NATURE DIARY

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20080628 ペナンのキシタアゲハ (マレーシア)

Nature Diary #0183
Place: Penang island, Malaysia
Date: June 28th (Saturday)
Weather:Fine and very humid


§ Diary §

週末の土曜日と日曜日のお昼まではペナンに滞在して熱帯雨林での散歩を楽しむことにした(ペナン発の飛行機は日曜の夕方)--------せっかくここまで来たのだから。
しかし、はてさて昆虫の姿を見るにはどこに行けば良いのかな?

ペナンに来る前は、準備や仕事で忙殺されていたため、ガイドブックもなく、もちろん昆虫関係の情報もない。ホテルで聞いても、バタフライファームのことしかいわない(有名らしいが、今回はパス)。結局、色々検討した結果、土曜日はペナンヒル、日曜日はナショナルパークを散歩することにした。

<ペナンヒル>
ペナンヒルは丘という名前が付いているが、標高830mのジャングル(熱帯雨林)の山で、サルなどの動物が多く、キングコブラもいるそうだ。頂上には公園があって、そこから市街を一望できる。通常はケーブルカーでいけるが、この時期(6月下旬から9月まで)は、メインテナンスのためにケーブルカーの使用は不可。そこで頂上まではジープタクシーを利用した。ここは観光地になっているので、この位不便な方が静かで良いかもしれない。

丘の上はさすがに涼しく、気持ちがよい。

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ペナンヒルから市街地を望む (2008-June-28, Penang)

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A landscape from the top of Penang Hill which is the highest summit in Penang and has the lush green tropical jungle.
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm F2.8, EX Macro


キシタアゲハ

ペナンヒルの頂上から CANOPY WALKWAY という2km弱の自然散策路があったのでそこをゆっくりと歩いて見ることにした。しばらくすると、大きなキシタアゲハがジャングルの上を素晴らしい速度で飛翔するのを見かけた。「憧れのトリバネアゲハの仲間」を自分の目で見ることができたのだ------嬉しい。

聞くところによると、東南アジアでは、キシタアゲハを見ること自体はそう難しいことではないそうだ。しかし、多くはジャングルの高所を高速で飛ぶので、これをカメラで撮影することは容易ではない。

それにしても、何とすごい蝶なのだろうか。その大きさといい、滑空するスピードといい、一般的なアゲハチョウのイメージからはかけ離れた風格があり、トリバネアゲハの仲間に属することがやっと納得できた。

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空を滑空するキシタアゲハ♂ (2008-June-28, ペナン島)

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A male of Troides aeacus flying in the sky.
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Pentax K10D, Tamron 70-300mm


CANOPY WALKWAY には、少数であるが民家も点在している。驚いたことにキシタアゲハは、ある民家の垣根で咲くオレンジ色の花(多分、ランタナの園芸品種)の周りを飛び回っていた。これならばかなり近づけるので、しばらく待ってなんとか撮影することに成功した。

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キシタアゲハ♂ (2008-June-28, ペナン島)

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A male of Troides aeacus
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Pentax K10D, Tamron 70-300mm

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キシタアゲハ♂ (2008-June-28, ペナン島)

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A male of Troides aeacus
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Pentax K10D, Tamron 70-300mm


<静止>
しばらく見ていると、ジェット機のように飛ぶキシタアゲハも時々枝先や葉上で静止することがわかった。オオムラサキのように占有行動でもしているのだろうか。時々他のチョウを追いかけている。丁度、運が良いことに目の高さの枝にキシタアゲハの♂が静止してくれたので、苦労せずに近接撮影まで成功した。

こうして真近にキシタアゲハをみると、心臓の高鳴りを抑えることはできない。心の中で Freeze!, Stay!, Do not move ! (なぜか英語---日本語は通じないかも?)と叫びながら、シャッターを押した。

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。。。。。。。。。。静止するキシタアゲハ♂ (2008-June-28, ペナン島)

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。。。。。。。。。。 A male of Troides aeacus resting on the leaf
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。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Tamron 70-300mm

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枝先で静止するキシタアゲハ♂ (2008-June-28, ペナン島)

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A male of Troides aeacus resting on the leaf
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Pentax K10D, Tamron 70-300mm



<吸蜜>
人家の近くであるが、開けた斜面が南側に広がり、ジャングルを上から見下ろすことができる場所に来た。ここの斜面と道路脇に野生のランタナの花が群生し、下からの吹き上げる上昇気流が気持ちよい。こんなヒルトップ的な場所には、様々な昆虫が集まるはずなので、しばらく待ってみることにした。

案の定、斜面のランタナの花にキシタアゲハをはじめ、アオスジアゲハ、モンキアゲハ、シロオビアゲハなどの大型チョウ類やセセリチョウ、シジミチョウ、ジャノメチョウの仲間などが何匹も飛んできてくれた。

突然、目の前の花でキシタアゲハが吸蜜しだした。吸蜜は特徴的で、足が長いのがまず目に付く。その長い足であたかもつま先立ちするようにして花に止まり吸蜜している。結構綺麗なオスだった。

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ランタナの花で吸蜜するキシタアゲハ♂ (2008-June-28, ペナン島)

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A male of Troides aeacus feeding on the flower of Lantana.
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Pentax K10D, Tamron 70-300mm

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ランタナの花で吸蜜するキシタアゲハ♂ (2008-June-28, ペナン島)

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A male of Troides aeacus feeding on the flower of Lantana.
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Pentax K10D, Tamron 70-300mm


<求愛飛翔>
背後の斜面でバサバサという音がしたので振り返ると、驚いたことにキシタのオスとメスが求愛飛翔をしているではないか。ファインダーの中で踊る2匹のキシタアゲハを見ながら、額の汗がカメラに流れ落ちるのも気にせず、久しぶりに興奮して撮影した。

これこそ「ペナンの奇跡」といっても過言でない

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求愛行動をするキシタアゲハ (2008-June-28, ペナン島)

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A pair of Troides aeacus showing “courtship flight”
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Pentax K10D, Tamron 70-300mm

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求愛するキシタアゲハ (2008-June-28, ペナン島)

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A pair of Troides aeacus showing “courtship flight”
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Pentax K10D, Tamron 70-300mm

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。。。。。。。。。。求愛するキシタアゲハ (2008-June-28, ペナン島)

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。。。。。。。。。。 Troides aeacus showing “courtship flight”
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。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Tamron 70-300mm

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。。。。。。。。。。求愛するキシタアゲハ (2008-June-28, ペナン島)

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。。。。。。。。。。 Troides aeacus showing “courtship flight”
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。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Tamron 70-300mm


