NATURE DIARY

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20070128 ゼフ越冬卵シリーズ6(クロミドリ?)

20070127
朝食後、I医大のSさんを案内して、甲府市の北にある武田神社を訪れた。Sさんは消化器癌の遺伝子背景の研究をしており、昨日、大学院の特別講義に招いたのだ。講義の後、彼と一緒に食事をしたが、久しぶりに昔の想い出話に花が咲いた。

武田神社は甲斐の武将「武田信玄公」を祭神としてまつっており、NHKの大河ドラマ「風林火山」の影響もあって、風林火山のノボリが所々に立っている。疾如風、徐如林、侵掠如火、不同如山
その昔、この旗が翻っただけで、兵の士気は上がり、敵軍は震え上がったという。「虫林花山」の旗では、たぶん味方も敵兵も和んでしまって具合が悪そうだ。なお、そもそも「風林火山」の出展は、中国の「孫子」らしい。
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。。。。。武田神社に詣でるS氏(山梨県甲府市, 2007-Jan-27)

。。。。。。Ricoh GR-D, ASA100

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20070128 
朝起きるととても天気が良い。
今日は蝶と山・てくてく写日記のbanyanさんと北杜市の伐採跡でゼフの越冬卵を探すことになった。待ち合わせ時間よりもかなり早く到着したが、伐採枝の横に軽4輪を止めて作業している人がいた。挨拶して、お話を聞くと、この林の持ち主ということだった。持ち主によると、伐採された枝や木はやはりシイタケのほだ木に用いるそうだ。その持ち主に許可を得て、越冬卵を探していると、しばらくしてbanyanさんが到着した。banyanさんはこの付近の林は何度か訪れたことがあるということでとても詳しかった。

クヌギの伐採枝で越冬卵を探していると、写真の最も前面で斜めになっている枝でゼフの越冬卵を発見した。
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。。越冬卵を見つけたクヌギの伐採枝(山梨県北杜市, 2007-Jan-28)

。。。Ricoh GR-D, ASA100

この越冬卵は小枝の分岐部に位置している(矢印)。ちなみに、GR-Dでの近接撮影では、この位の拡大が限界みたいだ。越冬卵がいかに小さいかわかるだろう。
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。。越冬卵は小枝の分岐部に産まれている(山梨県北杜市, 2007-Jan-28)

。。。Ricoh GR-D, ASA100

そこで、gyoromeで拡大してみると、越冬卵の表面にはやや短い突起が密生している。なんの越冬卵かは、形態だけでは判定できそうもない。発見したのがクヌギの枝ということで、クロミドリ、ウラミスジ、オオミドリ、エゾミドリなどがあげられる。オオミドリにしては枝が太すぎるし、エゾミドリはそもそもミズナラに多く、また産卵する枝がオオミドリとは逆に細すぎる。ウラミスジの産卵部は、ほとんど例外なく冬芽基部である。またクヌギでは少ないらしい。ゼフに関する本でみると、クロミドリは「クヌギの大木の梢付近の枝に産卵し、産卵部位は休眠芽の基部に1個ずつ産まれるが、小枝部にも見られる」となっている。すると可能性が高いのはやはりクロミドリということになりそうだ。しかし、可能性が高いというだけで、確信はもてない。
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。。クロミドリの越冬卵?(山梨県北杜市, 2007-Jan-28)

。。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S

ミズナラの伐採枝からは、アイノミドリ、ミズイロオナガシジミなどの越冬卵を数個見つけることができた。

その後、ウラクロ、ウラゴマダラ、オオミドリ、メスアカミドリなどの越冬卵を探して、banyanさんと一緒に付近の林の中を歩いたが、残念ながら越冬卵は見つけることができなかった。しかし、天気の良い林の中の散歩は、とても気持ちが良く、ルリビタキ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、ヒヨドリ、カケス、モズ、ホオジロ、ジョウビタキ、ウソ(声のみ)、アカゲラ(声のみ)などの野鳥を見ることができた。しばらくして、banyanさんがホンドリスを見つけた。ホンドリスは今まで見たことが無い。

