NATURE DIARY

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カテゴリ:▣ギフ( 16 )

20160402 越中富山の散歩道:里山でギフチョウに会う

DIARY Vol.11 (717): #13, 2016 :  

<ギフチョウ詣考>
桜の咲くこの時期になると、無性にギフチョウに会いたくなります。このギフチョウという蝶には子供の頃から特別な思いがあって、このところ毎日週末の天気予報を睨みながらソワソワ、ワクワク、ドキドキしていました。この「虫(蝶)屋の持病」ともいえる自律神経の変調症状を抑えるには、ギフチョウに会うしか方法がありません。ということで、前置がながくなりましたが、週末の日曜日は、木曜日から連日の睡眠不足、体の疲れなどをもろともせずに、蝶友のkmkurobeさんたちと越中のギフチョウ詣でに出かけることにしました。

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里山の光景

ギフチョウの生息地は丘陵の谷間にひろがる耕作地の周囲で、ところどころに残された雑木林と杉の防風林が点在しています。いわゆる里山の中にある生息地ですね。この時期の里山は淡い茶色の景色の中に、桜花のピンクが色を添えてとても綺麗です。この春色のパステルカラーは何度見ても胸が熱くなります。

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----Habitat of Luehdorfia japonica (ギフチョウ)--
Under the cloudy but bright sky, we walked around in domestic woodlands (satoyama). The habitats were so beautiful with spring flowers such as dogtooth, violets, dandelions, and so on.

April-02-2016, Toyama, Panasonic LUMIX DMC-CM10


カタクリとギフチョウ

林の中のカタクリが咲く陽だまりで待っていると、ギフチョウが次々に訪れてくれました。ところが、本日は気温が高いせいなのか、僕の日頃の行いが悪いためなのか定かではありませんが、ギフチョウたちはなかなか静止してくれませんでした。まてば海路の日和かな、ギフチョウの中にはのんびりとしてフレンドリーな個体もいて、カタクリの花で吸蜜してくれました。

ギフチョウを広角レンズで撮影する場合は、その景色の中に蝶をおくという感覚で撮影するようにしています(虫景写真)。つまり、あまり近づかないほうが、周囲との環境とのバランスが良いように思われます。

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---- Luehdorfia japonica
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April-02-2016, Toyama, Canon EOS 70D, EF 8-15mm Fisheye


まだ新鮮なカタクリの花で吸蜜する新鮮なギフチョウを撮影することができました。カタクリの花とギフチョウの組み合わせは、ギフチョウ写真の「鉄板」ですが、満足のいく写真がなかなか撮影できません。でも、簡単にうまくいかないので、毎年ギフチョウの撮影に出かけるのです。

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---- Luehdorfia japonica
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April-02-2016, Toyama, Canon EOS 70D, EF300mm


♂は発生盛期のようでしたが、♀はなかなか姿を見せてくれませんでした。やっと羽化直の新鮮なメスが現れてくれました。ちなみに、ギフチョウの♂♀の鑑別は、見慣れている方には簡単のようですが、僕には結構難しいと思っています。この個体は♀とおもわれますがどうでしょうか。

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---- A female of Luehdorfia japonica
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April-02-2016, Toyama, Canon EOS 70D, EF300mm



ギフチョウと花

飛び立ったギフチョウが、道路脇のキイチゴの花で吸蜜してくれました。ギフチョウのキイチゴの組み合わせは、山梨県などではよく見る光景ですが、ここでは初めての組み合わせです。このギフチョウの紋をよく見ると、後翅の赤紋が伸びていて、いわゆる「赤上がり」のようです。

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---- Luehdorfia japonica
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April-02-2016, Toyama, Canon EOS 70D, EF300mm


帰る途中で立ち寄った桜並木でも、ギフチョウたちが三々五々に訪れてくれました。ここの桜の花は満開でしたので、来週あたりはすでに散り始めているでしょう。やはり、今年の桜の開花は早いようですね。

「桜に訪れるギフチョウ」は日本の自然を象徴する。

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---- Luehdorfia japonica
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April-02-2016, Toyama, Canon EOS 70D, EF300mm

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---- Luehdorfia japonica
------
April-02-2016, Toyama, Canon EOS 70D, EF300mm



カタクリの花とチョウ

カタクリの花にはルリシジミもしばしば吸蜜に訪れていました。

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---- Holly Blu
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April-02-2016, Toyama, Canon EOS 70D, EF300mm


kmkurobeさんが、コツバメを見つけて教えてくれました。コツバメは吸蜜しているのではなく、ただ静止しているようでしたが、この組み合わせもなかなか面白いので、喜んで撮影させていただきました。

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---- Tail-less Hairstreak
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April-02-2016, Toyama, Canon EOS 70D, EF300mm



虫眼鏡ノート

本日は朝早くから写真家の山口進さんとご一緒して、白馬でkmkurobeさん、kendamarさんと合流し、kmkurobeさんが今年すでに訪れている富山のギフチョウポイントを見に行くことができました。おかげで美しいギフチョウを撮影でき、僕の自律神経の変調も完治することができました。気の置けない友人たちとの会話は楽しくて、長い道のりもさほど苦になりませんでした(山梨から富山の生息地まで実に5時間もかかった)。また、是非ともご一緒させていただきたいと思います。

Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2016-04-05 22:02 | ▣ギフ | Comments(6)

20150419 上越地方の散歩道:ヤマサクラの花にギフチョウが飛来した

DIARY Vol.10 (658): #20, 2015 :  

本日は上越地方にギフチョウを求めて遠征。

林道脇に茶芽タイプのヤマサクラを見つけました
しばらく待っていると突然、ギフチョウが飛来。

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---- 山サクラで吸蜜するギフチョウ- Luehdorfia

