NATURE DIARY

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20070830 空蝉の術:ミカドミンミン (山梨県)

虫林の部屋がある研究棟の外ではアブラゼミやミンミンゼミが毎日やかましいくらいに鳴いている。
セミ時雨とはよくいったものである。
この2種に加えてニイニイゼミ、ツクツクホウシの声が加わり、さらに近年ではクマゼミの鳴き声まで聞こえるようになった。

セミ、セミ、セミ。日本はなんとセミの多い国なんだろう。
以前に滞在した英国では、チッチゼミしか分布していないので、夏になってもセミの声がちっとも聞こえず、寂しく思ったものだ。

セミ時雨は日本の夏だ------。

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研究室の窓からぼんやりと外を見ていたら、目の前の木にミンミンゼミが止まり、ミーン、ミーンと鳴き始めた。何気なくそのセミを見ると、あれ!! 背中に黒紋が無いぞ。
なるほど、これが噂に聞く 「ミカド型のミンミンゼミ」 というやつか。

早速、次の日にカメラを持参し、昼休みに大学の構内で、セミを観察してみることにした。
今だとまだ夏休み期間中で、学生の数もそれほど多くないので良いだろう。

歩き始めるとすぐに、そこかしこでセミの抜け殻を見つけた。
セミの抜け殻のことを 「空蝉:うつせみ」 というが、この空蝉をみていると、子供の頃に見た忍者番組を連想する。すなわち、そこにいるように見せかけて、実はも抜けの空という「空蝉の術」だ。

そうだ、これから昼休みは「空蝉の術」を使おう。
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。。空蝉

。。。 Cast-off skin of a cicada
。。。. Ricoh GR-D, GW-1, ASA 100
。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)

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§通常型ミンミンゼミ§

見かけたミンミンゼミは、頭背部の模様から、通常型、緑化型(中間))、ミカド型(黒紋完全消失)に分けられる。その割合は、通常型>緑化型>ミカド型であるが、緑化型の頻度もかなり高いのに驚く。全く紋の無いミカド型はさすがに少ない。

ミンミンゼミはアブラゼミと違って、なかなか幹の低いところで静止しないので、広角写真が殊の外難しいが、何とかワイコン(GW-1)を装着したGR-Dで撮影できた。
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。。。。。。。。。。通常型ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

。。。。。。。。。。。 Oncotympana maculaticollis resting on the tree
。。。。。。。。。。。. Ricoh GR-D, GW-1, , ASA 100
。。。。。。。。。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)


通常型は体のほぼ全体が黒色で、頭胸部に黄緑色から青緑色の小紋が散在する。
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。。通常型ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

。。。 Oncotympana maculaticollis resting on the tree
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 400
。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)

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§緑化型ミンミンゼミ§

通常型とミカド型の間には中間型が存在し、それを「緑化型」とする。
当初は、頭胸部の黒紋がかなり消退し、緑色に見えるものはすべてミカド型だと思っていたが、よくよく調べてみると、純粋のミカド型というものは黒紋が完全に消えたもののみを指すらしい。

しかし、この緑化型でも通常型とは一目で区別がつき、見たときにかなり異様な感じがする。
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。。。。。。。。。。緑化型ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

。。。。。。。。。。。 Oncotympana maculaticollis resting on the tree
。。。。。。。。。。。. Ricoh GR-D, GW-1, , ASA 100
。。。。。。。。。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)

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。。緑化型ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

。。。 Oncotympana maculaticollis resting on the tree
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 400
。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)

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。。緑化型ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

。。。 Oncotympana maculaticollis resting on the tree
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 400
。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)

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§ミカド型ミンミンゼミ§

ミカド型ミンミンゼミのことは、虫林の幼な友達で虫友でもあるI君(神奈川県在住)が送ってくれた昆虫の資料の中に少し書かれていた。ミンミンゼミの変種で、分布はかなり局所的で少ないものらしい。しかし、嬉しいことに甲府盆地では比較的多くみられるということだ。
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。。ミカド型ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

。。。 Oncotympana maculaticollis resting on the tree
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 400
。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)

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米国には17年セミというのがいて、17年に1回、大発生し、話題になるが、ミンミンゼミの幼虫期も比較的長く、約7年くらいだといわれている。
長い地中の生活だ。地中生活が長い分だけ、地上に出たときにはこの世の春を謳歌するように鳴くのであろうか。

緑化型およびミカド型ミンミンゼミは一般に少ないが、局所的に多産する地域があるみたいだ。甲府盆地では、この型のミンミンゼミが多く認められるのは嬉しいことだ。

これからも少し「空蝉の術」を使って、お昼休みに探索してみよう。
by tyu-rinkazan | 2007-08-30 18:10 | ■他の昆虫 | Comments(18)

20070825 ゴマシジミ散歩2 (山梨県)

「山梨の蝶」(甲州昆虫同好会編)という本には、山梨県ではゴマシジミの分布が広く、また個体数も多いと書かれている。
はてさて、これは本当だろうか?
以前は、ゴマシジミの個体数が多かったかも知れないが、現在ではその姿を見るだけでもありがたいと思えるほど減少し、少ない蝶になってしまったのだ。

その少ないゴマシジミを求めて、東京や神奈川などからわんさか採集者が集まってくるのだからたまったものではない。彼らは情報だけをたよりに訪れるので、既知のゴマポイントは、彼らに完全に占拠されてしまっている。まったく、この時期、山梨にはゴマシジミ狂騒曲でもながれているようだ。

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§ゴマシジミ§

先週、甲州市で見つけた小さなゴマポイントにもう一度行ってみた。
到着するとすぐに、1頭のゴマが飛び出して葉の上に静止した。今までゴマシジミの開翅を撮影していないので、本日はのんびりと翅を開くまで待つことにした。
「開かぬなら、開くまで待とうゴマシジミ---虫林」
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。。広角:葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 Wide angle view of Maculinea teleius resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Koshu-shi, Yamanashi)

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。。拡大:葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 High power view of Maculinea teleius resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Koshu-shi, Yamanashi)


広角で撮影していると、ファインダーにとんでもないものがうつった。

それは----------「あやはべる」furuさんだった。
お互いにビックリしたが、お会いするのは久しぶりなので、とても嬉しい。
思わずfuruさんをバックに入れて広角写真を撮影してしまった。

落ち着いて話を聞いたところ、furuさんはこの場所を以前から知っていて、今日はゴマの撮影にやってきたとのことであった。なんと、先週見つけたゴマポイントは、furuさんの知るゴマポイントと同一の場所だったことになる。これまたビックリである。
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。。葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius と furuさん

。。。 Wide angle view of Maculinea teleius resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Koshu-shi, Yamanashi)


ゴマシジミはなかなか開翅してくれないので、手持ちぶたさにオニヤンマを撮影していた。一番ピントがあった写真が、furuさんのリュックの前だった。
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。。飛翔:オニヤンマ Anotogaster sieboldii

。。。 Flying feature of Anotogaster sieboldii
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 400
。。。.(2007-August-25, Koshu-shi, Yamanashi)

1頭のゴマシジミを二人で色々と撮影していたが、突然、ネットを持った採集者が現れてしまった。彼の話では、昨日、あるヒトがゴマシジミをここで5匹採集したとのことであった。この個体数の少ない小場所で、5匹の採集はかなりダメージが大きいことは明白だ。

結局、2時間待ってもゴマシジミは翅を開いてくれないので、ネットマンから聞いた北杜市の明野のゴマポイントに移動し、そこでゴマを探す事にした。もちろん、furuさんも一緒にね。