道の脇にウバユリの果穂が立っていた。このウバユリ(姥百合)という名前は、この花が咲くころに葉が枯れてなくなるため、「葉なし」を「歯なし」にかけて、老女に見立てたらしい。ひどい命名だ。
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。。。。。。。。。。。。ウバユリの果穂(山梨県北杜市, 2007-Jan-28)

。。。。。。。。。。。。。 Ricoh GR-D, ASA100

ウバユリの果穂は、割れた部分が細い線維で繋がっていて面白い。
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。。ウバユリの果穂(山梨県北杜市, 2007-Jan-28)

。。。 Ricoh GR-D, ASA100

ウバユリの果穂を逆さにして振ってみると、中から種がくるくると回りながら落下した。
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。。。。ウバユリの種(山梨県北杜市, 2007-Jan-28)

。。。。。 Ricoh GR-D, ASA100

ゆっくりと蝶談義しながら森の中を散歩して、とても気持ちよかった。もう少しで、春が訪れる。
Banyanさん、ご苦労様でした。また機会があればご一緒しましょう。
by tyu-rinkazan | 2007-01-28 18:21 | ▣クロミドリシジミ | Comments(12)

20070121 ゼフ越冬卵シリーズ5(エゾミドリシジミ)

新宿の紀伊国屋書店で、信州に住む昆虫写真家の栗田貞多男さんによる「ゼフィルスの森」という写真集を購入した。この本は日本蝶類学会第3回江崎賞を受賞したらしい。ページをめくってみると、次から次へとゼフィルスたちの素晴らしい写真が登場し、見ているだけで飽きない。

僕が初めてゼフィルスを見たのは、上野の科学博物館で標本箱の中にならぶアイノミドリシジミだった。その時、この蝶の緑の幻光に驚かされ、何時までも見入っていたのを覚えている。
中学生の時だ-----以後、ゼフィルスは特別な蝶になった-------。

思い入れの強いアイノミドリシジミの成虫の開翅写真を載せておく。
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。。アイノミドリシジミの幻光(山梨県甲府市, 2005-Jul-03)

。。。Pentax istDS, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA200

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今年は本当に暖かい。
ニュースでは山梨県のヤマネの冬眠が1ヶ月も遅れているようだ。

北杜市に行く途中で、湿原にアシの仲間のような植物を見つけた。
穂が綿のようにふさふさしていて面白い。今まで見たことが無いので一応撮影してみた。
名前は今までのところ不明だ。
注:コメントでこの植物がが綿状の種を持った蒲である事を教えていただいた。Kasyaさんに感謝いたします。
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。。綿状の種を持った蒲(山梨県北杜市, 2007-Jan-20)

。。。Ricoh GR-D

林の中で綺麗な実を見つけたので、虫の目レンズで撮影した。
この実は甲府市の武田の杜でも見たことがある。
注:コメントでこの実がタンキリマメの実である事を教えていただいた。fanseabさんに感謝いたします。
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。。タンキリマメの実(山梨県北杜市, 2007-Jan-20)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S

本日は午後から北杜市の伐採跡を訪れた。まだ見ていない伐採枝が残っているのだ。
だんだんとゼフの越冬卵探しも慣れてきたようで、越冬卵が産付されている枝がわかるようになってきた気がする。-----気のせいかな?
この宝探しもあと1回か2回で終わるだろう。でも枝が乾燥してしまわないうちに観察したい。見つけた越冬卵を生木に付けとこうと思う。

クヌギの伐採枝から探し始めた。ミズイロオナガシジミの卵をやっと見つけたが、その後が続かない。先週見つけたクロミドリシジミの越冬卵はやはり少ないのだろう。
30分で飽きてしまい、ミズナラ、コナラの伐採枝の方に移った。
すると、アイノミドリシジミ、ウラミスジシジミ、ミズイロオナガシジミの越冬卵を次々に見つけることが出来た。


<エゾミドリシジミ>
観察し終わった枝を整理していると、太い枝(直径5cmくらいはある)の樹皮の部分に越冬卵を見つけた。どうやらオオミドリシジミかエゾミドリシジミの越冬卵らしい。この両者はいずれも樹皮に産付されることが多く、また形態的にも非常に良く似ている。