-----(Niigata, April/19/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)

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---- 山サクラで吸蜜するギフチョウ- Luehdorfia

-----(Niigata, April/19/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)


吸蜜するギフチョウにキアゲハが求愛。

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---- キアゲハと絡むギフチョウ- Luehdorfia

-----(Niigata, April/19/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)



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---- 日光浴するギフチョウ- Luehdorfia

-----(Niigata, April/19/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)





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---- フキノトウ-Butterbur scape

-----(Niigata, April/19/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm)

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---- ナガハシスミレ-Viola rostrata var. japonica

-----(Niigata, April/19/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm)



??虫眼鏡ノート

本日は昆虫写真家の山口進さんとともに白馬でkmkurobeさんと合流。天気を考慮して上越地方を訪れました。気温が高いせいか到着した朝8時にはギフチョウが飛び始めましたが、2時間ほどすると雲が出てしまいギフチョウはぷっつり。結局、他ポイントの様子を見まわって帰宅しました。短時間ではあったが、茶芽系のヤマサクラでのギフチョウの吸蜜を撮影できたので満足。

楽しい散歩になりました。
同行した山口さん、kmkurobeさんに感謝。

Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-04-19 21:52 | ▣ギフ | Comments(10)

20150418 天竜川の散歩道:今年の初ギフチョウ(産卵撮影)

DIARY Vol.10 (657): #19, 2015 :  

本日は朝から天気が良いので天竜川流域のギフチョウ撮影に行くことにしました。

今年はなにかと週末に用事があって、これまで遠征撮影ができませんでした。やはりそろそろ撮影しないと「ギフチョウ禁断症状」が出てしまいます。それほどギフチョウはどこか不思議な魅力を持っている特別な蝶なのです。なお、今回のギフチョウ撮影行では、日頃ご親切にしていただいている昆虫植物写真家・山口進さん花と虫の地球)にご一緒していただきました。



現地では川沿いの陽だまりポイントでギフチョウの飛来を待つことにしました。
ギフチョウの飛来を待つ間、「斑入りのフモトスミレ」を撮影(バックは山口さん)。

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---- フモトスミレが咲く日溜り-Viola sieboldii in sunny place

-----(Nagano, April/18/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm)


待つことしばし、待望のギフチョウが飛来して日光浴。

初ギフチョウとの出会いは何年たってもいつも嬉しいものですね。
この「胸のときめき」は恋愛感情に似ているといえば言い過ぎかな。

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---- 日光浴するギフチョウ-A sun-bathing Luehdorfia

-----(Nagano, April/18/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm)

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---- 日光浴するギフチョウ-A sun-bathing Luehdorfia

-----(Nagano, April/18/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)



たまたま飛び上がったギフチョウの飛翔写真が撮影できました。
翅がブレブレですが、こんな写真も躍動感があってありかな?

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---- 飛翔するギフチョウ-A flying Luehdorfia

-----(Nagano, April/18/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm)


林の中のショウジョウバカマの花で吸蜜してくれました。

ギフチョウといえばスミレかカタクリの花での吸蜜が定番です。
でも、ショウジョウバカマとの組み合わせもなかなかのものです。

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---- ショウジョウバカマで吸蜜するギフチョウ-A nectar-sucking Luehdorfia

-----(Nagano, April/18/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)



ギフチョウ♀がカンアオイの葉で移動しながら産卵しようとしていました。
なかなか産卵に良いポジションが見つけられないで苦労していました。

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---- ギフチョウの産卵行動-A egg-lying Luehdorfia

-----(Nagano, April/18/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)

そっと近づいて期待していた産卵シーンを撮影できました。

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---- ギフチョウの産卵行動-A egg-lying Luehdorfia

-----(Nagano, April/18/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)

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---- 食草カンアオイの葉裏に産み付けられた卵- Luehdorfia’s eggs

-----(Nagano, April/18/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD12mm)



アカタテハ

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---- アカタテハの産卵行動-A egg-lying Red admiral

-----(Nagano, April/18/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm、Tough TG-3)



??虫眼鏡ノート

今年はこれまでなかなかギフチョウの撮影に出かけることができませんでしたが、今週末は珍しく時間ができたので「今年初めてのギフチョウ撮影」に行くことができました。現地ではすでに♀が発生していて、初ギフチョウの撮影が産卵シーンになったのですから嬉しい限りです。なお、今回は出発前に近くにお住まいの山口進さんに電話してご都合をお聞きしたところ、「今、野外で撮影していますが、ご一緒しましょう」といっていただきました。楽しい撮影行でした-----感謝。

帰りに立ち寄った清里のレストラン「ROCK」のカレーライスは美味。

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Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-04-18 20:44 | ▣ギフ | Comments(4)

20130413 越中の散歩道:桜ギフチョウ

DIARY #576 :

越中富山に桜ギフ詣。

今年はまだギフチョウにお目にかかっていない。というのもこれまで週末の天気が良くなかったからだ。でも、今週末(日曜日)は天気が良さそうなので、kmkurobe (安曇野の蝶と自然) 、ネイチャーkendamar さんご夫妻(ネイチャーKendamarの歳時記)と越中富山のギフチョウ撮影行に出かけた。


 春の花たち

途中、満開の桜の先に剣岳や立山の峩々たる山々が聳えている。

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---- Mt. Tsurugi

---- Olympus OM-D E-M1, MZD 14-150mm,



気温が低くてギフチョウが飛ばない。

そこで周囲を散策してみると、ギフチョウの食草のヒメカンアオイを見つけた。
美しいショウジョウバカマやシロバナイカリソウも目を楽しませてくれた。

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---- Spring Flowers

---- Olympus OM-D E-M1, MZD 14-150mm




 ギフチョウ

やっと飛び出したギフチョウはスギの木の上に静止。
なかなか動いてくれなかった。

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---- A gifu butterfly basking on the branch (Luehdorfia japonica)