明野では蝶の採集者が多く、出会っただけでも7-8人になる。全てゴマ狙いの方たちだ。親切な人もいて、ゴマのポイントを教えてくれたが、そこに行くと、すでに数人の採集者が陣取っていた。それでも、1頭だけワレモコウにきたゴマシジミを発見できた(発見してもらった)。

出会った採集の方たちの成果は、null~5匹/1人くらいだが、こんなに採集者が入れ替わり立ち代り集中すれば、環境は変わらなくても、採集圧だけでポイントが消滅してしまうだろう。

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§ゴマダラチョウ§

本日も非常に暑い。水分補給のためにジュースの自動販売機までくると、その前で、ゴマダラチョウ、キタテハ、ウラギンシジミ、コミスジが吸水していた。
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。。無機塩類をとるゴマダラチョウ Hestina persimilis japonica

。。。 Hestina persimilis japonica feeding on the mineral salt
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Hokuto-shi, Yamanashi)


この蝶は無機塩類をとるため、夢中で石をなめているので、gyoromeを装着して撮影してみた。
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。。虫の目像:無機塩類をとるゴマダラチョウ Hestina persimilis japonica

。。。 Insect-eye image of Hestina persimilis japonica feeding on the mineral salt
。。。. Ricoh Caplio GX-8, gyorome, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Hokuto-shi, Yamanashi)

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§ヒメシロチョウ§

原村では、この時期ソバの花が満開で、とても綺麗だった。ソバの花には、モンキチョウやモンシロチョウとともに多くのヒメシロチョウが訪れていた。
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。。飛翔:ヒメシロチョウ Leptidea amurensis

。。。 Flying feature of Leptidea amurensis
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 400
。。。.(2007-August-25, Hara-mura, Nagano)

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。。飛翔:ヒメシロチョウ Leptidea amurensis

。。。 Flying feature of Leptidea amurensis
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 400
。。。.(2007-August-25, Hara-mura, Nagano)


ヒメシロチョウはマメ科の植物(多分、ツルフジバカマ)にしばしば静止し、産卵行動を示した。
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。。産卵:ヒメシロチョウ Leptidea amurensis

。。。 Egg lying of Leptidea amurensis
。。。. Pentax K10D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Hara-mura, Nagano)

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§ムモンアカシジミ§

T川のムモンアカポイントは、以前(2週間前)に訪れたときは、まだ時期的に早いみたいであった。今回、訪れてみると午後1時30分頃に、高い木の上から1頭のムモンアカシジミが舞い降りてくれた。その後、足元から突然もう1頭が飛び出した。
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。。ムモンアカシジミ Shirozua jonasi

。。。 Shirozua jonasi resting on the flower
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Hara-mura, Nagano)

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§ミヤマシジミ§
帰る途中で、河原のミヤマシジミの棲息地を覗いてみた。かなりの数が見られたが、あまり翅を開いてくれないのだ。でも中には何とか開いてくれるものもいたので助かった。
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。。。。。。。。。。ミヤマシジミ Lycaeides argyrognomon praeterinsularis

。。。。。。。。。。。 Lycaeides argyrognomon praeterinsularis
。。。。。。。。。。。. Ricoh GR-D, GW-1, ASA 100
。。。。。。。。。。。.(2007-August-25, Hakusyu, Yamanashi)

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§Epilogue§

ゴマシジミの撮影中に、furuさんに遭遇したのは大変驚いた。ある意味、ゴマシジミを見つけたときよりも嬉しいことである。久しぶりにお会いし、撮影もご一緒できて楽しかった。

北海道でゴマシジミは、「道端のチョウ」であるらしい。もともとこの蝶はヒトの生活圏の中でともに生きる身近で庶民的な蝶なのだ。それがいつの間にか少なくなったのは、ヒトの生活様式が変わったためといわれている。

山梨県でゴマシジミの分布は非常に狭く、個体数も少ないといわざるをえない。ゴマシジミの減少をヒトの生活様式の変化による時代の流れというのは簡単だが、実際、ヒトの生活様式の変化説にしても、どこまでの信頼性があるのだろうか。

いずれにしても、少なくなってしまった山梨県のゴマシジミを、良識のある大人(実際話してみるとそう思える)が、よってたかって網で追い掛け回すのは、少し分別が欠けているね。でも、ゴマシジミはそんなに軟なチョウではなさそうなので、どこかでしたたかに繁殖していると信じている。

この蝶の食草のワレモコウは、どこのゴマポイントをみても多くはない。ところが、面白いことに、今の時期、このチョウのいない高原のお花畑では、沢山のワレモコウを見ることができる。すると、この蝶が生きていくには、ワレモコウの要素よりも、共生するアリの要素の方が重要なのだろうか。アリ蝶はこのミステリアスなところが魅力だ。
by tyu-rinkazan | 2007-08-26 14:54 | ▣ゴマシジミ | Comments(20)

20070819 ゴマ探し散歩 (甲州市、山梨県)

今年は山梨県でゴマシジミの姿を見ていない。以前は土手や開けた草地、畑の畦などのポイントでゴマシジミをしばしば見かけたそうだが、今日ではそのような場所は少なくなり。またゴマシジミそのものの個体数も急速に減ってしまった。

数年前に見つけた茅ヶ岳中腹の青ゴマポイントでは、環境はそれほど変わったとは思わないが、何故か今ではゴマシジミはいなくなってしまった(食草が少ないことと採集圧が原因かな)。そこで、何とか新しいゴマポイントを探したいと思っていた。

数日前に突然、ぽんぽこ山本さんからメールが入り、ゴマシジミであれば、○△方面で探したほうが良いだろうというご親切なアドバイスを頂いた。
ゴマポイントで暗中模索している虫林にとっては、「地獄に仏」ならぬ「地獄にぽんぽこさん」である。

本日(日曜日)は半日だけでも、ゴマシジミを探しに行くことにした。
♪探し物はなんですか~、見つけ難いものですか~♪♪(井上陽水)

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本日も朝から暑い。車で30分ほどの丘から見下ろす景色は、甲府盆地の北東部にあたる。この場所からは、旧塩山市の名前にもなった、“塩山:標高522m”がお椀を伏せたように市街地の中にみることができる(写真手前で、やや左側の山)。遠くには金峰山や瑞垣山などの秩父の山々が聳えている。

そういえば、このあたりは市町村合併により、甲州市になってしまった。
市町村合併によってつけられた新しい名前にはろくなものがない。虫林が所属する大学がある場所の地名も玉穂町から中央市になった。------意味がわからないぞ。
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。。甲府盆地北東部

。。。Landscape of North-east region of Kofu-basin
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)


山梨県はブドウやモモなどの果物栽培が盛んな土地である。春には一宮から勝沼にかけて、モモの花が一面に咲き、桃源郷と称される。モモの収穫は8月上旬までで、時期的には既に終了しているはずだが、まだ収穫されずに残っているものがあった。
写真はストロボを弱くたいている。

モモの林はとにかくセミが多い。歩くたびにばたばたと飛び立つのでビックリしてしまう。
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。。モモ Prunus persica

。。。Peach
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100、ストロボ
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)

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§ゴマシジミ§

見晴らしの良いところに立って、伐採跡地のように見える場所を見つけ、そこを歩いてみた。炎天下で草を掻き分けのぼり、ゴマシジミを探すのは非常に厳しい。夏の太陽が容赦なく虫林を照りつける。大量に汗をかいたので、電解質を含む水分補給には気をつけていたつもりだが、少しクラクラした。熱中症になりかけたのかも知れない。危ない、危ない。

そんな遠くからみえるような草原では、結局のところゴマシジミは見つからなかった。ところが、一休みして、何となく入った果樹園の脇の茂みで、大きなシジミチョウがチラチラと飛んでいるのが見えた。
ゴマシジミに違いない!

