガサキアゲハ蛹

小さな物置小屋の壁に大きな蛹を見つけた。
僕は蛹には疎いが多分ナガサキアゲハの蛹かな。
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----ナガサキアゲハ蛹
----
(October-09-2016, Yamanashi, Canon EOS M3D MEF28mm Macro)


虫眼鏡ノート

週末のフィールド散歩は気分転換、健康維持に大切だとうそぶいていつも出かけてしまう。それにしても虫との出会いが難しい季節になりました。今回は県南部の小さなお宮で、運よくクロコノマチョウに会うことができました。この蝶は県南部では比較的目にすることが多いが、虫林が住む甲府市ではあまり見たことがありません(多分、棲息していると思うのだが)。虫の少ないことの時期には撮影すると嬉しい蝶です。


Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2016-11-05 19:14 | ▣ヤマトシジミ | Comments(6)

20131117 河原の散歩道:ヤマトシジミの誤求愛など

DIARY #557 :

昨日(土曜日)は母の 「卒寿祝い」 のため、久しぶりに神奈川の海辺に近い実家を訪れた。
虫林も若くはないのだが、母は相変わらず心配してくれる。母はいつまでたっても母だ。


河原の風景
本日(日曜日)はお昼近くに雲がとれて、きれいに晴れたので、自宅裏の河原を散歩。
MZD14-150mmをつけたE-M1、MZD60mm Macro、TG-2を 小型のBillinghamのバックに入れた。
このバックは1988年にイギリスで購入したので、すでに25年も使用している。良品は丈夫だね。
このくらい軽装備だとフィールド撮影散歩もとても楽ちんで楽しい。これから癖になりそうだな。


少し歩くと、突然、ゴリラの像が現れた。
誰が何のために設置したかは定かではないが、帽子を被って、服まで着せてもらっている。
このゴリラは、まるで目の前を通り過ぎる人々を見守っているようだ。

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---- Gorilla

------ Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm




求愛
ヤマトシジミの求愛やヤマトシジミのベニシジミへの誤求愛まで見ることができた。
高倍率ズームのMZD14-150mmでの撮影だが、意外にシャープに撮影できた。
このレンズはこれまで昆虫の撮影には使用していなかった。

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----Courtship Behavior of Pale Grass Blue

----- Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm


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----False-courtship Behavior of Pale Grass Blue and Small Copper

----- Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm





オオムラサキの幼虫

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---- A Caterpillar of the Great Purple Emperor

-----Olympus TG-2 Tough




ゴマダラチョウの幼虫
黄葉したエノキの葉に黄色く色づいたゴマダラチョウの幼虫。
葉を少しめくって、タフのスーパーマクロで頭部の撮影もできた。
この幼虫の葉は糸で枝に固定されていた。

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---- A Caterpillar of the Japanese Circe

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro


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---- A Caterpillar of the Japanese Circe

----- Olympus TG-2 Tough


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---- A Caterpillar of the Japanese Circe

----- Olympus OMD E-M1, MZD60mm Macro




夕暮れのチョウ

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----Small Copper

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro


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----Small Copper

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro


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---- Eastern Pale Clouded Yellow

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro


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----Forsefly

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro





POSTSCRIPT :

E-M1を最近導入したので、これまでのレンズを試している。フォーサーズ用の ZD50-200mm F2.8-3.5 はとても明るくシャープなレンズで、虫林が最も好むレンズの一つ。しかし、いかんせん重さが1㎏近くもあるので、常時持ち歩くのは少しためらってしまう。一方、マイクロフォーサーズ用の高倍率ズーム MZD14-150mm は小さくて E-M1 とのバランスも良いのだが、F4.0-5.6 と暗い(明るいとはいえない)のが難点で、昆虫写真には今まで使用したことはない。今回はこのズームレンズを試してみたところ意外にシャープに撮影できたので驚いた。

そろそろチョウの飛ぶ姿も見納めかな。





Nature Diary vol.8 (65): #557
Date: November-17 (Sunday) /2013
Place: Kofu in Yamanashi




by tyu-rinkazan | 2013-11-17 17:39 | ▣ヤマトシジミ | Comments(2)

20121110 晩秋の散歩道:ヤマトシジミと富士山


Nature Diary vol.7(56): #481


暦の上では立冬を過ぎてすでに冬になってしまった。

午後の日差しに追われるように家からほど近い丘陵を訪れた。そこからは市街地の向こうに御坂山地から顔を出す「富士山」を見渡すことができる。この時期の富士山は雪が山の上1/3ほどを覆っていて、バランス的にとても綺麗だ。1年の中で最も綺麗な富士山かもしれないな。とにかく富士山には雪化粧が似合う。

「雪が無い富士山なんて-----」なのだ。


ヤマトシジミ The Pale Grass Blue

前回のNDに記したが、ヤマトシジミたちは夕方になるとエノコログサやセンダングサなどの上で休む。どうやらその観察は正しかったようで、丘の斜面に繁茂するエノコログサの花上にヤマトシジミが点々と休む姿を見かけることができた。そこは彼らの塒(ねぐら)になっているのだろう。ヤマトシジミのこの塒(ねぐら)習性は、天敵の鳥たちに丸見えなのでとても危険に満ちているように思えるのだが-----。

そんな彼らの塒習性を利用して、富士山バックのヤマト写真を撮ることを思いついた。

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アメリカセンダングサに休むヤマトシジミと富士山  . A Pale Grass Blue resting on the Devil's Beggartick in the background of Mt. Fuji

Olympus OMD E-M5, MZD 14-150mm, 2012, Kofu-shi, Yamanashi


エノコログサは花穂が犬の尾に似ていることから、「犬っころ草」が転じてエノコログサになったといわれている。僕には俗称のネコジャラシという方がなじむな。西日を受けて輝くエノコログサの花穂はなかなか綺麗だ。

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西日を受けたエノコログサに休むヤマトシジミ
Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, 2012, Kofu-shi, Yamanashi