---- Olympus OM-D E-M1, MZD 14-150mm



気温の上昇とともにギフチョウが満開の桜の花を訪れた。

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---- Gifu butterflies nectaring on the cherry blossam

---- Olympus OM-D E-M1, MZD 14-150mm



場所を変えてみると、林の中の陽だまりにギフチョウが飛び回っていた。

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---- A Gifu butterfly basking on the leaf (Luehdorfia japonica)

---- Olympus OM-D E-M1, MZD 14-150mm



すでにメスも出現し、下草をふらふら飛びながら草の葉にタッチングを繰り返していた。しばらく見守っていたが、産卵シーンまではみることができなかった。

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---- A female of the Gifu butterfly (Luehdorfia japonica)

---- Olympus OM-D E-M1, MZD 14-150mm



糸魚川方面のポイントでもギフチョウを見ることができた。

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---- A Gifu butterfly nectaring on the violet flower

---- Olympus OM-D E-M1, MZD 14-150mm




 エルタテハとヒオドシチョウ

白馬村ではヒメギフチョウが飛ぶ姿が見られたが、撮影はできなかった。
カエデの幹にエルタテハとヒオドシチョウが静止していた。

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---- Tortoiseshell and Large Commma

---- Olympus OM-D E-M1, MZD 14-150mm




 春の怪物

ギフ撮影行の前に寄り道してオオシモフリスズメを撮影した。

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---- The spring monster

---- Olympus OM-D E-M1, MZD 14-150mm





Notes :

今年もやっとギフチョウが撮影できました。

それにしても越中路は桜がちょうど満開で、そんな満開の桜にからむギフチョウを見ていると幸福感がふつふつと湧いてきます。そして仲間との楽しい会話も楽しいものでした。虫友のkmkurobe さんとネイチャーkendamar さんに感謝します。








Nature Diary vol.9 (16): #576, 2014
Date: April-13 (Saturday)
Place: Toyama




by tyu-rinkazan | 2014-04-18 07:11 | ▣ギフ | Comments(16)

20130414 越中・越後の散歩道:桜とギフチョウ

過去回帰 Back to the past
中学生の頃、友人と二人で訪れた神奈川県の丹沢山中で、満開の桜の花に次々と飛来するギフチョウ(桜ギフ)に狂喜した。時は過ぎ、丹沢のギフチョウはすでに絶滅してしまったが、その時の桜ギフの記憶(興奮)は大脳の記憶中枢にしっかりとホールドされ、今でもけっして消えることはない。桜ギフは当時の僕にワープさせてくれるのだ(過去回帰 Back to the past)。

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Diary

日曜日は、 kmkurobeさん (安曇野の蝶と自然)の「越中・越後の桜ギフ撮影行」に同行させていただくことになった。
また、ネイチャーkendamar さんネイチャーKendamarの歳時記)もご一緒でさらに楽しみだ。

待ち合わせ場所の白馬村には早朝7時前に到着した。霜が降りて白くなった地面に土筆、蕗の薹が伸び、背景には白馬連峰が白く輝いていた。虫林が好む古いアメリカンポップスに「朝日のあたる家」というタイトルの歌があるが(昔は懐メロなどバカにしていたものだが、今では---)、早朝の白馬ではそれをもじって「朝日のあたる土筆(ツクシ) 」を撮影してみた。いつ訪れても、何度訪れても、白馬村はへっぽこ写真家の僕に撮る勇気を与えてくれる。うーむ、パワースポットかも?

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------ The Horsetails of the Rising Sun

-------- Ricoh GR-D III




█ ギフチョウ The Luehdorfia
昨年も桜の時期に訪れた越中の桜ギフポイントを再訪。桜の花は8分咲きから満開。
ギフチョウたちがポツポツと桜の花に飛来----桜ギフ撮影。

ここの桜の木は高いので、下から見上げると必然的に背景が空になってしまい、チョウの姿が逆光でつぶれてしまうのが難点だ。そこで、樹高2mほどの幼木や下の方まで枝がある木を選んで、その周りで座ったり寝転んだりして待機することにした。ギフチョウたちは土手に咲くタチツボスミレで吸蜜した後に地表近くを飛んでくるので、最初は桜の木の低い場所で吸蜜するはずだ------というと聞こえが良いが、実のところ連戦で少し疲れていたのでさぼって休んでいたというのが本音。

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------ The Cherry Luehdorfia

--------Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM



カタクリとギフチョウのツーショットは「日本の春」の風物詩として有名だ。ところが、ギフチョウの発生地ではカタクリが無い場所の方が圧倒的に多いのだ(大部分はスミレでの吸蜜)。ステレオタイプの概念にとらわれて、わざわざ本来無いはずのカタクリを植えている保護地域もあるみたいだが、そんな場所でしょぼいカタクリの花をみても違和感しか感じないのだが-----。

桜ギフもカタクリギフと同様に「日本の春」の風物詩だと思う。
しかし、なかなかサクラの花とギフチョウの満足できる写真が撮れない。

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------ The Luehdorfia suckling nectar from the cherry blossom.