早速、駆け寄って確認するとやはりゴマシジミだった。飛翔時には翅の青色がとても綺麗だ。後を追っていると、食草のワレモコウの花に静止したので、広角で撮影した。
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。。広角:ワレモコウで休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 Wide angle view of Maculinea teleius resting on the flower
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)

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。。広角:ワレモコウで休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 Wide angle view of Maculinea teleius resting on the flower
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)


その場所で出会ったゴマシジミは数頭のみであった。いずれの個体も新鮮だったので、発生初期かとも思うが、それにしても数は少ない。

この少ない個体数では、交尾はおろか産卵シーンの撮影も困難だろうと思う。
まあ、こんなときこそ、普通のシーンを丁寧に撮ることが肝心だろう。
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。。葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 A butterfly, Maculinea teleius, resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)


葉上に静止したゴマを逆光気味の角度から撮影してみた。完全な逆光だとゴマシジミがつぶれてしまうが、半逆光だと縁毛の光が蝶の輪郭を強調して美しい。
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。。葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 A butterfly, Maculinea teleius, resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)

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§ゴマシジミ飛翔§

しばらく様子を見ていたが、ゴマシジミたちは一向に翅を開いてくれない。翅を開いてくれないと青ゴマというわけにはいかないのだ。そこで、飛翔写真を撮影することにした。

飛翔写真は、蝶の飛ぶ姿を写しとめることが本来の目的であるが、開翅をしない蝶の翅表の様子を観察する手段としても有用だと思う。

飛翔写真でゴマの翅表をみると、青い部分が鮮やかに認められ、いわゆる「アオゴマ」といえる。しかし、翅の辺縁の黒い帯がかなり太いようだ。
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。。飛翔するゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 Flying feature of Maculinea teleius
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)


山梨県のゴマシジミは本州中部亜種kazamotoに属するが、場所によって青い部分の広がりは様々である。富士山周辺のゴマシジミは、翅全体が黒くなるが、この辺の個体はかなり青い。
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。。飛翔するゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 Flying feature of Maculinea teleius
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)

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§ウラナミシジミ初見§

何気なく歩いているとシジミチョウがすごいスピードで飛来した。初めはトラフシジミかと思ったが、良く見るとウラナミシジミではないか!

ウラナミシジミは今年の初見になる。こんなに早いウラナミシジミの初見は今まで記憶に無い。今年は一体どうなっているのだろうか。
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。。初見:ウラナミシジミ Lampides boeticus

。。。 First look of Lampides boeticus
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)

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§ウラギンシジミ§

この辺りはウラギンシジミが多いようで、複数の個体を見かけた。
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。。ウラギンシジミ Curetis acuta paracuta

。。。 Curetis acuta paracuta resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-19, Kosyu-shi, Yamanashi)

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昼近くになると、暑さはとても我慢できるレベルではなくなったので、帰宅することにした。水風呂にでも入ってリフレッシュすることにしよう。

結局、何とかゴマシジミの新ポイントを見つけることが出来たが、非常に狭い範囲で出現した個体も3頭にとどまった。まだ発生初期なのかも知れないが、このままでは、ここも近い将来いなくなるような気がしてならない。何とかならないものかと気をもんでしまう。

でもやっと見つけたゴマの新ポイントなので、これからもう少し観察してみようと思う。
ポイントの発見において、貴重なアドバイスを頂いたポンポコ山本さんに感謝いたします。
by tyu-rinkazan | 2007-08-21 11:28 | ▣ゴマシジミ | Comments(24)

20070818 南アルプス散歩:ベニヒカゲ (南アルプス市、山梨県)

毎日暑い日が続いている。数日前は埼玉県の熊谷市と岐阜県の多治見市で40.9℃という観測史上最高気温が記録されてしまった。甲府市はというと、37.4℃で、やっぱり暑かった。

この暑さのために、熱中症による死者も出たようだ。大体、体温より高い気温では具合も悪くなるよね。

夏に暑くなるのは自然の理、ならば涼しいところに行こうじゃないか。
-----ということで、涼を求めて南アルプスにベニヒカゲを見に行くことにした。

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朝寝坊してしまい(家内の予想通り)、始発のバスに乗り遅れた。
そもそも、南アルプスは交通規制されており、芦安の駐車場に車を止め、バスに乗り換えなくてはならない。北沢峠にはさらに村営のバスに乗り換えるのだ。それぞれのバスはあまり数が出ていないので、乗り遅れるとダメージが大きい。

南アルプスの交通規制は賛成だが、料金設定が少しおかしい。甲府駅から広河原までが1800円で、芦安の市営駐車場から広河原までが1000円なんて、利用客の足元を見ているとしかいいようがない。まあ、文句があるなら行かなければ良いでしょ、といわれると返す言葉も無いがね。

結局、バスから降りて歩き始めた時には日も高くなってしまった。
そこで、あまりノンビリ出来ないと思いベニヒカゲの棲む谷の入り口まで一気に歩いた。
あまり長い距離を歩いたことが最近無いので、少しきついが、メタボの虫林にはこの位が良いのだ。

ベニヒカゲの楽園への入り口となる堰堤。この堰堤を越えた谷が目的地だ。晩夏の高山蝶であるベニヒカゲを見に、今まで一体、何度ここを訪れたことだろうか。
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。。堰堤と仙丈ケ岳

。。。Landscape of Mt. Senjogatake
。。。. Ricoh GR-D, ASA 100
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)

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§ベニヒカゲ§

ベニヒカゲは、「ヒカゲモノ」(ヒカゲチョウの仲間)なのに、明るい開けた場所を好む。
ベニヒカゲを見るだけなら、もっと楽な場所(八ヶ岳の別荘地など)もあるし、ここでも林道脇のヒヨドリバナで、そこそこ見ることはできるのだ。しかし、ベニヒカゲは痩せても枯れても“高山蝶”なのだ。ならば、高山蝶としてふさわしい場所で、そしてふさわしい花で出会いたいものだ。

昨年も同じ時期にここを訪れているが、今年の発生数は昨年よりも少ないようだ。まだ♂の新鮮個体が飛びまわっているので、発生初期なのかも知れない。
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。。飛翔するベニヒカゲ Erebia neriene

。。。Flying feature of a male of Erebia neriene
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)


このベニヒカゲの楽園は、広い谷の草付きで、そこにはキオンやマルバダケブキの花が非常に多い。ベニヒカゲはマルバダケブキよりもキオンの花を好むようで、両者が混在している場合、キオンを選ぶ。贅沢な蝶である。ちなみにキオンの花はハンゴンソウに似ているが、葉の形態がことなり、ハンゴンソウに比べて華奢な感じがする。

しかし、黄色い花に黒っぽい蝶は露出が難しいよね。
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。。。。。。。。。。吸蜜するベニヒカゲ Erebia neriene

。。。。。。。。。。。A male of Erebia neriene feeding at the flower
。。。。。。。。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。。。。。。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)


山梨県では、ベニヒカゲは南アルプスと八ヶ岳に広く分布している。
南アルプスでは標高1600m以上の高地に棲息しているが、分布は不規則で、聞くところによると、櫛形山は標高2000mを越えているが、ベニヒカゲの記録が無いということだ。
------不思議だ。
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。。吸蜜するベニヒカゲ Erebia neriene

。。。 A male of Erebia neriene feeding at the flower
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)


ベニヒカゲは地理的な変異の多い蝶として有名で、多くの亜種名が与えられているが、実際には北海道亜種 scopariaと本州亜種 niphonicaと分けるくらいでよいのかもしれない。
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。。吸蜜するベニヒカゲ Erebia neriene