注:当初、オオミドリシジミとしたが、産卵場所が太い側枝の樹皮であることから、エゾミドリシジミの可能性の方が高そうです。コメントいただいた方々に感謝いたします。
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。。ミズナラの樹皮に産付されたエゾミドリシジミの越冬卵 (山梨県北杜市, 2007-Jan-21)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S


良く見ると、近くの樹皮の皺の間にもう1つ別な卵が産み付けられている。
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。。ミズナラの樹皮に産付されたエゾミドリシジミの越冬卵 (山梨県北杜市, 2007-Jan-21)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S

この卵はやや小型で、表面の突起が短く、gyorome-8で近接撮影しても突起の形態がわかりづらい。
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。。ミズナラの樹皮に産付されたエゾミドリシジミの越冬卵 (山梨県北杜市, 2007-Jan-21)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S


<アイノミドリシジミ>
アイノミドリシジミの産卵は、北向きの林の大きな木(樹高5m以上)の梢の頂芽で行われることが多い。確かにこの伐採地は北向きで、大きなミズナラが伐採されているので、アイノミドリの越冬卵が見つかるのだろう。
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。。コナラの冬芽基部に産まれたアイノミドリシジミの越冬卵 (山梨県北杜市, 2007-Jan-20)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S

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。。コナラの冬芽基部に産まれたアイノミドリシジミの越冬卵 (山梨県北杜市, 2007-Jan-20)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S

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GX8とgyrome-8の組み合わせがなぜ昆虫の撮影に良いかお分かりかな?
それは両者の8という数字にその謎の答えが隠されているのだ、すなわち、8 X 8=64で64:ムシ→虫
by tyu-rinkazan | 2007-01-21 19:03 | ▣エゾミドリシジミ | Comments(24)

20070120  冬に虫屋の見る夢は------2

Gilbert White(ギルバート・ホワイト)による、「The Natural History of Selborne(セルボーンの博物史」という名前の本をご存知の方も多いと思います。

Gilbert WhiteはSelborneというハンプシャー州にある小さな村の教会の牧師で、村の自然や植物、昆虫、鳥などを観察した(大部分は鳥)。出版されたのは1788年であるから、かれこれ230年も前になる。彼は我々ナチュラリストの大先輩(特に元祖バードウォッチャー)なのだ。
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。。。。。。。The Natural History of Selborne


虫林は英国在住時に、彼が活動した村を訪れた。Selborneは英国では珍しく緑が豊富で、自然が残されている。その村には彼の家や庭が今はミュージアムとして保存されており、その庭にたたずんでいると、その当時の様子が想像できるようだった。
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。。本の中のSelborneの風景


英国は産業革命とともに自然が破壊されてしまった。それ故、彼らは自然に対する価値感が芽生え、現在は自然保護意識が非常に強くなっている。バードウォッチングやガーデニング、ナショナルトラストなどはその象徴であろう。
日本はというと、自然は以前よりは確実に少なくなったとはいえ、まだまだ残っている。しかしながら、残念なのことに日本人は自分達の豊かな財産に対する意識が少ない、否、気づいていない。機械化競争の時代はもう古い。これからの日本が誇るべきは、独自の文化や固有の豊かな自然なのだ。
同じような環境にあった英国が良い見本ではないかい?


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<ミドリヒョウモンの斑紋異常型>」
話は全く変わるが、一昨年の夏。南アルプスの大仙丈沢をハイキングして広河原まで歩いて戻る途中、ヒヨドリバナに多数のミドリヒョウモンが群れていた。ふと見ると、中の一頭が翅に白い紋がやけに目立つのだ。急いで駆け寄り、何とか写真におさめる事ができた。
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。。斑紋異常のミドリヒョウモン(山梨県南アルプス市, 2005-Aug-14)

。。。Pentax istDS, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA200

写真のように前後翅の一部に左右対称に白い紋を有している。
ミドリヒョウモンの斑紋異常?
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。。斑紋異常のミドリヒョウモン(山梨県南アルプス市, 2005-Aug-14)