--------Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM



待機した桜の木の近くに何本かのオオヤマザクラがあった。オオヤマサクラは基本的には野生種で、ソメイヨシノよりも明らかにピンクが濃く、ベニヤマザクラ(紅山桜)とも呼ばれている。どちらかといえば北方系で、北海道や東北地方にこの桜の名所が多いようだ。薄茶色の若葉も伸びていて、ソメイヨシノとは雰囲気が明らかに異なる。

待っていると、そのオオヤマサクラの花にもギフチョウたちは訪れてくれた。

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------ The Luehdorfia suckling nectar from the Sargent's cherry

--------Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM



白馬村までの帰途に立ち寄った越後では新鮮なオスを撮影。
色白の越後美男子。南信で黒ギフを撮影した後だったので、ことさら白く見えた。

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------ The white Luehdorfia

--------Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM



ここのカンアオイはスペードの形の葉が面白い。
クビキカンアオイ(クロヒメカンアオイ)というらしい。

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------ Heterotropa yoshikawae

--------Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM



日本海側のイカリソウはシロバナになる。
ナガバではないスミレサイシンも目に新鮮だ。

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------ Epimedium grandiflorum and Viola vaginata

--------Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM




Afterword
本日は気温が高いものの雲が覆っていて、時々雲が切れて日がさすとギフチョウたちがポツポツ飛来した。この場所は昨年の実績から考えると、もう少し多くの個体を期待したのだが、なかなかそうはいかないのが自然である。
でも、目的の桜ギフは十分に楽しめたのでいうことなし。

蝶写友 kmkurobeさん、ネイチャーKendamarさんには今回もお世話になりました。
越中、越後での楽しい Back to the past の一日でした----感謝。


Nature Diary vol.8(21): #508

April 14th, 2013, Toyama and Nagano
Written by Tyurinkazan (虫林花山)

by tyu-rinkazan | 2013-04-16 22:00 | ▣ギフ | Comments(16)

20130324 越中の散歩道:ギフチョウなど

ギフチョウ(岐阜蝶):
毎年、ギフチョウを撮影しているはずなのに、シーズンになると、天気予報を気にしながらそわそわどきどきしてしまう。これはギフチョウに対する写欲の表われというよりも一種の恋愛感情(あるいは病気)に近いものかも知れないな。ギフチョウという春のチョウは何歳になっても、何度会っても魅せられて止まないものなのだ。
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Diary

蝶写友 kmkurobeさん(安曇野の蝶と自然)と一緒に今年も越中散歩。
越中の里山風景は、どこか懐かしく、どこか長閑で、ほっこりとしてしまう。。

「日本の原風景」----かな。

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越中の里山風景.. Landscape of small village in Ecchu
.
Olympus OM-D E5, March-24-2013, Toyama



█ ギフチョウ The Luehdorfia

今年はギフチョウの発生が早い。

温かな陽だまりにのんびりと腰かけていると、どこからともなくギフチョウが飛来。
(下の写真は両方とも少し赤上がっているべっぴんさん---上がオレンジ紋、下が赤紋)

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日光浴するギフチョウ♂.. A male of the Luehdorfia basking on the ground.
.
Canon 7D, EF300mm, March-24-2013, Toyama


日だまりにはカタクリがすでに花をつけていた。
ギフチョウたちは三々五々に現れて吸蜜。

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カタクリで吸蜜するギフチョウ♂.. A male of the Luehdorfia sucking nectar from Japanese dog’s tooth violet.
.
Canon 7D, EF300mm, March-24-2013, Toyama


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カタクリで吸蜜するギフチョウ♂.. A male of the Luehdorfia sucking nectar from Japanese dog’s tooth violet.
.
Canon 7D, EF300mm, March-24-2013, Toyama


スミレでの吸蜜時間は短くて、シャッターを押せたのは1度のみ。
もう少しゆっくりと撮影してみたい。

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スミレで吸蜜するギフチョウ♂.. A male of the Luehdorfia sucking nectar from the violets.
.
Canon 7D, EF300mm, March-24-2013, Toyama


僕のシャッターを押すタイミングは少し遅いようで、押した時にはチョウが消えていることも多い。
しかし、時々飛び立った瞬間のシーンが偶然に撮影できることもある。

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飛び立つギフチョウ♂.. A male of the Luehdorfia just flying in the air.
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Canon 7D, EF300mm, March-24-2013, Toyama



Afterword

本日は半信半疑で越中のポイントを訪れた(実は様子見だった)。
でも、kmkurobeさんの推察どおり、気温の上昇とともに複数のギフチョウ達が飛来してくれた。
やはり今年の発生は例年よりもかなり早いようだ。


d0090322_055279.jpg帰途、立ち寄ったコンビニからは、北アルプスの剣岳や立山が峨峨しい山容を見せていた。


ご一緒したkmkurobeさんに感謝。








Nature Diary vol.8(15): #502
Written by 虫林花山










by tyu-rinkazan | 2013-03-25 00:57 | ▣ギフ | Comments(22)

20120429 信州と越後上越の散歩道:ギフとヒメギフ

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Nature Diary 7(20):#445

<出版記念会>
土曜日(27日)は「フィールドガイド 日本のチョウ(日本チョウ類保全協会編)」の出版記念会が品川で催された。ちょうど学会出張で東京に滞在していたので、記念会には出席できなかったものの、無理やり時間調整して、記念会の二次会に駆け付けた。2次会は出版された本の話や虫好き仲間との蝶談義で盛り上がった。また昆虫写真家の海野和男さんにはメレ山メレ子さん「メレンゲが腐るほど恋したい」を紹介され、楽しさに時間を忘れて危なく甲府行の特急電車に乗り遅れるところだった。皆さん、ご苦労様でした。


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明けて日曜日の早朝6時には白馬村にいた----少し疲れた。
やっと雪が融け、小川の土手には沢山のフキノトウや土筆が伸び、見渡せば白馬の連山。

今日の白馬は春の女神「フローラ」が季節の遅れを取り戻そうとして突然ダッシュしたかのようにみえる。ちなみに、ミドリシジミでおなじみの西風の神「ゼフィルス」はフローラを追いかけて結婚したそうだ。フローラは美人でかつダッシュがけっこう速いに違いない----本当かよ?