。。。 A male of Erebia neriene feeding at the flower
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)


ベニヒカゲの♂♀は、翅裏の紋を見れば一目瞭然である。
♂はほぼこの写真のように、後翅の裏面が真黒だ。

蝶屋はこの蝶の魅力を理解できると思うが、普通のヒト(特に若い女性)にこの蝶の魅力について聞いてはいけない。かならず、「ワ、これ蛾?」とか「ヤダー気持ち悪い~」といわれてしまう。まあ、我々ムシ屋は、一般社会から見れば異常な思考体系を持つことを自覚すべきだね。
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。。吸蜜するベニヒカゲ Erebia neriene

。。。 A male of Erebia neriene feeding at the flower
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)


荷物を置いてあった場所に戻ってみると、ベニヒカゲがペットボトルのキャップに静止していた。ヒカゲチョウの仲間に限らず、タテハチョウ科のチョウ達は、しばしば汗を吸いに体に止まったりするが、白いキャップに来たのはそのようなものではなく、花と間違えているのかもしれない。
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。。ボトルキャップに静止するベニヒカゲ Erebia neriene

。。。 A male of Erebia neriene feeding at the bottle cap
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)

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§ツマジロウラジャノメ§

この林道は、ベニヒカゲのほかにキベリタテハとツマジロウラジャノメを見ることができる。今回は発生時期が遅れているためか、キベリタテハは1頭も見ることができなかった。

ツマジロウラジャノメは沢の出合などでひらひらと舞っていたが、多くは雌であった。
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。。ツマジロウラジャノメ♀Lasiommata deidamia

。。。 A female of Lasiommata deidamia resting on the rock
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)


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§ブチヒゲハナカミキリ§

ブチヒゲハナカミキリはそれほど珍しいカミキリではないが、かといってどこでも見れるものでもない。鞘翅の色は赤であるが、やや黒っぽくなり、実際に真黒になるものもある。

丁度、ヒヨドリバナの花の周りで、マルガタハナカミキリやヤツボシハナカミキリとともに飛んでいたので、飛翔写真を撮影した。カミキリの飛翔は蝶に比べて直線的で、ゆっくりしているので、撮影し易い。
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。。飛翔するブチヒゲハナカミキリ Corymbia variicornis

。。。 Flying feature of Corymbia variicornis
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)

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。。ブチヒゲハナカミキリ Corymbia variicornis

。。。 Corymbia variicornis feeding on the flower head
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)

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§ミヤマハンミョウ§

この林道にはミヤマハンミョウが多い。歩くと足元から飛び出し、すぐ前に静止する。
その中にいやに黒っぽい個体がいたので撮影してみた。ハンミョウはよく分からないが、ミヤマハンミョウの黒化型でよいのだろうか?
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。。。。。。。。。。ミヤマハンミョウの黒化型? Cicindela sachalinensis

。。。。。。。。。。 Cicindela sachalinensis resting on the ground
。。。。。。。。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。。。。。。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)

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。。ミヤマハンミョウ Cicindela sachalinensis

。。。 Cicindela sachalinensis resting on the ground
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)

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今週は多分1年中で最も暑い週だったに違いない。そんな時には避暑も兼ねて、高山蝶に会いに行くのが一番良い。

ベニヒカゲは北海道では平地でもみる蝶らしいが、この蝶が平地で飛んでいたら、あまり嬉しくないだろうな思う。高山蝶は高山にいてこそ高山蝶なのだ。

明日の日曜日は、酷暑の中でゴマシジミを探すつもりだ。大丈夫だろうか?
by tyu-rinkazan | 2007-08-19 17:06 | ▣ベニヒカゲ | Comments(30)

20070812 下北半島の蝶2 (青森県)

ミドリシジミの群生する河川林を後にして、本来の目的であるゴマシジミ、カバイロシジミの撮影のために、下北半島の突端にある尻屋岬から大間町近辺の海岸に向かった。全体の走行距離は300kmを優に超えた。虫林にしては長距離ドライブである。



§ゴマシジミ§

ゴマシジミの撮影だけなら、家内の実家がある八戸市の近郊でも可能であろう。しかし、僕は下北半島突端のゴマシジミにこだわったのだ。-------というのも関東周辺では、ゴマシジミは"山里の蝶"なので、是非とも、海岸線で群れ飛ぶゴマシジミたちを見てみたいと思ったからだ。

尻屋岬の海岸線は草地が波打ち際までせまっている。花も多く咲いていたが、この素晴らしい景色の海岸ではゴマシジミの姿は一頭も見かけることが出来なかった。

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尻屋岬

Landscape of the tip of Shiriya-cape
Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100
(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)



海岸線の波打ち際でゴマシジミを見ることができなかったので、車で流しながらさらにゴマシジミを探してみることにした。すると海岸線から少し内部に入った馬の放牧地(お花畑になっている)で、チラチラと飛翔するゴマシジミを見つけた。

車を停車して観察すると、あちらこちらでゴマシジミが飛んでいた。個体数もかなり多いようだ。海岸線のゴマシジミというわけにはいかないが、目的のゴマシジミに会えた。

ゴマシジミの飛翔はとても緩やかなので、飛翔写真で翅表を観察することした。飛んでいるゴマシジミを見ると、翅表の青い部分が発達してとても綺麗だ。アオゴマはやはり良い。

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飛翔:ゴマシジミ Maculinea teleius

Flying feature of Maculinea teleius
Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)


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飛翔:ゴマシジミ Maculinea teleius

Flying feature of Maculinea teleius
Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)



ゴマシジミは地域によって翅の色彩が少し異なり、いくつかの亜種に分かれている。日本蝶類標準図鑑によれば、北海道と東北(青森県と岩手県の北部)は同じ亜種(ogumae)とみなすのが妥当らしい。

写真をトリミングして飛翔しているゴマシジミの翅表を拡大して観察すると、翅表辺縁の黒帯の境界が明瞭で、黒紋が小さく、亜種(ogumae)の特徴が出ているようだ。

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飛翔:ゴマシジミ Maculinea teleius

Flying feature of Maculinea teleius
Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)



ゴマシジミは種々の花で吸蜜していたが、ここでの食草であるナガボノシロワレモコウの花で吸蜜する個体も多く認められた。ちなみに関東近辺の食草である通常のワレモコウは見かけなかった(分布はしているみたいだが)。

これだけ拡大しても伸びているストローが見え難いのは、ゴマのストローは細いのかな?
「開けゴマ!」と叫んでみたが、残念ながら蝶には通じなかった。

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ナガボノシロワレモコウで吸蜜するゴマシジミ Maculinea teleius

A butterfly of Maculinea teleius feeding at the flower head
Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)



注意して探すと、交尾個体も数組発見できた。
この交尾個体はうまい具合にナガボノシロワレモコウに載っているので、少しひいた写真と空バックの写真の両方を撮影してみた。

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交尾するゴマシジミ Maculinea teleius

Mating feature of a pair of Maculinea teleius
Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)


d0090322_205945100.jpg
交尾するゴマシジミ Maculinea teleius

Mating feature of a pair of Maculinea teleius
Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)



食草のナガボノシロワレモコウの穂に産卵行動を示すゴマシジミを見た。
ナガボノシロワレモコウはまだ蕾の状態のものも多く認めたが、蝶は蕾でもお構いなしに産卵をしていた。産卵時間は思いのほか短いので、撮影には苦慮した。

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産卵するゴマシジミ Maculinea teleius

Egg laying of Maculinea teleius
Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)


ゴマシジミの時期としてはまだ早いにも関わらず、このお花畑では沢山の個体数が観察できた。もっとゆっくりと観察したいのは山々であるが、カバイロシジミの撮影のために大間に向かうことにした。




§カバイロシジミ§

尻屋でのゴマシジミの撮影の後に、下北半島の大間町、とくに津軽海峡側(西側)の海岸線で本州のカバイロシジミを調べてみることにした。竜飛のカバイロシジミは有名であるが、下北半島にも局所的に見ることが出来るみたいだ。尻屋崎から大間町までもかなりの距離があるが、その途中の海岸線はとても美しい。写真は海岸に面した漁村の風景であるが、こんなに海の近くに家を建てて、海が荒れたときに怖くないのだろうか?

