NATURE DIARY

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<   2007年 10月 ( 7 )   > この月の画像一覧

20071028 晩秋の蝶たち(山梨県)

台風20号の影響で、昨日は終日の雨。
フィールドに出る気もせず、家内の買い物のお供で、子犬のようについて回った。
たまには、こんな休日も良いものだ。

今朝は一転して台風一過の快晴だ!
南アルプスや富士山、八ケ岳がくっきりとみえる。
甲府は本当に山に囲まれた町であることが実感できるね。
d0090322_21151863.jpg
。。富士山

。。。Mt. Fuji
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-28, Kofu-shi, Yamanashi)

さて、どこに散歩に行こうかな?
八ヶ岳のフジコブヤハズカミキリへの挑戦もいいなあ-----と思ったが、外に出て八ヶ岳をみると中腹まで白くなっている。これでは厳しいか。

そこで、県南(南部町)へ秋の蝶の撮影に行くことにした。

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話は変わるが、最近、ノートパソコンを変えた。以前に使っていたものが、液晶が不調になったからである。ついでに、画像整理ソフトとして、「Photo Manager」、編集ソフトとして「Digital Darkroom」というソフトを購入した。

以前は、撮影した画像の選別、整理には「フォトのつばさ」というオンラインで購入するソフトを使い、編集にはPhotoshopを用いていた。

結論からいうと、新しいソフトは慣れるまで非常に使いにくい。
とくに選別、整理ソフトはストレスがたまるので、「フォトのつばさ」に戻ろうかと思っている。

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§ツマグロキチョウ§

昨年見つけたツマグロキチョウのポイントにまたやってきた。
ここは河原のそばの草地で、食草が多いわけでもないが、ツマグロキチョウが集まっている。
不思議だ。

枯れ草に静止したツマグロキチョウが、朝の柔らかな光で秋色に染まっていた。
キチョウの仲間は逆光で撮影したほうが色が良く出るようだ。
d0090322_2116698.jpg
。。。。。。。。。。秋色蝶:ツマグロキチョウ

。。。。。。。。。。。The Angulated Grass Yellow with autumn color
。。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。。。。。。。。。(2007-October-28, Nanbu-cho, Yamanashi)


順光で撮影したものでは、斜めに走る黒褐色の線がツマグロであることを物語っている。
d0090322_2116437.jpg
。。ツマグロキチョウ

。。。 The Angulated Grass Yellow resting on the leaf
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-28, Nanbu-cho, Yamanashi)


ススキに静止したツマグロキチョウを、わざと日光を画面の中に入れ、アンダーの露出補正の状態で、フラッシュをたいて撮影してみた。

ご覧のように不思議な雰囲気の写真になった。
今まで何度かトライした画像だが、ゴーストに邪魔されてしまった。今回は何とか見ることができる写真になったので嬉しい。
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。。ススキとツマグロキチョウ

。。。 The Angulated Grass Yellow resting on the Japanese pampas grass
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 100, Flash (+)
。。。(2007-October-28, Nanbu-cho, Yamanashi)


ツマグロキチョウは飛翔がゆっくりしているので、どちらかというと撮影しやすい蝶である。
ただ黄色の蝶は露出が難しい。
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。。飛翔:ツマグロキチョウ

。。。 Flying feature of the Angulated Grass Yellow
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 800, Trimming
。。。(2007-October-28, Nanbu-cho, Yamanashi)

d0090322_21172280.jpg
。。飛翔:ツマグロキチョウ

。。。 Flying feature of the Angulated Grass Yellow
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 800, Trimming
。。。(2007-October-28, Nanbu-cho, Yamanashi)

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§ウラギンシジミ§

この時期、県南部ではウラギンシジミがとても多い。
9時少し前にツマグロキチョウのポイントに到着したところ、まだ日が当たらない場所では昨日の雨で濡れていた。ふと見ると、目の前にまだ水滴を付けたウラギンシジミが静止していた。
雨の日にはこんなに水滴を付けて葉に止まっているのだろうか。
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。。。。。。。。。。水滴が付着したウラギンシジミ

。。。。。。。。。。。 The Angled Sunbeam with many water droplets
。。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。。。。。。。。。(2007-October-28, Nanbu-cho, Yamanashi)


ウラギンシジミは橙色の翅表のオスが多い。
白紋のメスは見ることが少ないので、慎重に撮影した。
d0090322_21174989.jpg
。。。。。。。。。。ウラギンシジミ♀

。。。。。。。。。。。 A female of the Angled Sunbeam
。。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。。。。。。。。。(2007-October-28, Nanbu-cho, Yamanashi)

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§クロツバメシジミ§

ツマグロキチョウのポイントを離れて、身延のクロツを見に行った。
ここは古い石積みの土手に、クロツの食草のツメレンゲが群生している。時期的には終盤であるが、まだかなりの個体を見ることができた。
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。。クロツバメシジミ

。。。 The black cupid resting on the feeding plant
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-28, Minobu-cho, Yamanashi)


本日の目的はクロツの飛翔写真である。
クロツの飛翔写真は、過去に何度か挑戦しているが、ろくな写真が撮影できない。
というのも、クロツは小さく、飛翔は速く、翅表全体が黒いからだろう。また、生息する場所が石積みの斜面であるので、背景の処理も難しい。
d0090322_2118145.jpg
。。飛翔:クロツバメシジミ

。。。 Flying feature of the black cupid
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 800, Trimming
。。。(2007-October-28, Minobu-cho, Yamanashi)

d0090322_21182858.jpg
。。飛翔:クロツバメシジミ

。。。 Flying feature of the black cupid
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 800, Trimming
。。。(2007-October-28, Minobu-cho, Yamanashi)

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本日は非常に良い天気で、気持ちの良い散歩になった。

ツマグロキチョウはこの時期ではすでに散ってしまったかもしれないと少し心配したが、まだ4-5頭を見ることができてホッとした。
クロツは時期的に終盤で、少し古い個体が多く、あと2週間ぐらいが限度かな。本日は確認しなかったが、甲府市周辺のポイントではそろそろ終了だろう。