。。。Pentax istDS, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA200

この写真は、上の写真を撮影したときに、同時に群れていた普通のミドリヒョウモンです。
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。。正常のミドリヒョウモン(山梨県南アルプス市, 2005-Aug-14)

。。。Pentax istDS, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA200


冬の日には、虫屋はシーズン中に出会った様々なシーンを思い出すのだろう。
虫林にはこのミドリヒョウモンの斑紋異常型は、とても印象に残るもので、また珍しいだけではなく、美しいのだ。
今でも目をつぶると、その時の興奮を思い出す。
by tyu-rinkazan | 2007-01-20 23:52 | その他・雑 | Comments(6)

20070113 ゼフ越冬卵シリーズ4 (ウラミスジ、クロミドリ)

今日は朝から晴れている。
外に出てみると、甲斐駒や白根三山、鳳凰山などの南アルプスが、青空をバックにくっきりと映えて見える。
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。。甲斐駒ケ岳 (山梨県北杜市, 2007-Jan-14) 北杜市の丘からは南アルプスが一望できる。

。。。Pentax K100D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 200


葉の上に降りた霜がとても綺麗だ、日があたるまでの芸術品-----。
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。。霜が降りた葉 (山梨県北杜市, 2007-Jan-14)

。。。Pentax K100D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 200



まず、近くのクヌギ林によった。
ここは大きな台場クヌギがあるところで、南斜面にある。到着してまもなく、クヌギの枝上で仲良く越冬していたテントウムシを2頭発見した。この2頭は初めじっとしていたのだが、しばらくすると動き出した。

ナミテントウと思っていたが、どうもそれよりも大きく、また鞘翅の辺縁がカメノコテントウのように平たくなっている。
図鑑で調べてみると、どうやらアカボシテントウだ。
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。。アカボシテントウ (山梨県敷島町, 2007-Jan-14)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S

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。。アカボシテントウ (山梨県敷島町, 2007-Jan-14)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S



先週、見つけた新しい伐採跡にまたやってきた。
下の写真のように、枝を全て刈り、クヌギの幹だけを残している。この伐採方法は甲州地方の特徴みたいで、これを繰り返すことで、有名な台場クヌギなる。
昔は伐枝を炭焼きにして燃料としたらしいが、現在はシイタケのホダ木となるのだろう。
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。。。。。。。。。。。。。。伐枝されたクヌギの林 (山梨県北杜市, 2007-Jan-14)

。。。。。。。。。。。。。。。Pentax K100D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 200



先週と同様に道路脇に積まれた伐採枝を見ていくことにした。
宝物はなかなかみつからなかったが、しばらくして、越冬芽の基部にやっとゼフの越冬卵を認めた。見つけた越冬卵はアイノミドリよりも明らかに小さく、多分、Favoniusの仲間のものだと思われる。だとすると、最も可能性が高いのがジョウザンミドリシジミの越冬卵だと思う。注:実体顕微鏡写真からジョウザンミドリシジミではなく、ウラミスジシジミの越冬卵であることが判明した。コメントを頂いた方々に感謝します。
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。。休眠芽基部のウラミスジシジミの越冬卵(陰に1つあるので計3個)(山梨県北杜市, 2007-Jan-14)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S



驚いたことに、ウラミスジシジミとアイノミドリシジミの越冬卵が同じ休眠芽に産まれていたのを発見した。
同じ食樹の蝶ではこのようなことがあるのだろうか?

こうして、比較してみると、アイノミドリの越冬卵はウラミスジのものより大きくて立派であることがわかる。卵の大きさは卵黄の量を意味すると思うが、興味深いものだ。
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。。同じ休眠芽基部に産み付けられたアイノミドリとウラミスジの越冬卵 (山梨県北杜市, 2007-Jan-14)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S



次に、クヌギの伐採枝を観察してみることにした。
クヌギの枝ではミズイロオナガシジミの越冬卵とともに、Favoniusの仲間の越冬卵を発見した。この卵は小型で、表面の突起が短い。オオミドリやエゾミドリもクヌギに産卵するらしいが、休眠芽の基部には産まないらしい。