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海岸の家

A house by the coast
Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100
(2007-August-12, Ooma-cho, Aomori)



日曜日であったが、海岸のあちらこちらで昆布や天草?を干す風景が認められた。
車を止め、許可を得て、天草干しの様子を撮影させていただいた。

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天草干し

Drying procedure of a kind of seaweed
Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100
(2007-August-12, Ooma-cho, Aomori)



愛読しているブログの「青森のチョウたち」に、ゼフが多い海岸線の低いカシワの林が時々登場し、その様子がとても面白いと思っていたが、下北半島の突端の大間崎を過ぎて、津軽海峡に面した海岸では同じような低いカシワ林を斜面で見ることができた(規模が津軽とは違うかもしれないが)。

ゼフの時期にもう一度訪れてみたい場所である。

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海岸のカシワ林

Oak woods by the coast clif
Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100
(2007-August-12, Ooma-cho, Aomori)



大間崎を過ぎて、適当な場所で海岸を散歩して、カバイロシジミの食草であるヒロハクサフジを探してみた。するとそれほど苦労することもなく、海岸や海岸に近い荒地で食草の群落を見つけることができた。食草群落を頼りにしばらく散歩していくと、食草の上をチラチラと飛ぶルリシジミくらいの大きさの青いシジミチョウを見つけた。

目的のカバイロシジミだ!
あまり新鮮な個体ではなさそうだったが、横位置および縦位置広角で撮影した。

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カバイロシジミ Glaucopsyche lycormas

A butterfly, Glaucopsyche lycormas, feeding at the flower
Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100
(2007-August-12, Ooma-cho, Aomori)


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カバイロシジミ Glaucopsyche lycormas

A butterfly feeding at the flower
Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100
(2007-August-12, Ooma-cho, Aomori)



さらに、ヒロハクサフジの群落を探して歩くと、海岸の所々でこの愛らしいシジミチョウを見つけることができた。大部分は少し古い個体であったが、1頭だけ新鮮なカバイロシジミを見つけた。しかし、もたもたとしているうち風に乗って飛び去ってしまった。
---------ウーム、とても残念だ。

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カバイロシジミ Glaucopsyche lycormas

A butterfly, Glaucopsyche lycormas, feeding at the flower
Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
(2007-August-12, Ooma-cho, Aomori)



その後、別な個体が飛来し、ヒロハクサフジの花で吸蜜するカバイロシジミのアップの写真を何とかものにできた。

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カバイロシジミ Glaucopsyche lycormas

A butterfly, Glaucopsyche lycormas, feeding at the flower
Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
(2007-August-12, Ooma-cho, Aomori)


もう少しカバイロシジミの撮影を続けたかったが、帰路は八戸まで150km以上の距離がある。そこで、午後1時をまわった時点で撮影を断念し戻ることにした。




§エピローグ§

以前、家内と一緒に太宰治の足跡を辿って、出身地の金木町や太宰の乳母のいた小泊町などを訪ねたことがある。その時、同時に竜飛岬や下北半島なども車でまわった。
-------もう20年以上も前のことだが、今でも竜飛や下北の風景が懐かしく思い出される。

今回、下北を訪れてみて、かなり以前と違って見えた点も多かった。しかし、それにしても自然の豊かさは素晴らしく、目的とした蝶たちを撮影できたのは幸運というだけでなく、まだ豊かな自然が保全されていたためだろうと思う。

いつまでもこの豊かな自然がのこり、蝶たちが乱れ飛ぶことを祈っている。




by tyu-rinkazan | 2007-08-14 21:02 | ▣カバイロシジミ | Comments(30)

20070812 下北半島の蝶1 (青森県)

立秋も過ぎて、暦の上では秋になってしまった。
ムシ屋の虫林にとっての秋の訪れは、ツクツクホーシの鳴き声だ。この声を聞くと夏もそろそろ終わりかなと思う。今年もすでにこのセミの鳴き声が聞こえた。

ところで、松尾芭蕉の「閑さや岩にしみいるセミの声」という句に出てくるセミの種類が何かで、歌人の斉藤茂吉と国文学者の小宮豊隆が論争したことがある。茂吉はアブラゼミ、小宮はニイニイゼミを主張した。実際に芭蕉がこの地を訪れた7月13日に現地に聴きに行ったところニイニイゼミだけが鳴いていたことから、芭蕉の句のセミはニイニイゼミに落ち着いたということだ。言われてみれば、ニイニイゼミの声は確かに岩にしみやすい。

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義理の父が亡くなってから、すでに6年になる。父は昔かたぎで、とても頑固な人だったが、若い頃は意外に情熱家だったらしい。僕はそんな父をとても好きだった。今年のお盆は、義理の父の七回忌にあたり、家族全員で家内の実家がある青森県八戸市に法事のために行くことにした。

八戸は海辺の町である。この町に降り立つとどこからともなく潮の香が漂ってくる。今は山に囲まれた甲府市に住んでいるが、もともと僕は海辺の町で育った。----------この潮の香が妙に懐かしく感じる。

丘の上まで散歩して見渡すと、緑が豊富で広く平坦な土地であることが一目でわかる。
遠く望むのは階上の山であろうか?
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。。八戸市郊外の景色

。。。Landscape of the suburb of Hachinohe-shi
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Hachinohe-shi, Aomori)

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義父の法事も無事に終わり、1日だけ(強引に)フリーになった。しかし、夕方の5時には戻る約束なので、津軽半島は諦め、下北半島を目指すことにした。下北半島だと突端の尻屋岬まで134kmの距離だ。

朝薄暗いうちに出発し、原発で有名な六ヶ所村を抜け、むつ市を過ぎ、東通村に出たあたりで、良さそうな河川林があった。明け方の空気はさすがに少しひんやりと感じる。車を停車して回りを見回すと、朝日を受けた川の水にモヤが立ち昇り、なかなか良い雰囲気だ。川の流れは非常に緩やかで、まるで英国のチョークストリームのようだ。
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。。靄の立ち昇る沼

。。。The fog appearing on the pond surface
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Higashidouri-mura-shi, Aomori)


§ミドリシジミ§

ハンノキが多い小道を歩いていくと、下草にミドリシジミを見つけた。これは幸先よいとさらに奥に進むと、そこで信じられない光景に出くわした。それは、背の低い木に絡みついたヤブガラシの葉に、ミドリシジミが多数群れていたのだ。大まかに見たところでも40-50頭は下らないだろう。

こんな光景は見たことがない。下北の素晴らしい自然に今さらながら驚くほかは無かった。

写真はその一部であるが、この視野だけでも10頭ほどのミドリシジミを数えることができる。どうしてここだけにこんなに沢山のミドリシジミが集まっているのだろうか?
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。。群集するミドリシジミ Neozephyrus japonicus

。。。The fog appearing on the pond surface
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)


ミドリシジミたちは朝日を浴びて、翅を開く姿も多く認められた。
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。。群集するミドリシジミ Neozephyrus japonicus

。。。Many butterflies gathering on the small tree.
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)