ベニシジミ The Small Copper

センダングサにはヤマトシジミ以外に、ベニシジミやモンキチョウも静止していた。ベニシジミはヤマトシジミと同様で草の上にその姿をみたが、モンキチョウは葉の下に静止していた。やはり塒の状態はチョウの種類で異なるのだろうか。

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センダングサに休むベニシジミ . A small copper resting on the Devil's Beggartick in the background of Mt. Fuji

Olympus OMD E-M5, Panasonic 8mm fish-eye, MZD 14-15-mm, Kofu-shi, Yamanashi



ドラマチックトーン Dramatictone

アートフィルターのドラマチックトーンで撮影した新潟の風景。
(上は北陸道のあるパーキングから、下は新潟市内のホテルの部屋から撮影)

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新潟の風景 .The landscape of Niigata

Olympus OMD E-M5, MZD 14-150mm, Kofu-shi, November-10-2012, Yamanashi



Afterword

暦の上ではすでに冬になってしまった。

この頃、1年の歩みがとても速く感じる。子供のころの一年といえば、肉体的にも精神的にも大きく変化し、しばしばそれを実感できるので長く感じるが、大人になってその変化が乏しくなると、毎日の変わらぬ生活の中で一年がすごく短い。でも、年を重ねることで良いこともある。それは人を思いやる余裕ができて、人に優しくなれることだ。そんなことを考えると、齢をとることもあながち悪くないなと思えるようになった。





以上、by 虫林花山




by tyu-rinkazan | 2012-11-11 13:49 | ▣ヤマトシジミ | Comments(20)

20121103 晩秋の散歩道:秋色のヤマトシジミ

Nature Diary vol.7(55):#480

Diary

今週末は締め切りを過ぎの原稿書きで部屋に蟄居。

でも、外は晴れているのに一日中部屋に閉じこもっているのは不健康だし、精神衛生上もよろしくない(すぐにそれらしい理由をこじつける)。そこで、結局のところお昼過ぎにカメラをもって大学の構内をのんびりと散策してみることにした。

昼下がりとはいえ、風は少し冷たく、日差しが目に眩しい。
そろそろ冬の足音でも聞こえてきそうな季節になってきた(暦では11月7日が立冬)。


ヤマトシジミ; The Pale Grass Blue

グラウンドの草地にはヤマトシジミがとても多い。

突然、一頭のヤマトシジミが足元から飛び出し、風にあおられるように舞い上がって近く木の葉の上に静止した。ヤマトシジミそのものよりも紅葉した葉とのコントラストがなかなか綺麗に目に映った。思わずそっと近づいて秋色に染まったヤマトシジミを撮影。

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紅葉とヤマトシジミ The Pale Grass Blue and red leaves of autumn
Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi


ヤマトシジミのベッドはネコジャラシ(エノコログサ)の穂。

午後3時を過ぎて陽が傾いてくると何頭ものヤマトシジミがネコジャラシの穂の上に静止していた。
かれらはそのまま穂のベットの上でじっと夜を越すのだろう。

逆光の西日がヤマトシジミとネコジャラシを染めていた。

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エノコログサの穂上に休むヤマトシジミ A female of the Pale Grass Blue on the green foxtail

Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi


この時期のヤマトシジミたちは「冬化粧」。
オスの翅表は明るく白っぽくなり、メスには青い鱗粉がのる。

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ヤマトシジミ♂ A male of the Pale Grass Blue
Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi

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ヤマトシジミ♀ A female of the Pale Grass Blue

Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi



ヒメアカタテハ; The Painted Lady

ヒメアカタテハは英名をPainted Ladyという。「ヒメアカタテハ」というどこか無機質な名前よりも、英名のPainted Lady の方がオシャレで粋に思えてしまう。このPainted Ladyとは「化粧した女性」それとも「描かれた女性」?

面白いことに、ビクトリア王朝風の多色に塗られた家もPainted Ladyと呼ばれているらしい。

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ヒメアカタテハ The Painted Lady
Olympus OMD E-M5, Panasonic Lumix G Fisheye 8mm, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi



トノサマバッタ; The Migratory Locust

今回は意外にのんびりとした個体を発見できたので、背景のグラウンドを入れて撮影した。ちなみにこのグラウンドは学生たちが使用しない日中にはヴァンフォーレ甲府(今期サッカーJ2で優勝、来期はJ1昇格決定)が練習に使用している。

ヴァンフォーレ甲府よJ2優勝おめでとう。

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トノサマバッタ The Migratory Locust 

Olympus OMD E-M5, Panasonic Lumix G Fisheye 8mm, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi



銀杏の実; Gingko nuts

構内には銀杏の実がたくさん落ちていた。少し臭い。
銀杏の苦味が大人の味。

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銀杏の実 Gingko nuts 

Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi



Afterword

そういえば、福島地域のヤマトシジミに奇形が多発していることを琉球大の研究グループが報告した。Scientific Reports 2 : 570 doi: 10.1038/srep00570 (2012)。論文ではその原因が東京電力福島第一原子力発電所事故の放射能被曝によると結論している。ヒトとチョウでは放射線感受性が異なるので何とも言えないが、興味深い報文だ。でも、原発事故との関連については慎重に考察したほうが良いかもしれないな。

このところとにかく忙しくて、書かなくてはいけない原稿がたまってしまい、天気が良いのに朝から出勤して部屋で原稿書きになった。イソップ童話の「アリとキリギリス」に出てくるキリギリスのように暖かい間に怠けていたのがいけないのだ。寒い冬に備えてもっと早くから準備しておくべきだったな。

でも、そのおかげでヤマトシジミをゆっくりと観察できた。
人間万事塞翁が馬



以上、by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2012-11-04 09:55 | ▣ヤマトシジミ | Comments(16)

20081101 小春日和散歩:ヤマトシジミ秋型 (山梨県)

Nature Diary #0216
Date: November 1st, 2008
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:Fine