このくらいの散歩ではいったいどのくらいのカロリーを消費するのかを見るために万歩計を下げてみた。すると本日の歩数は7990歩であった。ウーム、10000歩いっていないのだ。
次回はもう少し歩き回ってみよう。
by tyu-rinkazan | 2007-10-28 21:30 | ▣ツマグロキチョウ | Comments(35)

20071020 青い♀を探せ!;ミヤマシジミ(山梨県)

この時期、僕は「渡り鳥」ならぬ「渡り虫林」になってしまった。

先週は、所用で水曜日に東京、木曜日午後から札幌へと渡り歩き、土曜日の夜遅くに帰宅した。さらに、また明日から東京に出かけなくてはならない。

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<札幌にて>
札幌の街はしっとりと雨に濡れていた。夜は外に出ると、さすがに空気がヒンヤリするが、そのヒンヤリさがほてった体にはむしろ気持ちよいのだ。
虫林は北国体質なのかもしれない。

札幌の繁華街は相変わらずの賑わいで、交差点で立ち止まるとすぐに呼び込みの若者が寄ってくる。ふとみると、道端で「ジャガポックル」というお菓子を売っていた。同行したK君によれば、このお菓子は北海道土産として今大変な人気で、入荷してもすぐに売切れてしまうらしい。

K君が「これいくら?」と聞くと、売り子の若者は「1500円です」といかにもすまなそうにやや小声で答えた。
どうも怪しいぞ------・
よくよく聞いてみると、このお菓子の定価は800円なので、どうやらほぼ倍のプレミアをつけて売っているのだ。

恐妻家のN君は奥さんに頼まれたということで、そのプレミアつきのジャガポックルを数個買おうとしたが、横にいたK君に止められて、結局2個だけ買ったみたいだ。
売れたときに見せた売り子の若者の嬉しそうな表情が印象的だった。

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。。。。。。。。。。。。。。。幻の「ジャガポックル」

。。。。。。。。。。。。。。。。Jagapockle
。。。。。。。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。。。。。。。。。。。。。。(2007-October-18, Sapporo-shi, Hokkaido)

それにしても、この時期の北海道は、何を食べても旨い。
会場となったホテル「ロイトン札幌」のパーティでは、セーブしながら食べたつもりだが、やはり食べ過ぎてしまった。


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自宅に戻って朝(昼近く)起きると、素晴らしい天気だ。
こんな日曜日は嬉しいものだ。

朝昼兼用の食事を食べ、家内がビデオにとってくれたNHKの連ドラ「チリトテチン」を観た。
さて、今日もメタボの解消のためにはフィール散歩に出よう。
しかし、出張続きで少し疲れているので、無理をせずに家から車で10分ほどのミヤマシジミポイントに行くことにする。

目的は「青鱗の発達したミヤマシジミの♀」だ!

ミヤマシジミのポイントのある河原に到着して、後ろを振り返ると、富士山が青空をバックにくっきりと聳え立っていた。このところ富士山の姿をまともに見ていなかったので、とても嬉しい。
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。。富士山

。。。Mt.Fuji
。。。 Ricoh GR-D, ASA 100
。。。 (2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

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ポイントに到着すると、いつものように数頭のミヤマシジミが飛び出した。
ミヤマシジミのポイントは、以前はこの河原の中に点在して見られたが、今年の春の河川敷整備のために、生息地がかなり狭くなってしまったようである。つまり、現在は数十メートル四方の中でしか、この可憐なブルーを見ることができなくなってしまった。

驚いたことに、秋も深いのに新鮮なオスが飛んでいた。
そっと近づいて、GR-Dで撮影した。
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。。。。。。。。。。ミヤマシジミ♂

。。。。。。。。。。。A male of the argyrognomon blue resting on the dryed leaf
。。。。。。。。。。。Ricoh GR-D, ASA 100
。。。。。。。。。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

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。。ミヤマシジミ♂

。。。The argyrognomon blue resting on the dryed leaf
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

d0090322_222715.jpg
。。ミヤマシジミ♂

。。。The argyrognomon blue resting on the dryed leaf
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

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本日は気温もそこそこ上り、ミヤマシジミたちはとても活発で敏感だった。
歩いていると足元から、茶色いメスも飛び出してきた。

前述したように、本日の目的は青鱗の発達したミヤマシジミの♀なので、現れた♀(7-8頭)を1頭、1頭注意しながら撮影した。

すると、その中に何とか翅表の青鱗が発達した個体を見つけた。
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。。。。。。。。。。ミヤマシジミ♀

。。。。。。。。。。。A female of the argyrognomon blue resting on the ground
。。。。。。。。。。。Ricoh GR-D, ASA 100
。。。。。。。。。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

d0090322_225348.jpg
。。ミヤマシジミ♀

。。。A female of the argyrognomon blue resting on the ground
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

d0090322_23452.jpg
。。ミヤマシジミ♀

。。。A female of the argyrognomon blue resting on the ground
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

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<行動的雄間競争>

2頭が仲良く並んで静止しているのを見つけた。
しかし、どうも雰囲気が変だ!
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。。仲良く並んだ2頭のミヤマシジミ♂

。。。Two males of the argyrognomon blue resting on the ground
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)


すると、突然1頭がもう1頭の雄に飛びかかったように見えた。
この2頭はしばらくもつれ合いながら飛んだ後に分かれた。

このような雄同士の行動は、決して稀ではなく、本日はこの河原に滞在した1時間半の間に2回も観察した。行動自体を見ていると、一見仲良く遊んでいるようにもみえるが、これは雄間の争いなのだろう。
d0090322_233264.jpg
。。ミヤマシジミ♂が他の雄を攻撃?