今までもミドリシジミの写真は撮影していたが、綺麗な♂の開翅は満足いくものがなかった。さすがに発生末期であるというものの、ゆっくりとオスの開翅を撮影でいたのは嬉しい。
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。。開翅するミドリシジミ♂ Neozephyrus japonicus

。。。A male of Neozephyrus japonicus resting with the wings open
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)


この時期、オスよりも雌が多く、所々でその開翅も認められた。
今までミドリシジミの雌の開翅は、A型とO型は撮影していたが、AB型やB型は撮影できていなかった。開翅した♀をみると、ここでは、B型やAB型が多い。
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。。開翅するミドリシジミ♀AB型 Neozephyrus japonicus

。。。A female of Neozephyrus japonicus resting with the wings open
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)

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。。開翅するミドリシジミ♀B型 Neozephyrus japonicus

。。。A female of Neozephyrus japonicus resting with the wings open
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)

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。。開翅するミドリシジミ♀A型 Neozephyrus japonicus

。。。A female of Neozephyrus japonicus resting with the wings open
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)


ミドリシジミが群れている木の下の花で、吸蜜する個体が少ないながらも認められた。
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。。吸蜜するミドリシジミ Neozephyrus japonicus

。。。A butterfly of Neozephyrus japonicus feeding at the flowers
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)


これだけ多くいると飛翔写真も撮影できる。
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。。飛翔するミドリシジミ Neozephyrus japonicus

。。。Flying feature of a butterfly of Neozephyrus japonicus
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)

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§オオヒカゲ§

この川沿いの小道はオオヒカゲが時々飛び出した。しかし、すぐに林の中に逃げ込んでしまう。それまで、4度ほど目撃したが、いずれも撮影できなかった。
ミドリシジミの群れを撮影した後に、何気なく林の葉をみると、大きな茶色いヒカゲチョウが静止していた。間違いなくオオヒカゲだ。
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。。オオヒカゲ♀Ninguta schrenckit

。。。A female of Ninguta schrenckit resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)


このオオヒカゲは驚いたことにゆっくりと翅をひろげ始めたではないか。翅をひろげるとその大きさはアゲハチョウほどもある。本当に大きな蝶だ。
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。。オオヒカゲ♀Ninguta schrenckit

。。。A female of Ninguta schrenckit resting with the wings open
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)

オオヒカゲは初めて撮影できたのでとても嬉しい。

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§キマダラモドキ§

オオヒカゲを撮影したすぐそばで、今度はキマダラモドキが開翅していた。キマダラモドキは今まで何度か撮影したことがあるが、開翅は初めてだ。
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。。キマダラモド♀ Kirinia fentoni

。。。A female of Kirinia fentoni resting with the wings semi-open
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-12, Higashidouri-mura, Aomori)


いつまでもここで長居をするわけにはいかない。そろそろ別の場所に出発だ。

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§エピローグ§

今回は下北半島の自然の実力を思い知らされた1日であった。
とくにミドリシジミの豊富さとその群集はとても見事で、見つけたときには驚いた。

今回は2部作で行く。
by tyu-rinkazan | 2007-08-13 22:37 | ▣ミドリシジミ | Comments(18)

20070804 八ヶ岳山麓と岡谷の蝶たち (山梨県、長野県)

梅雨明けは天気が安定するのが特徴であるが、天気予報が全く当てにならない。
8月なのでとにかく「梅雨明け宣言」をしてしまったということかな?

本日は「登山道の管理日記」のたにつちさんとご一緒して、八ヶ岳周辺の蝶を見に出かけた。
途中から「撮影日記」のダンダラさんも合流し、楽しい撮影行の一日になった。

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早朝に待ち合わせて、先ず初めにクロミドリポイントを訪れた。
ポイントに到着して程なく、いつもの枝をペシペシするとクロミドリがクズの葉に降りた。
急いで駆け寄り、慎重にさがしてみると、クズの葉上に綺麗なメスが静止していた。
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。。クロミドリシジミ♀ Favonius yuasai

。。。 A female of Favonius yuasai resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Mukawa-mura, Yamanashi)


さらにムモンアカのポイントに移動し、2人で探してみると、ほどなくクルミの幼木の葉上に新鮮な個体を発見した。しかし、この個体はのんびりしているように見えたが、すぐに飛んで、少し高い場所に移動してしまった。まあ、証拠写真にはなるわいと、一応撮影してみた。
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。。ムモンアカシジミ Shirozua jonasi

。。。 A orange butterfly, Shirozua jonasi, resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Kobuchizawa-cho, Yamanashi)


その後、原村に移動し、ポンポコ山本さんに教わったカラスシジミのポイントに行くが、まだ朝も早く、さらに曇っているので、カラスの訪花は無く、木の葉上で破損した個体を一頭認めたにとどまった。

しかし、下草で極めて綺麗なスジグロチャバネセセリ♂を見つけた。
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。。スジグロチャバネセセリ♂ Thymelicus leoninus leoninus

。。。 A male of Thymelicus leoninus leoninus resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Hara-mura, Nagano)

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§ヒメヒカゲ§

まだ、時間的に余裕があるので、たにつちさんの提案で、岡谷市のヒメヒカゲを見るために移動することにした。曇っているので、少し心配したが、たにつちさんの良く知るポイントに車を止めて歩き出すとすぐに、ひらひらと飛ぶヒメヒカゲを見つけた。

ヒメヒカゲの写真を撮影しているときに、ダンダラさんから電話が入った。その後、40分ほどでダンダラさんも無事に合流した。3人でゆっくりヒメヒカゲを撮影した。
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。。ヒメヒカゲ Coenonympha oedippus ♀

。。。 A female of Coenonympha oedippus resting on the leaf
。。。. Ricoh GR-D, GW-1, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Okaya-shi, Nagano)


時期的には最盛期かそれを少し過ぎたくらいで、♂も♀も多くの個体を観察できた。
写真は♂であるが、蛇の目紋の数が雌雄で異なるのでわかり易い。
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。。ヒメヒカゲ♂ Coenonympha oedippus ♀

。。。 A male of Coenonympha oedippus resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Okaya-shi, Nagano)


メスの裏面であるが、個体間でも蛇の目紋はかなり変化が大きいようである。
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。。ヒメヒカゲ♀ Coenonympha oedippus ♀

。。。 A female of Coenonympha oedippus resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Okaya-shi, Nagano)


オスの翅表は、黒一色である。なかなか渋い美しさがあるように思えるが、いかがだろうか。
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。。開翅:ヒメヒカゲ♂ Coenonympha oedippus ♀

。。。 A male of Coenonympha oedippus resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Okaya-shi, Nagano)


メスは後ろ翅面にも紋がある。
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。。開翅:ヒメヒカゲ♀ Coenonympha oedippus ♀

。。。 A female of Coenonympha oedippus resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Okaya-shi, Nagano)

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§アカセセリ§

アカセセリは高地の草原のチョウで、その分布は関東北部、中部山岳地帯に限られる。
今年の夏にゆっくり観察したいチョウの一つであった。
ヒメヒカゲの棲むこの草原では、嬉しいことにこのアカセセリが豊富に生息しているようだ。ゆっくり歩いていくと、足元から次々に飛び立って、少し前で静止してくれた。
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。。開翅:アカセセリ♂ Hesperia florinda

。。。 A male of Hesperia florinda resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Okaya-shi, Nagano)

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。。開翅:アカセセリ♀ Hesperia florinda

。。。 A female of Hesperia florinda resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Okaya-shi, Nagano)


草原の葉の上で、交尾するペアを見つけた。もちろん初めてなので、3人でゆっくりと撮影することができた。こんな時、位置や角度によって背景に違いが出来るので面白い。
d0090322_20155142.jpg
。。交尾:アカセセリHesperia florinda