11月は霜月。

霜月になると多くの動物は冬眠の準備にはいり、植物も黄葉(紅葉)した葉を落として休眠する。生物が冬に活動を低下ないしは停止するのは自然界の摂理なのだ。

日頃、パタパタと忙しい虫林も、そろそろ死んだふりでもして春まで蟄居したい。偉大な自然界の摂理には逆らえないのが道理だからね----------と宣言しても、だれも相手にしてくれない。
世の中はそう甘くはないのだ。


§ Diary §

本日はとても天気がよく、まさに「小春日和」になった。

米国ではこのような陽気を「インディアンサマーIndian summer」と呼ぶらしいが、小春日和という言葉のほうが、どこかほっこりした暖かい感じでいいね。

午前中、南アルプス北部の山にドライブに出かけたが、途中、八ヶ岳が一望できる場所があり、車を止めて撮影した。八ヶ岳の頂上付近はかなり白くなってきた。

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。。。。。。。。。。八ヶ岳 (2008-November-01、富士見町)

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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE, EC-14, ASA200



オツネントンボ; Argyrognomon Blue

河原の一部にオツネントンボが多数集まっている場所を見つけた。ここは歩くと足もとからいくらでも飛び立つ。このトンボは意外に敏感で、近づくとすぐに飛び立つが、なよなよと飛んですぐそばの草に静止する。

オツネントンボは名前の通りに、越冬するトンボとして有名だ。夏から秋にかけて羽化して、成虫のままで冬を越え、春に交尾して産卵する。すると10ヵ月くらい生きていることになるので、長生きなトンボである。

生物学者の本川達雄氏が著した「ゾウの時間、ネズミの時間」という興味深い本がある。

その本によると、動物のサイズが違うと、寿命が違う(ゾウは寿命が長く、ネズミは短い)。しかし、一生の間に心臓が打つ総数(総心拍数)や体重当たりの総エネルギー使用量は、サイズによらず同じなのだ。

オツネントンボはなよなよ飛んで、さらに冬の間は活動しないので、一日あたりのエネルギー消費量は通常のトンボに比較して少ないはずだね。

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オツネントンボ (2008-November-01、甲府市)

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Olympus E-3, ZD50mm,, ASA200


我々はいつも見ているが、見えていないものがいくらでもある。イトトンボの顔もアップで見てみたいものだ------と常々思っていた。

そこで、フレンドリーなオツネントンボにモデルになってもらって、顔のアップ写真を撮影させてもらった。イトトンボの仲間も、顔のつくりはよく似ていて、大型のトンボとそれほどの違いはなさそうだ。

顔は不精ひげのような毛が密生して、「オヤジ顔」といったところか------失礼。

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オツネントンボ (2008-November-01、甲府市)

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Olympus E-3, ZD50mm,, ASA200



ヤマトシジミ; Pale Grass Blue

連休とはいえ、仕事が山積しているので、大学に立ち寄り少し仕事を片付けた。

窓からぼんやりと外をみると、ヤマトシジミが沢山飛んでいる。そこで、帰宅する前にキャンパスでヤマトシジミの撮影をした。休みの日は学生たちもいないので、落ち着いて撮影ができて良い。

ヤマトシジミはこの時期になると、オスもメスも美しくなる。

ヤマトシジミの秋型のオスは、翅表の青い部分が翅全体に広がりとても綺麗だ。英語名はPale Grass Blueというが、とくに秋型では白化してくる。

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ヤマトシジミ♂ (2008-November-01、甲府市)

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Olympus E-3, ZD50mm,, ASA200


ヤマトシジミはどこにでもいる「どこでもシジミ」なので、かえって印象が薄い。とくにメスは黒褐色の翅をもち、地味で野暮ったい。

ところが、秋も深まってくると、ヤマトシジミのメスは青燐を載せて綺麗にお化粧をする。
グランドに出てそんな♀を探してみると、ぽつぽつと見ることができた。

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。。。。。。。。。。ヤマトシジミ青♀ (2008-November-01、甲府市)

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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE, EC-14, ASA200


今年はオリンパスのE-3を購入したものの、バリアングルのモニターを用いたライブビュー撮影はほとんど行わなかった。というのも、虫林の場合、マニュアルフォーカスで撮影するので、ファインダーで見ないと厳密なピント合わせができにくいからだった。

今回はオートフォーカスにして、ライブビューで撮影して見たが、意外にうまくいく。これからは、広角写真ではライブビュー機能をもっと活用しようと思った。

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。。。。。。。。。。ヤマトシジミ青♀ (2008-November-01、甲府市)

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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE, EC-14, ASA200

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ヤマトシジミ青♀ (2008-November-01、甲府市)

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Olympus E-3, ZD50mm,, ASA200

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ヤマトシジミ青♀ (2008-November-01、甲府市)

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Olympus E-3, ZD50mm,, ASA200


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ヤマトシジミ青♀ (2008-November-01、甲府市)

.
Olympus E-3, ZD50mm,, ASA200

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§Afterword§

今回は、小春日和の一日を散歩するだけでとてもリフレッシュされる。日頃、あまり運動しない虫林なので、この散歩は体力維持のためにはとても重要なのだ。

今回は3連休なので、県南でも訪れてみたい。





以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-11-02 06:33 | ▣ヤマトシジミ | Comments(12)

20080323 ひょうたん池のヤマトシジミ(山梨県甲府市)

Nature Diary #0157

Place: Kofu-shi (Yamanashi Pref.)
Date: March 23rd (Sunday)
Weather:Fine


<外付ストロボでの飛翔撮影>
最近、シャッター速度に全速同調する外付けストロボがオリンパスでも発売された。虫林が購入したFL-36Rは、小型で安価な上にシャッター速度全速に同調機能がある優れものだ。このストロボは、日中シンクロや暗い場所での補助光が主な目的で購入しだが、飛翔写真にも強い味方になるはずである。

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§Diary§

昨日と同様に天気が良いので、お昼過ぎにひょうたん池のフィールドにでた。
ひょうたん池は自宅から車で10分ほどのところにある周囲500mほどの小さな池で、池の周りはヤマトシジミなど平地の蝶がこの時期に多い。外付けストロボでの飛翔写真の練習も兼ねて、春型(低温期型)のヤマトシジミを撮影した。

この時期のヤマトシジミの♂は、翅の表面の青い範囲が広く、また白っぽい第1化(低温期型)の顕著な特徴を示す。下の掲載写真はひょうたん池の斜面を飛ぶヤマトシジミの♂であるが、ストロボを併用することにより、背景に比較して蝶の姿が少しだけ強調されている?