海野和男氏の日記(2000年12月05日)によれば、オスはホバリングしながらメスに匂いをおくるそうだ。この匂いは後翅の内側にある毛の束から出すということだ。求愛のときに毛を出し入れするが、毛が出るのが一瞬なのでなかなか写真に写らないそうだ。

そこで、撮影した写真を見直してみると、オスの後翅の内側に白っぽい毛が写っていた。これが匂いを出す毛の束ということなのだろうか。そうだとすると面白い。

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。。。。。。。。。。後翅の内側の毛から匂いをだして求愛 (2008-June-28, ペナン島)

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。。。。。。。。。。 Troides aeacus showing “courtship flight”
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。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Tamron 70-300mm



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§Afterword§

ペナンヒルでキシタアゲハを撮影できたのはとても良かった。上にも書いたが、このチョウの迫力は、今まで経験したことの無いものだった(なんといってもトリバネチョウの仲間だからね)。こんなチョウを撮影できただけでも幸運だったといえよう。

それにしても、ペナンは湿度が高くて蒸し暑いことこの上ない。外に出るとすぐに汗が滝のように流れてしまう。したがって、夜は汗で濡れた服を自分で洗濯をしなければならない。メタボで汗をかき易い虫林にとっては、東南アジアでの熱帯雨林散歩はきついものがある。

ペナンヒルでは、キシタアゲハの他にもいくつかのチョウの撮影をした。その他のチョウについてはゆっくりと調べて、いつかこのブログでアップしたいと思う。

明日はペナン国立公園でジャングルの中を散歩する予定だ。

以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-06-30 21:07 | ● Malaysia | Comments(36)

20080627 ペナン島散歩 (マレーシア)

Nature Diary #0182
Place: Penang island, Malaysia
Date: June 27th (Friday)
Weather:Fine and humid


§ Diary §

<6月26日>
ペナン島(マレーシア)での国際学会のシンポジウムに参加。

水曜日(25日)は甲府駅午後2時過ぎの特急「かいじ」で成田空港に向かった。成田空港到着後、午後7時発の飛行機で深夜1時過ぎにシンガポール空港に到着(約6時間のフライト)。ペナン行きの飛行機は朝8時発なので、空港内で7時間待ち(長すぎる)、ペナン島の国際空港には朝10時に到着した。

結局、甲府駅を発ってからペナン島のホテル(Park Royal Hotel)に到着するまでに何と20時間以上を要したことになる------ペナン島は遠かった。

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Park Royal Hotel (2008-June-26, ペナン島)

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International conference held in Park Royal Hotel.
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Ricoh GR-D


1日目のセッション終了後、学会主催の晩餐会がホテルの傍のシーフードレストランで行われた(写真左)。レストランのエントランスには、魚貝類の水槽が水族館のように並んでいた(写真右)ので見ると、名前とともに価格が付いている。どうやらこの水槽は全て食材のようだ。

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晩餐会の行われたシーフードレストラン (2008-June-26, ペナン島)

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Congress Banquet in seafood restaurant
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO


驚いたのは、日本では天然記念物に指定されているカブトガニの水槽もあった。こちらでは食材になっているようだ。値段は一匹20RMなので一匹が約680円。そのほか、ウツボ、巨大なシャコなどもあった。

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レストランで売られていたカブトガニ (2008-June-26, ペナン島)

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helmet crab
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO


夕方になると、ホテルの周囲の道には観光客目当ての露店が並んだ。なんとなく怪しい店が多いが、売っているものは、衣服、アクセサリー、みやげ物などで通常の観光地と同じである。とにかく、日中は蒸し暑いので、夕方から店を開くほうが効率的なのだろう。

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露店 (2008-June-26, ペナン島)

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Street shop
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO

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露店 (2008-June-26, ペナン島)

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Street shop
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO


<6月27日>
金曜日の夕方に学会終了。1人で浜辺を散歩し、海が見えるレストランで、マレーシアカレーを食べた。チキンカレーを注文したが、ココナッツが入っているようで、辛さの中にココナッツ独特の風味があった。味はそこそこといったところか。

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海辺のレストラン (2008-June-26, ペナン島)

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Restaurant by the sea
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO


ホテルの前のペナンの浜辺は、砂が白く綺麗だ。ただ、浜辺の面積(奥行き)は小さく、海の水は白くにごっていて透明度は低い。沖縄で見るような浜辺の風景とは違うようだ。

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海辺の風景 (2008-June-26, ペナン島)

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A landscape of the beech
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO

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§Afterword§

この時期のペナン島は雨季(6月後半から9月)。しかし、雨は夕方に降ることが多く、日中は晴れることが多いそうだ。ただ、とにかく蒸し暑いのだ、日中の最高気温は30度を少し越えるくらいだが、湿度が高く最低気温は25度前後もある。クーラーの効いた学会場から外に出ると、メガネがたちどころに曇ってしまう。東南アジアに来たのを実感。

明日の土曜日と日曜日の午前中は、フリーなのでフィールドに出ることができる。
ホテルの傍には、昆虫写真家の海野和男氏の日記で紹介されている有名なバタフライファームがあるが、今回は時間的に余裕が無い。それに、昆虫は自然の中でみたい。

<カメラ>
今回の旅行ではペンタックス携行した。レンズはPentax 100mm macro,  Pentax 40mm, Sigma 18-59mm, Tamron 70-300mm。いずれも使い慣れたレンズたちで信頼度の高いものだ。40mmはいわゆるパンケーキレンズで、この手のレンズでは最も薄いので重宝している。

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ペンタックス40mm (2008-June-26, ペナン島)

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International conference held in Park Royal Hotel.
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Ricoh GR-D


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-06-30 21:00 | ● Malaysia | Comments(3)

20080621 梅雨空の下のクロミドリシジミ開翅 (山梨県甲府市)

Nature Diary #0181
Place: Kofu-shi and Enzan-shi, Yamanashi Pref.
Date: June 21st (Saturday)
Weather:Mainly cloudy and sometimes rain


<ぶどう畑>
山梨県の勝沼から塩山にかけては、丘一面にぶどう畑が広がっている。まるで、フランスかイタリアの田舎のようだ。しかし、考えてみるとフランスの食料自給率は120%で、日本のそれ(40%)に比べてとても高い。日本と同じ島国のイギリスでさえも70%もあるのだから、日本人の食生活が異常なのは明白だろう。

ちなみに、我が家の食料自給は、◇鳥に食べられてしまう事が多いリンゴやユズラウメの実、◇勝手に生えてきたシソの葉、◇いつも数個しかならないモモの実、◇どこから出てくるかわからないイチゴなどで、自給率は1%に満たない。