。。。 One male attacks other male
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

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d0090322_23459.jpg
。。リュウノウギク

。。。Chrysanthemum makinoi
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

d0090322_235775.jpg
。。ミミガタテンナンショウの実

。。。Arisaema limbatum
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-20, Kofu-shi, Hokkaido)

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先週は何かとせわしなく、「渡り虫林」をやってしまった。まあ、それでなくとも出張の多い身であるが、やはり疲れる。週末ぐらいはゆっくりしたいものである。

今回のねらいは晩秋型のミヤマシジミの♀、すなわち、青鱗が翅表に発達した♀である。
何とか青鱗が発達した個体を撮影できたが、もっと青い個体を撮影してみたい。11月初旬までは観察できそうなのでこれからも楽しみである。

今日は少し寒そうだったので厚着をして歩いたが、案の定、すぐに汗をかいてしまった。この時期は日が差せば厚くなり、日がかげると寒くなるので、難しいものだ。

久々の快晴で、とても気持ちが良い一日でした。
このような天気をインディアンサマーというのかな。
by tyu-rinkazan | 2007-10-22 02:10 | ▣ミヤマシジミ | Comments(22)

20071014 南アルプス散歩:タニグチコブヤハズカミキリ(山梨県)

天気予報は「曇り後雨」ということだったが、朝起きると雲はあるものの日が差している。
本日は完全休養日にしようと思っていたが、これでは散歩できそうだぞ。

しかしどこに行こうか?
ふと脳裏に浮かんだのは、蝶ではなく、タニグチコブヤハズカミキリの撮影だ。というのも、本種を山梨県内の山でまだ観察していないし、♂も未撮影だ。

場所は山梨県の南アルプス前衛の山(S山)に登ることにした。
この山には夏にベニヒカゲを目的に登ったが、残念ながらNullであった。しかし、その時に稜線下の森林内で比較的大きなマルバダケブキの群落があったのを覚えている。

世の中の小事はすぐに忘れてしまう虫林であるが、このようなことは不思議なくらいに忘れないのだ。
そこに行けば、タニグチに会えるかもしれない、会えるはず、うーむ絶対会える------。
まあ、ダメもとでチャレンジしよう。

------ということで、本日もフィールドに散歩に出ることになったのである。しかし、本日は午後に町内のお祭りの後片付けがあって、午前中に帰宅しなければならない。

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§紅葉 Red leaves§

登山口に到着すると、少し霧が出ていた。しかし、下界はまあまあの天気だったので、大丈夫だろうと判断して歩き始めた。この登山口でもすでに標高1600mを越えているので、樹林帯では綺麗な紅葉を見ることが出来る。
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。。紅葉

。。。Trees aflame with red leaves.
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-14, Nirasaki-shi, Yamanashi)


紅葉というと木の葉は主だが、草の葉もはっとする美しい紅葉を示すものがあった。
d0090322_2111891.jpg
。。紅葉

。。。Red leaves.
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-14, Nirasaki-shi, Yamanashi)

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最近、全く運動していないので、体が重い。
メタボの典型例と自称する虫林には、登りは結構きつく感じるのだ。それでも、何とか1時閑弱で、マルバダケブキの群落に到着することができた。
d0090322_213297.jpg
。。マルバダケブキ(丸葉岳蕗)の群落

。。。Ligularia dentata
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-14, Nirasaki-shi, Yamanashi)


マルバダケブキは、林床のササの中に点々と立っている。その枯れたマルバダケブキまでは、ササ原を「やぶこぎ」するような感じでアプローチしなければならない。常に枯葉がついているとは限らないので、結構効率が悪いのだ。ここは、前回の場所(長野県)と異なり、まだ青い葉をつけているものが多い。。

タニグチを探し始めてから30分ほどもした時に、大きな枯葉の中に待望の甲虫が鎮座していた。何度見ても可愛いカミキリムシだ。
d0090322_2134473.jpg
。。枯葉の中にいたタニグチコブヤハズカミキリ

。。。A male of Mesechthistatus taniguchi found in the dead leaf
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm, ASA 100
。。。(2007-October-14, Nirasaki-shi, Yamanashi)


見つけた個体は、やや小ぶりで(体長1.5cm)、触角が長い。
今回目的とした♂である!
嬉しさをかみ締めながら、枯葉の上でゆっくりと観察した。

この虫は本当に、「格好悪いけど格好が良い虫」なのだ。

d0090322_2143081.jpg
。。タニグチコブヤハズカミキリ♂

。。。A male of Mesechthistatus taniguchi
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm, ASA 100
。。。(2007-October-14, Nirasaki-shi, Yamanashi)

さらに見ていくと、今度は♀を見つけた。
d0090322_2144272.jpg
。。タニグチコブヤハズカミキリ♀

。。。A female of Mesechthistatus taniguchi
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm, ASA 100、Flash +
。。。(2007-October-14, Nirasaki-shi, Yamanashi)


そこで、見つけたタニグチコブヤハズの♂と♀を同じ葉の上で撮影してみた。
メスが左で、オスが右である。

写真を見て明らかなように、オスはメスに比較して、小型で、色も灰色味が強く、触角が長い。さらによく見ると、翅表にある一対の黒紋は、メスの方がオスよりも大きいようだ。
d0090322_2145542.jpg
。。タニグチコブヤハズカミキリ♂♀

。。。A pair of Mesechthistatus taniguchi
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm, ASA 100、Flash +

。。。(2007-October-14, Nirasaki-shi, Yamanashi)

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§広角§

広角写真といっても、葉に包まれていたものを出したのであるから、あまり意味が無いかも知れない。でも、GR-Dで周囲の環境を入れて撮影したいと思ったのだ。
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。。タニグチコブヤハズカミキリ♀

。。。A female of Mesechthistatus taniguchi
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-14, Nirasaki-shi, Yamanashi)


d0090322_2152292.jpg
。。タニグチコブヤハズカミキリ♂

。。。A male of Mesechthistatus taniguchi
。。。 Ricoh GR-D, GW-1, ASA 100
。。。(2007-October-14, Nirasaki-shi, Yamanashi)

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§虫の目像§

曇っており光量が不足しているので、いつものGX-8とGyorome-8のコンビで、ブレに注意しながら虫の目写真を撮影した。
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。。虫の目像:タニグチコブヤハズカミキリ