花咲く土手を飛ぶ第1化(低温期型)のヤマトシジミ♂ (2008-March-23, 甲府市)
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A male of Pale Grass Blue flying above the grass field.

.
Olympus E-3, ZD8mm + EC14, ASA 800, FL-36R, trimming (+)


土手の手前を飛ぶヤマトシジミ♂  (2008-March-23, 甲府市)
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Flying feature of Pale Grass Blue

.
Olympus E-3, ZD8mm + EC14, ASA 800, FL-36R, trimming (+)



昼の時間帯のためかヤマトシジミのオスは静止することは少なく、メスを求めて探雌飛翔を繰り返し、また、しばしばオス同士での追尾も観察された。追尾するオスをみると、まるで遊んでいるようにも見えるが、彼らにしてみれば真剣な行動なのかもしれないね。


ヤマトシジミ♂同士の追飛  (2008-March-23, 甲府市)
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A tracking flight of 2 males of Pale Grass Blue

.
Olympus E-3, ZD8mm + EC14, ASA 800, FL-36R, trimming (+)



写真は4頭のオスの追尾行動を撮影したものだ。これだけの数の追尾になるとそう見られるものではない。写真は50mmマクロのままで撮影した。写真に写っているヤマトシジミ4頭が皆同じ飛翔体勢を示しているが、これは偶然なのか、それとも意識してシンクロしているのか興味深い。


4頭のヤマトシジミ♂の追飛  (2008-March-23, 甲府市)
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A tracking flight of 4 males of Pale Grass Blue

.
Olympus E-3, ZD50mm + EC14, ASA 400, trimming (+)



よく見るとメスのヤマトシジミもそこここで見つけた。
写真はメスの産卵を撮影しようと思っているときに、探雌飛行していたオスが突然降りてきた時のときのものだ。少しわかり難いが、写真の左下にいるのがメスだ。


求愛のためメスに向うオス (2008-March-23, 甲府市)
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A courtship behavior of Pale Grass Blue

.
Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14, ASA 200, FL-36R, trimming (+)



メスのヤマトシジミを観察していると、しばしばオスが寄ってきて求愛行動が見られた。しかし、求愛、追尾を示すものの交尾までにいたらなかった。


メスに求愛行動を示すオス (2008-March-23, 甲府市)
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A courtship behavior of Pale Grass Blue

.
Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14, ASA 200, FL-36R



どういうわけか、本日みられたヤマトシジミはなかなか開翅してくれない。
写真はやっと開翅してくれたメスであるが、かなり青鱗が発達しているのがわかる。


低温期型の特徴を示すヤマトシジミの青いメス (2008-March-23, 甲府市)
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A female of Pale Grass Blue with well-developed blue scales on the wings

.
Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14, ASA 200, FL-36R



メスは食草のカタバミでしばしば産卵行動を示した。


産卵するメス (2008-March-23, 甲府市)
d0090322_9491578.jpg
A female of Pale Grass Blue egg-laying on the feeding grass, oxalis.

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Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14, ASA 200


産卵するメス (2008-March-23, 甲府市)
d0090322_9492623.jpg
A female of Pale Grass Blue egg-laying on the feeding grass, oxalis.

.
Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14, ASA 200



この斜面には、スイバなども多いので、ベニシジミも見られた。
ベニシジミはじっくり見るととても綺麗な蝶だ。


ベニシジミLycaena phlaeas daimio (2008-March-23, 甲府市)
d0090322_9493931.jpg
A Small Copper resting on the grass

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Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14, ASA 200, FL-36R



セイヨウミツバチがタンポポで盛んに蜜を集めていた。
虫の目レンズで拡大すると、顔一面に花粉をつけているミツバチがとても面白い。
この状態で目が見えるのだろうか?


セイヨウミツバチ (2008-March-23, 甲府市)
d0090322_9495182.jpg
Western haney bee

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Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14 + Gyorome-8, ASA 400


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§Afterword§

今回は外付ストロボトによる飛翔写真のレーニングとして、ひょうたん池のヤマトシジミを選択した。ここのヤマトシジミは数が多いので、練習には適していると思う。しかし、オリンパスのカメラのシャッターのタイムラグにまだ慣れていないので、これからさらに検討しなければならない。

外付けストロボでの飛翔写真は難しそうなので、fanseabさんに撮影法についてお聞きしたところ、大変丁寧なご返事をいただいた。感謝します。
by tyu-rinkazan | 2008-03-25 09:51 | ▣ヤマトシジミ | Comments(14)

20080320 小雨の中の散歩:ヤマトシジミ (山梨県甲府市)

Nature Diary #0155

Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Date: March 20th (Thursday)
Weather:Rain


春分の候
春分の日は、昼夜が同じ長さになり、太陽が真東から昇り真西に沈むという。
どのくらい明るければ昼なのか、どのくらい暗くなれば夜なのかは良くわからないが、とにかく、昼夜の長さが同じになるらしい。また、今日は彼岸の中日ということで、甲府市内の墓地では、お墓参りの人も多い。


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§Diary§

本日は終日小雨模様だ。
NHKの連ドラ「ちりとてちん」を見た後、いつものように少し散歩することにした。
外に出ると、小雨は止む様子も無いが、散歩するのに気にするほどでもない。

さて、どこの散歩道にいこうか?
この時期だと、武田の杜に行けば、ミヤマセセリが出てくるが、この天候ではとても無理だろう。そこで、ヤマトシジミを見つけた”ひょうたん池“に行くことにした。