アカシジミやウラナミアカシジミの越冬卵も可能性があると思うが、鱗毛などもはっきりしない。
この場所はクロミドリシジミの記録もあるみたいなので、クロミドリシジミの越冬卵と考えるのが妥当だろう。よく分からないが、一応、クロミドリとしておくことにする。
注:実体顕微鏡写真から、クロミドリシジミの越冬卵であるとみなされた。
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。。クヌギの休眠芽基部に産み付けられたクロミドリシジミの越冬卵 (山梨県北杜市, 2007-Jan-14)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S

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。。クロミドリシジミの越冬卵の拡大 (山梨県北杜市, 2007-Jan-14)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S



さらに、ミズイロオナガシジミの越冬卵も見つけたので、一応掲載しておく。
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。。ミズイロオナガシジミの越冬卵 (山梨県北杜市, 2007-Jan-14)

。。。Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S


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<実体顕微鏡写真の所見>
突起は短く、クロミドリの越冬卵で矛盾しないものと思われました。
何となく嬉しい----。
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。。クロミドリシジミの越冬卵の実体顕微鏡写真

。。


当初、ジョウザンミドリシジミとしたが、実体顕微鏡で観察すると、表面の突起はさほど長くはないようですが、突起の先が鋭く、鋭角にとがっているので、ウラミスジシジミの越冬卵と考えました。
「青森の蝶たち」の以前の記事に、ze_ph さんが撮影したとても素晴らしいジョウザンミドリの越冬卵の拡大写真が載せられています。これをみるとジョウザンの越冬卵も針状突起を持っていますが、ウラミスジの卵はその針状突起がさらに鋭いことがわかります。
上の「青森の蝶たち」をクリックすると見ることができますので-----是非参照してみてください。
ze_ph さん、素晴らしい写真ありがとう。
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。。ウラミスジシジミの越冬卵の実体顕微鏡写真

。。

突起部の拡大。
突起の先が針状にとがっている。
このように針状になるのはウラミスジシジミの越冬卵の特徴とされています。
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。。ウラミスジシジミの越冬卵の実体顕微鏡写真(突起部拡大)

。。


参考までアイノミドリシジミの実体顕微鏡写真も載せておく。
上の写真と比較しても、突起の形態が著しく異なることがわかりますね。
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。。アイノミドリシジミの越冬卵の実体顕微鏡写真

。。

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虫林の知る若手研究者にT大のKさんがいた。KさんはNatureという科学雑誌に論文を立て続けに掲載したので、何てすごい奴だと感心していた。しかし、彼の論文が、外国の研究者から虚偽のデータを含んでいるという疑いがかけられた。

T大の調査委員会は1年間の調査の結果、最終的に彼をクロと認定した。そのため、Kさんと主任教授のT先生が懲戒免職となったのである。
-------学問の世界は厳しいのだ。

若手研究者は何とか良い雑誌(Impact Factorの高い雑誌)に自分の論文を載せようと日夜努力している。高いImpact Factorの雑誌に自分の論文を載せることは、研究者の勲章でもあるし、励みにもなる。また将来ステップアップするための重要な条件にもなるのである。

しかし、Kさんには科学者としてもっとも大事な「正直さ」が欠けていたのだ。
---------残念である。
by tyu-rinkazan | 2007-01-14 17:15 | ▣クロミドリシジミ | Comments(24)

20070108 ゼフ越冬卵シリーズ3(アイノミドリシジミ)

この3連休で初めて快晴になったが、風が強く非常に寒い。
夏にゼフを多産する北杜市の林まで行って、越冬卵を探すことにした。

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甲府市から北杜市にぬける幹線道路上には雪はないが、周囲の畑は残った雪でマダラ状になっている。
今日は風が強いので、道路脇にみえた山梨名産「ころ柿」のノボリも寒風にはためいている。
--------寒そうだ。



◆北杜市風景◆
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= Ricoh GR-D, ASA100 =



途中、林の中で白い花が咲いているのを発見した。
しかし真冬に花も変だなと思い、車を止めて近づくと、綿毛のついた種であった。
暗い景色の中でそこだけ花が咲いたようにパッと明るくみえる。



。。。。。。。。。。。◆綿毛の白い花◆
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。。。。。。。。。。。= Ricoh GR-D, ASA100 =