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ぶどう畑 (2008-June-21, 塩山市)

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A landscape of hills entirely covered with the grape field is somewhat similar to those seen in France or Italy.
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Ricoh GR-D

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§ Diary §

土曜日の天気予報は雨-----梅雨だから仕方がないが、週末しかフィールドに出るチャンスの無い虫林は少しがっかりしてしまう。しかし、そんな天気予報にもかかわらず、「あやはべる」のFuruさん、「有峰棲」のSさんと一緒にクロミドリシジミの撮影に近くのクヌギ林を訪れた。

クロミドリシジミ
早朝、Sさんと待ち合わせ、クロミポイントを訪れた。先週同様にクヌギの枝を叩くとかなりの数のクロミが飛び出したが、撮影可能な位置には1頭も降りてこなかった。昨日からの雨で、気温が下がらなかったのが原因のようだ。しばらくして、Furuさんも合流できたので、虫林の知る別な場所に移動することにした。

そこでも、クヌギの枝から多くのクロミが飛び出すが、危惧したように、なかなか撮影が可能な位置まで降りてくれない。しかし、ここはクロミの棲息範囲が広いので、3人でゆっくりと注意深く見ていくと、とうとうクズの葉上に1頭のクロミが舞い降りてくれたのだ。---苦労は必ず報われる。

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クズの葉上に静止したクロミドリシジミの広角像 (2008-June-21, 甲府市)

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Wide angle view: a female of Copper Hairstreak resting on the leaf of Kudzu.
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO

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クズの葉上に静止したクロミドリシジミ (2008-June-21, 甲府市)

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A female of Copper Hairstreak, Favonius yuasai, resting on the leaf of Kudzu.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM


驚いたことに、このクズの葉上の個体の傍に、別のクロミが静止していた。その個体は翅の先が少し鋭角で、色も黒い。----どうやら、オスのようだ。こうして並んでいると、翅表を見るまでも無く、翅形と色からオスとメスが区別できるのだ。

とにかく、2匹が視野に入るように後ずさってシャッターをきったことはいうまでも無い。もう少しくっついてくれると撮影しやすいのだが、贅沢な注文か。

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クズの葉上に静止したクロミドリシジミの♂(右)と♀(左) (2008-June-21, 甲府市)

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Surprisingly, we found a pair of Copper Hairstreak simultaneously resting on the leaf of Kudzu. This was very lucky.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM


さらに驚かせてくれたのは、少し明るくなった時にオスのクロミが翅を開いてくれたのだ。弱い雨が断続的に降っている本日のような天気でも、少し明るくなればクロミは翅をひらくようだ(先週も同様の経験をした)。先ずは半開翅の状態で、横から撮影した。

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開翅したクロミドリシジミの♂ (2008-June-21, 甲府市)

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A male of Copper Hairstreak, Favonius yuasai, resting on the leaf of Kudzu with the wings semi-opened.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM


Sさんが脚立を持ってきてくれたが、一脚だと不十分に思えたので、虫林の脚立も加え、2脚の脚立に3人で交互に乗っかりながら撮影することにした。最上段に乗る際には、乗っていない人が脚立を押さえていてくれるのでとても有難かった。

クロミドリシジミという名が示すように、オスでも翅表の色は濃い褐色を帯びた黒だ。しかし、ヒカゲチョウの翅表のような色合いとは異なり、黒色調がより強く、また少し光沢を帯びて格調が高いように思える。

痩せてもゼフ、枯れてもゼフ、そして黒くてもゼフの♂なのだ。

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開翅したクロミドリシジミの♂ (2008-June-21, 甲府市)

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A male of Copper Hairstreak, Favonius yuasai, resting on the leaf of Kudzu with the wings opened.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM

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開翅したクロミドリシジミの♂ (2008-June-21, 甲府市)

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Close-up view: a male of Copper Hairstreak, Favonius yuasai, resting on the leaf of Kudzu with the wings opened.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM、トリミング


幸運はさらに続いた。
オスのクロミは突然飛びさった後、残ったメスも開翅してくたのだ。梅雨空の下で、オスとメスの開翅を同時に見ることができるなんて-------我々はとてもラッキーだった。

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開翅したクロミドリシジミの♀ (2008-June-21, 甲府市)

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A female of Copper Hairstreak, Favonius yuasai, resting on the leaf of Kudzu with the wings opened.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM

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前面からの開翅したクロミドリシジミの♀ (2008-June-21, 甲府市)

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Frontal view: a female of Copper Hairstreak, Favonius yuasai, resting on the leaf of Kudzu with the wings opened.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM、トリミング



ウラミスジシジミ(ダイセンシジミ)

少し張り出したクヌギの枝を叩いて見ると、クロミにしては小さいシジミが飛び出してクズの葉上に静止した。さてはと思いながら近寄って確認すると、案の定、ウラミスジシジミだった。

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ウラミスジシジミ (2008-June-21, 甲府市)

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Wide-angle view: an Alphabetical Hairstreak, Wagimo signata, resting on the leaf of Kudzu.
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO


ウラミスジシジミは、越冬卵は簡単に見つかるが、成虫での観察は意外に難しい蝶である。多分、樹上で多く生活するためであろう。こうして、拡大して各部を観察すると、何とも味わいのある蝶だ。このチョウの翅表には、青い大きな紋がある。しかし、この蝶は静止時に翅を開くことはないので、飛翔時に撮影することになるだろう。

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ウラミスジシジミ (2008-June-21, 甲府市)

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Close-up view: an Alphabetical Hairstreak, Wagimo signata, resting on the leaf of Kudzu.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM



ミズイロオナガシジミ

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。。。。。。。。。。ミズイロオナガシジミ (2008-June-21, 甲府市)

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。。。。。。。。。。 Antigius attilia
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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM



アサマシジミ
クロミドリの撮影後に、FuruさんとSさんに教えていただき、塩山、勝沼方面に移動することにした。そのポイントは、この時期でも アサマシジミ、ミヤマシジミ、ヒメシジミ のブルースブラザーズ を見ることができる場所らしい。

現地に到着して、道の脇の草原や畑の周りなどを探索したところ、少数だがアサマシジミを見つけることができた。そういえば、この蝶を今年見るのは初めてである。

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ヒメジオンの花で吸蜜しているアサマシジミ♂ (2008-June-21, 甲府市)

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A male of Lycaeides subsolana nactering at the flower.
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO

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ススキの上で静止するアサマシジミ♂ (2008-June-21, 甲府市)

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A male of Lycaeides subsolana resting on the leaf.
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO



ヒメシジミ
さらに、標高をあげてみると、ヒメシジミも見ることができた。
ヒメシジミの交尾写真を撮影していたら、Furuさんの姿が偶然(?)背景に写ってしまった。ちょうど良くぼけているので、そのまま掲載することにした。

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。。。。。。。。。。交尾するヒメシジミ (2008-June-21, 甲府市)

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。。。。。。。。。。A pair of Plebejus argus mating on the grass.
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.。。。。。。。。。 Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO


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§Afterword§

来週は水曜日から出張する予定で、その準備と留守中の仕事のアレンジで今はとても忙しい。

こういう忙しいときほど、週末くらいはフィールドに出たくなる。この習性は、学習によって後天的に獲得されたものでは無く、遺伝子レベルで決定されているので、仕方がないのだ。
----などといいながら、家内の苦笑を尻目にフィールド散歩を毎週続けている。

本日は朝から雨との天気予報だったので心配したが、クロミドリシジミに関しては、予想以上の成果をあげることができた。さらに、ウラミスジシジミのおまけも嬉しかった。ブルースブラザーズでは、ミヤマシジミを見ることができなかったが、このチョウの棲息範囲が狭いようなので心配だ。

久しぶりのFuruさんと初めてのSさんとご一緒し、楽しい一日を過ごすことができた。
Furuさん、Sさん、本日はご苦労様でした。

以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-06-22 10:21 | ▣クロミドリシジミ | Comments(30)

20080615 武田の杜のクロミドリシジミ散歩 (山梨県甲府市)

Nature Diary #0180
Place: Kofu, Yamanashi Pref.
Date: June 15th (Sunday)
Weather:Mainly cloudy but sometimes sunshine


<ぶどう棚と甲府市街>
山梨県は葡萄やワインが名産として知られている。甲府市の北に横たわる丘にも丁寧に作られた葡萄の棚が所々で見られる。そんな丘の上から見下ろすと、緑の葉をまとったぶどう棚の下方に甲府市街が一望のもとに見渡せた。

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ぶどう棚の丘 (2008-June-15, 甲府市)

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A landscape from the hill-top covered with grape field.
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO


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§ Diary §

本日は梅雨の晴れ間という天気予報なので、撮影日記のダンダラさん、蝶と山・てくてく写日記のBanyanさんと一緒にクロミドリシジミ(以下、クロミ)の撮影に行った。

クロミの撮影は複数で行くほうが有利だ。せっかく飛び出しても、一人だと見失って悔しい思いをすることが多いからだ。今回は蝶を探すことにかけては、「鷹の目」を持つお二人が一緒なので、2 (目の数) X 3 (人数) の撮影達成可能度数(?)は、単に通常の6ではなく、9から10くらいの値になるはずだ。
-----本当かね?


クロミドリシジミ

ポイントに到着し、クヌギの枝を竿で軽く叩いて見ると数匹のクロミがすぐに飛び出してくる。やはり個体数はかなり多いようだ。しかし、昨夜は曇りのために、放射冷却が十分におこなわれず、早朝にもかかわらず気温が少し高い。そのため、飛び出したクロミはなかなか下に止まらないのだ。

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葉上に静止したクロミドリシジミ (2008-June-15, 甲府市)

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A butterfly, Favonius yuasai, resting on the leaf.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM


アップでみると、翅裏の地色は濃く、後翅端の赤い紋が大きくとても目立つ。長い尾状突起の先端の白も良いアクセントになっているようだ。なかなか洒落たデザインのゼフだね。

クロミのアップ撮影のポイントは、目と尾状突起と両方にピントを合わせることだろう。簡単なように思えるが、光量が少ない早朝では絞りを入れることができないので意外に難しいものだ。こんなとき、ASA感度を上げることのできるカメラが欲しくなる。

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。。。。。。。。。。クロミドリシジミ (2008-June-15, 甲府市)

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。。。。。。。。。。 A butterfly, Favonius yuasai, resting on the leaf.
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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM

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クロミドリシジミ (2008-June-15, 甲府市)

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A butterfly, Favonius yuasai, resting on the leaf.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM

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クロミドリシジミ (2008-June-14, 甲府市)

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A butterfly, Favonius yuasai, resting on the leaf.
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Ricoh GR-D


<開翅>
本日の目的はクロミの開翅写真を撮影することである。実は昨日の朝もここを訪れ、クロミの開翅写真は何とか撮影したが、まだ満足のいくレベルの写真は撮影できていないのだ。

開けた斜面のススキの葉に静止してくれたクロミを、刺激をせずにそっと見守ることにした。この場所は、太陽が登るといち早く日が当たるはずである------が、かれこれ2時間近くも待っただろうか、すでに太陽は山の向こうから姿を現しているはずなのに雲で覆われているために日が差さない。ウーム、我慢比べかな。でも3人でチョウの雑談しながらの待機はそれほど苦にならないものだ。

ふと気がつくと、何といつの間にかススキの葉上のクロミが開翅しているではないか。虫林の位置からだとクロミを見上げるアングルになる。こんな角度からの写真もなかなか良いかも知れないなと思い、気にせずシャッターを切った。逆光なのでかなりの露出補正をした。

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クロミドリシジミ♀の開翅(2008-June-15, 甲府市)

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A butterfly, Favonius yuasai, resting on the leaf.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM


さらに、上からのポジションに移って翅表の写真を数枚撮影した。それまで、この個体は♂に違いないと思っていたので、翅表の紋(♀のしるし)を見た時は驚いた。どうやら、クロミはすでに発生初期とはいえないようだ。

斜め横からのアングルなので、こんなときこそ、E-3のライブビュー機能を駆使してさらに上からの撮影をしようと目論んだ。しかし、150mmマクロで上からのライブビューは実際的ではなかった。もたもたしているうちにクロミは突然飛んでしまったのだ。

でも、3人とも開翅写真の撮影に成功したのでよかった。
「待てば海路の日和あり」とはこのことだ。

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クロミドリシジミ♀の開翅 (2008-June-15, 甲府市)

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A butterfly, Favonius yuasai, resting on the leaf.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM


この♂の開翅写真は、土曜日の早朝に1人でここを訪れたときのものだ。この時は、曇っていたにも関らず翅を開いてくれた。ただ少し離れた位置からだったので、トリミングしている。これは本日の撮影ではないが、参考までに掲載しておく。

オスの翅表は濃い茶色であるが、少し光沢がある。

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クロミドリシジミ♂の開翅 (2008-June-14, 甲府市)

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A butterfly, Favonius yuasai, resting on the wall with the wings opened.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM,トリミング



ウラナミアカシジミ

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ウラナミアカシジミ (2008-June-15, 甲府市)

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A butterfly, Japonica saepestriata, resting on the leaf.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM



アカシジミ

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アカシジミ (2008-June-15, 甲府市)

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A butterfly, Japonica lutea, resting on the leaf.
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM



オオミスジ

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オオミスジ (2008-June-15, 北杜市)

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Neptis alwina
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM


帰り際、民家の横でオオミスジを見つけた。ゆっくりと飛翔するが、いざ撮影しようとカメラを向けると、あざ笑うかのように不規則な動きをして虫林を困らせた。しかし、片手での縦位置で、蝶の不規則な動きを何とかしのいで撮影した。蝶が建物の影になっているが、面白い写真になった。写真はトリミングしている。

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。。。。。。。。。。オオミスジの飛翔 (2008-June-15, 甲府市)

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。。。。。。。。。。 A flying feature of butterfly, Neptis alwina
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。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EXS MACRO ,トリミング



カツオゾウムシ

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>カツオゾウムシ (2008-June-15, 甲府市)

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Lixus impreeiventris
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM



ファウストハマキチョッキリ

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ファウストハマキチョッキリ (2008-June-15, 甲府市)

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Byctiscus fausti
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 APO MACRO DG HSM,


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§Afterword§
クロミドリシジミは数が少なく、その分布も局地的なイメージが強い。しかし、調査をすればするほど民家の近くのちょっとしたクヌギ林でもその姿を見ることができる身近なチョウのようだ。

調べてみると、同じ場所でもクロミが多い木と全く姿を見ない木があることも事実である。それではどのような木がクロミの好みかというと、なかなかそれを特定するのは難しいといわざるを得ない。しかし、虫林のわずかな経験からもいえることは、一般的に言われているような老木である必要はなく、むしろ風通しの良い開けたスペースに面していることが大事な要因のようである。

クロミの撮影後、アイノミドリやメスアカミドリをもともめて、北杜市の林や甲府市北部の山にも移動したが、時期的にまだ早いためか成果はほとんどなかった。

本日ご一緒した、ダンダラさん、Banyanさんご苦労様でした。

以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-06-16 06:51 | ▣オオミスジ | Comments(28)

20080611 朝飯前のクロミドリシジミ散歩 (山梨県甲府市)

Nature Diary #0179
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Date: June 11th (Wednesday)
Weather:Cloudy


§ Diary §
早朝、仕事に出る前に、家から近い(車で10分ほど)散歩道を散策した。そこは、今年初めて見つけた場所で、丘の中腹を走る道路の両側にコナラやクヌギ、クルミなどの雑木が茂り、前回(5月31日のブログ)に訪れたときには、アカ、ウラナミアカ、ミズイロオナガなど平地性ゼフィルスを一通り見ることができた。

クロミドリシジミ
本日の天気は曇りで、早朝とはいえ歩き出すと少し蒸し暑い。

しばらくして、道路脇のクヌギの木から黒っぽいシジミチョウが飛び出し、道路を挟んで反対側斜面の梅の木に静止した。時期的に少し早過ぎるように思えたが、どうやらクロミドリシジミ(クロミ)に間違い無さそうである。クロミがいる葉は目の高さよりも少し上で蝶の姿が見難い。とりあえず、少し離れた場所から証拠写真を撮影した後に、クロミの姿がしっかり見える角度まで枝を少しずつ引っ張って撮影した。

「早起きは三文の徳」ならぬ「早起きはクロミドリシジミの徳」だった。

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ウメの葉に静止するクロミドリシジミ (2008-June-11, 甲府市)

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A male of Favonius yuasai resting on the leaf of ume apricot
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Pentax K10D, Sigma 16-50mm macro, ASA100


枝を引っ張りながらマクロ150mmで撮影したが、このレンズは図体が少し大きくて、片手で枝を持ち、片手でこのレンズを付けたカメラを構えるとかなりつらい。絞り開放(f2.8)で、チョウの体や翅全体にフォーカスをあわせるのは結構難しかった。------それにしても、尾の長いチョウだね。

翅表を見ないとクロミのオスメスの区別は難しいが、この時期(発生初期)だと多分オスだろう。クロミドリシジミの新鮮なオス(多分)の撮影は初めてなので嬉しい。

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ウメの葉に静止するクロミドリシジミ (2008-June-11, 甲府市)

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A male of Favonius yuasai resting on the leaf of ume apricot
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO, ASA 400


ウラミスジシジミ
帰り際にコナラの木を見ていくと黒っぽいシジミチョウが飛び出し、やや遠くの葉に静止した。何とウラミスジシジミのようだ。この蝶も今年の初見になる。残念ながら静止位置が遠くで証拠写真にとどまったが、次回はしっかりと撮影したいものである。

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ウラミスジシジミ (2008-June-11, 甲府市)

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A butterfly, Wagimo signatus resting on the leaf
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO, トリミング

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§Afterword§
この散歩道は家から車で10分ほどの距離にあるので、朝飯前の散歩にはとても良い。こんな近くでゼフを、それもクロミドリシジミを見ることができるとは意外であった。「灯台元暗し」とはまさしくこのことだ。

これからの朝の散歩が楽しみになってきたぞ-----なにしろ「早起きはクロミドリシジミの徳」なのだから。

以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-06-12 16:19 | ▣クロミドリシジミ | Comments(22)

20080604 第3回八ヶ岳のミヤマシロチョウの保全を考える会合

Nature Diary #0178
Hara-mura, Nagano Pref.
Date: June 4th (Wednesday)
Weather:Fine


ミヤマシロチョウは、もともと茅野市の八ヶ岳山中で発見され、命名されたチョウである。ところが、以前は本種が乱舞し、集団吸水まで観察できた八ヶ岳の生息地が、現在では危機的状況に陥っているのだ。このまま保全活動なしに放置すれば、さほど遠くない将来に本種は八ヶ岳から姿を消すことだろう。

虫林は日本チョウ類保全協会(JBCS)によるミヤマシロチョウモニタリング調査の一環として、昨年夏に八ヶ岳の山梨県側で唯一の生息地と目される場所に赴き、少数ではあるが成虫の生存を確認した。さらに、その年の冬(12月)には、JBCS事務局長の中村康弘氏、大学山岳部の学生君(2名)とともに再び現地を訪れ、積雪の中で越冬巣の調査を行った。

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山梨県側で確認できたミヤマシロチョウの成虫(左、2007年7月)と越冬巣(右、2007年12月)

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§ ミヤマシロチョウの保全を考える会合 §

先日(6月4日)に「第3回八ヶ岳のミヤマシロチョウの保全を考える会合」が長野県原村で行われた。虫林はその会合にJBCSおよび山梨県側の関係者という立場で参加することにした。すでに、会合から1週間も過ぎてしまったがここでその様子を紹介する。