。。。Insect-eye image of Mesechthistatus taniguchi
。。。 Ricoh Caplio GX-8, Gyorome-8, ASA 100
。。。(2007-October-14, Nirasaki-shi, Yamanashi)


拡大してみると、前胸背のコブがなかなか渋くて良い。
d0090322_2155077.jpg
。。虫の目像:タニグチコブヤハズカミキリ

。。。Insect-eye image of Mesechthistatus taniguchi
。。。 Ricoh Caplio GX-8, Gyorome-8, ASA 100
。。。(2007-October-14, Nirasaki-shi, Yamanashi)


顔をアップにすると、目にサングラスでもかけているようにみえる。
d0090322_216444.jpg
。。虫の目像:タニグチコブヤハズカミキリ

。。。Insect-eye image of Mesechthistatus taniguchi
。。。 Ricoh Caplio GX-8, Gyorome-8, ASA 100
。。。(2007-October-14, Nirasaki-shi, Yamanashi)

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§コブヤハズ類の分布図§

2004年10月号(No.404)の月刊「むし」に、高桑らによる日本のコブヤハズカミキリの座談会が掲載されていた。その中にコブヤハズ類各種の分布概念図があったので、ここにのせておこう。現在では、分布はかなり詳しいところまでわかっているらしいが(ギフチョウほどではないと思うけど)、それぞれの種の接点となる場所で、ハイブリッドが出ているらしい。

コブヤハズカミキリ分布図をみると、山梨県にはタニグチコブの他に、フジコブヤハズが産するのがわかるね。フジコブヤハズは富士山周辺の他に八ヶ岳に分布しているようだ。
d0090322_2161855.jpg
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。日本のコブヤハズカミキリ類分布概念図


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§Epilogue§

先週、Spaticaさんのお陰で、長野県N山のタニグチコブヤハズカミキリを撮影でき、また棲息する環境も知ることができた。そこで、今回は山梨県内で、同じような環境の山にチャレンジしてみた。
思惑通りにタニグチコブに出会え、撮影できたのはとてもうれしかった。
同じ様な環境はまだいろいろあると思うので、いつかまた別の場所でチャレンジしたいものである。

山梨には前述のように、フジコブヤハズも分布している。こちらは富士山周辺と八ケ岳だろう。フジコブがこれからの課題になるかな?

本日は曇り模様の天気とは裏腹に、目的の甲虫も撮影できて、とても気持ちの良い一日だった。お昼までに帰宅しなければいけないことを思い出し、飛ぶように下山した。





by tyu-rinkazan | 2007-10-14 21:13 | ■カミキリムシ | Comments(16)

20071013 晩秋の虫散歩(山梨県)

朝、窓を開けると天気は良いが少し寒い。
本日は甲斐駒で初冠雪を記録した。

土曜日の朝はいつものように、家族でNHKの連ドラ 「チリトテチン」 を見る。
今日はB子が家を出て大阪に向かう場面だった、--------泣けた。
♪あ~あ~誰にも故郷がある~、ふ~るさとがあ~る♪
ウーム、私と家内の涙もろさは、年のせいなのか?

近場(自宅から車で10分)の河原にミヤマシジミのメスを見に行ってみよう。

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§河原のミヤマシジミ§

甲府市に接した河原のミヤマシジミは、虫林はこの1箇所しか知らない。
ここは今年、河川敷整備が入ったが、ミヤマシジミは健在だった。しかし、相変わらず、発生している場所の面積は非常に狭いので注意しなければならない。

河原に到着すると、早速、メスのミヤマシジミが数箇所で飛び出した。
d0090322_22543387.jpg
。。ミヤマシジミ♀の飛翔

。。。Flying feature of a female of the Argyrognomon Blue
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 800、Trimming
。。。(2007-October-13, Kai-shi, Yamanashi)


メスは一般的に飛翔が遅く、直線的に飛ぶので、飛翔写真が撮影しやすい。
d0090322_2255720.jpg
。。ミヤマシジミ♀の飛翔

。。。Flying feature of a female of the Argyrognomon Blue
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 800、Trimming
。。。(2007-October-13, Kai-shi, Yamanashi)


ミヤマシジミのメスは、翅表に青色鱗がのることがあるが、晩秋ではその出現率が高い。
まだ時期的に少し早いのだろうか、翅表の青色鱗の発達はそれほど顕著ではないようだ。しかし、体のほうにはかなり翅表に青色鱗がのっているのがわかる。
d0090322_2255195.jpg
。。ミヤマシジミ♀:翅表にうっすらと青色鱗がのる

。。。A female of the Argyrognomon Blue with the wings opened
。。。 Pentax K10D, Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-13, Kai-shi, Yamanashi)

d0090322_2255319.jpg
。。ミヤマシジミ♀

。。。A female of the Argyrognomon Blue with the wings opened
。。。 Pentax K10D, Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-13, Kai-shi, Yamanashi)


さすがにオスのミヤマは少なくなってしまった。
でも、2頭ほど見ることができ、その内の1頭は比較的綺麗である。
d0090322_22554310.jpg
。。ミヤマシジミ♂

。。。A male of the Argyrognomon Blue with the wings opened
。。。 Pentax K10D, Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-13, Kai-shi, Yamanashi)

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§秋の森散歩§

ミヤマシジミの河原を歩いていて、あまり天気が良いので、山側の方にも行ってみることにした。林道に到着すると、少し標高が高いせいだろうか、秋が濃い。

五木ひろしの「ふるさと」を口ずさみながら、歩いていくと、綺麗な赤い実を見つけた。
どうやらヒョウタンボクのようだが、自信はない。
d0090322_22555511.jpg
。。ヒョウタンボク?の実

。。。A female of the Argyrognomon Blue with the wings opened
。。。 Pentax K10D, Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-13, Kofu-shi, Yamanashi)

d0090322_2256761.jpg
。。ヒョウタンボク?の実

。。。A female of the Argyrognomon Blue with the wings opened
。。。 Ricoh GR-D, WT-1, ASA 100
。。。(2007-October-13, Kofu-shi, Yamanashi)