コナラを主とする林を歩くと、ダンコウバイがひっそりと黄色い花をつけていた。


。。。。。。。。。。ダンコウバイの花 (2008-March-20, 甲府市)
d0090322_1935798.jpg
。。。。。。。。。。。Lindera obtusiloba

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。。。。。。。。。。。Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14, ASA 200



ひょうたん池の岸では、釣り(フライフィッシング)をする人がいて、後ろを通り過ぎるときは注意しなければならない。岸の斜面をゆっくり歩いていくと、やっと小さな青いシジミチョウを見つけた。
目的のヤマトシジミだ。

ホトケノザの上のヤマトシジミを、50mmマクロ+EC14(実質140mm相当)で、ライブビューを駆使して撮影して見た。バックにホトケノザの赤色が入るので綺麗だ。

この個体は低温期型のためか、翅裏の黒い紋がみょうに小さく、また色も薄い。


ヤマトシジミ Zizeeria maha argia, The Pale Grass Blue  (2008-March-20, 甲府市)
d0090322_199214.jpg
A male of Pale Grass Blue resting on the flower

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Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14, ASA 200, FL-36R



動きが非常に鈍いので、Gyoromeを装着して、虫も目写真で撮影して見た。初めはフラッシュを用いたが、気に入った色にならなかったので、自然光だけで撮影した。

とにかく、ここまで対象を拡大しても背景が明確に認識できるのは虫の目レンズの威力だと思う。


虫の目像:ヤマトシジミ The Pale Grass Blue  (2008-March-20, 甲府市)
d0090322_1991455.jpg
Insect-eye image: A male of Pale Grass Blue

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Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14 +Gyorome-8, ASA 400



ヤマトシジミの拡大写真であるが、この写真はどうも変だ。
よくみると、右翅の重なり方が逆になっているので違和感がある。つまり、通常は後翅が上(表)になるが、この時は後翅が下になっているのだ(ある種の形成異常なのだろうか)。
------これではほとんど飛べないはずである。


翅が前後逆になったヤマトシジミ The Pale Grass Blue  (2008-March-20, 甲府市)
d0090322_199252.jpg
High-power view: A male of Pale Grass Blue

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Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14, ASA 200, FL-36R



帰るついでに、クヌギの樹皮下で以前に見つけたナガニジゴミムシダマシのポイントに立ち寄ってみた。1頭だけみることができた。


ナガニジゴミムシダマシ Ceropria induta (2008-March-20, 甲府市)
d0090322_1993923.jpg
Ceropria induta

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Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14, ASA 200, FL-36R


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§Afterword§
本日はは残念ながら終日の雨。


水滴 (2008-March-20, 甲府市)
d0090322_1910576.jpg
Water drop

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Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC14, ASA 200, FL-36R


でも、1頭だけであったが美しいヤマトシジミをみることができたのは嬉しい。
今週末は天気が回復するようなので、ミヤマセセリでも見に行きたいものだ。
by tyu-rinkazan | 2008-03-20 19:12 | ▣ヤマトシジミ | Comments(15)

20080309 武田の杜散歩:ヤマトシジミ初見 (山梨県甲府市)

Nature Diary #0153

Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Date: March 9th (Sunday)
Weather:Fine



啓蟄の候
啓蟄とは、冬篭りして眠っていた虫たちが動き出す時節のことだが、同時に、この春に新しく成虫になった虫たちも出てくる。鬱々と長い冬を過ごしたムシ屋にとっては、心躍る時節が来たことを意味するのだ。

この時期には、厚手のコートを脱ぎ捨て、カメラを片手にフィールドを歩けるだけでよい。
ただし、花粉症は辛い-------。

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§Diary§

本日は朝から晴れ。テレビの天気予報では、4月中旬の気温になるらしい。
------ウーム、またフィールドが呼んでいる(本当はいつでも呼んでいるが)。

そこで、車で15分ほどの距離にあるマイ散歩道「武田の杜」に出かけた。
目的はミヤマセセリを見ることだ。昨年の初見は、3月初旬に武田の杜だったので----?

到着して車から外に出ると、風は少し冷たいが、日差しは強いようだ。その証拠に、風の無い陽だまりでは、佇んでいるだけでとても暖かい。こんな日は、明るい南斜面をゆっくり歩こう。

斜面を少し下がったところに小川が流れ、その脇で蕗の薹(フキノトウ)が顔をだしていた。こんな長閑な春の景色を今まで何度見ただろうか?


春の小川:フキノトウ (2008-March-09, 甲府市)
d0090322_220546.jpg
Breath of spring:butterbur sprout (Fukinotou)

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Olympus E-3, ZD8mm+EC14, ASA 200



葉を落とした明るいコナラの林をぬけると、少し開けた空間があり、梅の花が咲いていた。
逆光なので、目をこらして梅の花を見ていると、ミツバチやハナアブなどが訪れている。
--------と1頭のテングチョウが梅の花で吸蜜しているではないか。

「梅にウグイス」ならぬ「梅にテングチョウ」なのだ。

この写真は、シグマの150mm F2.8 Macroに1.4倍のテレコンをつけたので、212mm相当。さらにフォーサーズなので、実質は424mmの望遠レンズで撮影したということになる。もちろん、手持ち撮影である。


。。。。。。。。梅の花とテングチョウ European Beak (2008-March-09, 甲府市)
d0090322_22164249.jpg
。。。。。。。。。。A European Beak feeding or basking on ume apricot

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。。。。。。。。。。Olympus E-3, Sigma 150mm Macro + EC14, ASA 200



花粉を気にしながらゆっくり歩いていると、突然、足元からキタテハが飛び出した。飛び去ってしまうのかと思ったが、すぐに戻ってきて石の上に静止して、日光浴を始めた。
このキタテハは厳しい冬を越えてきたつわものだ。

8mmの魚眼に1.4倍のテレコンを装着し、やや絞りを開け気味に撮影した。あまり絞るとコンデジで撮影した広角写真と同じになってしまう。


日光浴をするキタテハPolygonia c-aureum: Chinese comma (2008-March-09, 甲府市)
d0090322_2285641.jpg
A Chinese comma basking on the stone with the wings half-opened

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Olympus E-3, ZD8mm+EC14, ASA 200



武田神社の近くに、ひょうたん池という小さな池がある。
その岸は日当たりが良く、タンポポや春の花がかなり咲いていた。ゆっくりと歩いているとモンキチョウが飛び出した。モンキチョウは先週末に初見を果たしたが、この時期、新成虫を見るのは嬉しい。


モンキチョウ Colias erate, Pale Clouded Yellow (2008-March-09, 甲府市)
d0090322_22175469.jpg
A male of Pale Clouded Yellow basking on the dry leaf

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Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA 400



越冬する蝶(ウラギンシジミ、ムラサキシジミなど)は、拡大してみると、脚にまで細かい毛が生えている。モンキチョウは越冬する必要が無いので、脚に毛が無いのだろうか?