この守る会の合同会合は、そもそもJBCSの中村康弘氏の呼びかけによるものだが、第3回の集会には、以前から実績のある茅野市の守る会、今年発足した原村の守る会、現在まだ調査段階の山梨県側から数名(虫林を含む)の他に、行政サイド(環境省、長野県、原村などの職員)、八ヶ岳博物館、長坂オオムラサキセンターなどからも多数の方が参加された。

現地調査
虫林は仕事の関係で、午後の会議のみの参加となった。午前中に行われた現地調査については、JBCSの事務局長:中村康弘氏から写真が送られてきたのでここに供覧する。

午前中に行われた現地調査は、実際に現地(ミヤマシロチョウの保護地区)に行き、環境視察と幼虫のモニタリング調査を行った。この調査には、行政の方たちも参加され、保全に取り組んでいる方たちと活発な意見交換が現地にて行われたようである。

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現地調査風景 Field investigation (2008-June-04, 八ヶ岳) (中村康弘氏撮影)


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。。。。。。。。。。ヒロハノヘビノボラズでの幼虫コロニー(2008-June-04, 八ヶ岳)

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。。。。。。。。。。(中村康弘氏撮影)


会議
午後2時から会合は、原村の中央公民館で開かれた。会議に先立ちJBCSの中村康弘氏が今までの広範な調査データをもとに、現在のミヤマシロチョウの状況をスライドで説明された。要約すると、ミヤマシロチョウはいくつかの特定の場所を除き、多くの発生地ではすでに姿を消しており、とくに八ヶ岳周辺は成虫の個体数、越冬巣、食樹などの調査結果から危機的状況にあると報告された。

その後、茅野市の守る会(福田勝男会長)や原村の守る会(山本勝之会長)から、それぞれ年度計画などが紹介され、さらに行政をまじえて、これからの保全対策(モニタリングや長期的な復元計画)が活発に討論された。両グループとも非常に活発な環境保全活動(下草刈り、吸蜜植物の育苗・移植、樹木の伐採・伐材)や巡視、啓蒙・教育活動(観察会など)を計画されていて驚いた。

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。。。。。。。。。。保全のための合同会議 (2008-June-04, 原村) (虫林撮影)


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。。。。。。。。中村氏によるモニタリング調査報告 (2008-June-04, 原村) (虫林撮影)



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§Afterword§
地元有志による地道な保全活動がすでにスタートしているが、行政サイドの財政面や法的措置などでの支援がまだ行われておらず、これからの保全活動の大きな課題となっているといえよう。是非とも守る会の活動に国(環境省)や県(長野県、山梨県)、市町村(原村、富士見町、北杜市)の物心とものご援助を期待したいと思う。

会が終わり、JBCSの中村康弘氏、環境省国立公園課保護係の二神紀彦氏とともに甲府駅までご一緒した。微力ではあるが、これからもミヤマシロチョウの保全活動を応援していこうと思っている。
出席された皆さん、ご苦労様でした。

以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-06-11 00:12 | ▣ミヤマシロチョウ | Comments(18)

20080607 中野の「むし」社訪問 (東京都)

Nature Diary #0177
Place: Nakano, Tokyo
Date: June 7th (Saturday)
Weather:Fine


突然、旧い虫友で、中野の「むし」社に勤めている中村裕之氏から電話をいただいた。電話の向こうから聞こえてくる懐かしい彼の声は、以前と変わらずとてもソフトで優しい。そういえば、彼がむし社に就職してから今まで一度も会っていない。----彼の声を聞くのはかれこれ20年ぶりくらいになるだろうか。

ちなみに電話の用件は、月刊「むし」の7月号がオオムラサキ特集で、その表紙用写真の依頼についてだった。もちろん彼からの依頼であれば喜んでお受けしたのはいうまでも無い。さらに厚顔無恥な虫林は、本文に見開き2ページにわたる写真と短い文章の依頼も同時に請け負ってしまった。

本職の分野での依頼原稿はなかなか脱稿しない虫林も、今回のような昆虫の写真・原稿依頼は迅速に対応してしまった(次の日に脱稿)。われながら、その現金さに呆れている。


§ Diary §

今週末(土日)は、東京で所用があり、フィールドを散歩することができなかった。しかし、土曜日の日中に何とか時間をつくり、JR中野駅に程近い「むし」社を訪れた。
-----朋友の中村裕之さんと久しぶりに会うためだ。

「むし」社
むし社のビルに到着し、廊下をウロウロしていると、編集部の扉が突然開き、そこから長身の男性が現れた。お互い会うのは20年ぶりのはずだがすぐにわかった。聞くと、虫林が迷っているのではないかと心配してわざわざ出てきてくれたということだった。

近くの喫茶店で、オオムラサキ特集号の表紙と本文のゲラ刷りを見せていただいた。虫林の拙い写真がさすがに美しくレイアウトされていて感心した。このゲラ刷りをみると、少し誇らしく思える反面、自分の写真のアラが所々で見えてしまうのが怖い。やはり、これからはJPEGとRAWの両方で撮影すべきだと思った。

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JR中野駅構内の「むし」社の看板 (2008-June-07, 中野)

Advertising nameboard of insect magazine company, Gekkan Mushi
Ricoh GR-D


中村さんとは昔の思い出も含めて、色々な話しをした。彼は以前と変わらぬ穏やかな口調で語り、爽やかな笑顔も当時とまったく変わっていなかった。お互いもうよい年になってしまったが、彼と話しているといつの間にか昔の自分にフラッシュバックしてしまうようだ。

思い起こせば、当時の彼は、未知の昆虫や稀な昆虫を見つける独特の感性と洞察力、知力を持っていた。例えば、彼は岩手県宮古市の山中で、ホソコバネカミキリ属(通称ネキ)の大珍品といわれていたオダイことヒゲジロホソコバネカミキリ(Necydalis odai)の多産地を見つけ、さらには本州初記録となるセダカオサムシ(Cychrus morawitzi)までも発見した。

凡庸な感性しか持ち合わせない虫林は、当時の彼をうらやましく思ったものだ。

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。。。。。。。。。。むし社のビルと中村裕之氏 (2008-June-07, 中野)

。。。。。。。。。。Mr. Nakamura and a building iincluding a company of Mushi
。。。。。。。。。。Ricoh GR-D


マルモンサビカミキリ
話は前後するが、土曜日の朝、甲府駅のホームでベンチに座って特急「かいじ」を待っていると、虫林の読んでいる週刊誌に虫が飛来した。みると、マルモンサビカミキリである。