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朝の白馬連山

.
Morning view of Shirouma
Canon 7D, Sigma 24mm, ISO400 (2012-Apr-29, Hakuba-mura in Nagano)



ギフチョウ; The Luehdorfia

蝶友の kmkurobeさん(安曇野の蝶と自然)とのギフチョウ撮影は今年2回目になる。訪れた場所は2週間前に雪が残っていて入れなかった越後上越の林道だ。今回は雪も無く、ちょうど桜が満開で、林床には多数のタチツボスミレやショウジョウバカマなどの花々が咲いていた。ここには春の花の定番のカタクリは無いけど、足場も良く、食草も豊富でギフチョウ撮影ポイントとしては一級だ。

林床に群生するタチツボスミレの花にはギフチョウたちが三々五々に訪れていた。でも、本日は気温が高いためか(7月上旬並みの陽気)それとも思わせぶりな態度であざ笑っているのかわからないが、ギフチョウたちはいかにも止まりそうな飛び方をするがなかなか静止してくれない。

気が短い虫林にはけっこうこたえる。

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吸蜜するギフチョウ

.
A male of the Luehdorfia nectering from the violet follower.
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-Apr-29, Echigo-johetsu, Niigata)


新鮮な♀個体がゆっくり飛んで小枝に静止した。メスの飛翔はオスに比較して穏やかでいいよね。みると、腹部に受胎嚢(矢印)とよばれる黒いシールが付いている(写真下)。受胎嚢とはようするに貞操帯のことだ。交尾する時にオスの分泌物で作られるらしい。

面白いことに受胎嚢の色はギフチョウでは黒色だがヒメギフチョウでは茶色。

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小枝に静止するギフチョウ♀

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A female of the Luehdorfia resting on the branch l
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-Apr-29,Echigo-johetsu, Niigata)


この場所の食草のカンアオイの葉は大人の手の平ほどもある。kmkurobeさんによればこの大きなカンアオイは「クビキカンアオイ」というらしい。白馬のカンアオイはとても小さく、富士川流域のものはその中間ぐらいかな。カンアオイと一口にいってもえらく違うものだね。

いかにも怪しい飛び方をする個体を見つけた。

追跡していくと、どうも産卵したいみたいで、ちょっと止まっては葉の様子を見ているようだ。とうとう、まだ開ききらない新葉を見つけてつかまるようにして産卵を始めてくれた。写真下は同じ個体を違う角度から撮影したものだ。

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ギフチョウの産卵

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A female of the Luehdorfia egglying on the feeding plant leaf.
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-Apr-29,Echigo-johetsu, Niigata)



ヒメギフチョウ; The Small Luehdorfia

白馬村のお目当ての桜の花は、八分咲きからほぼ満開。ちょうどkontyさんも来られていたので、一緒にヒメギフチョウの桜撮影を楽しんだ。

ヒメギフチョウは三々五々に桜の花を訪れたが、吸蜜時間は意外に短いので撮影するのが難しかった。ここにはソメイヨシノもあるけど、ヒメギフはこのんでピンクの桜(オオシマザクラ??)の花を訪れていた。ピンクの桜とヒメギフチョウと青い空の組み合わせは心がうずくな。

しかし、撮影が難しい。

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桜の花で吸蜜するヒメギフチョウ

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The Small Luehdorfia nectering from cherry flowers
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-Apr-29, Hakuba-mura, Nagano)


新鮮な♀個体を見つけた。ゆっくりと旋回するするように飛んで、枯れ草や小枝に静止する。みると、この個体は腹部に受胎嚢を付けていないようだ(未交尾)。もしかして-----。

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小枝に静止する未交尾の♀

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A fresh female of the Small Luehdorfia
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-Apr-29, Hakuba-mura, Nagano)


前の写真の未交尾♀個体を追いかけていたら、突然にオスが現れて水仙の葉で交尾になった。嬉しいことにオスの個体も新鮮で美しい。産卵シーンはある程度予想して撮影できるが、交尾シーンは運が良くないと見ることができないと思う。

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交尾するヒメギフチョウ

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Mating behavior of the Small Luehdorfia
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-Apr-29, Hakuba-mura, Nagano)

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交尾後のヒメギフチョウ♀ A female of the Small Luehdorfia after mating behavior.

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交尾後に枝につかまる♀。腹部に茶色の受胎嚢がすでに付着しているのがわかる。 事情を知っている虫林には何となくさびしそうな様子に見えるが----。
Ricoh GXR IV, ISO100 (2012-Apr-29, Hakuba-mura, Nagano)



§ Afterword §

今回もかなりのタイトなスケジュールになった。サメは生きるために泳ぎ続け、虫林は生きるためにフィールドに----意味不明。とにかく、忙しい日々の中での週末のフィールド散歩は、僕にとっては一種のカンフル剤(アドレナリン)注射のようなものなのだ。


今回もkmkurobeさんにお世話になりました。また、奥様にもお付き合いいただき感謝します。
楽しい一日でした。




以上、 by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2012-04-30 22:52 | ▣ギフ | Comments(18)