車はノーマルタイヤなので、少しでも雪が道路上にあると、非常に緊張する。
でも注意しながらなんとか目的のゼフポイントに到着した。
みると、驚いたことに林の木がすっかり伐られているではないか。



。。。。。。。。。。。◆伐られた雑木林◆
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。。。。。。。。。。。= Ricoh GR-D, ASA64 =



そして、刈られた枝が道路脇に積まれている。
近くによって観察すると、まだ切り口が新しいので、ごく最近刈られたものらしい。
------とすれば、越冬卵を探すのにこれほど楽なことはあるまい。



。。。。。。。。。。。◆道路脇の枝◆
d0090322_1634313.jpg
。。。。。。。。。。。。= Ricoh GR-D, ASA64 =



探し始めて20-30分も経っただろうか、そろそろモティベーションも低くなってきたときに、枝先の休眠芽基部に「宝物」を見つけた。
早速、GX-8にgyorome-8を装着し、撮影することにした。
GX-8の液晶画面に映ったゼフの卵は、今年見てきた、オナガシジミ、ミズイロオナガシジミのものより大きく、突起も太い。
うーむ、これはアイノミドリシジミのものに違いない。

GX-8のズームをテレ側一杯にして、さらにデジタルズームをX2.0に設定して、もちろん手持ちで撮影した。ストロボをたき、シボリをF14まで絞っているので、背景も映るはずである。



◆アイノミドリシジミの越冬卵◆
d0090322_16345025.jpg
= Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, SS1/90, F14, 補正(-1.3), ASA 64, Panasonic PE28S =



この林は、アイノミドリシジミとメスアカミドリシジミが混棲している。
この両種は越冬卵の形態が良く似ているので紛らわしい。
しかし、卵が付着していた枝がナラ科であることや休眠芽の基部に産みつけられていることから、この卵はメスアカミドリシジミのものではなく、アイノであることがわかる(メスアカは決して休眠芽の基部には産まない)。

さらに、デジタルズームを最大のX4.0にして、最近接(ほとんどレンズについている)で撮影したのが下の写真だ。
トリミングはしていないが、photoshopでシャープネスを少し入れてレタッチしている。



◆アイノミドリシジミの越冬卵◆
d0090322_1635327.jpg
= Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, SS1/90, F14, 補正(-1.3), ASA 64, Panasonic PE28S =



越冬卵だけだと寂しいので、参考までに夏に撮影したアイノミドリシジミの開翅写真も載せておくことにする(Noreenさんのアイデア)。小さな卵がこの美しい蝶になるというのだから、観察している卵が愛おしく感じてくる。



◆アイノミドリシジミ成虫◆
d0090322_16351624.jpg
= Pentax istDS, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA200=



さらにさがしていると、今度はまたミズイロオナガシジミの卵を見つけた。
こちらのほうは、拡大写真を円内にいれてみた。



◆ミズイロオナガシジミの越冬卵◆
d0090322_1635569.jpg
= Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, SS1/90, F14, 補正(-0.7), ASA100, Panasonic PE28S =


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昨年末に導入したgyorome-8のお陰で、ゼフの越冬卵を野外で気楽に、また手もち撮影ができるようになったのが嬉しい。

gyorome-8は、周辺収差が強い、暗い、ゴーストがでやすいなどのいくつかの問題はあるものの、ゼフの越冬卵の撮影には個人的には満足している。GX-8は外部ストロボを用いたときでも、内蔵ストロボも同時に併用できることがわかった。レンズの前にディフューザーを付けることで、内蔵ストロボからの光を前面に当てることができるようだ。

gyorome-8はあくまで「虫の目レンズ」として、特殊な目的で使用するのが妥当と思われる。このレンズで風景写真やスナップ写真を撮り、高額な広角レンズで撮影したものと比較したらgyoromeが可哀相というものだ。

なお、今回見つけたアイノミドリシジミとミズイロオナガシジミの越冬卵は既に切り落とされた枝についていたものなので、持ち帰って研究室の実体顕微鏡でもう少し観察してみることにしよう。