。。。 Mating a pair of Hesperia florinda
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Okaya-shi, Nagano)


交尾している個体は鈍感なので、皆さんが撮影し終わった後に、虫の目写真を撮影した。
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。。虫の目像:アカセセリHesperia florinda

。。。 Insect-eye image:Mating a pair of Hesperia florinda
。。。. Ricoh Caplio GX-8, Gyorome-8, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Okaya-shi, Nagano)

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§カラスシジミ§

カラスシジミの撮影をするために、ポンポコ山本さんにご教示いただいた原村のポイントに戻った。到着後すぐに、いくつかの個体を見受けたが、どれも古い。1頭だけ比較的新しい個体が見られた。
今までまともな写真が撮影できていなかったので嬉しい。
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。。カラスシジミFixsenia w-album fentoni

。。。 Fixsenia w-album fentoni feeding at flower
。。。. Pentax K100D, Pentax FA 10-17mm Fish-eye, ASA 200
。。。.(2007-August-04, Hara-mura, Nagano)

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。。カラスシジミFixsenia w-album fentoni

。。。 Fixsenia w-album fentoni feeding at flower
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Hara-mura, Nagano)


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午前中に立ち寄ったムモンアカのポイントの近くに、たにつちさんの知るオナガシジミのポイントやダンダラさんが以前に見つけたミドリシジミのポイントがあることがわかり。案内していただいた。

ミドリシジミのポイントに行く途中で、ミヤマカラスシジミを見つけた。
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。。ミヤマカラスシジミFixsenia mera

。。。 Fixsenia mera fentoni feeding at flower
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Hara-mura, Nagano)


ダンダラさんに教えていただいたミドリシジミのポイントは、大きなハンノキの林で、虫林の知るものよりも環境的には良好であった。案の定、夕方になると所々で、卍巴飛行が始まった。たにつちさんが低いクルミの枝の葉に♂の開翅を見つけてくれた。
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。。ミドリシジミ♂Neozephyrus japonicus

。。。 Neozephyrus japonicus resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax DFA 100mm Macro, ASA 100
。。。.(2007-August-04, Hara-mura, Nagano)

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たにつちさんやダンダラさんと小生が同時の撮影行は、昨年のシルビアシジミのとき以来かと思います。ご苦労様でした。小生としては、チョウの撮影はもとより、皆さんとゆっくりお話が出来ることが嬉しく思います。またご一緒しましょう。

なお、八ヶ岳周辺のいくつかのポイントについて、ポンポコ山本さんにお世話になりました。有難うございました。
by tyu-rinkazan | 2007-08-05 20:24 | ▣アカセセリ | Comments(22)

20070801 ムモンアカシジミ (長野県)

梅雨明けと同時に、夏休みをとって信州のムモンアカシジミに会いにいった。
今日はとても暑い-------見上げるとクヌギの木の梢の太陽がまぶしい。
d0090322_18481835.jpg
。。夏のクヌギ林

。。。 The woods of Sawtooth oak
。。。. Ricoh GR-D, ASA 100
。。。.(2007-August-02, Azumino, Nagano)

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§Resting§

朝8時に現地に到着した。
ポイントがよく分からないので、道路脇のクヌギなどを片端から叩いてみた。すると、数本並んだクヌギの木から1頭のムモンアカが飛び出した。そこで、注意深く葉の上を見て行くと他の個体も観察できた。
------ウーム、どうやら、ここがポイントらしい。

写真は低木に休むムモンアカであるが、2頭いるのがお分かりかな?
これから始まる探雌飛翔にでも備えているように、動こうとしない。
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。。葉上で休むムモンアカシジミSirozua jonasi

。。。 Two butterflies of Sirozua jonasi resting on the leaf
。。。. Ricoh GR-D, ASA 100
。。。.(2007-August-02, Azumino, Nagano)


同様に葉上で休む新鮮なムモンアカであるが、何ともいえない色だ。
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。。葉上で休むムモンアカシジミSirozua jonasi

。。。 A butterfly of Sirozua jonasi resting on the leaf
。。。.Pentax K10D, Pentax DFA 100mm MACRO, ASA 100
。。。.(2007-August-02, Azumino, Nagano)


木漏れ日がスポットライトのように、葉上で休むムモンアカを照らし出した。
逆光で翅の輪郭が強調されて、とても綺麗だ。
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。。木漏れ日が当たるムモンアカシジミSirozua jonasi

。。。 A butterfly of Sirozua jonasi resting on the leaf
。。。.Pentax K10D, Pentax DFA 100mm MACRO, ASA 100
。。。.(2007-August-02, Azumino, Nagano)


100mmマクロレンズで拡大してみた。
頭部、翅、尾状突起などにフォーカスがくるように、注意深く体を移動させながら撮影した。

ムモンアカの裏面には面白い模様があるが、地方的な変異などは無い。
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。。拡大:ムモンアカシジミSirozua jonasi

。。。 Close-up view of Sirozua jonasi resting on the leaf
。。。.Pentax K10D, Pentax DFA 100mm MACRO, ASA 100
。。。.(2007-August-02, Azumino, Nagano)

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§Nuptial flight§
一旦このポイントを離れ、他の場所をチャックして、ムモンアカの探雌飛行と交尾を見るために、12時近くに再びこのポイントに戻った。

以前は、本種の活動時間は夕方がメインであるとされてきた。
しかし、ある本では、♂の探雌飛翔時間は12時30分から14時30分で、開始時間はほぼ一定で、気温や照度にあまり影響されないとの記述がある。

ポイントに戻って見上げていると、12時30分を過ぎたときに、数匹のムモンアカが飛び出した。
そして、午後1時を過ぎた頃には多くの個体が素晴らしい速度で飛翔し始めた。
今までのんびりと葉上で休んでいたレイジーなムモンアカとは、別人、否、別蝶のようだ。
乱舞は20分程度で終了した。

この写真には3頭のムモンアカが写っているが、わかるかな?
d0090322_18494630.jpg
。。婚姻飛行するムモンアカシジミSirozua jonasi

。。。Flying feature of Sirozua jonasi
。。。.Pentax K10D, Pentax DFA 100mm MACRO, ASA 100
。。。.(2007-August-02, Azumino, Nagano)


スピードが素晴らしく速いために、この飛翔を撮影するのは、ほとんど不可能に思えた。
d0090322_185018.jpg
。。飛翔するムモンアカシジミSirozua jonasi

。。。Flying feature of Sirozua jonasi
。。。.Pentax K10D, Sigma 15mm, Fish-eye, ASA 400
。。。.(2007-August-02, Azumino, Nagano)

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§Feeding or egg laying?§

1頭のムモンアカがクヌギの樹幹に静止した。慌てて近寄って観察したのだが、どうも産卵しているようではなさそうだ。すると、ムモンアカはおもむろにオオムラサキなどが樹液を吸っている場所に向かって歩き出したではないか。
d0090322_18491933.jpg
。。。。。。。。。。クヌギの樹幹のムモンアカシジミSirozua jonasi

。。。。。。。。。。。 Sirozua jonasi resting on the trunk of the tree
。。。。。。。。。。。.Pentax K10D, Pentax DFA 100mm MACRO, ASA 100
。。。。。。。。。。。.(2007-August-02, Azumino, Nagano)


オオムラサキたちのいる樹液の傍まで近寄ったムモンアカはストローを伸ばしていた。
ムモンアカが樹幹に来た目的は、1)産卵、2)たまたま、3)樹液を吸う、という3つが考えられるが、どれも確定できるまでに至らなかったが、面白い行動だと思われる。
d0090322_18493429.jpg
。。。。。。。。。。。。クヌギの樹幹のムモンアカシジミSirozua jonasi