林の下草で、ツチハンミョウの仲間を見つけた。
時々見かけるヒメツチハンミョウとは異なり、首(前胸部)が太く、全体の雰囲気も違う。
メノコツチハンミョウらしい。

ツチハンミョウは体液にカンタリジンという毒物をもっている。ちなみにカンタリジンは致死量30mgの毒物(蛋白脱リン酸化酵素阻害剤)で、以前は薬物として用いられたらしい。ツチハンミョウは手で触れたときに、分泌液が皮膚につくと、水疱性皮膚炎を起こし、水ぶくれになるので要注意。

ハナバチ類の巣に寄生して育つ。
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。。メノコツチハンミョウ

。。。A male of Meloe menoko
。。。 Pentax K10D, Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-13, Kofu-shi, Yamanashi)

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。。メノコツチハンミョウ

。。。A male of Meloe menoko
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-13, Kofu-shi, Yamanashi)


虫の目像も撮影してみた。暗くて少し手振れしているので、いつもなら没だが、格好が面白いので掲載する。触角の途中が膨らんでいるので、この虫は♂である。


ASA感度を上げて撮影したいところだが、GX-8に限らずコンデジは、ASA感度を上げると画質が荒れてしまうので、上げることが出来ない。
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。。。。。。。。。メノコツチハンミョウ

。。。。。。。。。。A male of Meloe menoko
。。。。。。。。。。 Ricoh Caplio GX-8, Gyorome-8, ASA 100
。。。。。。。。。。(2007-October-13, Kofu-shi, Yamanashi)


枯葉で、コブヤハズカミキリ類を探していたら、ジュウジナガカメムシの集団を見つけた。
そろそろ集まって越冬準備しているのだろう。
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。。ジュウジナガカメムシ

。。。Lygaeus cruciger
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 100
。。。(2007-October-13, Kofu-shi, Yamanashi)

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フィールドは秋もかなり深まり、少し寒さも増して、寂しい季節になってきた。でも、そんな季節だからこそ、ゆっくりと周りを見回しながら歩くことができるのだろう。。
by tyu-rinkazan | 2007-10-13 23:06 | ▣ミヤマシジミ | Comments(16)

20071007 暖帯林散歩:ツマグロキチョウ、クロコノマ(山梨県)

本棚の奥に、以前に購入したままでまだ開いてない本があった。買ったものの、多分、何かの事情で失念してしまったのだろう。その本は、「山梨自然の極」というタイトルのガイドブック(樋口富士雄編著)で、平成18年3月現在の山梨県指定自然環境保全地区など69箇所を紹介している。

この本は山梨日日新聞社の編集で、いわゆるご当地本といえるものだ。一応、県指定環境保全地区とやらにどの場所が入るのかを知る目的には良さそうな本である。しかし、内容面からすると、動植物に関する記載が簡単すぎるのが残念だ。

本を手に取って、パラパラとめくってみると、その中に「佐野の暖帯林」という記事があった。記事によれば、そこは高温多湿で、暖かい地方に産する樹木がまとまって生えているらしい。ほほ~、いつか山梨でキリシマミドリを撮影してみたいと思っている虫林は、その記事を読んで唾を飲み込んだ。

朝起きて、ゆっくりとコーヒーを飲みながら、地図で場所を確認してみると、昨年、ツマグロキチョウを見つけた河原と近いみたいだ。まあ、チョウの少ないこの時期だから、ツマグロキチョウの調査も兼ねて出かけてみることにしよう。

--------ということで、本日は県南の南部町までドライブすることにした。

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§佐野の暖帯林Warm temperate forest in Sano§

南部町までは、車で2時間ほどの距離である。山梨県最南の町で、一年中温暖な気候のためにfloraeも甲府市周辺とは異なり、暖地性の植物が多い。特記すべきは、江戸時代に現在の岩手県、青森県の一部を統治した南部藩のルーツがこの南部町であることだ。

写真は南部町の山間の立派な農家を撮影したものだ。このあたりの家ではお茶の栽培がとても盛んで、家屋裏の斜面を利用してお茶畑にしていること多い。
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。。茶畑を持つ典型的な南部町の農家

。。。Typical farmer’s house with tea field in Nanbu-cho
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


この辺りを訪れるといつも気になる看板がある。それは、「蝮(マムシ)養殖場」と書かれた看板だ。決してマムシが好きなわけではないが(むしろヘビはダメ)、ただ怖いものみたさとマムシ養殖場がどのようなものかという好奇心だけで、是非ともいつか見てみたいと思う。

ちなみに虫林は、これだけフィールドに出ていても、マムシは過去2度ほどしか出会ったことがないのだ(東京の高尾山と山梨の本栖高原)。
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。。マムシ養殖場の看板

。。。Nameboard of pit viper breeding farm
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


車ですれ違うのが困難な細い山道を少しひやひやしながら抜け、やっと着いた佐野の部落には案内板など全く無い。あれれ、どうしようかと思案していると、ちょうど現地の人がふらっと現れた。地獄に仏とばかりに、佐野の暖帯林のことを訪ねると、後ろの斜面の上にある林を指差し「多分、八幡神社の森だ!」という。なるほど、その暖帯林とは、どうやらこのあたりの鎮守の森のことなのだ。納得、納得

早速、行ってみると、たしかに暖帯林の林の前に神社を示唆する赤い鳥居があった。鳥居をくぐり、急な階段を登ると、ひどいクモの巣だ(あまりヒトが来ないところらしい)。一番奥には、少し崩れかけたような舞台があるだけで、ほかに何も無かった。

確かに暖地性の常緑広葉樹の巨木があったが、その林の規模は非常に小さい。正直なところ少しガッカリしてしまった。はるばる2時間もかけて来たのに------。

これはハズレだ!