マルモンサビカミキリは少ないものではないが、多いカミキリムシでもない。通常、広葉樹の枯れ木で見るが、こんな場所で出会うなんて不思議だ。サビカミキリはページの上にしばらく静止していたが、突然飛び立った。ちなみに、雑誌は「週間新潮」だった。----------関係ないか。

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週刊誌に飛来したマルモンサビカミキリ (2008-June-07, 甲府市)

A longihorn beetle, Pterolophia angusta, resting on the paper of weekly magazine
Ricoh GR-D


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§Afterword§
むし社が発行する雑誌の中で最も広く知られている【月刊むし】は、創刊号から愛読している唯一の昆虫雑誌だ。しかし、中村さんによれば販売数は少しずつ漸減しているという。つまり、購読者層の虫屋が高齢化してしまい、若い虫屋のサプライがないためだろうということだ。自然保護、採集禁止が叫ばれる今日では、この傾向はさらに深刻化していくかも知れない。

現在、もっとも絶滅が危惧される種は、何をかくそう我々虫屋なのである(虫林指定天然記念物)。
-----早急な保護対策が必要かも?

いつかまた上京したときには、中野のむし社を尋ねて彼に会ってみようと思う。

以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-06-08 22:43 | その他・雑 | Comments(8)

200800601 白馬散歩:オオルリシジミ (長野県白馬村)

Nature Diary #0176
Place: Hakuba-mura, Ngano Pref.
Date: June 1st (Sunday)
Weather:Fine


オオルリシジミ
午後からはオオルリシジミのポイントのある安曇野に移動した。そこは、公園の一角に食草のクララが植えられ、オオルリシジミたちはクララの群落を中心に活発に活動していた。残念ながら自然環境ではないが、彼らのDNAはnativeのものと同じはずだ。

虫林はオオルリシジミを見るのは初めてである。驚いたのはその大きさで、メスはオオゴマシジミほどもありそうだ。聞くところによると、自然状態のものよりも大型になるそうだ。

オオルリシジミを観察していると、時々ハッとする瞬間がある。それは見る角度によって、翅表の青色の輝きが増すからだ。そんなブルーが輝く角度を意識して撮影した。

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食草のクララ葉上で開翅するオオルリシジミ♀ (2008-June-01, 安曇野)

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A female of Large Shijimi Blue resting on the leaf of feeding plant, Sophora flavescens, with the wings opened. Note a shining blue of wing surface.
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)

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食草のクララ葉上で開翅するオオルリシジミ♀ (2008-June-01, 安曇野)

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A female of Large Shijimi Blue resting on the leaf of feeding plant, Sophora flavescens.
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)



クララの傍には、オオルリシジミの吸蜜のために(?)、アザミなどが植えられていたが、アザミで吸蜜する個体は意外に少なかった。しばらくアザミの花の前で待っていると、やっと一頭のオスが訪れて吸蜜を始めてくれた。オオルリシジミとアザミのコンビは良く似合っていると思う。

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。。。。。。。。。。アザミの花で吸蜜するオオルリシジミ♂ (2008-June-01, 安曇野)

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。。。。。。。。。。 A male of Large Shijimi Blue resting on the flower of thistle.
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。。。。。。。。。。 OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)


オオルリシジミのオスの個体は、かなりスレたものが多く見られたが、シロツメクサに静止したこの蝶はまだ新鮮だ。翅表のブルーは何ともいえず鮮やかで美しい。

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シロツメクサを訪れたオオルリシジミ♂ (2008-June-01, 安曇野)

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A fresh male of Large Shijimi Blue resting on the stalk of white clover, with the wings semi-opened.
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)


求愛行動や産卵行動などは所々で見られたが、意外に交尾するものは少なかった。
葉が少し邪魔しているが、何とか撮影できた。

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クララの葉上で交尾するオオルリシジミ (2008-June-01, 安曇野)

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A pair of Large Shijimi blue mating on the leaf of feeding grass, Sophora flavescens.
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)

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交尾拒否するオオルリシジミ (2008-June-01, 安曇野)

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Rejection of mating
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)


オオルリシジミの飛翔は意外に速く、飛翔経路が不規則なため、撮影は困難に見えた。しかし、求愛飛行の個体では、ゼフの卍飛翔のように、絡みながら飛ぶのでそれほど難しくはなさそうだ。

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求愛飛行するオオルリシジミ, 左♂、右♀ (2008-June-01, 安曇野)

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A pair of Large Shijimi Blue showing "Courtship flight". (Left: male, Right: female)
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Pentax K10D, Sigma 18-50mm F2.8, EX MACRO、トリミング

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求愛飛行するオオルリシジミ, 左♂、右♀ (2008-June-01, 安曇野)

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A pair of Large Shijimi Blue showing "Courtship flight". (Left: male, Right: female)
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Pentax K10D, Sigma 18-50mm F2.8, EX MACRO



モンキチョウ
なんだモンキチョウというなかれ、何しろこの写真は、E-3にSigma 150mm MacroにX1.4のテレコンを装着し、実質440mmの望遠で撮影したものだからだ。

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求愛飛翔:モンキチョウ (2008-June-01, 安曇野)

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Courtship flight of Pale Clouded Yellow
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)


スキバホウジャク
アザミの花にスキバホウジャクが訪れていた。5-6月には良く見る透明の翅をもつ蛾の1っ種だ。空中停止(ホバリング)しながら蜜を吸う格好はハチドリに似ている。このスキバホウジャクやオオスカシバなどは、羽化直後に翅の鱗粉がとれて透明になるらしい。

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スキバホウジャク (2008-June-01, 安曇野)

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Hovering:Hemaris radians
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)

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§Afterword§
本州のオオルリシジミは、多くの棲息地域で1970年代後半までに絶滅してしまった。
安曇野でも大部分の地域で本種は姿を消したが、わずかに河川の土手で生き残っていたそうだ。その個体を地元の方たちの努力で保護し、現在では少しずつその数が増えてきた。そんな、パンダ並み、いやパンダよりも貴重かもしれない本州のオオルリシジミをいつの日か撮影したいと思っていた。

本日はクモマツマキチョウだけでなく、最後に環境庁のレッドデータブックで絶滅危惧種I類である本州のオオルリシジミまで撮影できたことはとても嬉しかった。

しかし、本日もっとも幸せなことはチョウの写真という目的を共有する同行者とお会いし、歓談ができたことかもしれない。蝶の写真に対する考え方やスタイルは、それぞれ個性があって興味深いものですね。これからも、また機会がありましたら皆さんとご一緒したいものです。

以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-06-04 21:37 | ▣オオルリシジミ | Comments(19)