モンキチョウの脚には毛が無い (2008-March-09, 甲府市)
d0090322_2218978.jpg
High power view: a male of Pale Clouded Yellow

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Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA 400



日向の斜面にさしかかると、小型のシジミチョウが飛んでいた。
静止したのでそろそろと近づいてみると、ヤマトシジミらしい。ヤマトシジミは今年の初見である。

このヤマトシジミは、飛ぶと青黒く見える。まるでスギタニルリシジミのような色合いだ。開翅したので上からのぞいて見ると、どうやら低温期型の青メスのようだ。それにしても、低温期型の「青いメス」は綺麗だ。


ヤマトシジミの青いメス (低温期型) Zizeeria maha argia (2008-March-09, 甲府市)
d0090322_22182427.jpg
A female of Pale Grass Blue showing features of low temperature type

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Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA 400



翅の裏面を望遠マクロレンズで拡大して見ると、どうも違和感がある。その理由は、後翅裏面の基部に近い黒紋が少し流れているためだった。軽微な斑紋異常(流れ)といえるのだろうか。


ヤマトシジミ♀の裏面(基部の紋が流れている)Pale Grass Blue (2008-March-09, 甲府市)
d0090322_22183666.jpg
A female of Pale Grass Blue resting on the ground with the wings closed

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Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA 400



さらに明るいブルーのオスも飛び出した。オスはさすがに敏感で、飛翔速度も速くなかなか止まってくれない。飛んでいるオスの後をゆっくりとついて行くと、やっと枯葉の上に静止して翅を開いてくれた。青いブルーの面積が広い低温期型だ。


ヤマトシジミ♂ (低温期型) Zizeeria maha argia (2008-March-09, 甲府市)
d0090322_22184784.jpg
A male of Pale Grass Blue showing features of low temperature type

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Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA 400



翅の裏面を今回見つけた♂と♀で並べて見た。
写真の左が異常型の♀で、右が正常個体からのものだ。


ヤマトシジミの翅裏面の比較:→が示す紋が少し流れている (2008-March-09, 甲府市)
d0090322_221905.jpg
The black spots pointed out by an arrow are elongated.

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Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA 400



杉林でスギカミキリを探してみたが、新しい脱出孔のあるスギは見つからなかった。しかし、樹皮下に集団で越冬しているチビタマムシの1種を見つけた。

チビタマムシはタマムシの仲間であるが、体長は5mmにも達しない。
この仲間は良く似ているので、同定が難しいが、いちおうヤノナミガタチビタマムシとしておこう。


チビタマムシ(ヤノナミガタチビタマムシ?) (2008-March-09, 甲府市)
d0090322_22191463.jpg
Jewel beetles overwintering under the cedar bark

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Olympus E-3, Olympus 35mm Macro, ASA 400



明るく開けた場所で、ヤマトシジミでもいないかと探していたら、足元に小さなスミレを見つけた。スミレは虫林の好きな花である。早速近寄ってのぞいて見ると、淡いブルーの花色で、花弁が独特の形をしている。----------アオイスミレだ。

早春にふさわしい清楚な花を控えめに咲かせる。

このスミレは最も花期の早いスミレの一つで、山梨県ではかなり局所的な分布のようで、近似種のエゾアオイスミレよりもむしろ少ないと思われる。


アオイスミレ V. hondoensis (2008-March-09, 甲府市)
d0090322_22192959.jpg
An early flowering violet, Aoisumire, found on the grass field

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Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA 400

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§Afterword§

ミヤマセセリは残念ながら発見できなかった。
昨年は3月の初旬に見ているので、今年は発生が遅れているのだろう。

ヤマトシジミの♂♀の初見はうれしいものだ。
とくに新しく羽化したヤマトシジミの青メスは非常に綺麗だった。
このメスの後翅裏面の「流れ」のような斑紋は、この程度で斑紋異常といって良いのだろうか?

来週の週末は山梨を留守にするので、ミヤマセセリを見ることができないのが残念だ

<観察できた種>
蝶:テングチョウ(2)、キタテハ(3)、ヤマトシジミ(2)、モンキチョウ(1)、モンシロチョウ(1)、キチョウ(1)------モンシロチョウも初見であったが、撮影できなかった。
蛾:フユシャクの仲間?(1)
甲虫:チビタマムシ(多)、オオクチキムシ(1)
花:アオイスミレ
by tyu-rinkazan | 2008-03-09 22:40 | ▣ヤマトシジミ | Comments(34)

20071224 県南のチョウ達:ヤマトシジミほか (山梨県・静岡県)

朝、家内とNHKの連ドラ「ちりとてちん」を見て、またまた涙腺がゆるんでしまった。最近、涙もろくなってきたのかも知れない。それにしても、このドラマは週末や祝日に山場を持ってくるのが上手だと思う。

本日は、クリスマスイブだ。
我が家では、今年はクリスマスパーティやデコレーションまではしないが、ケーキくらいは家族で食べることにしている。子供が幼い頃は、面白かったが、大きくなった現在では、クリスマスも年々盛り上がりに欠けてくるようだ。日本では基本的に、商業戦略としてつくられたものだから、軽薄なのだ。

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外に出てみると、風が少し強いが快晴だ。
甲府盆地を囲む山々(南アルプス、富士山、八ヶ岳、秩父連山)が青空をバックにくっきりとその雄姿を見せている。よし、今日は天気が良いので、富士川に沿って南に下ろう!