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。。佐野の暖帯林

。。。Warm-temperate forest in Sano
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


しかし、よくみるとそこにはタブの巨木が1本あった。タブの木は海岸性の樹木のはずだ。そのタブがなぜこんな内陸にあるのだろうか?---------驚きだ。
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。。タブノキの葉

。。。Machilis thunbergii”
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)

カシなどは、佐野の部落の周りにかなりある。むしろこちらの方が面白そうだ。
また、春にはこの辺りにギフチョウも発生するが、採集禁止の看板がところどころに出ていた。

いつかゆっくりと昆虫相を調査してみたいと思う。

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§クロコノマチョウ The dark evening brown§

早々に、暗くて蚊が多い「佐野の暖帯林」を離れて、ツマグロキチョウのポイントに向かうことにした。途中で、眼下に良さそうな河原があり、もしかしてハンミョウでもいないかと思い寄り道してみることにした。河原までは林の中の斜面をしばらく降りなくてはならない。ゆっくりと注意深く斜面を降り、下の林に着いたときに、大きな黒いチョウが足元から飛び出した。

クロコノマチョウに違いない!

静止した場所を一瞥して、カメラの準備をした。しかし、それがまずかった。クロコノマは地面で静止していると、忍者のように全く気配を消してしまう。

よーし、勝負じゃ! 絶対に見つけてやる!
-----と心に誓い、じっくりとチョウが静止したあたりを凝視した。

視力の良くない虫林であるが、虫を見つける目(虫眼力)は多少は持っているはずなのだ。
しかし、どうしたことだろう見つからない。

そんなはずは無いとさらにゆっくりと見てみると、やっと枯葉の上で“枯葉化けの術”を使って息を殺しているクロコノマを発見することができた。
僕の勝ちだ! (勝手に勝負して、勝手に喜んでいる)

写真はGR-Dで撮影したものだが、クロコノマがどこにいるのか簡単にわかるかな?
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。。。。。。。。。。地面で静止するクロコノマチョウ

。。。。。。。。。。。The dark evening brown resting on the ground
。。。。。。。。。。。 Ricoh GR-D, GW-1, ASA 100
。。。。。。。。。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


クロコノマは山梨県では南部町で棲息が確認されているが、他所では遇産的に見られる程度だ。多分、他所で発生した固体は、簡単には冬を越せないのだろう。まあ、暖冬とはいえ、あまり北上して欲しくないものだ。

とにかく、南部町でもそれほど個体数は多くないので、見つけると嬉しい。
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。。地面で静止するクロコノマチョウ

。。。The dark evening brown resting on the ground
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 500
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)

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§ツマグロキチョウ The angulated grass yellow§

昨年見つけたツマグロキチョウの棲息する河川敷に到着して、探し始めるとすぐに葉の上に静止する秋型の個体を発見することができた。
今年もどうやら健在みたいだ。

本種の夏型は発生地からあまり離れることが無いみたいだが、秋型は結構分散してしまうみたいだ。しかし、この時期ではまだ分散前のようで、比較的まとまってみることができた。ツマグロキチョウは秋になると「旅人」に変身する。

食草のカワラケツメイの分布状態を調査してみたが、どういうわけかカワラケツメイが見当たらないのだ。昨年は所々で見た記憶があるのだが--------。おかしいな?
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。。葉の上に静止するツマグロキチョウ:広角

。。。Wide angle view of the angulated grass yellow on the leaf
。。。 Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)

GR-Dで近接撮影した。葉上に静止しているツマグロキチョウをみると、秋型の特徴である翅先のトンガリがめだち、後翅裏面に横縞がある。

この蝶は昔は秋になると家の庭にも良くやってきた。しかし、よく言われることであるが、最近はその数が減少してしまったということだ。「増えるチョウ」と「減るチョウ」の要因はなかなか難しいよね。
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。。。。。。。。。。葉の上に静止するツマグロキチョウ

。。。。。。。。。。。: Wide angle view of the angulated grass yellow on the leaf
。。。。。。。。。。。 Ricoh GR-D, ASA100
。。。。。。。。。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


写真は100mmマクロでの写真である。
虫林は100mmマクロレンズで撮影した写真の独特の雰囲気がとても好きである。バックのボケもやわらかで良い。ペンタのデジタル対応の100mmマクロは非常に小さくて、使い易いですぞ!
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。。。。。。。。。。葉の上に静止するツマグロキチョウ

。。。。。。。。。。。: The angulated grass yellow resting on the leaf
。。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 200
。。。。。。。。。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


ツマグロキチョウは、ナミキチョウと混生していることが多い。
ツマグロは飛んでいるときにキチョウとの区別が難しい(無理かも?)。印象としては、キチョウよりも少し小型で、飛翔も本種の方が少し弱々しい。
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。。飛翔するツマグロキチョウ

。。。Flying :the angulated grass yellow
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 800
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


キチョウの仲間の飛翔はそれほど速くないので、飛翔写真が撮影し易いチョウといえる。今回は、横位置とともに初めから縦位置でも撮影してみた。写真は少しトリミングしているが、初めから縦位置でねらってもそれほど難しくはない。
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。。。。。。。。。。飛翔するツマグロキチョウ

。。。。。。。。。。。 Flying :the angulated grass yellow
。。。。。。。。。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 800, trimming(+)
。。。。。。。。。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


飛翔するツマグロキチョウを追跡していると、くもの巣に引っかかってしまった。
クモが素早く寄ってきたが、間一髪で逃れることができた。クモの巣にかかった時は、どうなることかと思い、少し緊張したが、逃げることができてホッとした。
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。。クモの巣にかかったツマグロキチョウ

。。。An angulated grass yellow caugh with spider web
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 200
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


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§ウラギンシジミ§

この時期、車を運転しながら外をみると、ウラギンシジミが飛ぶのが目立つ。南部町ではとくに個体数も多いようだ。翅を開いて葉上に静止した本種が、青空をバックにしてとても綺麗だった。
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。。。。。。。。。。葉上に静止するウラギンシジミ

。。。。。。。。。。。 Curetis acuta paracuta resting on the leaf
。。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 200
。。。。。。。。。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)