20110417 越中富山の里山散歩:ギフチョウ

=ギフチョウ詣で考=
毎年ギフチョウを撮影していても、桜が咲く頃になると天気予報を気にしてソワソワ、ドキドキ、ワクワクしてしまう。そしてやっと週末になると、カメラを片手にいそいそと車を飛ばしてギフチョウが棲むフィールドに出掛けるのだ。この 「春のギフチョウ詣で」 は、まるで 「パブロフの犬」 の条件反射のようになってしまっているのかもしれないな。そういえば、虫林は春になると涎(ヨダレ)が出て止まらないのだ(花粉症の鼻水だろ)。


§ Diary §

今回は蝶写友の kmkurobeさん(安曇野の蝶と自然)とご一緒して越中富山でギフチョウを追った。この時期の越中は桜の花が満開で、見はるかす先には切り立った輪郭を見せる北アルプスの名峰「剣岳」を筆頭にして雪をいただいた立山連峰が青空を背景に聳えていた(ブログタイトル写真)。

Kmkurobeさんにご案内いただいたギフチョウポイントは、棚田を囲むように点在する杉林や雑木林の周りで、その林床や土手には沢山のスミレ、カタクリ、キクザキイチゲの花が咲いていた。

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棚田とカタクリの花 (富山市, 4月17日)

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Olympus EP-1, MZD14-42mm, ASA200: Canon 7D, EF300mm, ASA400


到着した時は風が冷たく、空には雲が一面にかかっていた。

でも、しばらくして陽が差してくると目的のギフチョウが次々に現れ、道の脇の枯葉や枯草の上で日光浴をしてくれた。今年は今までギフチョウに会っていなかったので、ギフチョウと出会えただけで僕としては大満足だ。やはり虫屋であればギフチョウはね-----。

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日光浴するギフチョウ (富山市第2ポイント, 4月17日)

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Olympus EP-1, MZD14-42mm, ASA200


kmkurobeさんの呼ぶ声に急いで駆け付けてみると、1頭の新鮮なギフチョウのオスが斜面のタチツボスミレで吸蜜していた。スミレの花では吸蜜時間が短いのが普通だが(蜜の量が少ないためかな?)、この個体は比較的ゆっくりと吸蜜してくれた-----僕のように素早く撮れない撮影者にはとても有難かった。

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タチツボスミレで吸蜜するギフチョウ (富山市第1ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400
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タチツボスミレで吸蜜するギフチョウ (富山市第1ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


ここには、タチツボスミレの他に、ナガハシスミレやシハイスミレ、アオイスミレなどを認めたが、ギフチョウの吸蜜は、主としてタチツボスミレとシハイスミレで観察された。できれば、ナガハシスミレでの吸蜜を撮りたかったが、このスミレは距が長いので吸蜜し難いのかもしれないな。

でも、ここでは数が少ないシハイスミレでの吸蜜シーンをおさえることが出来たのは良かった。シハイスミレは山梨県には分布していないので、このスミレでの吸蜜は僕にとっては新鮮なものなのだ。

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シハイスミレで吸蜜するギフチョウ (富山市第1ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


下の飛翔写真だけを見ると、タチツボスミレの花を訪れたギフチョウのようにも見える。

つまり、上と下を逆にすると自然なのだが、実際に連続撮影した写真で確認してみると、明らかにこの飛翔写真は吸蜜後に飛び立ったものだった。偶然に連射していて良かった。

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吸蜜後に飛翔したギフチョウ (富山市第1ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


ギフチョウは吸蜜に飽きると、枯草の上でしばしば翅を広げて日光浴していた。

清書によれば、越中のギフチョウは越後や山形などのものに比較して、黄色い部分が少ないそうだ----どうだろうか。虫林には翅表の赤色紋の色が深くて目立つように感じたがかなり欲目が入ってしまったようだ。

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日光浴するギフチョウ (富山市第2ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


第2ポイントでは、スギの林に面した斜面の上の道が「蝶道」になっていて、そこで待っていると次々にギフチョウが飛んできてくれた。ただ、複数が視野に入るとどちらを追いかけるか迷ってしまう。

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日光浴するギフチョウ (富山市第2ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


下の写真の上左はシハイスミレ、上右はナガハシスミレ、下左は白花タチツボスミレ、下右はイカリソウ。

シハイスミレやナガハシスミレは甲府市内では見ることが出来ず、日本海側や関西に多いスミレである。また、山梨県で見かけるイカリソウはピンクから赤色なので、白いイカリソウ(トキワイカリソウ)はとても面白い。

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出会ったスミレとトキワイカリソウ (富山市第1ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


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§ Afterword §

今年はフライングしたり、天候不順だったりとギフチョウには振られていた。
これが今年初めてのギフチョウ撮影になりました。

今年の冬は気温が低く雪も多かったので、ギフチョウの発生時期を読むのが大変難しいようです。でも、この越中撮影行ではちょうど良い時期に訪れたようで、結構な数の新鮮なギフチョウに会うことが出来ました。古い資料をもとに良いポイント開発されたkmkurobe さんのお蔭です。

越中の散歩道は、またいつか必ず訪れてみたいなと思います。





以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-04-19 21:35 | ▣ギフ | Comments(18)

20100418 越後、越中のギフチョウ散歩

Nature Diary #0316
Date: April 18th (Sunday), 2010
Place: Niigata and Toyama Pref.
Weather: fine



§ Diary §

数日前に蝶写友のkmkurobeさん(安曇野の蝶と自然)から、週末に越後(新潟県)と越中(富山県)にギフチョウ撮影行をするという連絡がありました。虫林は今まで、日本海側のいずれの地域でもギフチョウの撮影をしたことが無かったので、喜んでその撮影行に同行させていただくことにしました (おんぶに抱っこ撮影行)。とにかく、ギフチョウの撮影もさることながら、kmkurobeさんに久しぶりお会いできるのも嬉しいな。