虫林の運転する車は、いつのまにか県南の南部町を過ぎて、お隣(静岡県)の芝川町まで来てしまった。ここまでくると、道路沿いにはカシ類や竹林が多く、サザンカの赤い花が色を添えている。

道路脇に車を止めて、小道に沿って中に入ってみた。しばらく坂を上ると、広場になり、その奥に古い神社を見つけた。木の葉が積もっていて見難いが、神社の前には土俵がある。夏にはここで相撲大会をやるのだろうか。神社の入り口の大きなイチョウが歴史を物語っているようだ。
d0090322_21144987.jpg
古い神社

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Old shrine
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14,, F18.0, 1/250, EV-2, ASA 400

(2007-December-24, Shizuoka)


神社の手前に日当たりの良い草原があり、みると青白いシジミチョウが飛んでいた。どうやらヤマトシジミのようだ。この時期にヤマトシジミに会えるとは思わなかった。静止したチョウをみると冬の装いの♂であった。裏面も見たかったが、無常にも飛んでいってしまった。

南国(沖縄以南)では、ヤマトシジミは1年中見られるチョウらしいが、この辺りでは、12月下旬にこのチョウを見ることは少ないと思う。12月24日(クリスマスイブ)のヤマトシジミの観察は、僕の最も遅いヤマトシジミ観察レコードになった。

これが、今年見ることができる最後の非越冬チョウの観察になるのかな。
でも、こんな年の瀬もせまった寒い時期にも関わらず、非越冬チョウのヤマトシジミがけなげにも生きている姿は、最普通種であってもとても愛おしくまた貴重なチョウのように思えた。
d0090322_2117257.jpg
冬のヤマトシジミ♂

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I saw a pale grass blue in the grass land around the shrine. This may be my latest record to see the Pale Grass Blue.
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, F18.0, 1/800, EV-2.7, ASA 400

(2007-December-24, Shizuoka)


神社の奥は、杉林で、部分的に竹林やカシやタブなどの暖帯樹木も混ざっている。
ゆっくりと周りの木を観察しながら歩いていくと、チラチラと2頭のムラサキシジミが飛んで目の前のチャの葉に静止して日光浴を始めた。
d0090322_21191738.jpg
日光浴するムラサキシジミ♀

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A female Japanese Oakblue basking on the leaf with the wings opened.
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Olympus E-3, Olympus 8mm FISHEYE, EC-14, Gyorome-8, F18.0, 1/800, EV-2.7, ASA 400

(2007-December-24, Shizuoka)


先週(土曜日)、ブログにアップしたGyoromeレンズのテストの結果を、早くも実践で試すときが来た。やはり、条件設定さえ間違わなければ、GyoromeはZuiko 50mm MACRO + EC-14になかなか良い相性を示すみたいだ。

ここまで寄ると、細部まで描写できるが、広角的な虫の目写真にはならない。
とりあえずGyoromeが実際に使用できそうなので安心した。
d0090322_2120041.jpg
ムラサキシジミ♀

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Gyorome image;a female Japanese Oakblue basking on the leaf with the wings opened.
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, Gyorome-8, F20.0, 1/160, EV-4.0, ASA 400

(2007-December-24, Shizuoka)


ふらふらと歩いていたら、ムラサキツバメが開翅しているのに出会った。今日は気温が高く、ぽかぽかしているが、それにしてもチョウが活発に飛んでいるとは思わなかった。
d0090322_21201428.jpg
日光浴するムラサキツバメ♂

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A male Powdered Oakblue basking on the leaf with the wings opened.
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Olympus E-3, Olympus 8mm FISHEYE, EC-14,F20.0, 1/80, EV-0.7, ASA 400

(2007-December-24, Shizuoka)


アオキの葉上にウラギンシジミを見つけた。何とか近づいて撮影できそうだったので、Gyoromeレンズで、太陽バックの写真を撮影してみた。もちろんストロボを日中シンクロさせている。面白い雰囲気の写真になったようだ。

それにしても、gyoromeで太陽をバックに撮影すると、ゴーストやフレアが多く、これとの戦いになる。大部分の写真はゴーストのためにボツになった。
d0090322_21202678.jpg
太陽とウラギンシジミ

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Gyorome image;Angled Sunbeam resting on the leaf.
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Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, Gyorome-8, F32.0, 1/160, EV-3.7, ASA 400, Built-in flash(+)

(2007-December-24, Shizuoka)

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芝川町からの帰り際に、南部町のムラシ・ムラツの混合越冬集団を覗いて見ることにした。3週間ぶりなので、少し心配だったが、まだしっかりと確認することができた。
本日は、ムラシ4、ムラツ1で、前回の観察よりも、ムラシの数が減ってしまった。

でも、集団が健在であることを確認できたので、一安心といったところである。
d0090322_2120402.jpg
ムラシ・ムラツ混合越冬集団

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A wintering colon of mixed Japanese Oakblue and Powdered Oakblue the leaf .
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Olympus E-3, Olympus 8mm FISHEYE, EC-14, F29.0, 1/60, EV-0.7, ASA 400, Built-in flash (+)

(2007-December-24, Yamanashi)


Gyoromeを装着して、ストロボ撮影をしてみた。
4頭のムラシに1頭のムラツからなる集団だ。ムラツは大きく、裏面の模様も複雑なので、見ればわかるね。2頭ずつ、チョウが頭を接触させている。

越冬中の個体が頭(顔?)を接触させている姿は、房総半島を訪れたときも見かけたが、何か特別な意味があるのかな?
d0090322_21205316.jpg
ムラシ・ムラツ混合越冬集団

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Gyorome image;A colony of mixed Japanese Oakblue and Powdered Oakblue
.
Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, Gyorome-8, F32.0, 1/160, EV-3.3, ASA 400, Built-in flash(+)

(2007-December-24, Yamanashi)