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§キタテハ§

タテハチョウの仲間は季節によって「衣替え」をする。キタテハもごたぶんにもれず、ギザギザした橙色の秋服を身にまとって、すっかり秋の装いだ。

キタテハは夏服よりも秋服の方が何となく好ましい。
---と思うのは虫林だけか?
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。。。。。。。。。。吸蜜するキタテハ

。。。。。。。。。。。 Polygonia c-aureum feeding on the flower
。。。。。。。。。。。Ricoh GR-D, GW-1, ASA 100
。。。。。。。。。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)
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§Epilogue§

この時期になると、蝶の撮影も一段落といったところで、来年の撮影のための調査も兼ねて出かけることが多くなる。汗ばむほどの暑さも過ぎ、気持ちよい秋の一日をのんびりと散歩するのはとても嬉しいものだ。

今回訪れた「佐野の暖地林」は、あまりに規模が小さすぎて期待はずれであった。でも、暖地性植物はこの辺り一体に分布し、林の中にはいるとクロコノマチョウも出現して、暖地の雰囲気を満喫できた。

しかし、暖地性のチョウの調査なら、いっそのこと伊豆半島の南端周辺に行きたいものである。秋から冬にかけて、毎年そう思いながら、いざ行くとなると二の足を踏んでしまう。
by tyu-rinkazan | 2007-10-08 10:58 | ▣クロコノマチョウ | Comments(36)

20071006 南アルプス:タニグチコブヤハズカミキリ(長野県)

朝、起きて新しく始まったNHKの連ドラ「チリトテチン」を見ながら、朝食を摂っていると、家内が「今日はどちらへ?」と聞いてきた。この2週間ほど、仕事に忙殺されていたので、その言葉はとても嬉しい。それでは、お言葉に甘えて-。

-----といいながらも、外を見ると少し曇っているので、しばらくウラウラしていたが、朝10時頃になると青空も見えてきて絶好の散歩日和になったではないか。よし、出陣じゃ。

数日前、「ふしあな日記」のSpaticaさんから、稀種(タニグチコブヤハズカミキリ)の棲息地を教えていただいた。そこで、本日はタニグチコブの撮影にチャレンジすることにした。カミキリムシを目的に散歩するのは、ブログを開いてから多分これが初めてだろうと思う。でも、タニグチコブは、元カミキリ屋の心をくすぐる非常に魅力あるカミキリなのだ。

問題はカミキリ探しの実践から長いこと離れていたので、カンを取り戻すことが出来るか不安だった。なにしろ、タニグチコブは翅が癒着して飛ぶことが出来ないカミキリムシときている。

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§ツリバナ Euonymus oxyphyllus §

タニグチコブはブナ帯からトウヒ帯に棲息しているので、結構標高を稼がなくてはならない。途中、展望台からみると、八ヶ岳が一望のもとに見えた。
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。。八ヶ岳を望む

。。。Mt. Yatsugatake
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-55mm, ASA 200
。。。(2007-October-06, Nagano)


標高が1000mを越えるあたりから、紅葉がみられるようになった。とくに美しい赤い実をつけているのはツリバナだろうか?。
d0090322_2129579.jpg
。。ツリバナ

。。。Euonymus oxyphyllus
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 200, Flash (+)
。。。(2007-October-06, Nagano)

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§タニグチコブヤハズカミキリ Mesechthistatus taniguchi§

教えていただいた場所に到着すると、なるほど林床にマルバダケブキが多い。
早速、みて歩くが、すでに葉が落ちて腐っているものが多く、枯葉が非常に少ないのだ。

あれ、この時期ではもしかして遅いのかな?

さらに見つけた枯葉もすでに検索済みのようだ。
ウーム、これではタニグチを発見するのはかなり難しいだろう。結局、1時間ほども行ったり来たりしてタニグチコブを探したが見つけることが出来ず、場所を移動することにした。

花の時期だと、マルバダケブキを探すことは極めて簡単だろう。というのも、この花は背が高く、遠くからでも見えるからだ。しかし、今は実になってしまっていて、注意しないと見逃してしまう。

しばらく、車で走り回って、やっと林の中に比較的大きなマルバダケブキの群落を見つけることができた。
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。。林の中のマルバダケブキ

。。。L. dentata
。。。 GR-D, GW-1, ASA100
。。。(2007-October-06, Nagano)


しかし、探せども探せどもタニグチコブが見つからない。ほとんどのマルバダケブキの葉は腐ってしまって、枯葉が残っていないのだ。しょうがないので、イタドリの枯葉など範囲を広げてみて歩いた。
でもいない------.

1時間以上探索しただろうか。
こりゃ~、今日はnot my day かな?

---------と諦めかけたとき、落ちて黒色になったマルバダケブキの葉をめくってみると、待望のタニグチコブ様(もう様になってしまった)が鎮座していたのだ。
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。。タニグチコブヤハズカミキリ Mesechthistatus taniguchi

。。。A female of M. Taniguchi resting on the dropped leaf
。。。 Pentax D10, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 200
。。。(2007-October-06, Nagano)


カミキリムシの中には鞘翅が癒着し、飛べない仲間がいる。それが、コブヤハズカミキリ、セダカコブヤハズカミキリの仲間なのだ。この虫は、茶色で不恰好なカミキリムシであるが、カミキリ屋の目には、とても格好良くうつるのだ。

つまり、コブヤハズカミキリの仲間は不格好で格好良い虫なのだ

コブヤハズカミキリ属は、日本特産属で、4種(コブヤハズ、マヤサンコブヤハズ、タニグチコブヤハズ、フジコブヤハズ)に分かれる。タニグチコブヤハズは南アルプスを中心とした中部山岳地帯だけに分布する。
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。。タニグチコブヤハズカミキリ Mesechthistatus taniguchi

。。。A female of M. Taniguchi resting on the dropped leaf
。。。 Pentax D10, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 200
。。。(2007-October-06, Nagano)


マルバダケブキの他にも、イタドリやシシウドなどの枯葉もめくってみたりしたが、発見する事ができなかった。マルバダケブキはどこでもあるような植物ではなく、林の中の微妙に日の当たる少しじめじめした場所に群生している。