初めに訪れた越後のギフチョウポイント周辺は、長閑でどこか懐かしい風景でした。
何となくデジャブ Deja-vu な風景。

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桜咲く越後の里山風景 (ギフチョウの棲息地近傍)

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A week-end visit to Echigo and Ecchu districts with Mr. Kmkurobe was quite productive, in particular for Luehdorfia. This figure is showing a habitat of Luehdorfia, representing a peaceful landscape of Echigo in early spring time.
Nikon Coolpix P100
(2010-April-18, Niigata)



ギフチョウ; Luehdorfia

越後のポイントに到着して車から降りてみると、気温がかなり低くて、ジャケットを着ていても肌寒く感じるくらいでした。この時期の蝶の活動は気温に左右されることが多いので、少し心配しながら、風が少ない陽だまりでギフチョウの出現を待ちました。

9時を過ぎたあたりにギフチョウが突然出現-----良かった。

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ギフチョウ

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A female of Luehdorfia resting on the ground.
Nikon Cooolpix P100
(2010-April-18, Niigata)


とても新鮮で美しい♀(未交尾)----越後小町

この個体は、嬉しいことに日本海側に多いスミレサイシンで吸蜜してくれました。
越後のギフに相応しい光景だな。

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スミレサイシンで吸蜜するギフチョウ

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A female of Luehdorfia feeding on the flower of violet.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-April-18, Niigata)


かなり長い間吸蜜してくれたので、回り込んで横からも撮影できました。
スミレの花弁を抱きかかえるようにして熱心に蜜を吸っている姿は健気に見えます。

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スミレサイシンで吸蜜するギフチョウ

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A female of Luehdorfia feeding on the flower of violet.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400, Trimming (+)
(2010-April-18, Niigata)

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日光浴するギフチョウ

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A male of Luehdorfia basking on the dry leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-April-18, Niigata)



<越中>

越中のポイントでは、ギフチョウはまだ発生の初期。
個体数も少なくて出現範囲もかなり限定されているようでした。

ギフチョウは突然現れては、静止することなく林の中に消えていくので、撮影には苦慮しましたが、やっと林内の陽だまりで新鮮な♂を撮影できました----虫林にとっては貴重な1枚。

発生初期の♂の翅色はクリーム色で美しい。

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日光浴するギフチョウ

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A male of Luehdorfia basking on the dry leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-April-18, Niigata)



ルリタテハ; Blue Admiral

d0090322_2205448.jpg
ルリタテハ

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A Blue Admiral resting on the ground.
Nikon Coolpix P100
(2010-April-18, Toyama)



春の花; Spring flowers

越後ギフチョウのカタクリ吸蜜写真を撮影したくて、比較的新鮮なカタクリの群落の中でギフチョウの飛来をしばらく待っていました。しかし、残念なことに、(多分、虫林の下心が見透かされたのか) このカタクリ群落にはギフチョウは訪れてくれませんでした。

そこで、ヒマを持て余して、カタクリの白花を見つけて撮影(本末転倒)。

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カタクリの白花

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A white flower of Erythronium japonicum
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-April-18, Niigata)


山梨県内で見かけるイカリソウは赤~赤紫ですが、日本海側のものはすべて白でした。
白いイカリソウもこれはこれでなかなか綺麗だな。

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イカリソウ

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Epimedium grandiflorum
Nikon Coolpix P100
(2010-April-18, Niigata)


日本海側に多いナガハシスミレ。

距が異常に長いナガハシスミレは、山梨県内で見ることができないので、見つけるとカメラを向けてしまいます。何度見てもこのスミレはユニークで面白い。

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ナガハシスミレ

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Viola rostrata
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-April-18, Nagano)

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§ Afterword §

前々日の金曜日(16日)に、日本列島の上空に流れ込んだ強い寒気の影響で、広い範囲で季節外れの雪が降りました(甲府での4月中旬過ぎの降雪は41年ぶり)。そのため、越後や越中の積雪の状態がとても気になりましたが、我々が訪れた里山では、残雪は意外に少なく、寒気団のさしたる影響は無さそうでした。

越後や越中のギフは棲息範囲も広く、また個体数が多いように思えました。また機会があれば、是非とも訪れてみたいと思います。

kmkurobeさん、色々と有難うございました。お陰さまで楽しい一日でした。



<番外欄>

Modern Media という医学臨床検査系の雑誌(栄研化学株式会社発行)に、「虫林花山のチョウたち」というタイトルで(タイトル名は「青森の蝶たち」からのパクリ) 、表紙の写真とエッセイを 24 回連載 (24ヶ月)することになりました。


今年の1月号からの連載で、すでに現在3号が出ています。

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Modern Media 56卷1号の表紙








以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-04-19 22:20 | ▣ギフ | Comments(30)

20090411 富士川流域のギフチョウとスギタニルリシジミ (山梨県、静岡県)

Nature Diary #0247
Date: April 11th (Saturday), 2009
Place: Nanbu-cho, Yamanashi Pref.
Weather:Fine



<春景色>

春になると自然界が急に賑やかになる。

木々の新芽はいつの間にか若葉となり、そのパステルグリーンと山桜の花の薄桃色が複雑に溶け合ってなんともいえない山肌の模様を形成する。また、路傍にはスミレやタンポポの花々があふれ、多くの昆虫達も出現して、まるで、林全体が生命の歓喜に踊っているようだ。

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春景色 (4月11日、南部町)

Season of new green leaves
(Olympus E-510, ZD16-60mm)




§ Diary §


本日は「春の女神;ギフチョウ」に会うために勇躍国道52号を南下した。実は先週も富士川流域の生息地の一つを訪れたのだが、不安定な天気と低気温に加え、虫林の日頃の行いの悪さも相まって、春の女神は微笑んでくれなかったのだ。