大きなカエデの幹にヒメカマキリを見つけた。
虫林はもともと直翅目が好きではない。あのおなかが膨らんだ状態が、何とも生理的に受け付けないのだ。でも、被写体としては、カマキリも面白いかも。
d0090322_21212510.jpg
。。。。。。。。。。ヒメカマキリ

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。。。。。。。。。。Gyorome image;Rearhorse
。。。。。。。。。。Olympus E-3, Olympus 50mm Macro, EC-14, Gyorome-8, ASA 400
。。。。。。。。。。(2007-December-24, Yamanashi)

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§Epilogue§

クリスマスだというのに、ヤマトシジミ、ムラサキシジミ、ムラサキツバメが飛翔していたのには驚いた。これが異常気象の影響でないことを祈るばかりだ。

甲府市内に比べると、南部町や芝川町は吹く風も温かい。これからは寒くなるにしたがって、虫林もアサギマダラのように南下していこうかな。
by tyu-rinkazan | 2007-12-24 21:32 | ▣ヤマトシジミ | Comments(22)

20070317 ヤマトシジミ初見;武田の杜散歩(山梨県甲府市)

寒波が訪れたようで、肌寒い。
まるで、2月の暖冬の反動が来ているようで、冬型気圧配置が続いている。

気象庁の桜の開花予想が、コンピューターの入力ミスにより、いくつかの地域で大きく外れたようだ。記者会見で気象庁の職員が陳謝していたが、花の予想が狂ったからといって、このように謝るのは日本だけではないだろうか。それほど桜の開花時期は大きな影響を与える。
------平和な国だね。

本日は午後から研究会があるので、午前中、少しだけ武田の森を散歩することにした。
歩き始めた時にはうす曇だったが、だんだんと天気が良くなり、青空もみえてきたので嬉しい。

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森の中の小道を歩いていると、コブシの花が咲いていた。
コブシは別名「田打ち桜」と呼ばれる早春を代表する花だ。
コブシという名前は拳の意味で、花の蕾が拳に似ていることからこの名前がついたらしい。
虫林にはこの花の蕾が拳に似ているようには到底思えない。まあ、あまり深く考えないで、この花の美しさを観察するのが懸命だね。

この散歩道には数本だけあるが、やっと花が開き始めた。
この花が咲くと心まで華やいだ気分になる。コブシと春が意識の中でリンクしているからだろうか。
d0090322_17425074.jpg
。。コブシ Magnolia Kobus

。。。GR-D, F7.1, 1/870, -0.7, ASA100
。。。2007-Mar-17, Kofu/Yamanashi


本日は気温が低いためか、なかなか蝶の姿を見ることができない。先週、かなりの数をみたミヤマセセリも本日は1頭しか見ていない。そこで、もう少し低いところまで歩いてみることにした。

南斜面の開けた場所に来たときに、目の前に小型のブルーが飛び出した。
ルリシジミかな?---と思ったが、どうもルリシジミにしては裏面の地色が少し暗い。
石の上に静止したところをみると、どうやらヤマトシジミ第1化の春型らしい。
d0090322_17445650.jpg
。。。。。。。。石の上で休むヤマトシジミ♂ Zizeeria maha argia

。。。。。。。。。A Male Zizeeria maha argia rests on a stone, with the wings half open.
。。。。。。。。。Pentax 100D, Pentax DA 18-55mm, F9.5, 1/1000, -0.5, ASA400
。。。。。。。。。2007-Mar-17, Kofu/Yamanashi


ヤマトシジミは初見である。
開翅したところを見ると、青い部分が広く美しい。
英名をPale Grass Blueというが、たしかにルリシジミなどに比較すると、青い色がやや薄くみえる。
d0090322_17455974.jpg
。。翅を開いて休むヤマトシジミ♂ Zizeeria maha argia

。。。A Male Zizeeria maha argia rests, with the wings open, on a branch.
。。。Ricoh GX8, F8.0, 1/750, gyorome, ASA100
。。。2007-Mar-17, Kofu/Yamanashi


「虫の目レンズ」で接近して撮影すると、翅の形が少しデフォルメされてしまう。
しかし、これだけ近寄ると、蝶の表情や鱗粉までがわかる。
d0090322_174657100.jpg
。。ヤマトシジミ♂ Zizeeria maha argia 虫の目像

。。。Insect-eye image of a Male Zizeeria maha argia resting on the ground.
。。。GX8, gyorome-8, F8.0, 1/410, ASA100
。。。2007-Mar-17, Kofu/Yamanashi


森の小道を歩いていると、陽だまりにはビロウドツリアブを多い。
このアブは空中静止(ホバリング)をするので、撮影しやすい。
写真でみると開いた後肢がどことなくユーモラスにみえるではないか。
d0090322_17481086.jpg
。。ビロウドツリアブの空中静止 Bombylius major

。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, F2.8, 1/1000, -0.3, ASA 100
。。。2007-Mar-17, Kofu/Yamanashi


早春に出現するこのアブは虫林はとても好きだ。
体に毛が密生していて、丸く、まるで毛の球のようにみえる。
こうして近接してみると、ストローがなかなか迫力あるではないか。
d0090322_17482668.jpg
。。ビロウドツリアブ Bombylius major

。。。Ricoh GX8, gyorome-8, F8.0, 1/250. ASA100
。。。2007-Mar-17, Kofu/Yamanashi


道端で綺麗なスミレを見つけた。
当初はスミレのシロバナかとも思ったが、スミレのシロバナはかなり稀であることや、花の形が少し異なることから、一応、アリアケスミレとしておく。
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。。アリアケスミレ Viola betonicifolia var. albescens

。。。GR-D, F7.1, 1/810, -0.7, ASA100
。。。2007-Mar-17, Kofu/Yamanashi

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このところの寒さで出てくる蝶が大変少なくなってしまった。
明日も寒くなるそうだが、どうなる事やら。
by tyu-rinkazan | 2007-03-17 18:09 | ▣ヤマトシジミ | Comments(21)