。。。。。。。。。。。。。 Sirozua jonasi resting on the trunk of the tree
。。。。。。。。。。。。。.Pentax K10D, Pentax DFA 100mm MACRO, ASA 100
。。。。。。。。。。。。。.(2007-August-02, Azumino, Nagano)

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§Mating§

激しい飛翔の後は、水を打ったように静かになった。
そこで、ゆっくりとクズの葉やクヌギの葉を見ていくと、案の定、交尾しているペアを見つけることができた。ちなみに、ムモンアカの雌は何回も交尾するということだ。
d0090322_18501327.jpg
。。交尾するムモンアカシジミSirozua jonasi

。。。Mating of a pair of Sirozua jonasi
。。。.Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-02, Azumino, Nagano)


中には枝を揺らしたら、下まで降りてきたものも認められた。
d0090322_18502635.jpg
。。交尾するムモンアカシジミSirozua jonasi

。。。Mating of a pair of Sirozua jonasi
。。。.Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-02, Azumino, Nagano)

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§Insect-eye image§

さらにgyoromeによる拡大も撮影してみた。以前、ウラナミアカシジミの頭部にオレンジのベレー帽を見つけたが、よく見ると、帽子といえるほどではないが、ムモンアカの頭もオレンジになっている。

d0090322_18505115.jpg
。。虫の目像:ムモンアカシジミSirozua jonasi

。。。Insect-eye image of Sirozua jonasi
。。。.Ricoh GX-8, Gyorome, ASA 200
。。。.(2007-August-02, Azumino, Nagano)

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§Epilogue§

ムモンアカは美しい蝶である。
属名に故白水博士の名前がついている点も良い。
しかし、この蝶の分布は著しく局所的で、その数も多くない。

今回のポイントでは、かなりの数のムモンアカが観察でき、また飛翔行動、交尾などの生態も写真に収めることができた。情報を頂いた■氏に心より感謝する次第である。
なお、本日記のムモンアカの撮影場所に関する問い合わせにはお答えできません。
by tyu-rinkazan | 2007-08-04 18:55 | ▣ムモンアカシジミ | Comments(15)

20070801 朝飯前のクロミドリシジミ開翅 (山梨県)

8月1日、関東・甲信で、梅雨がやっと明けた。気象庁が記録をとり始めた昭和25年以来で、4番目の遅い記録だそうだ。何をもって梅雨明けとするのか、よく分からないが、とにかく明けたらしい。でも、台風5号が、九州および中国地方に上陸し猛威をふるった。

梅雨が明けたとたんに、周囲の顰蹙をかいながらも、虫林は木、金と夏休みをとった。
せっかく夏休みをとったのに、金曜日(本日)は朝から雨が降っている。
仕方が無いので、早朝に撮影した数日前の朝飯前写真をアップする。
d0090322_9493970.jpg
。。夏の象徴:ヒマワリ(向日葵)

。。。 The symbol of summer: Sunflower
。。。. Ricoh GR-D, ASA 100
。。。.(2007-July-31, Sutama, Yamanashi)

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前回のブログで、「朝飯前のクロミドリ散歩」をすると書いた。そこで、数日前のウィークデーの早朝(朝飯前)に、クロミドリの撮影にいった。目標は開翅写真を撮影する事だ。

訪れたポイントは、林の前が開けており、クロミドリが飛び出したときに草の上に静止する可能性が高い。案の定、3頭ほどが草地に降りたが、虫林は目に自信がなく、凝視していても見えなくなってしまう。結局のところ、静止した場所が把握できたのが、一頭だけだった。大事な1頭である。
d0090322_9503631.jpg
。。。。。。。。。。クロミドリシジミ Favonius yuasai

。。。。。。。。。。。 A butterfly, Favonius yuasai, resting on the leaf
。。。。。。。。。。。. Ricoh GR-D, GW-1, ASA 100
。。。。。。。。。。。.(2007-July-31, Sutama, Yamanashi)

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いつもは撮影が終われば移動するか帰宅したが、本日はなんといっても、開翅が目的なので、静止したクロミドリに日が当たるまで待ってみることにした。
雲がやや多いので、日が当たるかどうかも、少し不安だったけどね--------。

でも、待つこと1時間(長いでしょう?)、待望の朝日が葉の上のクロミドリにも当たり始めた。クズの葉の上の細かい水滴に朝日が当たりキラキラと輝いている。
d0090322_9505142.jpg
。。翅を閉じたクロミドリシジミ Favonius yuasaiに日が当たる

。。。 A butterfly, Favonius yuasai, getting the sum, with the wings closed
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-July-31, Sutama, Yamanashi)


すると、クロミドリはおもむろに翅をもじもじして、少しずつ翅を開き始めた。
少し開いたところで、一気に念を入れる。「開けーゴマ」じゃなかった「開けークロミ!」。

以下は開くまでの連続写真である。
d0090322_951432.jpg
。。翅を少し開いたクロミドリシジミ Favonius yuasai

。。。 A butterfly, Favonius yuasai, resting on the leaf, with the wings semi-opened
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-July-31, Sutama, Yamanashi)

d0090322_951173.jpg
。。翅を半分開いたクロミドリシジミ Favonius yuasai

。。。 A butterfly, Favonius yuasai,getting the wings half-opened
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-July-31, Sutama, Yamanashi)

d0090322_9512865.jpg
。。翅を全開近くまで開いたクロミドリシジミ Favonius yuasai

。。。 A butterfly, Favonius yuasai, getting the wings almostly full-opened
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-July-31, Sutama, Yamanashi)


全開したクロミドリシジミ♀は、さすがに翅表に細かい傷が目立ち、尾状突起も少しだけ破損しているようだ。来年はもっと早い時期に撮影してみよう。
d0090322_951404.jpg
。。翅を全開したクロミドリシジミ Favonius yuasai

。。。 Favonius yuasai getting the wings full-opened
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-July-31, Sutama, Yamanashi)

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日が昇った後に観察すると、ここの草地では背景に甲斐駒などの南アルプスが入る。本日は、雲に隠れてアルプスの1部しか見えないが、いつか南アルプスの山々を背景にしたクロミドリシジミの開翅写真を撮影してみたいもので。
d0090322_9515363.jpg
。。広角:クロミドリシジミ Favonius yuasai

。。。Wide-angle view of Favonius yuasai with the wings full-opened
。。。. Pentax K100D, Sigam 15mm Fisheye, ASA 200
。。。.(2007-July-31, Sutama, Yamanashi)


さらにGR-Dでも撮影してみた。背景の処理には、コンデジは難しいところがある。
d0090322_952666.jpg
。。。。。。。。。。広角:クロミドリシジミ Favonius yuasai

。。。。。。。。。。。Wide-angle view of Favonius yuasai
。。。。。。。。。。。. GR-D, GW-1, ASA100
。。。。。。。。。。。.(2007-July-31, Sutama, Yamanashi)

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虫林は今まで、クロミドリは稀なチョウで、撮影するのはかなり困難なものだと思っていた。しかし、真面目に探してみると個体数は少なくはないようだ。ただ、発生木の前に開けた草地があるような場所(撮影に適した場所)は多くない。

クロミドリのオスは6月下旬から7月上旬のチョウである。しかしメスは8月のかなり遅くまで残っていると思われる。でも、さすがにそろそろ終わりかな。

今年は、6月から7月まで、山口、岩手、内モンゴルと週末の遠征が続いたので、その間、クロミドリシジミの観察は出来なかった。来年は是非とも早い時期からクロミドリを観察してみたい。
by tyu-rinkazan | 2007-08-03 09:59 | ▣クロミドリシジミ | Comments(14)