20080601 白馬散歩:クモマツマキチョウ (長野県白馬村)

Nature Diary #0175
Place: Hakuba-mura, Ngano Pref.
Date: June 1st (Sunday)
Weather:Fine


<クモマツマキチョウ>
クモマツキキチョウ(以下クモツキ)は、深山のガレ場に咲くハタザオの仲間を食草とし、オスの翅には大きなオレンジ色の紋がめだつ。明るく開けた峪の斜面を、この小さなオレンジが高速で飛ぶ姿をみると、虫林の副腎髄質からアドレナリンが多量に分泌され、血圧上昇、動悸、息切れ、さらには眩暈まで起きてしまうのだ。そう、クモツキには「高嶺の花」ならぬ「高嶺のチョウ」という孤高的なイメージがある。


§ Diary §

日曜日は当初、富士山のヤマシャクヤクでキマル(フタスジカタビロハナカミキリ)を狙う予定にしていたが、白馬村でのクモツキ撮影のお誘いを受けたので、そちらにご一緒させてもらうことにした。白馬村は、先月のゴールデンウィーク(5月3日)の「ギフチョウのイエローバンド」の撮影以来の訪問である。

早朝、いつもお世話になっている「蝶の写真館」のダンダラさんと甲府市内で待ち合わせて、車で白馬村に向かった。今回は「安曇野の蝶と自然」のkmkurobeさんや蝶山人さんご夫妻ともまたお会いできるのが嬉しいし、また「My favorite of Butterfly of Japan」のkenkenさんと初めてご一緒できるのもとても楽しみだ。

現地に集合し、薄紫のフジ花をめでながら河原に沿った細い林道を歩き始めた。昨日までの雨が嘘のような素晴らしい快晴で、時々立ち止まって見渡すと青い空をバックに聳える北アルプスの山々と新緑が目にまぶしく写る。

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アルプスと新緑 (2008June-01, 白馬村)

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A early summer landscape of North Alps with fresh green
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Pentax K10D, Sigma 15-50m F2.8 MACRO


クモマツマキチョウ
ポイント到着後すぐに、kmkurobeさんがクモツキの雌を発見して呼んでくれた。しかしその後が続かない。河原で石に腰掛けて観察すると、川向こうの草つきで数頭がチラチラと飛んでいるようだが、なかなかこちらまで来ないのだ。向こう岸に渡りたいところだが、川は昨夜の雨のためにかなり増水しているので渡渉が不能である-------指を咥えて見ているしかないのだ。

しばらくすると、「蝶と里山の浪漫紀行」の蝶狂人さんや群馬のOさんも加わってさらに賑やかになった。探索後2時間が経過してそろそろ帰ろうかという時、待望のオレンジのクモツキが飛来してくれた。

その個体はとても新鮮で、ミヤマハタザオやヤマガラシの花でゆっくりと吸蜜してくれた。

花から花に渡り歩くクモツキを適当にシャッターをきっていたら、偶然に次の花に移る前の飛翔写真を撮影できた。飛翔中にストローをすでに出しているのがわかるね。

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。。。。。。。。。。。。クモマツマキチョウ♂ の飛翔 (2008-June-01, 白馬村)

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。。。。。。。。。。。。 A male of Orange Tip flying to the other flower
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。。。。。。。。。。。。 OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)

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。。。。。。。。。。。。クモマツマキチョウ♂ の吸蜜 (2008-June-01, 白馬村)

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。。。。。。。。。。。。A male of Orange Tip feeding on the flower.
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。。。。。。。。。。。。 OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)


通常、クモツキの♂は飛び回るばかりで、なかなか吸蜜してくれないが、この1頭のクモツキ♂はヤマガラシの黄色い花でも吸蜜してくれた。ヤマガラシの花での吸蜜シーンの撮影はこれが初めてである。本当に良いモデルだね。

彼らはここ数日間、天候不順で吸蜜することが出来ず、空腹状態だったはずである。あるいは、ここ数日間の悪天候で、吸密されなかった花には蜜がたまっていたために比較的長い時間吸蜜してくれたのだろう(kenkenさんの推察)。また、kmkurobeさんによれば、ここのクモツキ♂は比較的吸蜜してくれるらしい(地域による蝶の性格の違いか)。

開翅しながら吸密するクモツキは、とても可愛く、河原の妖精と呼んでも過言でない。

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ヤマガラシで吸蜜するクモマツマキチョウ♂ (2008-June-01, 白馬村)

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A male of Orange Tip feeding on the flower.
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)

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ヤマガラシで吸蜜するクモマツマキチョウ♂ (2008-June-01, 白馬村)

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A male of Orange Tip feeding on the flower.
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)


クモツキのメスはkmkurobeさんが初めに見つけてくれた1頭のみであった。
この個体は草の葉で静止した後にすぐに飛び立ってしまったが、一応、静止写真を撮影できた。離れて撮影したので、少しトリミングして掲載した。

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葉上で静止するクモマツマキチョウ♀ (2008-June-01, 白馬村)

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A female of Orange Tip resting on the leaf.
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)、トリミング


<クモツキの亜種>
クモツキには北アルプス亜種(Isshikii)と南アルプス・八ヶ岳亜種(Hayashii)とがある。前者は前翅表中室の黒い紋が丸く、後者では「く」の字を呈する。そこで、以前に撮影した南アルプスのクモツキ♂と比較して見た。○で囲んだ部位だが、両者の違いは明らかである。

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北アルプス亜種(左)と南アルプス亜種(右)

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Difference in morphology of black spots of the wing surface between north and south subtypes
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ギフチョウ
クモツキの棲む場所の周囲では、まだギフチョウも発生していた。
さすがにこの時期だとすれた個体が混ざるが、中にはまだ新鮮なものも見られ、タンポポやスミレ(オオバタチツボスミレ)で吸蜜していた。

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タンポポで吸蜜するギフチョウ (2008-June-01, 白馬村)

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A Luehdorfia feeding on the flower of dandelion.
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)


オオバタチツボスミレで吸蜜しているギフチョウを撮影していたら、突然に飛び立ってしまい。飛翔写真になってしまった。これはこれで嬉しい。

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ギフチョウの飛翔 (2008-June-01, 白馬村)

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Flying feture of a Luehdorfia
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OLYMPUS E-3, Sigma 150mm MACRO + X1.4 TELECON (EC14)

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§Afterword§
本日は天気も良く、多くの仲間とご一緒し、楽しく一日を過ごすことができた。同行された皆さんに感謝します。なお、当日に別な場所で撮影したオオルリシジミついては、整理後に後日掲載する予定です。

以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-06-02 23:33 | ▣クモマツマキチョウ | Comments(32)