追加 <実体顕微鏡写真>


◆アイノミドリシジミの越冬卵◆
d0090322_1145238.jpg
= 実体顕微鏡=




◆ミズイロオナガシジミの越冬卵◆
d0090322_11451381.jpg
= 実体顕微鏡=

by tyu-rinkazan | 2007-01-08 16:50 | ▣アイノミドリシジミ | Comments(18)

20070107 雨(雪)の日の虫屋の夢-----

昨日は一日ミゾレが降り、甲府市内も白くなった。
本日、午前中は天気が良かったが、やはり午後から雪がちらついている。
こんな時に虫屋がみる夢は--------。

ふらりと近くの書店によってみた。
「National Geographic」という自然写真の雑誌に、アマゾンの森林破壊の記事が載っていた。
---------ひどいものだ。

人間は文明と引き換えに自然を滅ぼす。
考えてみるがいい。古代文明の栄えた場所には、例外なく現在は全く自然(森林)が無い。

ならば、文明が発展しなければ良いかというと、そういうわけにもいかない。南米、とくにアマゾンでは外部資本が急速に入り込み、住民の暮らしが楽になるとともに、地球にとってかけがえの無い大自然が破壊されつつある。現在はかなりCritical (危機的)な状態らしい。

1年半ほど前(2005年11月)に南米アルゼンチンを訪れた。
ブエノスアイレスでの学会の後、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルの国境に位置する名瀑イグアスの滝によってみた。
ここは蝶の楽園だった----------。



◆クリスタルスカシマダラ Episcade hymenaea hymenaea◆
d0090322_18253275.jpg
= Pentax istD, Pentax D-FA 100mm MACRO=



寒い夜には、乱舞する蝶に囲まれたイグアスの一日を思い出す。
南米の自然がいつまでも保たれ、美しいチョウ達にまた会いたい。
by tyu-rinkazan | 2007-01-07 18:27 | その他・雑 | Comments(12)

20070103 ゼフ越冬卵シリーズ2 (オナガシジミ)

今の世の中、門松も無ければ、正月飾りを飾る家も少ない。
テレビ番組では、どの局でもお笑い芸人によるドタバタ番組。
昔、ジョーンバエズという歌手が「花はどこいった」という曲を歌っていたが、虫林は「正月はどこいった」という曲でも作曲しようかな。
なにはともあれ、平和で安全な日本であってほしいと祈るばかりだ。

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本日は冬休み最後の日。
何しろ、この正月休みの間にウェイトがかなりオーバーになってしまったので、散歩でもしなければ-------。
以前から気になっていたカシワの木がある甲府北部の山にいってみよう。

カシワの下枝でハヤシミドリの越冬卵でもないかと探してみたが、残念ながら見つけることはできなかった。帰る道すがら、オニグルミの枝をみたらまたオナガシジミの越冬卵を見つけた。

Gyoromeで、手持ち撮影。
トリミングが大きいと画質が荒れるので、前回よりも少し控えめにしてみよう。
オナガの突起は繊細で面白い。



◆オナガシジミの越冬卵◆
d0090322_2333248.jpg
= Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S、トリミング =




◆オナガシジミの越冬卵拡大◆
d0090322_2335646.jpg
= Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S、トリミング =



<追加掲載>

まあ、これくらいが手持ち撮影の限界で、これ以上は実体顕微鏡が簡単でよいだろう。
1個の卵が付いた枝を持ち帰ったので、参考までに、実体顕微鏡で撮影したオナガシジミの卵を掲載しておく。
この卵は、取り扱いが雑だったようで、どうやら表面の突起が崩れてしまったようだ。しかし、結構見れる写真にはなった。もう少し斜めから撮影したほうが良かったかもしれない。
虫林の研究室の実体顕微鏡には撮影装置が無いのでGX8を接眼レンズに押し当てて撮影した。



◆オナガシジミの越冬卵拡大(実体顕微鏡写真)◆
d0090322_15372689.jpg
= Ricoh Caplio GX8=



gyoromeは拡大レンズとしてもなかなか良いが、やはりコンデジにつけて、オートで簡単に虫の目レンズ画像が撮影できる「虫の目レンズ」として使用するのが気楽で良いだろう。
それ以上の越冬卵の拡大は、やはり実体顕微鏡が簡単でよい(当たり前の話だが)。