虫林の見つけた場所は、Spaticaさんのポイントとは離れているので、かなり広く分布しているのだろう。両方のポイントとも、マルバダケブキを指標にしたので、カラマツ林の中の林床である。
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。。。。。。。。。。タニグチコブヤハズカミキリ Mesechthistatus taniguchi

。。。。。。。。。。。A female of M. Taniguchi resting on the dropped leaf
。。。。。。。。。。。 Ricoh GR-D, GW-1, ASA100
。。。。。。。。。。。(2007-October-06, Nagano)


一頭を見つけたことで、元気になり、さらに探索を続けてみると、もう一頭が、やや乾いた枯葉の中にもぐりこんでいるのを見つけた。
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。。タニグチコブヤハズカミキリ Mesechthistatus taniguchi

。。。A female of M. Taniguchi resting on the dropped leaf
。。。 Pentax D10, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 200
。。。(2007-October-06, Nagano)

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§虫の目像 Insect-eye image§

gyromeで近接撮影をしてみた。拡大してみると、体の表面がデコボコしているのがわかる。
目が少し怖いね。
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。。虫の目像:タニグチコブヤハズカミキリ Mesechthistatus taniguchi

。。。A female of M. Taniguchi resting on the dropped leaf
。。。 Ricoh Caplio GX-8, gyorome-8, ASA100
。。。(2007-October-06, Nagano)


タニグチコブの特徴は、鞘羽表面にある1対の黒い紋である。この紋こそ、タニグチの証なのだ。
さらに、よく見て欲しい。
これだけ拡大すると、鞘翅の左右が完全に癒着しているのがわかる。
これでは飛ぶ事ができないよね。
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。。虫の目像:黒い紋と癒着した鞘翅

。。。A pair of black dots and fused wings
。。。 Ricoh Caplio GX-8, gyorome-8, ASA100
。。。(2007-October-06, Nagano)

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§ヒサゴゴミムシダマシ Misolampidus rugipennis§

マルバダケブキの枯葉の中で、ヒサゴゴミムシダマシを見つけた。なかなか立派な甲虫で、図鑑で調べてみると、本州(中部山岳)と九州に分布し、個体数は少ないそうである。
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。。ヒサゴゴミムシダマシ Misolampidus rugipennis

。。。M. rugipennis resting on the dropped leaf
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA200
。。。(2007-October-06, Nagano)

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。。ヒサゴゴミムシダマシ Misolampidus rugipennis

。。。M. rugipennis resting on the dropped leaf
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA200
。。。(2007-October-06, Nagano)

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§Epilogue§

タニグチコブヤハズカミキリは、南アルプスを中心に分布するので、是非とも撮影したいと思ってきた。このカミキリは、虫林がカミキリムシの収集を行っていた頃(昔)には、極めて稀な種として知られ、垂涎の的になっていたからだ。

コブヤハズの生態が解明され、秋に成虫が出現し、枯れ葉に集まることがわかってからは、憧れのタニグチも観察が可能になったのは嬉しい事である。

とわいえ、本日はなかなかタニグチコブを見つけることができず、最後にやっと2頭発見するにとどまった。でも0と1との違いは限りなく大きいのだ。また、苦労して発見した時は本当に嬉しいものだね。

最後にSpaticaさん、情報を有難うございました。
by tyu-rinkazan | 2007-10-06 21:58 | ■カミキリムシ | Comments(28)

20070930 虫好き遺伝子仮説 Mushizuki gene hypothesis

ある学会を主催したため、木曜日から日曜日まで運営や発表などに忙殺されてしまい、当然のことながら、週末はフィールドに出ることもできなかった。

虫林としては、フィールドに出ることが出来ないと、元気がすこぶる悪くなり、血圧も下がり、呼吸も浅く、いわゆる「虫の息」状態であった。

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<虫好き遺伝子仮説>

虫の息状態になりながら、朦朧とした頭でつらつら虫好きな自分を省みるとき、あることに気が付いた。それは、虫林の体の中に、虫好き遺伝子が発現しているのではないかということを-------

虫林が小学生の頃には、「はしか」に罹ったように多くの男子生徒が昆虫採集に熱中した。しかし、それも中学生になるとかなり少なくなり、高校、大学と進むにしたがって、虫好きの人の数はめっきり減っていった。大学ではかなり稀といってよい。さらに結婚、就職のハードルを越える虫好きは筋金入りといってよい。

なぜ、彼ら(僕ら)はそこまで虫好きなのだろうか?
これは虫好きを通した人たちが、単に虫が好きという「好み」のレベルを超えて、虫がどうしても好きになるような形質(素因)を生まれながらにして持っているのではないかと思うのだ。
すなわち、その答えは、「虫好き遺伝子の発現」にあるというのが、私の持論である。

d0090322_22292153.jpg
。。FISH image of MUSHIZUKI gene (not true)

。。。FISH:Fluorescent in situ hybridization
。。。 Confocal laser scanning microscopy
。。。.(2007-September-30, Yamanashi)

多くの男子が一時期であれ虫好きになる事実は、その時期に虫好き遺伝子の発現をおこす物質が作用していることを示唆している。すなわち、その物質は小学校の男子で発現が強いのだ。それをX蛋白としよう。結局のところ、虫林は、細胞の中の「虫好き遺伝子」に変異(突然変異か再構成)でも起きており、X蛋白の存在なくしても、虫好きを維持できてしまうのだ(虫好き病)。

全く根拠のかけらも無いばかばかしい話なので、ここまで読まれた方は、他言無用で、すぐに忘れてしまいなさい。さもないと、狂人あつかいされますぞ。

(注:写真は10番染色体上のRET遺伝子の再構成をFISH法でみたもので、けっしてMUSHIZUKI遺伝子を見たものではありませんよ。材料はヒト甲状腺に発生した乳頭癌細胞で、青いのは癌細胞の核で、緑のドットはRET遺伝子、赤いドットはH4遺伝子です)。
by tyu-rinkazan | 2007-10-02 19:40 | その他・雑 | Comments(14)