ギフチョウ; Luehdorfia

毎年訪れるギフチョウポイントに到着して、準備をしながら周りを見回すと虫林のほかに人はいない。本日は天気も良く、気温も高いので期待しながらいつもの場所に腰をおろしてギフチョウの飛来を待つことにした。

待つこと約1時間、午前10時を過ぎる頃に、どこからともなく憧れの春の女神が舞い降りてきた。ギフチョウはタチツボスミレなどで吸蜜した後、アオキの新芽で静止した。

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アオキの新芽に静止したギフチョウ♀ (4月11日、南部町)

A female of Luehdorfia resting on the new leaves
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


昨年まで何度もギフチョウを撮影してきたが、目の前にギフチョウが現れると、有名な条件反射モデルの「パブロフの犬」のように涎が流れ、動悸と頻脈とともに血圧が上昇してしまう。

このチョウに対する強い憧憬は、幾つになっても消えない----虫屋の魂百まで。

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枝先に静止したギフチョウ♂ (4月11日、南部町)

A male of Luehdorfia resting on the new leaves
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


山梨県でのギフチョウの棲息地は。南部町、身延町など富士川流域に限られているが、いずれの生息地でも個体数が少なく、その存続が危ぶまれているといえるだろう。

ギフチョウの新鮮なメスは、実に美しい。

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地面に静止したギフチョウ♀(4月11日、南部町)

A female of Luehdorfia resting on the ground
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


イチリンソウの花が、蝶の重みで垂れてしまった。
何となくユーモラスで、ほほえましい。

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イチリンソウで吸蜜するギフチョウ♀(4月11日、南部町)

A female of Luehdorfia feeding on the flowers
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


翌12日(日曜日)に前日と同じギフポイントを訪れてみると、すでに横浜のE氏、フィールドノートのTheclaさん、Nature WorldのW氏、山梨のS氏が撮影されていた。

様子を聞いてみると、ギフチョウの飛来はかなり少ないとのことだった。
そこで、E氏とThecla氏が知る別なギフポイントに案内していただくことになった。

そのポイントでは、しばらくギフチョウの飛翔などを楽しんだが、お昼頃からは、食草であるカンアオイの多い場所でギフチョウの産卵シーンの撮影に挑戦した。葉裏をみると、白というよりはやや青みがかったギフチョウの卵が産み付けられていた。

2時間ほども待っただろうか、その間、数頭の産卵しそうなメス(タッチングしていた)は訪れたものの、残念ながら、産卵行動までには至らなかった。

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食草のカンアオイと卵 (4月12日、芝川町)

Eggs of Luehdorfia on the feeding plant “Kan-aoi”
(Olympus E-510, ZD12-60mm)




スギタニルリシジミ; Sugitani’s Hedge Blue

ギフチョウポイントから昨年見つけたスギタニルリシジミのポイントにTheclaさんと一緒に移動した。目的はスギタニルリのメスの開翅写真撮影だ。

スギタニルリの集まる水場は崖の下にあるが、恐ろしいことに崖の上からの落石が頻繁に起こっていた。かなり大きな石まで落ちてくるので危険なことこの上無い。それでも常に上に注意しながら落石が当たらない場所でスギタニルリの撮影を行った。

ちなみに写真の後ろに立っている人物はTheclaさんだ。

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スギタニルリシジミ♂の吸水 (4月12日、南部町)

Sugitani’s Hedge Blue
(Olympus E-510, ZD8mm + EC-14、外部ストロボ)


スギタニルリのオスは吸水に来るので観察する事は難しくないが、メスは樹上生活すると考えられていて、なかなかその姿を見せてくれない。

少し日が傾いて気温が下がってきた午後3時過ぎ。二人でメスかもしれないスギタニルリを見ていたところ、Theclaさんの推察通り、静止した後におもむろに開翅をしてくれた。

ルリシジミ♀の春型との鑑別が問題になるが、スギタニルリのメスの翅表では、色がより暗色調で、前翅、後翅とも黒い縁取りが等幅であることで区別できる。この個体はまさしくスギタニだ。


スギタニルリのメスの開翅は初めてなのでとても嬉しかった。

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スギタニルリシジミ♀開翅 (4月12日、南部町)

Sugitani’s Hedge Blue
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


バリアングルモニターを駆使して、吸水している雄の翅裏アップを撮影した。

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スギタニルリシジミ♂ (4月12日、南部町)

Sugitani’s Hedge Blue
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)

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スギタニルリシジミ♀ (4月12日、南部町)

Sugitani’s Hedge Blue
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


スギタニルリの飛翔をしばらく観察しているとハクウンボクの花で吸蜜を始めた。

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スギタニルリシジミの吸蜜 (4月12日、南部町)

Sugitani’s Hedge Blue
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO、トリミング)


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§ Afterword §

先週は低気温のためにギフチョウが出現しなかったので、今回が今年初めてのギフチョウ撮影となった。やはりこの時期にはギフチョウを撮影しないと何となく落ち着かないのだ。それにしても、ギフチョウの環境は放置すると必ず悪化してしまう。それ故、ギフチョウの保護は彼らの生息環境の維持が最も大事になってくるのだ。ギフチョウを保護している方々の努力には頭が下がる次第だ。

スギタニルリのメスの開翅撮影は、諦めの早い虫林一人では困難だったと思う----とても嬉しかった。


最後に、色々と教えていただいた横浜のEさん、Theclaさん、Wさん(アッキーさん)、Sさんに感謝します。また何時かお会いしましょう。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-04-12 23:17 | ▣ギフ | Comments(27)