それにしてもゼフの卵の形態は魅力的だ----------、キラキラと輝く透明感がたまらない。
by tyu-rinkazan | 2007-01-03 23:07 | ▣オナガシジミ | Comments(18)

20070102 ゼフ越冬卵シリーズ1 (ミズイロオナガシジミ)

昼食後、家内と息子がスポーツジムに行って運動するという。そこで虫林は、午後からゼフの越冬卵を見にいった。山の中腹のポイントは、夏にはミズイロオナガを確実に見ることができる場所だ。

ここでは、数年前にはウラミスジシジミやムモンアカシジミも見つけたが、昨年はどちらも不調に終わってしまった。でも、基本的にミズイロオナガが多い場所で、また木の丈も低く、越冬卵を探すには良い場所と思われた。

しばらく、広葉樹の枝先を見て歩いたら、案の定、ミズイロオナガの越冬卵はすぐ見つかった。否、越冬卵らしい白い点を見つけたといった方が良い。一般的にゼフの越冬卵は直径1mm前後しかなく、目の悪い虫林には肉眼で判別できないのも無理は無い。
こうなったら、心眼しかないね。

ミズイロオナガシジミの越冬卵は、二股に枝が分かれた基部の部分に多くついていた。
見つける要領がわかるとかなり簡単に発見できる。



◆ミズイロオナガシジミの越冬卵◆
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= Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S、トリミング =




◆ミズイロオナガシジミの越冬卵拡大◆
d0090322_015776.jpg
= Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S、トリミング =



卵の中にはあまり突起が目立たないものもあった。
下の写真もミズイロオナガの卵だとは思うのだが------。
ミズイロにしておくが自信が無い、もし違っていたら教えてください。



◆ミズイロオナガシジミの卵◆
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= Ricoh Caplio GX8, Fit gyorome-8, ASA 64, Panasonic PE28S、トリミング =

by tyu-rinkazan | 2007-01-03 00:03 | ▣ミズイロオナガシジミ | Comments(6)

20070101 元旦

明けましておめでとう御座います。

大学3年になる上の息子はまだ帰ってきていないので、家内と下の息子と3人の静かな正月を迎えた。

年に1度、神奈川の父母の元に兄弟とその家族が集まって、正月を祝うのが恒例となってた。しかし、近年はそれぞれが色々な理由で一同に集まるのが難しくなりつつある。今年は父母とも風邪気味で、「風邪をうつすとかわいそうだから」という理由で正月は来なくて良いという。いつまでたっても心配ばかりしている。

朝起きて、お雑煮をたべながら高校1年の下の息子に「将来、何になりたいの?」と聞いてみた。「それはまだ決めていない」という返事が返ってきた。それで良いのだ。今は色々なことを考えることが必要なのだ。最近は恐ろしい事件が日常的に起こり、めったなことでは驚かなくなってしまった。こんな世の中にこれから出て行く彼らは大変だ。

テレビでは安倍首相が「美しい日本」などと綺麗なスローガンをあげている。ならば、今は汚い日本なのだろうか?昔の穏やかな日本が懐かしい------虫林よ年をとったか。


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ホームページ「虫林花山の散歩道」の中で、昨年の9月に日記の部分をブログ「Nature Diary」に移した。コミュニケーションということに重きを置くのであれば、ブログ化したことは正しい選択であったように思う。しかし、レイアウトの自由度は以前の日記の方が数段上だし日記の自己管理もブログではできない。メリット、デメリットを天秤にかければ、ほんの少しだけメリットが重いかもしれない。
でも、ブログを通して知り合った方たちとの交流は何か不思議な感じがするが、皆優しく、新入りの虫林に暖かく接してくれた。感謝している。

NHKの大河ドラマ「風林火山」がスタートする。
色々なところでこの風林火山のノボリやらポスターがあふれている。
この風林火山をもじった虫林花山もなにやら落ち着かなく気恥ずかしい。
全く自意識過剰というものだ。

色々あるが本年も宜しくお願い申し上げます。
by tyu-rinkazan | 2007-01-01 09:04 | その他・雑 | Comments(28)